2022.03.30

経営のニューノーマルは、有名歌姫のアレで決まる!? 株式会社経営者JP・井上氏が語る経営の未来の当たり前とは?


2001年に浜崎あゆみが2000年以来、現在に至るまでおこなっている毎年のコンサートツアー。

実は未来の経営に大切な要素は、このアユのライブツアーに隠されているらしいーーーー

冒頭から唐突で混乱を招いたかたもしれないが、この答えは本記事を読み進めていけばわかるはずだーーーー さて今回は、経営に関する未来の当たり前について紹介するのだが、「経営」や「社長」という言葉を聞いて読者の皆さんは何を連想するだろうか?

戦後の経済成長からバブルの崩壊ーーーーそしてインターネットの普及や会社法の改定により、2000年代には数多くのスタートアップやITベンチャーが日本にも誕生するようになった。時代と共に経営というあり方は、アメーバのように変化してきているのだ。

そんなビジネスの激流を泳ぎ続ける経営者たちを支えるのが、 株式会社 経営者JPだ。

『社長(リーダー)は、旅の先導役なんです。経営においてマイルストーンはあってもゴールはない方が面白いんですよ』と語る、株式会社経営者JP・代表取締役社長・CEO・井上氏ーーー今回はそんな井上氏に、未来の経営の当たり前についてお話をお伺いしてきた。



インタビューイー
井上和幸
(Inoue Kazuyuki)
株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO
早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より現・リクルートエグゼクティブエージェントに転職、マネージングディレクターに就任。2010年2月に株式会社 経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。

2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援など提供している。業界MVPを多数受賞。著書は『30代最後の転職を成功させる方法』他。「日本経済新聞」「プレジデント」「週刊ダイヤモンド」他メディア出演多数。


大切なのは“肩書”ではない、支えたいのは「心根(こころね)」が正しい人たちーーーー


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────まずは御社の概要について教えてください。

私たち「株式会社 経営者JP」は、主に2つの事業から成り立っています。1つは「エグゼクティブサーチ事業」、そして2つめは「プラットフォーム事業」です。

エグゼクティブサーチ事業は、経営者層と幹部層に絞った採用・転職を支援するサービスです。そしてプラットフォーム事業は、現任で活躍されている経営者・幹部層に特化したキャリア支援や経営・事業執行に関するアドバイス、経営に関する情報提供をおこなっています。また経営者・経営幹部・リーダー層向けのワークショップの開催、メディアを通しての情報発信などにも取り組んでいます。

いずれにせよ弊社は会社経営や事業がうまくいくための解決策を、「経営者・経営幹部・リーダー陣の最適なフォーメーション」を実現することで行っています。

この文脈における最適化とは、企業ごとに望ましい経営体制を構築させることです。また経営者やリーダー陣という「組織を率いる個人」にアプローチすることで、企業にとってもポジティブな結果につながると考えています。

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エグゼクティブサーチ事業の詳細を見る

────なぜ、経営者・経営幹部・リーダー陣に特化したビジネスモデルを構築されたのですか?

簡単に説明すると優秀な経営者・経営幹部・リーダーが増えることで、会社はもちろん、社会に対しても良い影響を与えられるからです。ですが私たちは、決して「社長」「経営者」「役員」「部長」などの肩書がある人を応援したいわけではありません。

あくまでも経営者JPとしては、正しい心と高い志を持った経営者の方や社会に何かしらの価値を仕事で提供する企業様をサポートしています。



────なるほど、肩書よりも正しい心を持った方、正しい行動をする方たちのイメージでしょうか?

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おっしゃる通りです。肩書は、肩書にすぎないんですよねーーーー それに私たちは、「志高き」という枕詞を大切にしているんです。

私は長年この仕事をするなかで色々なタイプの経営者の方にお会いしてきました。お金だけに価値を見出す方、世のため人のために仕事をする方、何から手をつけて良いかわからず、思考が停止してしまっている方…色々な経営者の方がいるわけですよね。

当たり前ですが、すべての経営者がうまくいっているわけではありません。経営者といえども一人の人間なので、色々な課題や壁にぶつかりながら、その都度悩み、考えながら事業が少しでもうまくいくように試行錯誤しています。

私は事業が現時点で成功していなくても、それ自体が問題だとは思っていません。高い志を持ち、アクションを起こし続ければ将来的には、成功する可能性が高いからです。

そのため肩書ではなく、一人の人間としての「心根(こころね)」が正しいか、世の中に真の価値を届けるための企業にしたいかーーーーなど心がキレイな経営者・経営幹部・リーダーたちを支えていきたいんですよね。



経営者、幹部層、リーダー陣をサポートすることで、会社と社会が良くなる


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────なるほど…才能や能力があっても、心が整っていないとそれを悪用したり、自分の私欲を満たすためだけに使ってしまう方もいますよね。経営の上流に関わる方たちにフォーカスした事業だと思いますが、そもそも井上様が起業したきっかけは何かあったのでしょうか?

私はもともと新卒でリクルートに入社し、リクルート自体の採用や企業広報、新規事業で社会人教育に関連する事業とネット事業の立ち上げなどに従事しました。その後、30代で友人が立ち上げたベンチャー企業に参画しました。

そのベンチャーでは10名程の人数が4年弱でアルバイトスタッフまでいれると100名程までに急成長しました。若手人材も必要ですが、経営幹部も必要になります。 しかしいざ経営幹部を採用しようとしても、2000年代前半は幹部層を扱う採用支援サービスがなかったんです。

ベンチャー企業のなかには、中小・大手企業が10年、20年かけて実現するようなビジネスプランに対して、2年~3年で到達してしまう場合もあるんです。中小企業や大手の場合は、22歳前後で新卒入社して、働き続けた先に30代後半や40代になってからようやく管理職、経営職を徐々に任されていくようになるのが一般的です。

しかしベンチャーの場合、この スピード感では会社が求めるスキルと人の成長がマッチしないのが現実です。 ベンチャー企業で働いたことがある方はイメージされやすいかもしれませんが、状況に応じて柔軟な舵取りが求められるシーンが多い傾向にあります。そうなると事業を加速させるためにも、事業やプロジェクトをハンドリングできる人間を中途採用する必要があるんです。

────なるほど…ベンチャー企業の成長速度に対応できるリーダー陣が必要となるわけですね。

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おっしゃる通りです。しかし先程お話した通り、2000年代序盤では、日系企業の経営者・幹部層に対応した採用ソリューションを提供している企業がなかったんです。私自身も幹部層の採用活動には困っていました…それに他社のベンチャー企業の社長たちや経営陣たちも同じ悩みを持っていたんです。

当時2000年代前半は、小泉政権下で会社法が改定され、少額でも起業ができる世の中になりました。その結果ベンチャー企業が増えていた時代でもあります。ベンチャー企業が増える一方で、どのベンチャーも経営陣の拡充に苦戦していましたね。

そもそも会社は、若手社員、中堅社員、アルバイト、業務委託者など、様々な方の存在があってこそ成立します。そしてリーダー陣は、かれらを導いていく立場の人間です。リーダー陣の行動や発言は、直接メンバーたちに影響しますよねーーーそのため僭越ながら弊社が、 このような経営に携わるメンバーの育成や採用などのサポートをすることで、世の中のためになるのではないかと思い今のビジネスをスタートしました。



高い志を持った経営者たちが増える一方で、世界的に見たら“まだまだの日本”



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────素晴らしいお考えですね… 確かにリーダー陣は、仕事はもちろん、人としての器や人格も求められますね。昨今、起業や独立する方も増えている気がするのですが、起業に関する考え方も年々変わってきている体感などありますか?

若い世代の経営者たちが、高い志を持ち世の中のあらゆる「不」の解決にあたっているイメージがあります。スタートアップやベンチャー企業が、社会的な問題にアプローチし世の中を良くするために努めていますよね。

しかしVC(*ベンチャーキャピタル)の国際比較は、(*1)G7諸国(日本、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ)の中では第6位です。またVC投資額の対GDP比率では、16位という結果になっています。

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出典:『ベンチャーキャピタル投資の国際比較』注1
   内閣官房成長戦略会議事務局 経済産業省 経済産業政策局 令和3年3月,1P~2P

────はじめて知りました…… 世界的に見ると日本は、出遅れている印象を受けました…

そうですね…VC投資額の1位は、アメリカです。アメリカと日本のVCを比較した場合には、コロナ禍においてもアメリカは2019年より2020年の方が、投資額は10.8%増加しています。 しかし世界基準で考えると微々たるものですが、日本国内のVC投資額は年々増加している傾向にあります。

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増加傾向の背景は、デジタルDX、ITの発達、5Gなどインターネットなどのインフラ精度の向上、2006年の小泉政権の「新会社法」など、様々な社会的な後ろ盾もあっての結果です。一方で少し視点を変えると、フリーランス・個人事業主や非正規社員は、この10年で増加しました。しかしフリーランスや個人事業主は、正社員と比べると雇用の安定性や所得水準は、低いままの状態が続いているのも現状です。

また中間層(年齢30~54歳、年収400~900万円の正規雇用者)の所得は減っています……しかし経過する時間は全人類が平等なので、毎年確実に年齢は重ねていきますよね。このような経済的なマイナス面や世界水準ではまだまだ出遅れている現状には、どうしても目を向けざる負えない状況ともいえます。

────なるほど…自分自身も当事者なので、他人事とは思えない危機感を感じました…そのうえでどのような方向に起業家たちは進むのでしょうか?

このような状況が続くと私は将来的には、更なる“二極化”が進むと考えています。「非常に高い付加価値を生むタイプの人」「定型化されたオペレーションをこなす人」のどちらかだけになり、中間層は消滅するでしょう。

そのような中、新しいビジネスを起こす起業家の存在は、国の豊かさやプレゼンス(存在感)すら左右する重要なものとなるはずです。しかし先程お伝えした通り、世界的にみたら日本のVCは、まだまだ投資額が低いのも現状です。それに加えて、『起業に興味はあるけど、なかなか行動におこせない…』という方も多い印象を受けます。

ある起業家育成団体から聞いた話ですが、起業家向けのセミナーに4000人程の参加者がいて、実際に起業するのは100人もいないとのことでした(汗)



────確かに少ないですね(汗)やはり日本人ならではの国民性や風土なども関係があるのでしょうか?

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明確な根拠となるデータがあるわけではないので主観になりますが、日本人ならではの国民性や島国ならではの環境も影響しているかもしれませんね。日本は、世界で第3位のGDPなので、経済的にも社会的にも恵まれた国だと思います。世界的にみても日本国内であれば安全・安心に生活が送れる環境が整っていますよね。

海外で挑戦したり、安定的な生活を捨て新しいことにチャレンジしなくても、最低限の生活はおくれるわけですーーーーこのような背景から考察すると何かダイナミックなアクションを起こすのは、苦手な国民性があるのかもしれませんね。

別の国の例で言えば韓国は、2020年一人あたりの名目GDPが2020年のデータを見ると前年比より285.2%増えていたんです。韓国の人口は、日本の約半分と言われていますが、経済的にも急成長していますよね。韓国のBTSが良い例かもしれませんが、世界で活躍する代表的なアーティストになっています。実際に2021年の「アメリカン・ミュージック・アワード(AWA)」では、「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」「フェイバリット・ポップ・デュオ・オア・グループ」「フェイバリット・ポップ・ソング」を受賞しました。

要するに世界へ出てグローバルな経済活動をしているわけです。日本も海外で挑戦できるだけの沢山の“原石”を持っている国だと思います。個人的に少し歯痒いのは、日本はポテンシャルはあるのに、日本の国内で安全・安心・安定して暮らせるため、日本の中だけで色々な事柄が完結してしまっているところですね。

これは先人たちが築いてきた素晴らしいことですが、“世界”と“経済”という文脈で考えたときに、今まで以上に海外を視野に入れた経済活動をするべきだと思っています。



未来の経営の当たり前は“浜崎あゆみスタイル”


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────ここまでのお話を聞くと、今まで以上に従来の方法に囚われない経営が必要になってくる気がしました。そのうえで、未来の経営は5年後、10年後どのように変わると思いますか?

唐突かも知れませんが、未来の経営の新常識は浜崎あゆみのライブツアーに隠されています!

────っえ!!あのアユのライブですよね!? アユのライブと未来の経営がどのようにリンクするかイメージがついていません(汗)

私は昔から歌手の浜崎あゆみさんのファンなんですよね(笑)昔はライブツアーに行ったり、コンサートDVDを購入したりしていました。実はアユのライブは、プロギタリストで元ジャニーズの野村 義男(のむら よしお通称:よっちゃん)が参加していて、チームのリーダーとなっていた時期が長らくありました。



ライブツアーでは、1年近く同じメンバーで全国のライブ会場やドームで公演します。またアユのライブツアーチームは、ギタリストやドラマーなどのバンドチーム、ダンサーチームなど様々なメンバーで構成されています。おそらくツアー中のミュージシャンやダンサーたちは、1年契約で活動しているはずなんです。しかしアユお墨付きの音楽のプロ集団ということもありますが、バンドメンバーやダンサーなどは長らく固定メンバーが多いんですよね。

またその時々のライブツアーやコンサートのテーマによって、ダンスに力を入れたり、他の演出に力を入れたりーーーーコアメンバーを中心にしつつも、新しいダンスやミュージシャン、パフォーマーたちがツアーに参加し、ライブパフォーマンスをさらにレベルの高い次元へ押し上げているんです。

正社員ではないですが、何かしらの契約を交わしつつ10数年間ずっとアユのツアースタッフとして活躍している人も多くいます。

つまりは、会社の経営もこういった、ライブのツアーチームのような形になってくると見ています。経営において正社員で常に成果を出すのではなくて、プロジェクトベースで様々なプロフェッショナルが集まる経営スタイルになっていく気がしますし、実際にすでにそれに近いスタイルになっている企業も出てきています。

プロジェクトごとに最適なプロフェッショナルなメンバーで編成されて、正社員という縛りではなく、外部からのフリーランスや業務委託のプロフェッショナルの方も参加する世界観です。

プロジェクトである以上、さまざまな職種の人が参加しますよね。営業、ディレクター、クリエイター、マーケター、カスタマーサポート、運用チームなどです。また経営者やリーダーになることは、プロジェクトマネジャーになることでもあります。

リーダーたちが、プロジェクトごとのテーマや目標を実現するために、 プロフェッショナルなメンバーたちと一緒に活動するワークスタイルになると思います。雇用形態や立場などの垣根をこえて、アユの周りのプロフェッショナル軍団のように、最高のパフォーマンスを出すーーーーこんな経営スタイルになっていくでしょう。

────実際にこのような経営スタイルを導入されている会社も増えているのでしょうか?

時代を先読みした対応力のある企業やチームリーダーは、既にこのような考え方をベースにプロジェクトを運営していると思います。しかし労働時間や残業の管理など、労働法の観点からハードルが高いのも確かです。構想としてはすでにあるのに、法人である以上はまだまだ当面は難しいかもしれません。

最近は働く側の個人としても、正社員であっても仕事の質や成果を担保してくれるのであれば時間管理型の働き方はなくしても良い、という考え方も生まれています。

「ホワイトカラーエグゼンプション(white collar exemption)」と呼ばれる制度があるように、オフィスワーカーをはじめとした一部の労働者を労働時間の規定から除外して、成果をベースに賃金が支払われるといったところでしょうか。しかしこれも労働法の観点から社員たちに全面展開することは、現状難しいのが現実です。



より“本質”や“正しさ”を重視した社会へーーーー


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────なるほど、これらのお話は、ワークスタイルのニューノーマルだと思います。一方で、経営者は精神的な面ではどのようなことが重視されますか?

大切なことは、自分たちの仕事で世の中の負を解決するための明確なビジョンや志が今まで以上に重要視されると思います。

消費者たちも金額という切り口だけではなくて、“堂々と会社のサービスや商品を利用できるか”という考え方を大切にしています。実際にSDGsの取り組みもそうですが、社会的な価値や意味などが今まで以上に求められていますよね。

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これは働く環境でも同じことが言えるはずです。自分が所属している会社が、お金はあるけど、社会的にネガティブなことをしていたら不安になりますよね?

自分が所属している会社が、どのようなソリューションを世の中に提供して社会貢献をしているのかは考えると思うんです。もちろんすべての人間が、社会貢献性だけを重視はしていないかもしれませんが、就職活動の際に意識している方も多いはずです。

実際にZ世代と呼ばれる若い世代の方は、人としての根底にある“幸せ”や“正しさ”という価値観を大切にしている印象を受けます。バブル世代と呼ばれる、出世やお金を重視し成長するという考えとは対局かもしれませんね(汗)



────なるほど…より本質的な課題を追求したり、小我(しょうが)ではなく大我(たいが)で考えたりするイメージでしょうか?



そうですね。実際このような風潮は、良いことだと思います。インターネットの発達によって、世の中の透明度が増していますよねーーーー別の言い方をすると、悪いことをしている人が表に出やすい時代になりました。昔は暗黙の了解でOKだったことも、今ではNGなことも多くあります…

逆を言えば、高い志を持って仕事をすれば、ポジティブな文脈で世の中に広がりやすいです。企業はもちろん、人としての正しさが求められている時代になっているような印象です。



経営とは、仲間たちとゴールのない旅をすること


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────これから挑戦したいことや成し遂げたいビジョンはありますか?

2030年までに100万人以上の志の高き経営者・リーダーを生み出したいと思っています。私たちもベンチャー企業ですし、乗り越えなくてはいけない課題は山積みです。

先程もお伝えしましたが、経営者や幹部、リーダー陣が会社全体や部下に与える影響は大きいです。私たちは、組織を良い方向へ導くリーダーたちが一人でも多い世の中になってほしいと思っています。

経営者・幹部層・リーダー陣が、日本はもちろん世界でも活躍できるような場作りや個々の力が発揮できるようなキャリア形成の構築に取り組んでいきたいですね。100万人の志の高い優秀な経営者・リーダーがいれば、会社組織はもちろん、社会全体の課題解決にもアプローチできると思っています。

当然のことながら、私たちは人間なので、生まれた瞬間に“経営者”として生まれてくる人はいませんよね?また人の成長は、十人十色なので、年齢を重ねながら少しずつ経験を積んで優秀なリーダーになる人もいますし、若くして経営者としての才能を開花させる人もいます。

このような方々が、弊社のソリューションを通して色々な意味で何かを発見できるような機会をつくったり、プラットフォームとしての基盤を今まで以上に作り上げていきたいです。



────井上様にとって経営とは何でしょうか?

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私にとって経営は、ゴールのない旅ですね。経営者をはじめとしたリーダーたちは、旅の先導役だと思います。あえて“ゴールのない旅”と表現したのは、ゴール(目的)が達成されてしまったら旅が終わってしまいますよね? 目的地に到着したら、また次の目的地を決めて仲間たちと旅をするイメージです。

この終わりのない旅を一緒に歩んでくれる、仲間や旅の道具(物資)を集めて、全員で同じ方向を向いて旅をするーーーー 旅の途中では、色々なことが起こります。時には仲間たちと喧嘩をしたり、過酷な環境で心が挫けそうになったり、同じ釜の飯を食べて笑いあったり、色々な経験をするわけですよね。少し古臭いような印象を受けるかもしれませんが、このような経験を通して、仲間同士の絆が深まり、全員で目的を成し遂げるーーーーこのような仲間と旅を続けるのが、私にとっての経営だと思っています。



ソウグウ,経営者JP,

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<編集後記>

今回の取材を通して、このような表現が適切かはさておき、経営について語る井上氏の姿は、某人気海賊漫画の主人公である麦わらの船長の姿と重なった。

私は井上氏にインタビューの最後に経営をするうえで大切なことを質問した。井上氏いわく、経営にとって重要な要素は、3つあるそうだーーーー1つは「方向の決定」、2つは「リソースの確保(仲間や資金を集める)」、3つは「仲間たちと歩みを進める」とのことだ。

まさしく麦わらの海賊が、大秘宝を手に入れ海賊の王になるという方向を決め、航海に出るための船や食料、仲間を調達する。そして、剣士や航海士、コックや狙撃手などの仲間を集め航海に出るーーーー 経営とは船旅のようにも感じた取材だった。

またこれからの経営は、より本質的であり、肩書ではなく一人の人間としての正しさが求められる時代になったことに改めて気が付かされた。これからも世の中的な経営の風向きはもちろん、井上氏が舵を取る株式会社経営者JPの経営という名の“航海”に注目していきたい。



新井那知
ライター
So-gúd編集部
新井 那知
埼玉県・熊谷市出身。渋谷の某ITベンチャーに就職後、2016年にフリーランスライターとして独立。独立後は、アパレル、音楽媒体、求人媒体、専門誌での取材やコラム作成を担当する。海外で実績を積むために訪れたニューヨークで、なぜかカレー屋を開店することに—- 帰国後は、ライターとして日々取材や編集、執筆を担当する。料理と犬、カポエイラに目覚め、足技の特訓中。
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