医療従事者が支持!70年の医療技術で誕生したメディテムマットの秘訣とは?
現代社会において、睡眠の質を高めたいと思っている人は少なくないだろう―――
睡眠の質を高める方法は、生活習慣の改善・見直しや寝具の選択など多岐にわたる。特に寝具は、質の高い睡眠を取ることにおいて重要な役割を担っている。また「*e-ヘルスネット」は、日本人の平均睡眠時間は、約7時間42分間であると発表した。この睡眠時間から人は、1日に約7時間以上を寝具の上で生活しているということになるのだ。
今回は寝具の中でもマットレスに着目し、大衛株式会社・EC事業部・小松稔氏を取材。
大衛株式会社は、医療機器・医療衛生用品の製造・販売をおこなう医療メーカーとして約70年間経営を続けている老舗の企業だ。
BtoBで事業を拡大してきた彼らがBtoC事業に進んだ背景や、課題、今後のビジョンについて取材を実施。そして大衛株式会社が手掛ける「meditem mat(以下:メディテムマット)」の魅力についてお話をお伺いしてきた。
取材を通して見えてきたことは、医療メーカーならではの品質の拘り。そしてメディテムマットのプロダクトマネージャーである小松氏が、マットレスの開発に込めた想いだった。
*厚生労働省:『e-ヘルスネット』
インタビュイー
小松 稔氏
大衛株式会社
EC事業部 責任者
目次
元広告代理店業界のプロデューサーが手掛ける、「meditem mat(メディテムマット)」
―――まず、小松様の現在のお仕事の内容や担当されている領域を教えてください。私は、大衛株式会社でEC事業部の責任者を務めています、小松です。元々は、アフィリエイターでした。医療メーカーと聞くと少しカチッとした印象を抱く方も多いと思いますが、当社のEC事業部は、比較的自由な雰囲気というか―― EC事業部ということもありIT業界のような部門なんですよね。
この部署は約3年半前に発足し、女性7人、男性3人の10人のチームです。弊社は主にお産セットを作り、産院に提供することです。加えて、コットンや手術用ガウン、赤ちゃんのお尻拭きなども生産しています。特に、手術用ガウンはオーダーメイドで、医師に合わせて手縫いで調整しています。
医療機器開発で得た知見から生まれた「meditem mat(メディテムマット)」
―――今回は、御社の体圧分散マットレスについてお伺いしたいです。マットレスの開発の背景を教えてください。従来の医療メーカーが手掛けるマットレスは、睡眠の質や快適な寝心地を追求するというものではありませんでした。医療現場で使用されるため、洗いやすさや手入れの簡単さを重視する商品がほとんどです。
マットレスの中の素材は、ウレタンなどではなくて、ヘチマのタワシのように中が部分的に空洞になっている素材を使用していました。
医療現場では、マットレスが汚れることが多いため、洗い替えが可能であることが重要だったんですよね。
このメディテムマットの原型は、私が聞いたところによると、4代目の社長の時代、約50年か40年前に一度作られたものです。このマットレスは、病院向けに特化しており、シーツが180度に開くように作られていました。ただ、このマットレスは非常に固く、睡眠の質を考慮した設計ではありませんでした。
―――ありがとうございます。約50年か40年前に一度作られていたんですね。改めて開発しようと思われた経緯を教えてください。
私はもともとWebメディア広告や寝具系のアフィリエイトをしていました。この分野は会社の収益に大きく貢献するので、マットレスの復活を考えていたんです。そこで私たちは、医療メーカーとしての経験を活かし、洗い替え可能なマットレスの開発を進めることにしたんです。
一方で世の中では、睡眠の質に対しての興味関心が高まっています。そのため、医療メーカーならではの知見を活かしつつ、睡眠の質の向上を目的としたマットレスの開発を目指しました。
―――医療分野の知識がマットレス開発にどのように影響を与えていますか?
医療メーカーという立場なので、赤ちゃんや産後のお母さんが、寝られるような寝具の開発に注力してきました。
要するに私達は、赤ちゃんがすぐに眠れるようなマットレスを目指して開発をしました。そして、産後のお母さんたちは、腰痛や睡眠障害などの悩みを抱える傾向が強いんです。そんなデリケートな状況でも快適に休めるマットレスを、私たちは目指しました。
70年以上の経験を経て、ウレタンの柔らかさと硬さのバランスを見つけ出しました。
ニュートンで測る硬さのような数字にこだわらず、実際に様々なテストを重ねて、最適なウレタンの厚みを見極めていったんです。赤ちゃんや子ども、老若男女を問わずに実際にマットレスに寝かせてテストしました。実際に寝かせてみるとすぐに寝る赤ちゃん・子どもが、多かったので、それが良いマットレスの証だと思っています。
また今の時代なら、機械を使って必要な実験を計測する方法もありますが、私たちの会社は少しアナログで、最先端の機械はありません。そのため開発チームのメンバーやチームのご家族の方に実際にマットレスを使ってもらい、その1人ひとりが快適に感じる感触を探求していきました。
特にウレタンの厚みを変えるだけで、睡眠導入までにかかる時間が短くなってきましたね。
―――なるほど…限られた予算の中で、地道に研究し、データを蓄積していったんですね…まさに皆さんの情熱が詰まったマットレスなんですね…。
ありがとうございます。苦労も多かったですが、様々な人の協力があって誕生したマットレスですね。
―――私も結構睡眠の質を大切にしようかなと思い、寝具には課金しているタイプなのですが、やはり、マットレスの厚みで睡眠の質は変わるんですか?
結論からお伝えすると睡眠の質は変わりますね。
実は、私たちはマットレスの開発に1年を費やし、かなりマニアックな研究を行いました。結果として、14センチ前後の厚さが、人々に快適さと安心感をもたらす最適な柔らかさだと判明しました。。
寝具によって睡眠の質を上げるには、身体がマットレスに包まれる感じ、寝ている時の通気性、快適さが重要なんです。
また、凹凸のデザインにもこだわりました。この凹凸のデザインには、2つの役割があります。1つは体圧を分散させるため、そして2つ目は通気性を良くさせるためですね。特に体圧の分散は、快適な睡眠に重要な要素です。なぜならマットレスは柔らかすぎると身体が沈んでしまうので、床についてしまいます。一方で薄くて硬いマットレスは、背中や腰など身体の一部に負担が集中するんです。
また凹凸デザインは、風通しを良くする効果があります。マットレスは重いため、裏にしたり、上下を逆にしたりするのが大変ですよね。そのため、長期間使うと、下側にカビが生えることがあります。凹凸デザインによって、カビの繁殖を抑制し、衛生面にも考慮しました。
またシーツにカビが生えても洗うことで、カビは除去できますが、ウレタン自体も白いとカビが繁殖した時に目立つんです。そこで、私たちは色を黒に変えることで、見た目の清潔感を保つという工夫もしています。
色の変更は小さな変更かもしれませんが、こういった地道な改善が、私たちの製品の質を高めています。
―――マットレスの凸凹が大切なのでしょうか??
マットレスの凹凸は、体圧の分散はもちろん、身体を支え沈み過ぎを防ぐことが可能です。
実は僕自身、腰痛持ちでして、その経験を生かして、腰痛に優しいマットレスを作りたいと思っていました。今メディテムマットを自分でも使っているんですが、本当に快適なんですよ。
通常のマットレスは、背中やお尻の部分に圧がかかりやすく、身体の一部に重心が偏るだけではなくて、汗をかきやすいんです。それを解消するために、凹凸のデザインを採用しました。マットレスが体にフィットし、絶妙なバランスで身体を支えます。
また適度な沈み込み具合によって、身体を包み込むので柔らかさや快適さを感じられるんですね。でも、凹凸の長さ、深さ、柔らかさ、硬さの配分のバランスが難しいんですよね…試行錯誤しながら、開発に取り組んでみました。
この凹凸デザインによって、沈み込みが適切化され、通気性も保ちつつ、体圧を均等に分散できるんです。これが、腰の負担を減らす大きなポイントですね。私たちのマットレスの特長としては、このバランスが重要だと思います。
―――そうなんですね。私も色々なマットレスを試しましたが、未だに腰痛が解消されないです…
実は、私もいろいろな商品を買っては失敗しているタイプなんです。完全に素人の立場からこの業界に入ったんですね。ですが、業界未経験者だったからこそ、既存概念に囚われずに、一般消費者の目線に立った商品開発をすることができました。
私たちのEC事業部のメンバーも、実際にこのマットレスを使っています。腰痛を持つ社員が3人ほどいるんですが、彼らも腰痛の軽減を感じているようです。そして、より快適に眠れるようになったと言っていますね。
腰が痛いと、眠りが浅くなりがちなんです…ですがこのマットレスを使ってからは、朝起きたときの痛みが減ったという声が多く届きました。痛みがあると、どうしても眠りが浅くなりますが、その点も改善されたようです。
―――なるほど…この取材の後に、自分のマットレスを買えばよかったと後悔しています(汗)。
小規模の開発予算で、最高のクオリティを目指す
―――マットレス開発における最大の挑戦は何でしたか?正直にお伝えすると新規事業部だったので、あまりマットレスの研究開発の予算がありませんでした。。特に、ウレタンの厚さとその調整には、かなり苦労しました。ウレタンは、柔らかすぎたり固すぎたりすると問題があるので、そのバランスを取るのが大変でしたね…実際、工場とのやり取りが40回以上発生して、開発までにはとても苦労しました…。
――― なるほど…中身だけではなくて、シーツの開発にも苦労したんですね。
シーツにもこだわっていて、デザインや質のバランスに課題がありました。たとえば、縦のラインが入ったシーツは、ほつれやすかったり、柔らかすぎて破れやすかったりしました。
180度に柔らかく開けられるようにしたかったのですが、柔らかい生地を使いすぎると、伸びたり破れたりするリスクがあり開発に苦労しましたね…。
またシーツは、良い生地を使用しても、洗濯するとシーツが縮むんです。縮むことで、洗濯後にマットレスとのサイズが合わなくなるんです…だから、洗濯しても縮まないようにするためにはどうするか…それを解決するのにも時間がかかりました。
最終的には、少し大きめの仕立てにして、洗濯後の縮み具合も考慮したサイズにしました。私たちの会社には、世界初の洗濯機があるので、その洗濯機で何度も洗濯しても縮まないかテストを繰り返しました。
――― なるほど…お話を聞いていると開発の苦労が想像できますね…。
そうですね、特にスポンジの厚さの調整や、シーツの開発は大きな課題でした。とにかく工場とのやり取りが多くて大変でしたね。作りたいマットレスは最初から決まっていたのですが、そのクオリティを上げるまでの作業が非常に大変だったんです。
医療メーカーだから大切にした、衛生面の重要性
―――御社は元々医療メーカーですが、医療分野で培った経験が製品の品質にどのように寄与していますか?当社が30年、40年前に開発したマットレスは衛生面が大きなテーマでした。当時は、洗い替え可能なマットレスが主流だったんです。その点に着目して、私たちはスポンジの素材選びにも注力しました。ただ、どんなに衛生的なマットレスでも、日々使うものだからこそ、雑菌の繁殖は避けられないんですよね。
特に医療現場では、衛生面が非常に重要です。聞くところによると、医療従事者は3日に1回マットレスを洗うそうです。そこで、私たちは3日ごとに洗いやすいマットレスの開発に取り組むことにしました。
先程もお伝えしましたが、洗いやすさを重視するために、180度開閉式のシーツも開発しました。これによって、ユーザーが簡単にシーツを取り替えられるようになります。マットレスのシーツの装着方法も、部屋の広さや人によって変わるので、誰でも着脱しやすいように研究をしています。
働く世代に最適。寝心地で身体のコンディションも変わる?
―――消費者からの反響で印象に残るものはありましたか??市場からの反響は、特に腰痛を持つお客様から大変好評です。彼らは、メディテムマットでより快適に眠ることができたと言っていました。
またこれまで使っていたマットレスが身体に合わないことで、身体が痛くなり、睡眠が浅くなってしまうというお悩みを抱えていたお客様がいました。ですがメディテムマットを使用したことで、夜中に目が覚めることもなくなり、熟睡できるようになったそうです。
さらに湿度が高い夏でも、快適に使える点が評価されています。見た目は通気性が悪そうに見えるかもしれませんが、実際には凹凸のデザインとパイプのおかげで通気性が良くなっています。その結果、夏でもぐっすり眠れるという声も多いんです。
個人的には、腰痛持ちの方々から『腰痛が楽になった』『今まで以上によく寝られるようになった』とお客様から伝えてもらえた時が一番嬉しいですね。
私たちのメディテムマットが、睡眠の質で悩んでいる方々の生活の質を高めていると感じると、本当に嬉しいですね。
―――素晴らしいですね!苦労して、開発した甲斐がありますね。
そうですね。ただ、自分もマットレスを開発して気がついたんですが、ユーザーの声は深ぼらないと分からないんです。
メディテムマットを評価してくれるお客様にに対して、『体感した上で、どこがいいのか?』と聞かないと、商品の本質的な良さは理解できません。
マットレスを使用した社員からも『良かった』と聞くけど、『具体的にどこがよかったの?』って聞いてみると、凸の部分の硬さが絶妙だとか、布団の上での感触がちょうどいいとか、色々なフィードバックが返ってきますね。
一方でフィードバックを通して、今回のマットレスの商品開発で改善点や新たに挑戦する目標もできました。
具体的には、新しいタイプのシーツをもっと開発すべきだと思っています。シーズンごとに違うシーツがあればいいのに、予算の都合でできなかったんです…そのため、今はシーツの開発に取り組んでいます。
一度体験したら、納得する。「meditem mat(メディテムマット)」の寝心地。
―――医療技術を一般市場製品に応用する際の主な課題は何ですか?私たちは長年BtoB市場で活動してたので、BtoC市場にどうアプローチすべきかは、悩みの種です。
医療メーカーとしての製品の質には自信があるのですが、一般市場に向けて展開する際に、「70年続くメーカー」というだけでは、十分に魅力が伝わりにくいんですね。
私たちのEC事業ではいろいろな商品を取り扱っていますが、良い商品であってもなかなか売れないのはもったいないです…。
マットレスは毎日使うものなので、ユーザビリティが非常に重要です。特に産後の主婦や小さなお子さんを育てている女性の方々にとっては、便利な機能が求められます。しかし、昨今のメディア社会では、ユーザーの製品の選び方も多様性に富んできているので、商品の打ち出し方が難しくなっていますね。
―――確かに商品を選択する判断軸が多様化していますよね。その上で、メディテムマットはどのような方に使ってほしいですか?
特に仕事や家事・育児で睡眠時間が確保できない方、腰痛持ちの方、そして体に不調を感じている方、熟睡できない方などに、ぜひメディテムマットを使ってもらいたいですね!
仕事が忙しい人は、睡眠時間を確保したいけどできない人が大勢いますよね… 弊社のマットレスを使うことで、短時間の睡眠でも質の高い休息が得られるようになってほしいと思っています。
また睡眠の質が眼精疲労にも繋がるので、体の問題で睡眠が浅くなってしまう方々に、一度私たちのマットレスを試していただきたいです。
―――自分も今日のお話を聞いて試してみたくなりました!
マットレスの購入を検討している人はぜひ『一度私たちのマットレスで寝てください!』と頼みたいくらいですね(笑)一度体験してもらえれば、快適さはすぐに実感してもらえると思っています。
それに「100日間完全保証」のサービスも用意しているので、身体に合わなければ返品してもらうことも可能です。
―――ありがとうございます。ちなみに、会社としては将来の製品開発で探求したい新しい技術や概念はありますか?
私たちの会社の現社長は4代目で、会社の強みは布製品です。現在はマットレス以外にも、着圧レギンス、姿勢矯正ブラ、マウスウォッシュなど、体の悩みに特化した商品をBtoC市場向けに開発しています。
今後については、基本的には変わらずに、体の悩みに特化した商品で市場に貢献し続ける方針です。私たちの得意分野をさらに強化し、それを基盤に進んでいこうと考えています。
―――開発への情熱や苦労、そしてメディテムマットの魅力がよくわかりました!本日はありがとうございました。
ライター
So-gúd編集部
新井 那知
埼玉県・熊谷市出身。渋谷の某ITベンチャーに就職後、2016年にフリーランスライターとして独立。独立後は、アパレル、音楽媒体、求人媒体、専門誌での取材やコラム作成を担当する。海外で実績を積むために訪れたニューヨークで、なぜかカレー屋を開店することに—-帰国後は、クライアントワークを通してライターとして日々取材や編集、執筆を担当する。料理と犬、最近目覚めたカポエイラが好き(足技の特訓中)。