【2024年11月】太陽光発電の売電価格の推移は?今後の予測や卒FIT後の価格も解説
太陽光発電の売電価格は、2024年度で容量1kwあたり16円/kwhとなっています。しかし、売電価格の推移は減少傾向にあり、2024年度以降はさらに安くなると予測されます。
太陽光発電を導入する以上、少しでも多くの売電収入を得られるようにしたいですよね。
この記事では、太陽光発電の売電価格が減少する理由を解説し、2024年度時点で得られる売電収入を具体的にシミュレーションします。
これから太陽光発電を導入して売電収入を得たい方や売電収入で太陽光パネルの設置費用を回収できるか気になる方は、ぜひ当記事をご参照ください。
目次
太陽光発電の売電価格の推移をグラフで解説
太陽光発電の売電価格の推移は、以下のグラフのように年々減少傾向にあります。FIT(固定価格買取)制度が本格的に開始された2012年度の売電価格と、2024年度の売電価格を比較してみると、約62%も下落しています。
しかし、売電価格の下落は必ずしも太陽光発電の経済的メリットの低下を意味するわけではありません。その理由は、主に太陽光パネルの性能向上と設置価格の低下にあります。
特に設置費用は、太陽光パネルの製造技術の進歩によって、太陽光パネル自体の価格が年々下がっています。設置工事の効率化や標準化も進んだことで、工事費用もある程度削減されています。
※画像出典:資源エネルギー庁「太陽光発電について」P-37
上図のグラフを見てみると、太陽光発電の設置費用は2012年度から2023年度まで半値近くまで下がっています。
このように、売電価格の推移は下がりつつあるものの、同時に太陽光発電の性能向上や設置費用低下の影響で、回収期間は2024年度以前と大きく変わっていません。
【2024年最新】太陽光発電の売電価格は住宅用で16円/kwh
2024年度現在、太陽光発電の売電価格は以下のとおりです。
1kWhあたりの売電価格 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
住宅用 | 事業用 | |||||
屋根設置 | 地上設置 | |||||
10kW未満 | 10kW以上 50kW未満 |
50kW以上 | 10kW以上 50kW未満 |
50kW以上 250kw未満 |
250kw以上 (入札制度適用区分※) |
|
2022年度 | 17円 | 11円 | 10円 | 11円 | 10円 | 9.63〜10円 |
2023年度 | 16円 | 10円 | 9.5円 | 10円 | 9.5円 | 8.98〜9.5円 |
2024年度 | 16円 | 12円 | 12円 | 10円 | 9.2円 | 8.98〜9.2円 |
2025年度 | 15円 | 11.5円 | 11.5円 | 10円 | 8.9円 | 入札制度により決定 |
※参考価格を掲載
住宅用(10kw未満)の売電価格は、容量1kwあたり16円/kwhとなっています。2024年度中に申請すれば、申請した年から10年間は16円/kwhで売電し続けることが可能です。
例えば、容量5kwの太陽光発電を導入して売電する場合、全国平均の年間売電収入は67,457円(※)、10年間で約68万円の売電収入が見込めます。
※出典:環境省「宅用等太陽光発電の導入ポテンシャルの再推計」年間予測発電量の全国平均から平均売電割合(69.4%)を掛けて算出
ちなみに、事業用で太陽光発電の導入を検討している場合は、容量や設置場所、用途に応じて売電価格が変動します。
2022・2023年度から何円変わった?過去からの価格推移を比較
太陽光発電の売電価格は、毎年度異なります。住宅用(10kw未満)における過去10年間の売電価格の推移をグラフにまとめてみました。上図のように、太陽光発電の売電価格の推移は減少傾向にあります。特に、2012年度の売電価格42円と比較すると、2024年時点で半分以下まで下落しています。
そのため、今後の売電価格はさらに減少すると予測されます。
売電価格の推移が減少傾向にある理由は、主に2つ考えられます。
太陽光発電の売電価格が安くなっている理由
- 導入費用が安くなっている
- 再エネ賦課金の負担が増加している
売電価格が安くなる1つ目の理由は、太陽光発電の設置に必要な費用が年々安くなっていることです。下図のように2012年と比較して半値近くまで下がっています。
出典:資源エネルギー庁「太陽光発電について」 P-37
太陽光発電の設置費用と売電収入のバランスを取るために、設置費用の下落に合わせて売電価格も下げていると考えられます。
売電価格が安くなる2つ目の理由は、再エネ賦課金の負担が増加していることです。
再エネ賦課金とは、再生可能エネルギーを普及させるための費用で、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る際に、電気の使用量に合わせて買取費用の一部を国民が負担する仕組みを指します。
再生可能エネルギーの買取費用が増加すると、その分国民の再エネ賦課金の負担額も大きくなります。国民の負担を軽減するために、売電価格を減らしているのです。
以上の理由から、今後の売電価格はより安くなると予測されます。
固定買取期間終了後の買取価格は?
太陽光発電の固定買取期間は、住宅用は10年間、事業用なら20年間となっています。固定買取期間が過ぎると、売電価格はいくらになるのでしょうか?固定買取期間後の売電価格は、売電する電力会社によって変動します。ただし、ほぼ全ての電力会社が、固定期間中の売電価格よりも安く設定しています。
固定買取期間後の買取に対応している電力会社の売電価格を調査してみると、2024年現在の相場は10円/kwhであることがわかりました。電力会社によっては、現金の代わりにポイントや商品券などを付与するプランも用意しています。
ただし、固定買取期間後も売電するには、専用の電気料金プランへの乗り換えが必要です。各プランごとに条件が異なり、よく考えないと損する場合があります。
買い取り価格が下がっても売電を続けるのか、自家消費をメインにするのかご家庭の状況に適したバランスを検討しましょう。
再生可能エネルギーを売電できる仕組み「FIT制度」とは?
ここでは、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーを売電できる仕組み「FIT制度」を解説していきます。
FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電力を一定期間同じ売電価格で、電力会社が買い取る制度です。別名、再生可能エネルギーの固定買取制度とも言います。
出典:資源エネルギー庁「再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック 2023年度版」
前章で解説したように、再生可能エネルギーの固定買取期間は、住宅用(10kw未満)が10年間、事業用(10kw以上)が20年間と定められています。
FIT制度が導入された背景には、国内エネルギー自給率の低さが挙げられます。燃料の輸入に頼らず、国民1人ひとりがエネルギーを自給できるよう2009年から始まりました。
ちなみに、2009年から2011年の間は太陽光発電のみ対象で、2012年から太陽光に加えて、風力・水力・地熱・バイオマスも対象となりました。
250kW以上の地上設置型はFIP制度を採用
2022年4月から、250kw以上の地上設置型の太陽光発電は、FIT制度ではなく「FIP制度」が採用されます。FIP制度の仕組みは、FIT制度のように売電価格を固定するのではなく、市場価格に連動して一定のプレミアム(補助額)を上乗せした価格で売電するのが特徴です。
出典:資源エネルギー庁「再エネを日本の主力エネルギーに!『FIP制度』が2022年4月スタート」
簡単に言うと、FIT制度は固定買取制度、FIP制度は変動買取制度と言えます。
資源エネルギー庁によると、FIP制度を導入した背景は投資インセンティブの確保と、市場価格を意識することで収益を拡大できることが挙げられています。(※)
※出典:資源エネルギー庁「再エネを日本の主力エネルギーに!『FIP制度』が2022年4月スタート」
ただ、太陽光発電の場合は250kw以上の地上設置型が対象なので、住宅用(10kw未満)は引き続きFIT制度が適用されます。
初期費用は10年で回収可能?今後の売電収入は減少傾向
太陽光発電を導入するには、最低でも数十万円の初期費用が必要です。太陽光発電の売電価格は年々減少しているため、売電収入で初期費用を賄えるのでしょうか?
結論、太陽光発電の初期費用は固定買取期間の10年前後で実質的に回収可能です。
具体的に、売電収入と太陽光発電の自家消費で節約できた電気代を合わせた経済的メリットを考えます。
太陽光発電の経済的メリットの計算式
売電収入 + 自家消費で節約した電気代実際の初期費用や売電収入は、太陽光の日射量や太陽光パネルの容量によって変動するので、今回は全国平均値を参考にシミュレーションをしていきます。
日射量から算出した年間の平均予測発電量は、太陽光パネルの容量1kwあたり1,215kwh(※1)なので、5kwの太陽光発電を導入すると6,075kwh(1,215kwh/kw × 5kw)となります。
※1出典:NEDO「MONSOLA-11」
発電した電気の平均売電割合は69.4%(※2)、2024年度の売電価格は1kwあたり16円/kwhなので、固定買取期間中の売電収入は以下のように計算できます。
※2出典:経済産業省「太陽光発電について」 P-41
固定買取期間中の売電収入
6,075kwh × 69.4% × 16円/kwh × 10年 ≒ 674,600円平均売電割合の69.4%を差し引いた残りの30.6%は、自家消費に相当します。1kwhあたりの平均電気料金は31円(※3)なので、固定買取期間中の自家消費で節約できる電気代は以下のように計算できます。
※3出典:全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問」
太陽光発電で節約できる年間電気代
6,075kwh × 30.6% × 31円/kwh × 10年 ≒ 576,300円したがって、5kwの太陽光発電を導入した場合、FIT制度を加味した経済的メリットは、 10年間で約125万円(674,600円 + 576,300円)となります。
一方、1kwあたりの太陽光発電の平均初期費用は28.8万円(※4)なので、容量5kwの初期費用は144万円(28.8万円/kw × 5kw)です。
※4出典:経済産業省「太陽光発電について」
したがって、固定買取期間中では「125万円 – 144万円 = -19万円」と、19万円分が賄えていません。
しかし、電力会社によっては、卒FIT後も1kwあたり相場10円/kwhで売電可能です。その分の経済的メリットを加味すると、卒FIT後の1年間で得られる経済的メリットは、以下のように計算できます。
卒FIT後の年間予想経済的メリット
予想売電収入6,075kwh × 69.4% × 10円/kwh ≒ 42,100円
予想節約電気代
6,075kwh × 30.6% × 31円/kwh ≒ 57,600円
経済的メリット
42,120円 + 57,600円 = 99,700円
卒FIT後は、毎年約10万円の経済的メリットが得られるため、固定買取期間終了後の2年間で足りなかった19万円分が賄えます。
したがって、今回のシミュレーションであれば、太陽光発電を導入して12年目で初期費用を実質的に回収可能です。
太陽光発電の初期費用を減らしたり発電量が増えたりすれば、固定買取期間内に回収できる可能性もあります。
ただ、実際に太陽光発電を導入すると、初期費用だけでなく維持費用や修理費用なども発生する可能性があることを覚えておきましょう。
自家消費のほうが経済的メリットが大きい場合がある
実を言うと、今後の太陽光発電は自家消費をメインで利用した方が、経済的メリットが大きくなる可能性があります。なぜなら、FIT制度の売電価格が減少傾向である一方、電気代は値上がり傾向にあるからです。
特に、政府が実施していた激変緩和措置が2024年5月に解除され、電気代が上がる可能性は高くなります。
例えば、売電割合と自家消費の割合を50%ずつにした場合、経済的メリットは以下のようになります。
売電割合と自家消費割合が50%ずつの経済的メリット
売電収入6,075kwh × 50% × 16円/kwh × 10年 ≒ 486,000円
節約できる電気代
6,075kwh × 50% × 31円/kwh × 10年 ≒ 941,600円
経済的メリット
486,000円 + 941,600円 = 1,427,600円
売電割合69.4%・自家消費30.6%でシミュレーションした場合の経済的メリットは約10万円だったので、自家消費の割合を大きくすれば、得られる経済的メリットも大きくなることがわかりますね。
そのため、FIT制度の仕組みを理解したうえで、ご自身の住宅事情に応じて売電収入と自家消費のバランスを検討するといいでしょう。
太陽光発電の導入方法を確認する
太陽光の売電はFIT制度の申請が必要
太陽光発電で生み出した電力を売電するには、FIT制度の申請が必要です。
ここでは、FIT制度の申請方法や申請にかかる時間を解説します。
FIT制度の売電価格は毎年度変わり、申請期限も設けられているので、太陽光発電の導入を検討している方は、事前に確認しておきましょう。
FIT制度申請は電力会社と経済産業省で手続きする
FIT制度を申請するには、以下のように2つの手続きが必要です。FIT制度申請の流れ
それぞれ、具体的な手続き方法を解説していきます。
電力会社に系統連系申請(接続契約)を出す
まずは、お住まいの地域の電力会社に系統連系申請(接続契約)を出します。太陽光発電で生み出した電力を売電するには、太陽光発電の設備と電力会社の送配電網を接続する必要があります。そのための手続きが系統連系申請です。
系統連系申請を出すには、以下の書類を用意する必要があります。
系統連系申請に必要な書類一覧
- 系統連系申請の申請書
- 建物所有者の同意書類(建物の登記事項証明書等)
- 接続の同意を証明する書類(接続契約書等)
- 太陽光発電の構造図・配線図
自分で用意するのは少し難しそうですが、申請を代行してくれる事業者に依頼することも可能です。代行してもらう場合は、事業者の委任状と印鑑登録証明書を用意しましょう。
経済産業省に事業計画認定の申請
続いて、経済産業省に事業計画認定の申請をおこないます。事業計画認定とは、簡単に言うと太陽光発電の設備を設置する許可をもらうことです。名称に「事業計画」とありますが、あくまで設備の認定をもらうための手続きとなっています。
事業計画認定の申請には、以下の書類を用意する必要があります。
事業計画認定に必要な書類
- 事業計画認定の申請書
- 建物所有者の同意書類(建物の登記事項証明書等)
- 接続の同意を証明する書類(接続契約書等)
- 太陽光発電の構造図・配線図
- 系統連系申請を証明する書類(工事費負担金通知書・太陽光契約確認書等)
系統連系申請を証明する書類は、電力会社や施工業者から取り寄せられます。
事業計画認定の申請も、代行事業者に依頼可能です。その場合は、系統連系申請と同様に事業者の委任状と印鑑登録証明書を用意しましょう。
FIT申請は最短3ヵ月で完了!期限内に余裕をもって手続きしよう
FIT制度の申請には、毎年度期限が設けられており、期限を過ぎると翌年度分の申請になってしまいます。年々、売電価格は下がってきているので、少しでも売電価格が高い年度で申請できるよう、早めに太陽光発電の導入を進めましょう。
2024年度のFIT制度の期限は、住宅用だと2025年1月7日(火)と定められています。
FIT制度の申請が完了するのは、最短で3ヵ月(※2)と言われています。そのため、遅くても2024年9月までにFIT制度の申請をおこないましょう。
※2:資源エネルギー庁「よくある質問『申請をしてから認定までの標準処理期間はどれくらいですか。』」
売電収入を得るために太陽光発電を設置する方法
太陽光発電を導入する以上、少しでも売電収入を増やしたいですよね。
ただ、実際に太陽光発電を導入する際は、売電収入を多く得ることよりも、総額費用を踏まえた費用対効果を考える方が重要です。
太陽光発電の総額費用には、導入時にかかる初期費用と維持費用が含まれます。維持費用の具体的な内訳は、以下のとおりです。
太陽光発電で発生する主な費用
- 定期メンテナンス・清掃代
- 故障時の修理代
- 保険料
- 新しい設備の購入代
- 古い設備の廃棄・撤去代
導入する設備内容にもよりますが、住宅用の太陽光発電の平均維持費は、容量1kwあたり年間3,000円(※)と想定されています。
※出典:資源エネルギー庁「太陽光発電について」 P-30
例えば、容量5kwの太陽光発電を導入すると、単純計算で年間維持費は15,000円となります。
発電量を多くするために高い設備を導入すると、その分維持費も上がる可能性があります。そのため、太陽光発電の費用対効果を上げるなら、発電量だけでなく総額費用も考慮しましょう。
信頼できる販売会社に依頼して費用対効果を最大化するのがおすすめ
太陽光発電の費用対効果を最大化するには、住宅環境に適した設備を設置しましょう。そのためにも、信頼できる販売会社に見積もりを依頼してみてください。数ある太陽光発電の販売会社があるなか、当サイトがおすすめしているのはSUNSエナジー株式会社です。
SUNSエナジー株式会社
SUNSエナジー株式会社をおすすめする理由は、以下の3つが挙げられます。
SUNSエナジーのおすすめポイント
- 埼玉県指定の販売会社に認定されており信頼度が高い
- Panasonicの指定販売店に選ばれている
- 蓄電池やエコキュートなど総合的な観点で提案をもらえる
施工や顧客対応がずさんな販売会社に依頼してしまうと、予想外のトラブルや出費が発生する可能性が高くなります。
SUNSエナジー株式会社は、埼玉県指定の販売会社に認定されています。行政から認定を受けるには、施工実績や顧客対応などの条件を満たす必要があるため、SUNSエナジー株式会社は信頼度が高い販売会社と言えるでしょう。
下記のような人は、一度SUNSエナジーで無料シミュレーションをしてみましょう。
- 太陽光発電の売電収入でどのくらいお得になるのか知りたい
- 卒FIT時に蓄電池を導入した方が良いか教えてほしい
当サイト経由で無料シミュレーション実施可能 フォームを入力して
SUNSエナジーに無料相談する
まとめ
当記事では、太陽光発電の売電価格や過去の価格推移を解説し、具体的な売電収入のシミュレーションをしました。太陽光発電で売電収入を得るには、FIT制度の申請が必要です。2024年度の売電価格は住宅用で容量1kwあたり16円/kwhですが、売電価格は年々減少傾向にあります。
そのため、太陽光発電の売電収入を増やすには、今年度中の導入がおすすめです。ただ、実際に導入する際は総額費用を踏まえた費用対効果を考える必要があります。
太陽光発電の費用対効果を最大化するには、信頼できる販売会社に依頼し、ご家庭に適した設備を提案してもらいましょう。
太陽光発電の販売会社を確認する