検索ワードのトレンドを調べる方法~変化に注目・商機を逃さないマーケティング

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検索ワードのトレンドを調べる方法~変化に注目・商機を逃さないマーケティング

少し前まで検索回数の多かったキーワードの検索回数が減少、他の検索ワードが急上昇するなど、検索ワードのトレンドは絶えず変化しています。特に2020年は新型コロナウィルスの影響もあり、世界的に消費者の生活環境が急激に変化、結果的に検索ワードのトレンドや特徴も大きく変化しました。

急激にトレンドが変化するマーケット環境で商機を逃さないためには、検索ワードに対する思い込みを捨て、最新トレンドやトレンド変化を察知し、柔軟に取り入れるスタンスがマーケティング活動に求められます。

今回の記事では、具体的な検索ワードのトレンド変化の事例や検索ワードのトレンドを調べる方法やツールの紹介とともに、検索ワードのトレンド変化を迅速に捉え、商機を逃さないマーケティング方法について考察します。

青木綾青木 綾(RYO AOKI)


EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルート入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。(Twitter: @RyoAoki9

検索ワードのトレンドの急激な変化~2020年前半の事例から

2020年前半は新型コロナウィルスの影響もあり、世界的に消費者の生活環境や需要が急激に変化し、WEB上の検索・購買行動にも大きな変化が生じています。この変化は企業のマーケティング活動に影響を与えるとともに、新たなビジネス機会をもたらす側面もあります。

特にコンテンツマーケティングやSEOでは、検索ワードのトレンドを把握し、変化の兆しを捉え、コンテンツ作成やWEBサイト集客の戦略・戦術策定へのスピーディな反映が重要です。

そこで、広範囲の検索ワードで大きな変化が生じた2020年前半の動きを、トレンド変化の事例として紹介します。コロナによる外出自粛前後で、消費行動や需要がどう変化し、検索ワードのトレンドにどんな変動があったか、Googleトレンドを使って確認します。

Googleトレンドで特定キーワードの検索回数の変動がわかる

検索ワードのトレンドを調べる方法として、よく利用されるのがGoogleトレンドを使用する方法。Googleトレンドは、Googleが保有する膨大な検索履歴のデータをもとに、特定のキーワードの検索回数の変動状況がわかるツールで、最新情報が反映されている上、2004年から現在までの任意の期間を指定して検索トレンドをグラフで確認できる点が特徴です。

過去数年間の動きを月単位で確認でき、各キーワードの季節変動の理解にも便利なツールです。

Googleトレンドの画面イメージ

参考:Googleトレンドの画面イメージ

以下、Googleトレンドで過去5年間のデータを確認、直近のコロナ前後でどのようなトレンドの変化があったかを、特徴的な検索ワードごとに紹介します。

リモートワークの増加、光回線・ポケットWiFiのトレンド変化

新型コロナウィルスの影響で、日本政府が緊急自体宣言を出したのが2020年4月7日。その直後に大きく急上昇した検索ワードの1つが「リモートワーク」です。

リモートワークの検索トレンド

上記のGoogleトレンドのデータの通り、過去5年では検索回数が非常に少なかった「リモートワーク」のキーワード検索が急激に増加しています。このトレンド変化とあわせて、インターネット環境関連の検索ワードも大きく変化しました。リモートワークで自宅のネット環境が必要となった結果、「光回線」や「ポケットWiFi」などのキーワードが急上昇しています。

光回線とポケットWiFiの検索推移

「光回線」(青色)と「ポケットWiFi」(赤色)のどちらの検索ワードも、季節変動で毎年4月・5月は検索回数が増える時期ですが、2020年4月は例年以上に検索規模が拡大しました。

面白いのは過去5年の「光回線」と「ポケットWiFi」の2つの検索ワードの比較で、トレンドでは「ポケットWiFi」の検索回数が上位だったのが、コロナによるリモートワーク増加後は「光回線」が上位に変化した点。これは、外出先でも使えるインターネット手段「ポケットWiFi」から、自宅専用のインターネット回線「光回線」へのトレンド・需要の変化を示唆します。

インターネット回線以外にも、「リモートワーク・在宅勤務で外出が減り、自宅の時間が増えた」という行動変化で、トレンドが変化した検索ワードが他にもありそうです。

実印・電子署名といったキーワードはコロナ前後で急激な変動

また新型コロナウィルスによる自宅待機やリモートワークが増える中、話題になった実印・捺印などのハンコ文化。オフィスへの出社が不要となるよう、電子署名や電子契約へ移行すべきとの声も広がりました。

「実印」「電子署名」検索の動き

「実印」(青色)や「電子署名」(赤色)といった検索ワードの動きをGoogleトレンドで確認すると、確かに2020年4月に「電子署名」の検索回数が急激に増加、「実印」の検索回数がやや減少する変動があったものの、外出自粛が一段落した後は元の水準に戻っているように見えます。契約書や登記書類の電子化はまだ先なのかもしれません。

検索ワードのトレンドからも外食市場は過去の水準に戻っていない

新型コロナウィルスによる外出自粛で、大きく影響を受けた外食産業。外食市場への消費需要は戻り始めているものの、過去の水準まで戻っていないことがGoogleトレンドの検索回数からも確認できます。例えば「レストラン」(青色)「居酒屋」(赤色)などのキーワードの検索回数規模は2020年4月に急速に減少、2020年6月以降もコロナ前の6割~7割の水準です。

レストラン・居酒屋・出前の検索ワード推移

一方、ある検索ワードが急激な減少の裏には、必ず急上昇しているキーワードも。外食の場合は「出前」や「フードデリバリー」といった検索ワードの回数が急上昇しました。

ある需要(検索ワードの検索回数)の減少を見つけ、その需要が他の何に代替されたのかを想像すると、新たな売上・マーケティング機会の創出に繋げることができそうです。

外食の減少と同時に自宅での食事が増え、レシピ情報を調べる需要が増加

例えば、外食の減少により自宅での食事が増えたことは容易に想像がつきます。実際にGoogleトレンドで確認すると、レシピ情報を調べる検索ワードの検索回数が軒並み増加、特に普段は外食で食べる料理を自宅で再現するレシピの需要が大きく伸びていたようです。

検索ワード「ラーメンレシピ」のトレンド

関連トピック・キーワードを活用、さらにトレンドの変化を探る

検索ワードのトレンド変化を売上やマーケティングに繋げるには、もう少しビジネスに近いキーワードのトレンド変化を調べることが必要で、それに役立つのがGoogleトレンドで関連トピックや関連キーワードを確認する方法。特定のキーワードをGoogleトレンドで調べると画面下部に関連するトピックやキーワードが表示されます。

Googleトレンドの関連トピック・キーワード

例えば、「ラーメン レシピ」の関連トピックとして急激に検索回数が増加しているキーワードの1つが「鍋」。自宅での料理が増え、調理器具や食器の購買需要も増えたと予想できます。実際、Googleトレンドで確認すると「フライパン」や「包丁」、「食器」の買い替え需要が増え、検索ワードのトレンド変化を確認できます。

フライパン・包丁・食器の検索トレンド

検索ワードのトレンド変化から、具体的にどんな購買行動が増えるか、Googleトレンドの関連トピックやキーワードからヒントを得ることが可能です。

調理器具のメーカーや販売店などのビジネスであれば、上記のようなGoogleトレンドから、「美味しいラーメンの作り方」などのコンテンツ・Youtube動画を作成、そこから自社製品の販売に繋げるなどのマーケティングアイデアにたどり着けます。

※ちなみに、中には「自宅にラーメン用の製麺機を買った」との声も。これまではBtoBのみの販売だった製品が、toCで売れるというケースもありそうです。

日本だけでなく海外でも同様の検索トレンドの変化

上記の検索トレンドの変化は日本だけでなく、海外を含め世界規模で起きています。むしろ日本よりも外出制限の厳しい国の方が、自宅での調理需要が増した可能性もあります。

例えば、アメリカでは日本食の寿司(Sushi)人気が高い一方、コロナによる外出禁止等で日本食レストランでの食事も困難な状況です。そこで増加した検索ワードが「Sushi Recipe」や「How to make sushi」といった自宅での寿司の作り方を調べるキーワード。徐々にレストランが営業再開された2020年6月以降も一定の検索回数を維持しており、コロナ前後でトレンドが変わり、自宅での寿司作りの需要が増え、それが定着しつつあるように見えます。

SUSHI関連の検索トレンド

一時的な検索回数の変動にとどまらず、上記の事例のようにコロナをきっかけに検索ワードのトレンドが変わり、新たなトレンドとして定着しているケースもあります。

子供向けコンテンツや余暇・レクリエーション関連の検索トレンド変化

2020年前半を振り返ると自宅待機や外出自粛により、仕事や生活影響だけでなく、子供の教育や遊び方、余暇・レクリエーションにも変化がありました。これらの変化で検索ワードのトレンドも変わり、新たな商機やマーケティング機会も生まれています。

例えば、映画やドラマなどのコンテンツ消費はNetflixやAmazonプライム、ディズニー・プラスなどのサブスクリプション型サービスへ移り変わりつつあります。Googleトレンドで検索ワードの変動を確認すると、例えば「映画館」の検索回数はコロナを機に急激に減少、一方で「Netflix」の検索回数は増加し、直近では需要が逆転しつつあります。

映画館とNetflixの検索回数のトレンド

子供の教育関連では新しいタイプのキーワードの検索回数が急上昇

また学校の休校などで、子供の教育関連の検索ワードにもトレンドが変化しています。「オンライン授業」や「オンライン塾」など、過去5年間でほぼ検索が無かった新しいタイプのキーワードの検索回数が急上昇、新しいビジネス機会が生まれつつあります。

オンライン授業・学習・塾の検索トレンド

海外・アメリカではECサイトでの消費規模に大きな変化

ちなみに、海外ではECサイトの売上の大きな変化がすでに報告されています。アメリカでは2020年4月~5月のECの消費額が、前年同時期よりも520億ドル(約5.5兆円)も増加。この消費規模は前年のホリデーシーズン(2019年11月~12月)のEC消費額を上回る非常に大きな規模です。このような購買活動の急激なオンラインシフトで、デジタルマーケティングには多くの商機が訪れていると言えます。

アメリカのEC売上(2020年上半期)
出典:https://blogs.adobe.com/japan/dx-online-shopping-during-covid-19-exceeds-2019-holiday-season-levels/

あらめて2020年前半の状況を振り返り、自社のビジネス領域において検索ワードのトレンドに大きな変化がないかを確認することは、商機を逃さないために必要、かつ重要な作業です。

検索ワードのトレンドを調べる方法~商機を逃さないマーケティング

以上、マーケティング担当者にとって検索ワードのトレンドやその変化の把握は、商機を逃さず、新たな売上創出に繋げる重要な仕事であることを、2020年前半の事例で紹介しました。

具体的な検索ワードのトレンドの調べ方や調べる方法については、上記で紹介したGoogleトレンドを利用する方法の他、いくつかおすすめの方法があります。

Think With Google~リテール版トレンドクエリ

Think With Google~リテール版トレンドクエリ

Googleが提供するツールであるThink With Googleの「リテール版トレンドクエリ」はGoogleトレンドのリテール商品版とも言える、特にECサイトのマーケティング担当者であれば必ず使いたいサービスです。

参考:Think With Google・リテール版トレンドクエリ

リテール商品のカテゴリーで、Google上での検索回数が急上昇しているおよそ400のカテゴリーと、各カテゴリーごとに最大25個の関連検索キーワード(クエリー)を確認でき、最大約1万のリテール関連検索ワードを確認できる便利なツールで、どんなリテール商品に消費者が注目しているかを確認できます。

リテール商品で急上昇しているカテゴリー

Googleトレンドと同様、最新の状況から直近1年の検索トレンドまで確認可能で、実際に今年の急上昇カテゴリを確認すると「消毒剤」や「うがい薬」などのほか、鍋やオーブンなどの調理器具、食材などの検索需要の急上昇を確認できます。

Twitter(ツイッター)のツイート検索によるトレンド分析

検索ワードのトレンド変化の裏にある消費者ニーズやインサイトの把握、関連する需要の変化を見つけるには、Twitter(ツイッター)で関連するツイートの検索・分析もおすすめの方法です。Twitterには、特定のキーワードでツイートを検索できる機能がありますが、検索対象の期間やいいねの数でツイートを絞り込む便利な機能もあります。

ツイッター検索で使用可能な便利なパラメータ

特に、検索ワードのトレンドに変化があった期間を指定して、そのキーワードに言及するツイートを分析したい場合など、下記の使用可能なパラメータで絞り込むと、インサイトを把握しやすく便利です。

Twitterの検索パラメータ 機能・役割
-(ハイフン) 特定のキーワードを除外
since: yyyy-mm-dd 指定日付から現在までのツイート
until: yyyy-mm-dd 過去から指定日付までのツイート
filter:images 画像付きのツイートに絞り込み
filter:links リンク付きのツイートに絞り込み
min_replies/retweets/faves:N リプライ・いいね・リツイートがN回以上のツイートに絞り込み

例えば、
・「リモートワーク」について
・期間は2020年4月
・いいねが5つ以上
・外部サイトへのリンクを含まない
という条件でツイートを検索する場合、下記のように指定します。

リモートワーク since:2020-04-01 until:2020-04-30 min_faves:5 -filter:links

ツイッターの絞り込み検索結果

「リモートワーク」関連の検索トレンドの急激な変化の中、消費者が何を考え、何に困っているかを理解するのに、ツイッターは有用なツールの1つです。

Pinterestのトレンド分析機能

日本ではまだユーザー数の少ないPinterestですが、アメリカなどの場合はユーザー数も多く、またGoogleの検索トレンドと違った動きを確認できる場合もあり、Pinterestのトレンド分析機能も有効なツールの1つです(Piterestのトレンド分析機能の提供はアメリカ・イギリス・カナダの3ヶ国のみです)。

ピンタレストのトレンド分析機能

Googleトレンドと同様、検索ワード単位でPiterest上の検索トレンドを確認可能で、Pinterestでも「How to make sushi」や「Sushi Recipe」などの検索がコロナを機に急上昇したことが分かります。

Sushi関連ワードのトレンド

検索トレンドの確認はコンテンツマーケティングの効果アップに重要

以上、検索トレンド変化の事例や検索ワードのトレンドを調べる方法について紹介しました。

結論として、検索トレンドの変化を察知し、マーケティング施策に活かす方法としては、上記のような地道な検索トレンドの確認が必要で、定期的に各検索ワードの検索回数の変動有無を確認する運用が必要です。手間はかかるものの、マーケティングの効果アップに直結するため、実際に取り組む企業も多くいます。

新しい検索ワードは競争が激しくなく、新規参入のメディアでも成功しやすい

特にコンテンツマーケティングやSEOで検索トレンドを定期的に把握するメリットが、新しい検索ニーズやコンテンツニーズに気づける点。新しい検索ワード(リモートワークやオンライン学習など)はまだ競合コンテンツが少なく、競争も激しくないため、比較的新しいWEBサイトや新規参入メディアでもコンテンツマーケティングやSEOで成功しやすいのが特徴です。

早期に検索トレンドの変化や新しい検索ニーズを見つけ、自社のコンテンツ戦略やSEO戦略に反映すれば、競合よりも早くトラフィックを獲得、WEBサイト集客で差を生み出すことが可能です。

自社のビジネス領域でどんな変化が起きているかの想像力が必要

問題はどのように検索トレンドの変化を捉えるかですが、残念ながら地道に想像を膨らます以外に方法はありません。世の中の検索トレンドの大きな変化が自社のビジネス領域にどんな影響を及ぼすか、自社のビジネスが対象とする検索ワードの中でトレンドが変化しそうなキーワードはどれかなどを仮説立て、このページで紹介したツールを活用、1つ1つの仮説を検証する作業が必要です。

世の中の動きやニュースをもとに検索ワードのトレンド変化を確認する運用を徹底、コンテンツマーケティングやSEOの機動力を高めることは、商機を逃さずに売上を最大化する1つの方法で、新型コロナウィルスの影響で変化の激しい昨今だからこそ、マーケティングに必要な取り組みだと考えます。

●この記事は2020年7月にオンラインで開催されたデジタルマーケティングカンファレンス・Mozcon Virtual 2020でピーター・マイヤーズ氏(@dr_pete)が行った講演「Moving Targets: Keywords in Crisis」の内容を参考に執筆しました。
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