
最終更新日:2022.04.27
プロバイダの種類をジャンル・目的別に徹底解説
インターネット回線契約に不可欠なプロバイダ。その種類は様々でプロバイダの数も果てしなく多いです。そこで、当ページではプロバイダの種類をまとめ、ジャンル別、目的別にプロバイダを分類して紹介。
「プロバイダの種類が多すぎてよくわからない」
「もう少し簡単にプロバイダのことを説明してほしい」
上記のような方にはピッタリのコンテンツなので、ぜひご覧ください。それでは、プロバイダの大きな種類分けから見ていきましょう。
Contents
まずはプロバイダを会社の種類で分けてみよう
インターネット回線事業者との違い
プロバイダとは、ユーザーがインターネットに接続するために必要なサービスを提供している会社のことです。ISP(インターネットサービスプロバイダ)とも呼ばれ、インターネット接続には不可欠になります。プロバイダは非常に多く、日本だけでも数え切れないほど存在。有名なプロバイダで言うと、OCNやSo-net、BIGLOBE、などは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
このプロバイダは、インターネット回線有する回線事業者とは異なります。
回線事業者とは、光回線やADSL(新規契約は終了)を所有する事業者のことで、インターネット接続をサポートする事業者ではありません。
回線事業者だけでも、プロバイダだけでもインターネット接続は叶わず、2つの役割が結びついてインターネット接続は実現します。この2つの種類を具体的に表したのが、下記のとおりです。
回線事業者
- NTT東日本、NTT西日本=フレッツ光の回線を有する
- KDDI=auひかりの回線を有する
- So-net=NURO光の回線を有する
- J:COM=J:COMネット(ケーブルテレビ回線)を有する
プロバイダ
- OCN=フレッツ光、ドコモ光などのプロバイダ
- ソフトバンク(Yahoo!BB)=フレッツ光、ソフトバンク光などのプロバイダ
- BIGLOBE=フレッツ光、auひかりなどのプロバイダ
- So-net=NURO光、フレッツ光などのプロバイダ
- GMOとくとくBB=フレッツ光、ドコモ光、auひかりなどのプロバイダ
上記のように、回線事業者とプロバイダが同一のケースもあります。
というのも、回線事業者はその事業の特性上プロバイダ機能を持っていた方が都合が良いので、基本的にはプロバイダとしての機能を有していることが多いです。
もちろん、同一であるケース以外にGMOやBIGLOBEのように独自でプロバイダとして事業を行っている会社もあります。
こういった会社は、回線自体は持っていないのでインターネットとの接続のみを行うプロバイダとしての役割のみを担っているということです。
近年、ドコモ光やソフトバンク光などのサービスが人気となっていますが、これらのサービスはドコモやソフトバンクが光回線を持っているわけではありません。
NTTが持っているフレッツ光の回線を借り受けて光回線を提供しています。
これらのフレッツ光から回線を借りて提供しているサービスを総称して「光コラボ」と呼び、プロバイダやスマホ事業を展開する会社を中心に運営されている人気のサービスです。
少し話は逸れましたが、プロバイダと回線事業者の種類の違いはご理解いただけたかと思います。続いて、プロバイダを事業のジャンル別に分けて解説するので、ご確認ください。
ジャンルでプロバイダの種類を分ける
実は、このプロバイダは主に「通信会社系」、「電力会社系」、「電機メーカー系」、「その他」の4種類に分けることができます。ここで、各種類を細かくみていきましょう。通信会社系
通信会社系のブロバイダは、NTT系とKDDI系、そしてソフトバンク系があげられます。NTT系の代表的なプロバイダは、OCN、ぷららです。 KDDI系では、au one net(auひかり)、コミュファ(コミュファ光)などが挙げられます。
ソフトバンク系はYahoo!BBのみです。特に、OCNとYahoo!BBは規模が大きく、OCNは顧客獲得数No.1の実績も持っています。この2つは、世界で数社しかいない「Tier1」というプロバイダの1つです。
詳しくは複雑なので解説しませんが、このTier1のプロバイダが世界中のインターネット接続の経路を握っており、Tier2、Tier3のプロバイダはTier1のプロバイダに情報開示を依頼してインターネット接続をしています。
つまり、インターネット接続に際して余計なやり取りが必要無いTier1のプロバイダは速度が安定しやすいです。
しかし、速度を左右する要因はこれ以外にもあるので、一概に上記プロバイダが速いとは言えません。
これら通信会社系プロバイダは、自社で固定電話や携帯電話の事業を行っており、プロバイダとしてインターネット接続を事業とする利益があることはわかりやすいですね。
電力会社系
電力会社系のプロバイダは、HOTCN、コミュファ、eo、メガ・エッグ、ピカラ、BBIQがあげられます。 それぞれ、北海道電力、中部電力、関西電力、中国電力、九州電力が親会社です。先ほども出てきたコミュファは、元々KDDIと中部電力の共同出資で設立された会社なので電力系にも含めています。HOTCN以外はプロバイダ事業だけでなく、回線事業も有しているのが特徴です。
こちらも理解しやすい話ですが、電力会社は電力を供給しているので光回線を敷設するのも他の会社よりは圧倒的に簡単で事業的にシナジーがあります。
地域限定ですが、通信速度の安定感や電力と連携した料金割引など、人気のあるプロバイダ群です。
電機メーカー系
電機メーカー系のプロバイダは、BIGLOBE、So-net、@niftyなどがあります。それぞれ、NEC、ソニー、富士通が母体となって設立されたプロバイダです。各種サポートなどの様々な付加サービスが充実している点が特徴になります。
どの会社もパソコンメーカーであり、これからインターネットを始めようかと思っている方や、パソコン初心者にはおすすめのプロバイダです。
その他
上記種類以外では、検索エンジン系から生まれたプロバイダとしてBB.Excite。広義でYahoo!BBもその枠組みに入るでしょう。家電量販店系でエディオン、ケーブルテレビ系でJ:COM、電鉄系でiTSCOM(東急)やKCN(近鉄)などの種類に分けられます。
ただし、やはり通信会社系、電力会社系、電機メーカー系のプロバイダが最も知名度もあり、基盤としても大きいです。ここまでで、プロバイダの一般的な種類については確認できたかと思います。
次項からは、ニーズ別に様々なプロバイダを分類してご紹介していきます。最初はスマホとのセット割が適用できるプロバイダと光回線についてです。どうぞご覧ください。
スマホ(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)割引が利用できるのは?
こちらではスマホ割が利用できるプロバイダ、及びインターネット回線を解説します。その前に、スマホとのセット割を考える上で重要なポイントをいくつかご紹介するので、ご確認ください。ポイント
- スマホ割に固執しない
- 速度やお住まいなど、複数の視点から比較する
- 契約期間に注意
スマホ割が付いて3,000円の光回線Aとスマホ割が付かずに2,800円の光回線Bなら、確実にスマホ割が付かない光回線Bの方がお得です。
よって、スマホ割があるかたお得だという考えは捨てましょう。
「スマホ割に固執しない」ということに付随して、速度やお住まいのタイプ、エリアによっておすすめのインターネット回線は大きく変わります。
インターネット回線には、契約期間が設定されているプランが多いです。
引っ越しなど様々なイベントがあるかと思いますが、利用できないエリアに行ったり、利用人数が増えたりすることもあると思います。
全て見越して契約するのは難しいですが、契約期間をしっかり把握しておくと良いでしょう。
上記の観点を意識した上で、ここからの比較を確認していただけますと幸いです。それでは、スマホ割が使えるプロバイダを見ていきましょう。主なサービスは下記のとおりです。
スマホ | 光回線 | おすすめ プロバイダ |
---|---|---|
ドコモ | ドコモ光 | OCN BIGLOBE GMOとくとくBB |
ソフトバンク | NURO光/ソフトバンク光 | NURO光:So-net ソフトバンク光:Yahoo!BB |
au | auひかり | GMOとくとくBB |
So-net光プラス | So-net | |
楽天モバイル | 楽天ひかり | 楽天ブロードバンド |
上記のサービスがスマホ割を適用できる主なサービスです。ドコモから順に確認していきましょう。
ドコモ
ドコモは、光回線「ドコモ光」とホームルーター「home 5G」を提供しています。まずドコモ光から解説します。ドコモ光はフレッツ光回線を使った光コラボサービスの一種。ドコモのスマホ割を適用できるのでドコモユーザーはお得に使うことができます。
さらに、ご家族のドコモスマホも割引対象になりますので、ドコモユーザーが多いご家庭ならよりお得に!ドコモをご利用なら最もおすすめの光回線サービスです。
ホームルーター「home 5G」は、2021年8月にドコモより発売されたホームルーター。次世代の高速通信5Gが利用できるホームルーターとなっており、予約が必要なほど人気です。
通信速度は、光回線に匹敵するほど高速で、当メディアで利用したところ200~400Mbpsもの速度を観測しました。 データ通信量にも明確な制限はないので、無制限でWiFiを利用したい方にもおすすめ。
au
auスマホ割が適用できるのは、auひかり、BIGLOBE光、So-net光プラス、WiMAXです。auひかりは、その名の通りKDDIが運営する光回線で、速度の安定感も評判になっています。BIGLOBE光、So-net光プラスは、フレッツ光回線を用いた光コラボです。
プロバイダとしても、これまで多数の顧客を持っており速度やサポート面でも信頼できるでしょう。
最後のWiMAXはモバイルWiFiの1つで、5Gも利用できます。しかし、3日15GBの制限があり、何よりスマホ割を利用するとお得なキャンペーンが適用できず、逆に料金が高騰することも。
ただ、お得なキャンペーンを実施しているのでスマホ割が無くてもお得なサービスです。
ソフトバンク
ソフトバンクのスマホ割が適用できるのは、ソフトバンク光、NURO光、SoftBank Airの3つです。ソフトバンク光は、光コラボの1つで近年では速度改善も効果が出ています。NURO光は、So-netが運営する独自光回線。速度は日本でもトップクラスの安定感を誇ります。
最後のSoftBank Airは、ホームルーターで5Gの提供もされているサービスです。
楽天モバイル
最後に楽天モバイルのスマホ割が使えるのは、楽天ひかりです。こちらも光コラボの1つで上々の通信速度を誇っています。以上、スマホ割が使えるインターネット回線をご紹介しました。各サービスの詳細については以下のページで詳しく解説していますので気になるものをぜひご確認ください。
光回線サービスの比較解説へ
ホームルーターの比較解説へ
ポケット型WiFi/WiMAXの比較解説へ
続いては、契約即日に利用できるインターネットプロバイダについて解説します。
契約即日に利用できるインターネット回線
契約即日に利用できるインターネット回線は、正直言ってほとんどありません。光回線は工事やONUと呼ばれる装置の設置などが必須なので、もちろん即日では無理です。モバイルWiFiでも、契約手続きに2~3日は確実にかかります。
即日で利用したい場合には、モバイルWiFiサービスの利用がおすすめです。
モバイルWiFiサービスはネットで注文すると即日で発送してくれるものが多く、特におすすめはBroad WiMAX。Broad WiMAXは、朝ネットで申し込みすると最短でその日中に受け取り可能です。
また店舗での受け取りも可能で、東京2店舗、埼玉、大阪、愛知の計5店舗の受け取りセンターがあります。東京23区にお住まいの方はバイク便で自宅に配送してもらうことも可能。
WiMAXを含めたモバイルWiFiサービスについて気になる方は、ぜひ下記ページをご覧ください。
すぐにWiFiが必要ならモバイルWi-Fi
続いては、法人契約できるプロバイダについて解説します。
プロバイダの法人契約について
こちらでは、プロバイダの法人契約について見ていきます。プロバイダの法人契約と個人契約の違いを簡単に説明するのでご確認ください。固定IPアドレスが利用でき、セキュリティ対策が可能
IPアドレスというのは、IPアドレスというのはネット上の住所のようなものだと思えばよいでしょう。個人の場合のIPアドレスは、接続されるたびに変化します。固定IPアドレスというのは、何回接続し直しても一つの同じIPアドレスで固定するもの。
法人サービスの付帯プランで大きなメリットとしてあげられるのが固定IPアドレスの付与です。法人の場合、固定IPアドレスが必要な場面が業務によって生じる場合があります。
例えば、外部から社内のサーバーにアクセスする際に、社内サーバーがネット接続のたびにIPアドレスが変わっては、外部からどのIPアドレスにアクセスすればいいのかわかりません。
しかし、固定IPアドレスであればVPNという技術を用いて、固定IPアドレス同士をつなぐことが可能です。また、このVPNを使うことで、資料の送受信を社内ネットワーク内で完結できます。
つまり、外部の人間がアクセスできない場所でのデータ送受信が可能になるのでセキュリティ面でも万全の基盤を構築可能です。
サポートが手厚い
個人契約では受けられないサポートを利用可能です。法人の場合、何か不具合が起きること自体が大損害に繋がるケースがあります。よって、24時間のリモートサポートや出張修理などがついてる場合が多いです。
個人契約の場合、そういったサービスは有償、また時間がかかるケースが多いです。法人契約はその分、料金は高くなりますが、様々なリスクを抱える法人にとっては価値のあるサポートだと言えるでしょう。
帯域確保による速度保証
法人契約用のプロバイダの場合、一定速度を下回らないよう保証してくれるサービスもあります。これをSLA(サービス品質保証制度)と呼び、時間帯や状況によって速度が変動することを避けたい企業にとって非常に安心できるサービスです。
例えば、NURO BizというNURO光の法人向けプロバイダでは、どんなに状況が悪くなっても最低10Mbps以上の帯域確保を約束しています。
もし、この速度に満たない状況が発生する場合には料金の一部を返還するという内容です。
個人契約の光回線では、「ベストエフォート型」という仕組みで運用されており、通信速度の保証はありません。
インターネット回線業者が提示する最大通信速度を上限として、最大限努力した速度でインターネット接続を提供するということです。
企業によっては、インターネットが安定的に繋がらないことは大きな損失に繋がることもあり得るので、こういった速度保証も充実しています。
ここまで、当記事では詳細にプロバイダの種類について解説してきました。まだまだ細分化すると、様々なニーズ別のプロバイダが存在します。
ここから先は、番外編として英語対応のプロバイダ、ホームページ作成に向いているプロバイダ、ダイヤルアップ接続ができるプロバイダを解説。
もし、気になる方がいらっしゃればご確認いただけると幸いです。当サイトでは、インターネット回線の詳細比較も行っています。
下記からご確認いただけますので、ぜひご覧ください。ここまで当記事をお読みいただきありがとうございました。
インターネット回線の詳細比較はこちら
ここから番外編:英語で対応してくれるサービス
番外編として、英語対応のプロバイダ、ホームページ作成に向いているプロバイダ、ダイヤルアップ接続ができるプロバイダについてご紹介します。まずは、英語対応のプロバイダから。回線事業者で言うと、NTTフレッツ光、auひかりといった大手2社が英語対応をしています。プロバイダは、AsahinetやOCNなども英語対応しているようです。
NTTフレッツ光ではプロバイダの別途契約が必要なので、複雑であることからNTT関連の通訳サービスなどもあります。
ホームページ(HP)作成向いているサービスはあるのか?
通常、ホームページを作成しようとすると、下記が必要です。- ドメインと呼ばれるホームページの住所
- サーバーと呼ばれるホームページの部屋(有料)
サーバーの設定やドメイン取得は、ある程度専門的な知識を要するため、慣れない人には難しいです。そんな方向けに、ホームページ(HP)作成支援サービスを提供するプロバイダがあります。
ASAHIネットやぷらら、GMOでは、ドメインの取得サービス、及びホームページ用のサーバーを貸し出しています。ASAHIネットとぷららは無料ですが、オリジナルドメイン(名前を自由に選べない)が取得できません。
GMOは有料ですが、オリジナルドメインで自由に選択可能です。このように、ホームページ作成サポートのあるプロバイダもありますが、それだけでプロバイダを選ぶのは懸命ではないです。
ホームページを本格的に作る場合、ドメインやサーバーはセキュリティや利用しやすさを考えたほうがいいですし、何よりプロバイダはインターネット速度や料金などあらゆる部分に関わります。
上記プロバイダのみから選ぶのではなく、しっかりと様々なプロバイダ、インターネット回線を比較しましょう。
ダイヤルアップ接続できるプロバイダ
ダイヤルアップ接続とはモデムやターミナルアダプタ(TA)を使用し、プロバイダのアクセスポイントに電話をかけることでインターネットに接続する方法です。簡単にいえば、電話線の通話を利用したインターネット接続方法で、面倒な初期工事などの必要がありません。
ただし、ダイヤルアップ接続は接続時間により料金がかかる従量制になっており、電話線を利用した接続になりますので、プロバイダ接続料金以外に電話の通話料金もかかります。
また、速度もADSLよりも低速なので、光回線でのインターネット接続が主流です。
ダイアルアップ接続ができる主なプロバイダは以下の通り。
プロバイダ | 接続時間 | 月額料金 | 超過料金 |
---|---|---|---|
GMOとくとくBB | 無制限 | 330円 | 9.4円/3分 |
ぷらら | 10時間まで | 1,815円 (1,320円分無料) |
8.25円/3分 |
So-net ※新規受付終了 |
10時間まで | 2,400円 | 10円/分 |
BIGLOBE ※新規受付終了 |
無制限 | 2,000円 | -/分 |
OCN ※新規受付終了 |
10時間まで | 2,468円 | 10.5円/分 |
wakwak ※新規受付終了 |
15時間まで | 1,100円 | 5.5円/分 |
ご覧のように、ダイアルアップ接続サービスの新規受付を終了するプロバイダ多くなっています。主要プロバイダでは、GMOとぷららのみがダイヤルアップ接続サービスを展開中です。
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