
バクラクビジネスカードのメリット・デメリット|審査基準や申し込みの流れも解説
法人カードの発行を検討しているが、バクラクビジネスカードの特徴が分からず、自社に向いているのか気になる経営者や経理担当者もいるでしょう。
前提として法人カードは、銀行のグループやクレジットカード会社が提供していることが一般的です。一方で、バクラクビジネスカードを発行する株式会社LayerXは、バックオフィス業務をAIで効率化する「バクラクAI」を提供しており、そのなかのサービスのひとつとして法人カードを取り扱っています。
したがって「経費精算業務の効率化」を進めたい企業に向いています。
また、AI・データ関連の先端技術の研究やソフトウェアの開発にも積極的に取り組んでいるため、DX推進となる機能も豊富です。
この記事では、バクラクビジネスカードの特徴を洗い出し、メリットとデメリットを比較しました。どのような企業に向いているかも解説するので、法人カードを検討している場合はぜひ参考にしてください。
目次
バクラクビジネスカードは比較的新しい法人カード
バクラクビジネスカードは、2022年に施行された電子帳簿保存法に対応しています。そのほかの基本的な特徴は以下のとおりです。券面 | ![]() |
---|---|
年会費 | 無料 |
発行手数料 | バーチャルカード:無料 リアルカード:1,540円(税込)/ 枚 |
還元率 | 1.0%または1.5% |
カード発行枚数 | 無制限 |
国際ブランド | Visa |
利用可能枠上限 | 柔軟に対応(5億円以上の実績あり) |
付帯保険 | 盗難・不正利用:最高2,000万円 海外旅行傷害保険:最高3,000万円 |
電子帳簿保存法の観点から、領収書をスキャナーやスマホなどで精算ツールにアップロードする際には、改ざん防止を目的として一定の要件を満たさなければなりません。
バクラクビジネスカードでは、電子帳簿保存法の要件のひとつである「タイムスタンプ方式」で領収書を管理できるため、原本の保存が不要です。
※タイムスタンプ:電子データが特定の時点で存在し、以降も改ざんされていないことを証明する技術
また、インボイス制度にも対応し、適格請求書発行事業者登録番号をAIが自動で判別してくれる機能もあります。
下記のように、公式サイトで掲載されている事例では、「月初の経理作業を2分の1に減らせた」という法人が紹介されているため、特に経費精算業務の効率化に特化した法人カードと言えるでしょう。
以前の法人カードでは、利用明細をダウンロードしてから会計ソフトに取り込むまでに入力作業を含めて1時間ほどかかっていました。しかし現在では、メモ機能を活用していることで大体15分くらいで取り込みが完了するようになっています。また、月初に毎月10時間かかっていた経理作業が5時間ほどに短縮されています。
引用元:https://bakuraku.jp/case/hab-co/
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バクラクビジネスカードならではの機能は3つ
バクラクビジネスカードは、決済や管理に役立つ機能が充実しています。- 決済制限機能 不正利用を防ぐため、カードごとに決済を制限できる
- ガソリンカード発行機能 会社との契約なしで、ガソリンカードを発行可能。カードごとに決済先のカスタマイズもできる
- 証憑の自動提出催促機能 システム上で設定した期日を超えた決済に対し、証憑提出を自動でリマインドしてくれる
特に、決済制限機能では、「決済先」「利用上限金額」「利用期間」「通貨」の4つを制限できます。カードごとにシステム上で簡単に設定・変更ができるため、不正利用防止や管理の効率化に役立つでしょう。
個人事業主は申し込みできないため他のカードを検討する
経費精算業務の効率化に役立つバクラクビジネスカードですが、個人事業主は申し込みできないことが公式サイトのよくある質問に明記されています。Q.個人事業主はバクラクビジネスカードを利用することはできますか?
A.個人事業主様はご利用はできませんのでご了承ください。
引用元:https://bakuraku.jp/card/
個人事業主で経費の支払いにクレジットカードを利用したい人は、個人事業主に対応する法人カードを検討しましょう。
バクラクビジネスカードのメリット・デメリット
バクラクビジネスカードにはメリットもデメリットもあるため、それぞれを比較して自社に向いている法人カードなのか検討しましょう。- 決算書などの提出が不要
- 複数の会計ソフトと連携
- 最大1.5%の還元率
- カードの発行枚数に制限がない
- AIが会計処理を自動化してくれる
- 利用明細をリアルタイムで通知
- 一人法人には向いていない
- リアルカードの発行に手数料がかかる
- オプション料金がかかる場合もある
- 空港ラウンジやホテルなどの優待はない
バクラクビジネスカードは経費精算の効率化やAI機能の充実に強みがあるため、利用目的次第でデメリットとなる可能性がある点に注意しましょう。
バクラクビジネスカードのメリット
バクラクビジネスカードは、AIを活用して会計処理を自動化したり、全従業員にカードを発行できたりと、経費精算業務を効率化するためのメリットが多くあります。- 決算書などの提出が不要
- 複数の会計ソフトと連携
- 最大1.5%の還元率
- カードの発行枚数に制限がない
- AIが会計処理を自動化してくれる
- 利用明細をリアルタイムで通知
「経費の精算業務を負担に感じている」「業務効率化を実現したい」という企業に向いているでしょう。また、「全従業員」「全部署」にカードを持たせたい場合にも便利な法人カードといえます。
決算書などの提出が不要
法人カードの中には決算書の提出が必要なものもあるため、書類の用意や提出に時間がかかることがあるでしょう。一方で、バクラクビジネスカードは以下の書類のみで手続きが可能です。
法人の書類 | 以下のいずれか1つ(直近6ヶ月以内発行) ・履歴事項全部証明書 ・現在事項全部証明書 |
---|---|
個人の書類 | 本人確認書類(代表者または取引担当者) |
決算書の提出が不要なため、申し込みの手間を省けることがメリットです。
複数の会計ソフトに連携している
以下の会計ソフトは「API連携」に対応しているため、クレジットカードの明細データを即座に反映できます。※API連携:複数のアプリやシステム間でデータ・機能などを連携させる仕組みのこと
- マネーフォワード クラウド会計
- マネーフォワード クラウド会計Plus
- freee会計が利用可能
また、そのほかの会計ソフトでも明細データをExcelなどからCSV形式でエクスポートして取り込むことが可能です。
公式サイトにある企業の導入事例でも、会計ソフトとの連携によって経理業務を効率化できると評判でした。
また、バクラクの管理画面や連携している会計ソフト上で、請求書や経費精算の詳細についてすぐに確認できるようになり非常に効率的になりました。これまでは仕訳と証憑を別々に管理しており、都度、紙の請求書や領収書を探して確認しなければならなかったので。
引用元:https://bakuraku.jp/case/dragons/
会員限定特典が充実
バクラクビジネスカードは会員限定特典として、さまざまなビジネスツールの優待サービスを提供しています。- AWS 請求額と相殺できる5,000ドル分のAWS Activateクレジットを付与
- クラウドサイン ライトプラン月額固定利用料・従量利用料ともに初月無料
- fondesk 初月の利用料金が5,000円OFF
- YOUTRUST 導入費用(10万円)を無償で提供。月額費用も割引が適用される
- Spir チームプランが3ヶ月間無料(人数制限なし)
- back check システム利用料が初月無料
- LegalForce 特別優待
- Carely 利用料金が20%OFF!
- ZoomOneプロ 年間プランが10%OFF
- Zoom Phone 3ヶ月間無料
- ピカパカ出張DX 月額費用が 6 か月無料
「普段利用しているサービスがある」「利用を検討しているサービスがある」という場合は、バクラクビジネスカードを発行するとお得になります。
最大1.5%の還元率
バクラクビジネスカードの還元率は最大1.5%、または1.0%です。法人カードの中では還元率が高い水準のため、少しでも経費を削減したい場合に向いているでしょう。
また、キャッシュバックという形で還元されるため、ポイントの使い道で迷う時間をなくせることもメリットです。
カードの発行枚数に制限がない
一般的な法人カードでは、追加カード(パートナーカード)の発行枚数に上限があることがほとんどです。発行枚数に制限のないカードもありますが、その場合は年会費が高くなる傾向にあります。しかし、バクラクビジネスカードは年会費が無料でありながら、発行枚数に制限がありません。
「全従業員に持たせる」といった使い方も可能で、実際に従業員約200名にカードを配布している企業も導入事例として紹介されていました。
全従業員約200名へのカード配付が実現できたことで、立替精算の金額も約1/4まで削減できています。
引用元:https://bakuraku.jp/case/synchrotech/
立替精算は、利用者が稟議書を作成し、上長を経由して経理担当者が確認する必要があるため、依頼者と承認者双方の負担が大きくなります。差し戻しがあれば、さらに工数が肥大化するでしょう。
もし法人カードがあれば、利用者は必要なタイミングで決済をするだけですし、承認者は明細を確認するだけで作業が完了します。つまり、法人カードを全従業員に配布できれば、会社全体で経費精算業務の効率化ができることになります。
今後事業を拡大する予定がある企業は、従業員が増えた時にカードを追加しやすいため使いやすいでしょう。
AIが会計処理を自動化してくれる
バクラクビジネスカードでは、AIが会計処理を自動化してくれます。AIで会計処理というとイメージが湧きにくいかもしれませんが、一言で表すと「精算データを学習して読み取ってくれる」機能を指します。
まず、「仕訳の自動化機能」です。過去の仕訳データを学習し、会社のルールにもとづいた仕訳データの自動生成が可能です。
インボイス制度の登録番号をAI-OCR(※)で自動判定してくれるため、税区分の入力にかかる手間を削減できます。
※AI-OCR:画像データに記載された文字をデータ化する「OCR」にAIを活用することで、読み取りの精度を高める技術のこと
また、領収書をアップロードするだけで、AI-OCRが最大100件までの利用明細から高速でマッチングしてくれる「紐付け機能」もあります。
利用している企業の経理担当者も、領収書との紐付け機能を便利に感じているとの評判です。
領収書をまとめてアップロードすると、AI-OCRで証憑とカード利用明細を自動で紐づけできる点も助かっています。
引用元:https://bakuraku.jp/case/mov/
利用明細をリアルタイムで通知してくれる
バクラクビジネスカードでは、カードを利用するとメールもしくはSlackで即座に通知してくれる機能があります。従業員がカードを利用した場合にもすぐに通知が来るため、管理の効率化に役立つでしょう。また、不正利用の被害に遭ったときでもすぐに気付けることがメリットです。
公式サイトの導入事例でも、即時で通知されることですぐに経費の処理ができることを魅力として挙げていました。
また、カードの利用明細が即時に連携され、領収書の処理までつながっているのはとても助かっています。こうした豊富な機能があるにもかかわらず、年会費無料で導入・運用コストもかかっていません。
引用元:https://bakuraku.jp/case/yoshida-kaiun-card/
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バクラクビジネスカードのデメリット
バクラクビジネスカードは経費精算業務の効率化に特化しています。つまり、ほかの目的で利用する場合は、バクラクビジネスカード以外の法人カードの方が適していることもあります。- 月間決済金額が30万円未満だとオプション料金がかかる場合もある
- 一人法人には向いていない
- リアルカードの発行に手数料がかかる
- 空港ラウンジやホテル優待などの付帯サービスはない
「特典や優待を重視する」「従業員にカードを渡す予定はない」などの場合は、バクラクビジネスカードのメリットを活用しにくいでしょう。
月間決済金額が30万円未満だとオプション料金がかかる場合もある
バクラクビジネスカードでは、領収書の保管や仕訳自動作成、電子帳簿保存法対応機能などを利用する場合は、「機能拡張オプションプラン」の契約が必要です。機能拡張オプションプランは、月額の利用料金が低い場合はオプション料金が発生するため注意が必要です。
- 月間決済金額が30万円以上の場合:無料
- 月間決済金額が30万円未満の場合:月額1万3,000円(税抜)
「法人カードの利用が月30万円未満」という小規模な法人の場合は、コストの負担が大きくなってしまいます。
一人法人には向いていない
バクラクビジネスカードは経費精算業務の効率化を主な目的とするカードのため、多くの従業員にカードを渡す方がメリットを活用できます。そのため、 一人法人や従業員の少ない企業だと、あまり効率化とならない可能性があるでしょう。
一人法人の場合は、年会費無料・本人確認書類のみで申込が可能な「ライフカードビジネスライトプラス」が向いていると言えます。3枚まで追加カードを発行できるため、従業員が増えた場合でも使いやすいでしょう。
リアルカードの発行に手数料がかかる
バクラクビジネスカードではリアルカードとバーチャルカードの2種類を発行できます。- リアルカード:カード現物が発行され、店舗での決済に利用できる
- バーチャルカード:Web上で発行されるオンライン決済専用のカード
カードの発行枚数に制限はないものの、リアルカードは1枚1,540円の発行手数料がかかります。一方で、バーチャルカードを発行する場合は無料です。
「リアルカードを多くの従業員に持たせたい」という場合はコストの負担が大きくなるでしょう。ただし、年会費ではないため、一度手数料を支払えばその後の費用はかかりません。
「なるべく多くのカードを発行したいけど、コストをかけたくない」という場合は、「三井住友カードビジネスオーナーズ」が向いています。最大18枚まで追加カードが発行でき、年会費もかかりません。
空港ラウンジやホテル優待などの付帯サービスはない
あくまで経費精算・管理を効率化するのに特化したカードで、空港ラウンジやホテル優待などの特典やサービスはありません。法人カードを作りたい理由が「出張が多くホテルやラウンジをお得に利用したい」という場合は、ほかのカードが向いているでしょう。
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バクラクビジネスカードの審査基準
バクラクビジネスカードの公式サイトには、申し込み時に連携した銀行の情報から審査を行うことが明記されています。バクラクビジネスカードの限度額は、審査時に連携いただいた銀行口座情報を元に、 弊社独自のモデルで審査・決定いたします。
引用元:https://bakuraku.jp/card/
具体的にどのような基準で審査が行われるのかについては公開されていませんが、一般的な法人カードの審査基準となる項目を推察することはできます。
- 経営実績、財務状況
- 事業主の信用情報
上記の通り、「法人と代表者に支払い能力があるか」が重視される傾向にあるといえるでしょう。
審査に落ちる原因
法人カードの利用料金を支払えるかどうかという判断基準に当てはめると、バクラクビジネスカードの審査に落ちる原因は以下の3つが挙げられます。- 経営状態が悪化している(赤字、負債が多い)
- 設立して間もない
- 事業主の信用情報に問題がある(債務整理をしているなど)
バクラクビジネスカードは設立年数が1年未満でも申し込み可能なものの、設立直後の場合は「経営が安定していない」と判断されることもあります。
また、バクラクビジネスカードでは決算書の提出が不要ですが、銀行口座の情報から経営状態を審査される可能性があるでしょう。
「保証金プラン」なら財務情報の審査が不要
バクラクビジネスカードでは、財務情報の審査を行わずに利用できる「保証金プラン」が提供されています。「保証金プラン」とは、利用可能枠の中で必要とする分の入金額をバクラクビジネスカードに入金することで、入金金額分の利用可能枠が毎月付与されるプランです。
事前に入金した分だけカードを利用できる仕組みのため、支払能力の審査が行われません。「開業して間もないけれど法人カードを利用したい」などの場合は保証金プランを検討してみましょう。
バクラクビジネスカードの申し込みから発行までの流れ
バクラクビジネスカードの申し込みから発行までの流れや所要時間は、以下の通りです。- 1.Webから申し込み
- 2.口座情報の連携
- 3.審査(当日〜3日)
- 4.カード発行(即時もしくは5日程度)
バクラクビジネスカードはほかの法人カードに比べてカードの発行にかかる時間が短い特徴があります。ただし、郵送での申し込みに対応していないため、Webから手続きを開始しなければなりません。
1.Webから申し込み
まずは、申し込み手続きとして、Web上で入会に必要な情報の入力を行います。申し込み手続きの際には「本人確認」として、以下の書類の提出が必要です。- 履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書 (直近6ヶ月以内発行)
- 代表者、もしくは取引担当者の本人確認書類
なお、バクラクビジネスカードでは申し込み前にサービスの説明を受けることも可能なため、細かい使い方を知りたい人はぜひ活用しましょう。
2.口座情報の連携
バクラクビジネスカードでは、申し込み後の手続きとして審査に必要となる銀行口座(支払い口座)の連携が必要です。口座情報の連携には「Moneytree ID」という外部サービスを利用します
Moneytree IDの公式サイトから、メールアドレスとパスワードを入力すると登録が完了し、銀行口座の情報を登録すると連携が可能となります。
3.審査・カード発行
申し込み手続きが完了すると、最短で当日中、遅くても3営業日以内には審査が完了します。ただし、申し込み内容に不備がある場合は、それ以上かかるため注意しましょう。バーチャルカードは即時発行、リアルカードは発行申請から最短5日で指定の住所に届きます。法人カードのなかには会社に届くまで数週間かかるケースもあるため、比較的早くカードを利用できることはメリットと言えるでしょう。
まとめ
バクラクビジネスカードのメリットとデメリットを比較したうえで言えるのは、経費精算業務の効率化したい企業向けのカードということです。会計ソフトに連携しており、AIが領収書の読み取り仕訳データの作成をサポートしてくれるため、経理担当者だけでなく従業員や上長などの負担も減らせます。
また、「カードの発行枚数に制限がない」という特徴から、全従業員にカードを所有させたい法人にも向いています。年会費無料で何枚でもカードを発行できるため、コストを抑えられることもメリットです。
バーチャルカードであれば即日発行にも対応しているため、自社に活用できそうな場合はぜひ申し込みを検討してみましょう。
経費精算業務を効率化したい企業におすすめ! バクラクビジネスカードの詳細は公式サイトへ
当ページ利用上のご注意
- 当記事の掲載情報は、各金融機関の公開情報を元に作成しておりますが、情報更新等により閲覧時点で最新情報と異なる場合があり、正確性を保証するものではありません。各種商品の最新情報やキャンペーンについての詳細は公式サイトをご確認ください。
- 当記事で掲載しているポイント還元率は公式サイト情報を元に独自に算出しています。より正確な情報は各カード会社の公式サイトをご確認ください。