ジョブカンとは—クレジットの日に考える「信頼」と「働き方」
2024.07.31

ジョブカンとは—クレジットの日に考える「信頼」と「働き方」


7月1日は「クレジットの日」とされていることをご存じだろうか。
1961年(昭和36)7月1日に公布された割賦販売法にちなんだものだ。

あまり聞き馴染みのない法律だが、私たちの社会生活に大きく関わっている割賦販売法が公布された7月1日の「クレジットの日」に考えたいのは「信用」についてだ。

そこで今回は、バックオフィス業務を効率化するクラウドERPシステム「ジョブカン」や、ライブ配信&動画アプリ「ミクチャ」など幅広いサービスを提供する株式会社DONUTSへ伺った。
お話を伺ったのはジョブカン統括責任者である石山瑞樹氏。「信用」は「ジョブカン」というサービスの成長にも大きく関わったという。彼のお話から改めてその重要性を紐解いていきたい。

■割賦販売法について
割賦販売とは、商品やサービスの購入者が代金の支払いを2ヵ月以上の期間で、かつ3回以上に分割して受けることを条件に商品やサービスを提供すること、およびクレジットカードによる販売をいいます。割賦販売法は、割賦販売などの取引の公正さを確保して、購入者の利益を保護すること、そして商品・サービスの提供を円滑にして事業発展を図ることを目的に制定された法律です。



石山 瑞樹
インタビュイー
石山 瑞樹氏
株式会社DONUTS 執行役員 ジョブカン統括責任者
株式会社ライズアース 代表取締役
2012年に株式会社DONUTSに入社し「ジョブカン勤怠管理」のサービス責任者に就任。マーケティング・制作ディレクション・営業支援・ブランディング構築など、多岐にわたる業務を兼任し、クラウド勤怠管理システムシェアナンバーワンのポジションにまで成長させる。その後、ジョブカンのシリーズとしてワークフロー、経費精算、採用管理、労務管理、給与計算、会計、見積/請求書をリリース。


クレジットの日に考える「信用・与信」の重要性


ジョブカン 取材用写真
―――今回のインタビューは「クレジットの日」にちなみ、石山さまにお話を伺いながら改めて「信用」について考えていきたいと思っています。石山さまは7月1日が「クレジットの日」ということはご存じでしたか?

実は取材のお話をいただいて初めて「クレジットの日」を知りました。
割賦販売法が1961年(昭和36)に制定されたことに対して、意外と最近であることに驚きましたね。

割賦販売法に紐づくものとしてはクレジットカードが挙げられると思いますが、今では私たちの生活になくてはならないものになっています。私自身も子会社でクレジットカードを作ったのですが、会社の信用が数値で出ることは感慨深かったです。

私たちのようなベンダー目線では、加入店舗が多くなければ、そもそもユーザーも利用しませんし、ユーザーが多くても加入店舗が少なければ衰退してしまいます。どのような推移でクレジットカードが普及していったのか、とても興味がわきました。

インタビューを受けるにあたって「クレジットの日」について調べたことで、改めて「信用・与信」の重要性を感じています。私たちは「お客様をがっかりさせない」ことを大切にしていますが、弊社が多くの方に支えられたのも、お客様に満足していただき信用を貯めてきたからかもしれません。

ジョブカンの魅力とは?累計導入実績25万社突破を実現したサービスの強みに迫る


ジョブカン公式ホームページ画像 引用:「ジョブカン」公式ホームページ

―――ここからは御社(株式会社DONUTS)のサービス「ジョブカン」についてお伺いしていきたいと思います。まず、ジョブカンについて教えてください。

私たちが提供している「ジョブカン」はクラウド型業務管理システムです。

バックオフィス業務の効率化を目的に、「ジョブカン勤怠管理」からサービスを展開しました。現在はシリーズ化され、勤怠管理・経費精算・ワークフロー・採用管理・労務HR・給与計算・会計・見積/請求書・BPOの9サービスを提供しています。

また、各種法令にも対応しており、安心して利用できる点も特徴です。中小企業から大企業まで幅広く導入され、累計導入実績は25万社を突破。多くの企業の業務効率化に貢献してきました。

―――幅広く支援されていますね。さまざまなプロダクトがありますが、なかでも今一番御社が推しているサービスはありますか?

全てのプロダクトを平均的に推したいと思っていますが、「ジョブカン給与計算」はお客様からもご好評いただいていて、とても人気のサービスのひとつです。

ジョブカン給与計算公式ホームページ画像 引用:「ジョブカン給与計算」公式ホームページ

「ジョブカン給与計算」は、「ジョブカン勤怠管理」とシームレスに給与計算ができることが魅力です。「ジョブカン勤怠管理」が成熟した状態で「ジョブカン給与計算」をリリースしたため、シームレスな連携度合いやサービスの使いやすさは他社クラウド給与計算サービスの中でも群を抜いていると思います。実際、お客様からも「すごく使いやすい」というお声をいただいています。

「ジョブカン勤怠管理」の魅力と通じますが、さまざまな勤務形態に合わせて管理ができるのが「ジョブカン給与計算」の強みです。そのため、雇用形態が幅広い企業の方には、より「ジョブカン給与計算」の良さが伝わると自負しています。

ジョブカン会計公式ホームページ画像 引用:「ジョブカン会計」公式ホームページ

また「ジョブカン会計」もぜひ利用していただきたいサービスのひとつです。「ジョブカン会計」の魅力は、軽快な操作感にあります。専用ソフトウェアのダウンロードも不要で、かつ複数名での作業も可能なので、別の会計ソフトからクラウド会計システムへの移行を考えている方にも使いやすい環境になっています。

実は「ジョブカン会計」は、元々某有名会計ソフトを作っていたメンバーが独立して作ったサービスをM&Aさせていただき、私たちのジョブカンシリーズに繋げたものです。優秀なメンバーの約20年間のノウハウを集約して作ったサービスなので、とても使いやすく品質には自信があります。

昨今、さまざまなクラウド会計システムがありますが、「ジョブカン会計」はカスタマイズ性が売りのため、社内独自の会計ルールがある企業の方におすすめです。実際に、さまざまな企業を支援している税理士や会計士の方からもご好評をいただいております。

ジョブカンワークフロー公式ホームページ画像 引用:「ジョブカンワークフロー」公式ホームページ

最後に「ジョブカンワークフロー」も紹介させていただきます。「ジョブカンワークフロー」はあらゆる申請書をクラウド管理できるワークフローシステムです。2016年から2023年まで、8年連続で「『ITトレンド』年間ランキング」において1位を獲得する*など、高い評価をいただいているサービスです。

「ジョブカンワークフロー」の最大の強みは、企業ごとの自由なカスタマイズをクラウドで実現させていることです。

ジョブカンには「お客様にルールに従ってもらう」というスタンスはなく、各企業の決済フローをそのままカスタマイズして構築できます。どんな企業にもルールがあると思いますが、そのルールをそのまま表現できる機能が「ジョブカンワークフロー」にはあるのです。

※参照:ITトレンド年間ランキング2023

これからは個人が勤怠管理をする時代!ジョブカンが描く未来の働き方


ジョブカン公式ホームページ画像 引用:ジョブカン「ジョブカン、「BOXILSaaSAWARDSummer2024」の8部門で「GoodService」等を受賞」

―――「ジョブカン勤怠管理」を導入された企業には、実際どのような変化があったのでしょうか?

ジョブカンを導入された企業では、まず残業の可視化が進んだことで、以前に比べて残業時間が削減され、同時に有給取得日数も増加しています。これは働き方改革により、日本の働き方が変化したことも影響しているとは思いますが、ジョブカンを導入している企業では、残業時間を減らす日を定めるなど、より力を入れて対応している印象があります。

ジョブカンの導入により時間管理の効率化も進んだという声もいただきます。従業員が出勤・退勤を手動で入力する、勤怠データの集計作業などの手間がサービス導入により大幅に効率化されたことが貢献していると思います。

同時に、勤怠バックオフィス業務(総務・労務)を担う人たちからは「自動化によるヒューマンエラーの削減」を喜んでいただくことが多いです。今までは紙ベースのシステムから集計する作業中のミスに不安やストレスを抱えていた人もいたようですが、システム導入で軽減につながっていると思います。

また、勤怠情報のリアルタイムデータの可視化という部分もジョブカン導入で変化した部分だと思います。コロナ以降、リモートワークが増えたことで管理者がリアルタイムに従業員のステータス・状況を把握できることが重要視されるようになりました。ジョブカンを導入している企業では、“勤怠状況の見える化”がしっかりできるようになっていると思います。勤怠状況を見える化すると、従業員同士のストレスが減り、「まじめな社員の退職を防ぐ」という付随的効果も発揮されます。

ジョブカン 取材用写真
―――昨今、履歴書不要で仕事ができる働き方も徐々に広まり始めています。そんな中でジョブカンは未来の働き方にどのような影響を与えると考えていますか?

ジョブカンで導入するかは決めていませんが、個人的な見解としてお話させていただくと、副業が増えている現代においては個人が自分の勤怠時間を自分で管理でき、それを会社にシェアできるという世界が理想だと思っています。

例えば、チャットツールのように自分のアカウントに対して複数のワークスペースを作り、出勤する時は該当の会社のワークスペースに入るというイメージです。36協定で定められている副業の規定という面からみても、一つのプラットフォームで複数の会社のワークスペースに同時に入ることができるツールは多様な働き方を後押しできるでしょう。

また、将来的に個人で自分の勤怠時間を管理できるようになれば、勤怠管理データをその人自身の「信頼性」を示すものとして利用できます。転職活動をする上でも、目に見えない信用性を勤怠管理データが見える化してくれるのです。

フレックスタイム制やリモートワーク、出産や育児による時短勤務など働き方が多様化するなかで、従業員に自由な働き方をさせたいと考える企業も非常に多くなってきていると思います。しかし、自由な働き方をどのように管理するのかが大きな課題です。しっかり管理するにはコストもかかります。「ジョブカン勤怠管理」を導入することで、そういった企業が抱える課題も解決に導いていけるでしょう。

―――AIが普及してバックオフィス業務に従事している人は「仕事が奪われる」と感じている人も多いというお話がありますが、その辺りについてはどのようにお考えですか?

AIや私たちが提供するサービスが普及することで、今ある仕事が奪われるのではなく、これからはバックオフィス業務の採用が非常に少なくなると考えていただきたいです。

今後は少子高齢化が進み、人手不足はより深刻化していくでしょう。今までバックオフィス業務を担ってきた人も、よりクリエイティブな仕事が求められる時代になってきます。そういった時代においては、AIや私たちが提供するサービスの普及は社会全体が抱える課題のひとつの解決策になりうるでしょう。

ジョブカンの成長も支えたクレジット(信頼)―ビジネスとは信頼の循環―


ジョブカン 取材用写真
―――株式会社DONUTSもさまざまなサービスを展開されていて、多くの人、企業からの信用があってこそ成り立っていると思いますが、信頼や信用が企業運営に与える影響について、石山さんはどのように考えていらっしゃいますか?

信用が大きい企業は資金調達が容易です。そして、資金調達が上手くいくことで資本金や財務状態が安定し、取引先企業とも良好な関係を築くことができるでしょう。また、企業と取引をする上でも、信用・信頼関係が築けていれば、さまざまな点で融通が利くこともあると思います。

そして信頼・信用の元でスムーズにビジネスが展開すれば、しっかりとしたモノ(サービス)を作ることができ、プロダクトが顧客の口コミで評価され、消費者の信頼も得られます。サービスが評価されれば、従業員のモチベーションにも繋がっていくと考えています。

従業員のモチベーションが向上すれば生産性が向上し、それによりサービスのブランド化に繋がり、優秀な人材も確保しやすくなります。

このように「クレジット(信頼・信用)」を紐解いていくと、信頼・信用があることで好循環を生み出せることが分かります。逆に信頼・信用がなければ、今お話した流れとは全く逆の悪循環を引き起こすことになるでしょう。それほど、ビジネスにとって「クレジット(信頼・信用)」は大切な物だと思います。

ジョブカン 取材用写真
―――まさに、ビジネスとは信頼の循環ですね。
サービスを提供し始めたばかりの段階で、信頼を獲得する際に工夫されたポイントを聞かせてください。


サービスを利用していただく場合、プロダクトか人を信頼してもらうしかありません。サービス提供開始直後は、プロダクトも未成熟な状態でした。そのためプロダクトの未成熟な部分を補うために、私たちは「人」の力でお客様からの信頼を得てこられたと考えています。

私たちが大切にしている「人」の力とは「営業」と「開発」です。
具体的な事例を紹介しますと、当時は足りない機能も多かったので、お客様と打ち合わせをした際に「この機能はあった方がいい、他のサービスにはある」といった声をいただくことがありました。その際に、営業は「〇日までに実装するので」といった顧客との約束を取り付けて、開発は実装納期を守ることを徹底していました。

ただ、やっつけ仕事ではお客様は満足してもらえません。開発担当者がお客様の求めている機能を最優先で開発・実装できるよう、その機能を実装するまでの間は、お客様には別の機能を使用してお待ちいただくよう工夫していました。このように2つの軸である営業と開発の「人」の力でお客様の信頼を得られてきたと思います。

―――ジョブカンのさらなる進化が楽しみになってきました。
最後に、読者の方へ向けてメッセージをお願いします。


ジョブカンは「100人規模のバックオフィス業務を1人で対応できるように」という目標を掲げてサービスを提供しています。おそらく100人規模の企業でバックオフィス業務担当が1人という企業はほとんどないはずです。最低でも労務、総務、採用、経理と各1人は雇用されているでしょう。

私たちが提供するジョブカンを導入することで、職業固有の知識もサービス内で補い、機能を取り入れていくことで誰が使ってもそのルールに順応できる仕組みを作ることで、労務、経理、採用まで全て1人でできる未来を実現したいと思っています。

例えば、年末調整などの社員提出書類のチェック業務もシステムが全てチェックしてくれるので、その書類が正しいかどうかを判断できる人材は不要になり、他の業務に人材を活かすことができます。今後は会社の成長フェーズに合わせて企業に必要な知識を伝えていく仕組みも導入していく予定です。

バックオフィス業務をスリム化したいと考えている皆様には、ぜひジョブカンの未来の姿にも注目していただきたいです。

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