シェアリングエコノミーとは?新たな価値を創造する注目のサービス
最近、ニュースなどの様々なメディアで「シェアリングエコノミー(sharing economy)」という言葉が注目されています。シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して個人等が所有する「モノ・場所・スキル」などをシェア、売買する新しい共有経済活動のこと。
皆さんは、シェアリングエコノミーと聞いてどのようなサービスをイメージされますか?
アメリカのバケーションレンタル(民泊)サービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」や、ライドシェアの「Uber(ウーバー)」が有名なシェアリングエコノミーのサービス事例です。
日本ではフードデリバリーサービスの「Uber Eats(ウーバーイーツ)」や、フリマアプリの「メルカリ(mercari)」は、利用されている方も多いのではないでしょうか?
「Uber Eats」は、1点から注文でき誰でも手軽に使えるデリバリーサービスです。「メルカリ」は、インターネット上のフリーマーケットを個人間で簡単に取引できるサービス。
サービス例のとおり、シェアリングエコノミーとは、誰もが想像していなかったサービスではなく「あったらいいな」を実現可能にしたサービスと言えます。
本記事では、シェアリングエコノミーの基本情報から、未来を豊かにする「あったらいいな」を実現している最新の注目サービスを紹介いたします!
注目のビジネスモデル「シェアリングエコノミー」とは?
* 引用元:情報通信総合研究所シェアリングエコノミー関連調査2020年度調査結果
前述のとおり「シェアリングエコノミー」とは、インターネットを介して個人と個人が*遊休資産をシェア、または売買する新しい経済のことです。(遊休資産とは、個人が所有する場所、車などの資産のうち、利用していない時間がある、使っていない物を指します)
シェアリングエコノミーは、アメリカを中心に世界中へ広がり、近年では、海外だけでなく日本でも2兆円を超える市場規模へと成長しています。
しかし、シェアリングエコノミーにも2つのデメリットが存在します。今後のシェアリングエコノミーの普及には「提供者の信頼性がはかれない」「法整備が追いついていない」という課題も残されています。
現在、事業者はデメリットの解消につとめ、提供者の評価制度を取り入れるなど、解決に向けた仕組みづくりが進んでいます。
それでは、サービス例をあげて説明していきましょう。冒頭でもお伝えしたフリマアプリの「メルカリ(mercari)」は、シェアリングエコノミーサービスの代表例です。
https://www.mercari.com/jp/
メルカリは、インターネットを通じて個人間でフリーマケットができるサービスです。販売から決済まで一気通貫のプラットフォームを提供。
個人間で「不要なモノを必要な人へ届ける」マーケットプレイスを可能にしました。
最近では、メルカリのような個人同士(CtoC)の2次流通マーケットだけでなく、企業と個人(BtoC)、企業と企業(BtoB)までシェアリングエコノミーサービスの幅は広がっています。
例えば、企業間でのコンサルティングマッチングサービスなどもシェアリングエコノミーの1つ。ビジネスのあらゆる掛け合わせから、新しい価値を生み出す革新的なサービスが次々と生まれています。
*引用元:「2021年シェアリングエコノミー調査報告書・データ集」(情報通信総合研究所)
さらに、シェアリングエコノミーはいま話題となっている「SDGs(持続可能な開発目標)」の8つの課題に対しても貢献するため、ますます注目が集まっています。
世界的に問題となっている「過剰生産・過剰在庫」の課題解決にも有効とされ、持続可能な社会を目指す糸口になるでしょう。
それでは、注目のビジネスモデル「シェアリングエコノミー」を5つの分類に分けて説明していきましょう。
5つの分類と代表的なサービス例
シェアリングエコノミーは、サービス分類を大きく分けて「空間・モノ・移動・スキル・お金」の5つに分類することができます。
いったいどんなサービスがあるのか、5つのジャンル毎に代表的なサービス例を見ていきましょう。
空間のシェアサービス例
まずは、「空間のシェアリングエコノミーサービス」から紹介していきます。
・SPACEMARKET(スペースマーケット)
https://www.spacemarket.com/
「SPACEMARKET」は、シェアリングエコノミー協会の代表理事を務める重松氏が立ち上げたシェアリングエコノミーサービスです。
2014年からサービスをスタートし、イベントスペース・貸し会議室・撮影スタジオなどのレンタルスペースを提供しています。現在は、14,000件以上の空間とユーザーを繋ぐWebプラットフォームと成長しました。
働く場所に特化した「スペースマーケットWORK」、イベント幹事のお悩みを解決する「スペースマーケットEVENT」とサービスの幅を広げています。
・軒先ビジネス
https://business.nokisaki.com/
2008年よりサービスを開始した「軒先ビジネス」は、空いたスペース(軒先)を有効利用するシェアリングエコノミーサービスです。
空いているスペースを貸したい方と、ポップアップストアをやりたい方を繋ぐプラットフォームを提供。誰でも簡単に1日単位でお店を出したり、イベントの開催ができたりするサービスです。
また、3つのジャンル「飲食」「物販」「マーケティング(展示会)」に分けられ、用途に応じたスペースを選択可能。個人はもちろん、企業のプロモーションイベントのスペースとして利用することもできます。
モノのシェアサービス例
続いては、「モノのシェアリングエコノミーサービス」を紹介します。先ほどシェアリングエコノミーの代表例としてあげた「メルカリ」は、モノのシェアサービスに分類されます。他にも2つ紹介していきましょう。
・air closet(エアクローゼット)
https://www.air-closet.com/
「air closet」は、サブスク(月額定額制)でファッションのシェアリングレンタルサービスを提供しています。
なんと30万着から、プロのスタイリストが好みに合わせセレクトした洋服がレンタルし放題。クリーニングも不要で、洋服を毎日選ぶ手間を減らし、働く女性が選ぶレンタルサービスNo.1に選ばれました。
・Laxus(ラクサス)
https://laxus.co/
「Laxus」は、憧れのブランドバッグをレンタルし放題で利用できるサービスです。
眠っているブランドバッグを有効活用したい提供者と、ブランドバッグを好きな時に使いたい利用者を繋げるプラットフォームを提供。
現在は、130万ダウンロードを突破し、さらに人気が高まっているサービスです。Laxusは、物を所有することから、シェアすることを推奨。廃棄ではなく再利用することでエシカルな消費行動を提示しています。
移動のシェアサービス例
3つめは、「移動のシェアリングエコノミーサービス」を紹介します。世界2大シェアリングエコノミーとして、冒頭でふれた「Uber」は、移動のシェアに分類されます。
「Uber」は、ライドシェアサービスとして世界的に認知されています。しかし、日本ではタクシー業を守る法律の問題から、あまり普及しませんでした。
日本では、フードデリバリーサービスの「Uber Eats」が有名で、コロナ禍では多くの方が利用されたのではないでしょうか?
その他にはどのような移動のシェアサービスがあるのか、紹介していきましょう。
・Anyca(エニカ)
https://anyca.net/
「Anyca」は、個人と個人を繋ぐカーシェアプラットフォームです。車を所有するオーナーは、遊休資産を活用し利益をえることができ、ユーザーは好きな時に車を利用することができます。
オーナー個人の所有車のため、通常のカーレンタルとラインナップが異なり、希少な車種など、乗ってみたかった車に出会えることができる点もユーザーへのメリット。
また、「ディーラーカーシェアサービス」もはじまり、最新の新車がシェアできるなど、個人間だけでなく、企業と個人も繋ぐプラットフォームへと派生しています。
・Times CAR(タイムズカー)
(*2021年4月より「タイムズカーシェア」から「タイムズカー」へ改名)
https://share.timescar.jp/
「タイムズカー」は、駐車サービスを運営する「タイムズ24」の提供するカーシェアリングサービスです。
会員数は100万人を突破し、ステーション数、車の台数ともにカーシェアサービスNo.1の人気サービス。会員間で車を共有するサービスで、ユーザーは全国に点在するステーションと呼ばれる場所に止められた車を直接ピックアップします。
通常のカーレンタルよりもお手軽で、PCやアプリから簡単に予約可能。また、24時間好きな時に車を使うことができます。
スキルのシェアサービス例
続いては、「スキルのシェアリングエコノミーサービス」を紹介します。スキルのサービスは、コロナ禍で後押しされた働き方の多様化(副業やフリーランスなど)に注目が集まっている背景もあり、新たなサービスが多く出てきています。
・ANYTIMES(エニタイムズ)
https://www.any-times.com/
「ANYTIMES」は、家事代行やペットの散歩など、日常のちょっとした用事を依頼したい人と、空き時間に仕事をしたい人を繋げるスキルシェアサービスです。
働き方の多様化がすすむ中で、副業を後押しするサービスとして人気。また、ANYTIMES認定サポーターとして、独自のシェアワーカー評価システムがあるため、サービスを利用する側も安心して利用することができます。
・CrowdWorks(クラウドワークス)
https://crowdworks.jp/
「CrowdWorks」は、仕事を依頼したいクライアントと、スキルをもったシェアワーカーをマッチングさせる国内No.1のクラウドソーシングサービスです。
CrowdWorksは、マッチングさせるだけでなく、報酬の支払いまでトータルサポート。シェアワーカーごとに振り込み手続きをする必要がないため、会社としても手間なく導入しやすく、72万企業がサービスを利用しています。
お金のシェアサービス例
最後は「お金のシェアリングエコノミーサービス」を紹介します。お金のシェアサービスとは、主に「クラウドファンディング」のことを指します。
クラウドファンディングとは、プロジェクトを企画し、それに賛同した個人から資金調達できるサービス。「こんな商品を作りたい」など、誰でも発案者になれ、共感すれば支援者になることができます。
主なクラウドファンディング事業を2つ紹介しましょう。
・CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/
「CAMPFIRE」は、日本で初めてクラウドファンディングを展開した、国内最大級のプラットフォームです。
ジャンルは、「プロダクト・ビジネス・ファッション・アート」と幅広く、17個にカテゴリー。企画があれば誰でも簡単にプロジェクトを立ち上げることができます。
・Makuake(マクアケ)
https://www.makuake.com/
CAMPFIREを抜き、ユーザー数が国内でもっとも多いクラウドファンディングのプラットフォームとなったのが「Makuake」です。
Makuakeは、まだ製品化していない、世に出ていない新しいモノや体験を提供しているのが大きな特徴。Makuakeは、新開発の商品やコラボ商品といったプロダクトに特化しています。
そのため、企業のテストマーケティングに利用されたり、支援者もリピーターとして利用されたりする方が多いサービスです。
ここまで、5つの分類ごとにシェアリングエコノミーのサービス例を紹介してきました。シェアリングエコノミーの意味を知らなくても、実際にサービスを利用したことがある方や、サービス名は知っている方が多かったのではないでしょうか?
シェアリングエコノミーは、生活を便利にする身近な存在としてサービスが広がっています。
注目のシェアエコサービス3選
続いては、「時代に即したあったらいいな」別に注目サービスをご紹介します!
・ADDress(アドレス)
https://address.love/
「ADDress」は、月定額4.4万円(税込)で住み放題の「多拠点居住」をコンセプトに、空間のシェアプラットフォームを提供しています。
コロナ禍でリモートワーク・テレワークが推奨され、働き方が大きく変化しています。働き方が変われば、働く場所も多様化していくのではないでしょうか?
ADDressは、定額で暮らす場所を簡単に選択することができる、いままでにない新しいサービスを提供しています。どこでも好きな場所で仕事ができ、自然豊かな環境に身を置くことで、忙しい方でも生活の質を高めることが期待できます。
・LEBER(リーバー)
https://www.leber.jp/
「LEBER」は、医療のシェアリングエコノミーアプリです。24時間・365日スマホで医師に相談できるドクターシェアリングプラットホームを提供。
コロナ禍のいま、病院の負担を減らすためには無駄な訪問を減らすことも大切です。また、気になる体調の変化にもオンラインで簡単に医師の診断を仰ぐことができるので安心です。
ユーザーは、問診チャット機能を使えば、最短3分で医師から返答がもらえ、症状に対する緊急性や、市販薬のアドバイスをもらうことができます。さらに、近くの最適な病院や、適切な診療費まで教えてくれるため、「どこの病院に行ったらいいのかわからない」など、さまざまな不安を解決。
このサービスが普及することで、医療制度の整っていない地域で暮らす方や、深刻化する医療現場の人手不足の解消に役立っていきます。
・TABETE(タベテ)
https://tabete.me/
「TABETE」は、*食品ロス(Food Waste)を解消するフードシェアアプリです。
(*食品ロスとフードロスは異なります。フードロスとは、消費者に届く前に廃棄となる食品のこと。食品ロスは、届いた先の家庭や飲食店で生じるロスを指します)
TABETEでは、まだ食べることができるのに売り切ることが難しいお店と、テイクアウトで購入したい消費者を繋ぐ「食品の食べ切り」を目的としたプラットフォームを提供しています。
ユーザーは、おいしい商品をお得に購入することができ、結果としてお店の損失や食料ロスを助けることができます。
現在、アプリのユーザーは36万人を超え、利用店舗は1,500店舗以上、マッチング率90%となるエリアも。月間で約4.1トン相当の食品ロス削減にも成功し、成長しているサービスです。
またTABETEは、多くの自治体と連携し、地域ごとの活用を推進。食料ロスを削減することで、責任ある社会づくりを応援している企業として注目されています。
未来のあたりまえをつくるシェアリングエコノミー
ここまで、シェアリングエコノミーの基礎知識と、未来の「あったらいいな」を実現している最新のシェアリングエコノミーサービスを紹介しました。
今やスタンダードになったサービスから、これまでにない新しい価値を提供するサービスまで、さまざまなシェアリングエコノミーが存在します。
シェアリングエコノミーは、この先も未来のあたりまえになる「あったらいいな」を生み出すビジネスモデルとして、成長していくのではないでしょうか?
ぜひ、明日から未来を少し豊かにするツールとして、シェアリングエコノミーサービスを利用してみてくださいね。
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