ユーザー数が全世界で10億人を超え、日本国内のユーザー数も急増中のインスタグラム(Instagram)。海外、特にアメリカのSNSマーケティングはフェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)が中心だったものの、企業のマーケティング予算も急速にインスタグラムへシフトしているのが最新の動向です。
このページではインスタグラムマーケティングの最新動向を紹介するため、当社EXIDEAが2019年3月にアメリカ・サンディエゴで参加したソーシャルメディアマーケティング関連イベント「Social Media Marketing World 2019」の中から、インスタグラムマーケティングの活用方法や海外での成功事例、効果改善のための工夫・ポイントやインスタグラム投稿を簡単に行えるツールなどを紹介します。
目次
インスタグラムマーケティングの使い方~アカウントやプロフィールの設定
まず最初に、企業がインスタグラム(Instagram)を活用してマーケティングを始めるにあたり、必要な使い方や準備、工夫すべきポイントを紹介します。
個人ユーザーをビジネスアカウントに変更する方法
企業がインスタグラムを集客などのマーケティング目的で利用するには、個人ユーザーとしてアカウントを登録後、ビジネスアカウントへの変更がおすすめです。ビジネスアカウントへの変更で、電話番号やメールアドレス、住所情報などのプロフィール設定や広告利用も可能になるほか、分析機能も利用できます。
ビジネスアカウントに設定する方法は、個人ユーザーのアカウント設定画面で「ビジネスプロフィールに切り替える」を選択するだけ。必要情報を登録すれば、インスタグラムをビジネスアカウントで利用可能になります。
魅力的な自社のプロフィール情報が必要
ビジネスアカウントの利用で最も重要なのが自社のプロフィール情報。インスタグラムでの1つ1つの投稿も重要ですが、アカウントに興味を持ったインスタグラムユーザーが訪れるのが自社のプロフィールページ。この内容が魅力的かどうかでマーケティング効果が大きく変わるため、十分に作り込むことが必要です。
インスタグラムのビジネスプロフィールに表示されるのが以下の5項目で、特に「プロフィール写真」の内容や「紹介文」の書き方がインスタグラムアカウントの第一印象を大きく左右します。
- 企業・ブランドの名前
- プロフィール写真
- 紹介文
- WEBサイトのURL
- 連絡先・所在地住所
紹介文にはハッシュタグや絵文字も利用可能
インスタグラムのプロフィール情報ページで重要な紹介文。ハッシュタグや絵文字も利用できるため、いかに魅力的に作り込めるかが重要です。この企業のプロフィールページからダイレクトメッセージでの問い合わせなどユーザーのアクションも期待でき、幅広くコミュニケーションを受け付けていることをアピールするのもおすすめの方法です。
自社のサービスに関連するアクションボタンの設定
またインスタグラムのビジネスアカウントの場合、プロフィールページにアクションボタンの追加が可能です。設定できるアクションボタンは「電話する」「メール」「道順」(それぞれ電話番号・メールアドレス・住所を登録すると表示される)に加え、以下の4種類からの設定も可能。下記の4種のアクションボタンの場合は、それぞれインスタグラムと連携する予約サービスなどのページにリンクします。
設定されたアクションボタンが多いほどプロフィールページを訪れたインスタグラムユーザーによるアクションを期待できるため、できるだけ多く自社サービスに関連するアクションボタンを設定するのがおすすめです。
- 予約する(アポイントの予約や美容院・サロンの予約など)
- 席を予約する(レストランの予約など)
- 注文する(宅配・デリバリーサービスなど)
- チケットを購入(イベントや映画のチケットなど)
飲食店などのビジネスの場合、予約ボタンの設置が重要
とは言え、インスタグラムのアクションボタンと連携した日本国内向けのサービスが少ないのが現状。唯一、ぐるなびの予約機能が連携済みのため飲食店のビジネスアカウントの場合は意識して設定するのがおすすめで、インスタグラムのビジネスアカウントがあり、かつぐるなびに掲載中の飲食店の場合、自店舗のぐるなび掲載URLを設定すれば「席を予約する」というアクションボタンをプロフィール情報に表示できます。インスタグラム経由の予約効果を期待でき、重要な設定項目の1つです。
Instagramマーケティングの海外での活用・成功事例や効果を高めるポイント
インスタグラム(Instagram)アカウントの設定が完了したら、いよいよ本格的なマーケティングの実施。日本よりも企業のインスタグラム活用が進む海外・アメリカでは、どのような活用方法や成功事例があるでしょうか?2019年3月に当社EXIDEAがアメリカで参加したソーシャルメディアマーケティング関連イベント「Social Media Marketing World 2019」から、インスタグラムマーケティングの効果を高めるポイントを紹介します。
拡散よりも「フォロワーと深い関係性を築くサービス」が基本的な考え方
具体的な活用方法や事例の紹介に入る前に、インスタグラムマーケティングの目的や基本的な考え方を補足します。
インスタグラムに限らずフェイスブック(Facebook)も同様の傾向ですが、最近はユーザーに広く拡散されることのみを狙ったマーケティングの成功事例をあまり目にしません。企業やブランドの認知獲得にインスタグラムが活用される事例もありますが、それだけで売上に直結するような成功事例は多くありません。
アメリカでは、拡散・認知獲得よりもインスタグラム上で既存フォロワーとの関係性を深めることで、リピート購入やアップセル(単価向上)に成功した事例を多く目にします。
Instagramのアカウント運用を通じて商品・ブランドへのコアなファンを増やす
アメリカでは、自社の顕在・潜在顧客とインスタグラム(Instagram)上で接点を持ち、商品・ブランドへのロイヤリティを高めることを目的にアカウントを運用する企業ほど、インスタグラムマーケティングに成功する事例が多いと感じます。つまり企業にとってのインスタグラム(Instagram)マーケティングの基本的な考え方は、自社の商品・ブランドへのコアなファン作り。
自社・ブランドのファン向けに新商品情報をいち早くインスタグラムで届けたり、商品開発やブランドの舞台裏を見せることで、ロイヤリティを引き上げるような使い方がインスタグラムマーケティングの成功事例として多く紹介されています。
写真・動画投稿ではキャプションやハッシュタグ活用がポイント
インスタグラムでの写真や動画の投稿ではキャプションやハッシュタグの活用が重要なポイントですが、これも自社のブランドや商品・サービスを知らないユーザー向けではなく、既存ファンを意識した内容がポイント。
ファンが読んで勉強になる、そのブランド・商品をより詳しくなれる内容や、なぜその商品・サービスが生まれたのか背景やストーリーを含めることがおすすめの方法で、魅力的なインスタグラム投稿になります。
またキャプションに「興味があればメールマガジンの購読を!」「WEBサイトのURLはプロフィールで確認」などCall-To-Action(CTA)の要素を入れて具体的な行動を喚起することも、インスタグラムのマーケティング効果を高める事例の1つです。
おすすめのストーリー利用方法
フィードへの投稿に対して、投稿後24時間で自動的に削除される点が特徴のストーリーへのインスタグラム投稿。いつまでも残るフィードへの投稿と比較して気軽に投稿できることからインスタグラムユーザーのストーリー投稿が増加、同時にストーリーコンテンツを閲覧する利用ユーザー数も急速に増えています。
このため企業のインスタグラムマーケティングでもおすすめなのがストーリーへの投稿。自社ページのフィードに投稿するだけでなく、ストーリーにも投稿することでより多くのユーザーの目に触れる可能性が上がります。
ストーリーにWEBサイトのURLを追加できるのはフォロワー1万人以上のアカウントのみ
大企業のインスタグラム活用事例を見ていると、ストーリーにWEBサイトへのリンクURLを付加し、そこからWEBサイトへの集客へと繋げている事例・使い方もありますが、ストーリーにリンクURLを付加できるのは1万人以上のフォロワーがいるアカウントのみである点が注意点。フォロワーが1万人以下のアカウントの場合はストーリーのクリエイティブまたはキャプションへのURL記載などが必要です。
ただ漫然とストーリーに投稿するだけでは効果は出ない点も注意点
またユーザーはインスタグラム上のストーリーを次から次へと閲覧するため、漫然とインスタグラムのストーリーに投稿するだけでは大きな効果は期待できません。ユーザーが手を止めるようなインパクトや、ユーザーが続きを知りたくなるようなストーリー性のあるクリエイティブで無ければ効果が出ない点にも注意が必要です。
逆にフォロワーに何を知ってもらいたいのか、どんな気づきを提供したいかが明確化なストーリーは、エンゲージメントの獲得やWEBサイトへの集客などのマーケティング効果を期待できます。
ユーザーとのダイレクトメッセージ機能の利用
アメリカでのインスタグラム活用成功事例で必ず言及されるのがユーザーとのダイレクトメッセージ機能の利用。投稿へのコメントとは違い、インスタグラムではダイレクトメッセージでのクローズドな(非公開の)コミュニケーションが比較的しやすい点も特徴です。個別メッセージのやりとりという性質上、公開されている成功事例はありませんが、インスタグラム活用に成功している企業の多くがダイレクトメッセージ機能を活用している様子。
直接、自社のブランド・商品・サービスのファンと繋がり、メッセージでコミュニケーションを継続しながら、ファンをエバンジェリスト化。コアなファンが自ら自社の商品・サービスを宣伝してくれるほどに関係性を深めることがインスタグラムマーケティングの成功ポイントで、インスタグラムの理想的な使い方と言われています。
広告を活用してインスタグラムのフォロワーを増やす
インスタグラムがフォロワーとの関係性を深めるサービスだとしても、自社の商品・ブランドに興味があるユーザー層に対して、アカウントの開設を知らせ、短期間でフォロワーを増やすには有料広告の活用も欠かせません。
インスタグラム広告では写真や動画広告をフィード、ストーリーに配信でき、また利用者の属性データや趣味・関心などを基にターゲティング配信も可能。WEBサイトへのトラフィック獲得の目的以外にも、ブランド認知やインスタグラムのプロフィールページの閲覧を促進する広告や、ダイレクトメッセージによるリード獲得が目的の広告配信も設定できます。
インスタグラムの投稿を簡単にする!最新&便利ツール5選
インスタグラムマーケティングが効果的でも、見た目の良い投稿を続けるのは大変なもの。その悩みは世界中のSNSマーケティング担当者に共通のようで、いま海外ではインスタグラム投稿を簡単にできるツールが多数生まれています。ここでは2019年3月に開催されたソーシャルメディアマーケティング関連イベント「Social Media Marketing World 2019」で共有された最新・おすすめの便利ツールを5つに厳選して紹介します。
インスタグラムのストーリー向けのテンプレート:Easil
インスタグラムのストーリー向けのテンプレートが多数提供されているサイト・Esil。季節ごとのテンプレートや割引クーポン用など目的・用途別に多数のテンプレートが無料で提供されるほか、有料会員になれば自社ブランド専用のテンプレートの新規作成も可能です。
Esil|https://about.easil.com/
音声データだけでも動画コンテンツを作成できるツール:Headliner
「動画の撮影は面倒」「動画に顔を出すのはちょっと…」という場合に、音声データだけで簡単にインスタグラムなどソーシャルメディア向けの動画コンテンツを制作できるHeadliner。月間10本のビデオ制作までは無料で利用できるツールで、画像や文字情報とナレーションだけで動画を作成できます。またBGMが多数用意されている点もおすすめポイント。
Headliner|http://headliner.app/
画像や動画を使ってアニメーションGIFを作成:Giphy
Giphyは簡単にアニメーションGIFが作成できるツール。画像や動画をアップロード、アニメーションGIF化が可能なほか、既存のアニメーションGIF素材にテキストを追加してオリジナルGIFファイルの制作も可能です。少しの手間でユニークなインスタグラム向けの投稿コンテンツが作成できる便利なツールです。
Giphy|https://giphy.com/
無料のオンライン動画作成・編集ツール:Wave.Video
無料のオンライン動画作成ツールで、自分で動画を撮影しなくても動画テンプレートの中から自分でテキストやキャプションを追加、オリジナルの動画コンテンツの制作が可能。インスタグラム向け、Facebook向け、Youtube向けなど各ソーシャルメディアプラットフォームの最適サイズに合わせて動画の縦横比などを自動で変更・調整する機能もあり、複数のプラットフォーム向けに動画コンテンツを制作する際に便利なツールです。
Wave.Video|https://wave.video/
動画にキャプション・字幕を追加できるアプリ:Clipomatic
iOS向けアプリであるClipomaticは、音声認識技術などを使って動画へ簡単にキャプション・字幕を追加できるツール。インスタグラムなどソーシャルメディア向けの動画では、マナーモード設定中など音声無しでも動画の内容が理解できるよう字幕の追加が必要。有料アプリですが日本語にも対応しており、このアプリの活用でキャプション・字幕の追加の手間が減りそうです。
以上、インスタグラムマーケティングの活用方法や最新事例、便利ツールを、2019年3月にアメリカ・サンディエゴで開催されたソーシャルメディアマーケティング関連イベント「Social Media Marketing World 2019」から抜粋して紹介しました。