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“女性起業家” 喜多村若菜氏が「ミートキャリア」で目指す多様な働き方へのサポートとは?


近年、日本でも「女性起業家」が徐々に増えていることをご存知だろうか?
日本政策金融公庫が発表する「*2020年度新規開業実態調査」によると、2020年は14.4%だったのに対し2020年は21.4%と、女性の開業比率は年々増加している。
引用元:「*2020年度新規開業実態調査」

女性起業家が増加している背景には、インターネットの普及により、オンライン上で完結する事業を展開しやすくなったことがある。今では実店舗を持たずとも、またオフィスさえなくても事業をはじめられる時代なのだ。

今回は、まさにフルリモートで事業運営し、未来の当たり前となる新サービスを展開する女性起業家にフォーカスする。株式会社fruor(フルオル)代表取締役 喜多村若菜氏だ。喜多村氏は、オンラインキャリア相談をメイン事業とした「ミートキャリア(meetcareer)」を展開している。

ある時、「女性がライフイベントを機にキャリアを諦めなくてはいけない環境」を見て、課題を感じたという喜多村氏。ここから、あらゆる人が多様な働き方を実現できる社会を目指し、「ミートキャリア」は人材業界とは一線を画すサービスを展開している。

そんな喜多村氏の起業ストーリーから、「ミートキャリア」で伝えたい想いや実現したい未来についてお話を伺った。


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インタビューイー
喜多村 若菜
Wakana Kitamura
株式会社fruor

代表取締役 CEO
1993年 大阪生まれ。2016年3月 神戸大学経済学部卒。在学中にシンガポールやNYの企業でインターンシップを経験。
2016年7月 アクセンチュア株式会社に新卒入社。その後転職し、教育関連事業の立ち上げを経験。採用・育成を担当する中で、育児中の働き方のニーズに対し、選択肢が少なすぎることに疑問を持つ。
2019年1月 25歳でライフステージに合わせたキャリア支援事業を行う株式会社fruorを起業。
2019年11月 ミートキャリア(meetcareer)サービス開始。
全国からフルリモートで参画するキャリア サポーター(カウンセラー)やメンバー約100名と共にサービスを運営。
2021年6月 W ventures、ベンチャーユナイテッド株式会社ほか、複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施し、4,500万円の資金調達を実施。

「ミートキャリア」3つの事業


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────では、早速ですが「ミートキャリア」がどのようなサービスを提供しているのか、教えていただけますか?

「ミートキャリア」は、“オンラインキャリア相談”をメインサービスとして展開しています。主に3つの事業があり、1つ目が“相談者様からお金をいただくサービス”です。こちらがメイン事業で、「1on1のオンラインキャリア相談」と、3ヶ月メールのやり取りを通してじっくり自己分析をする「大人の自己分析プログラム」というサービスを提供しています。

「ミートキャリア」では、求人紹介をするのではなく“キャリアで悩む人を支援するサービス”を提供しているんです。オンラインでプロに相談することで、転職か現職か迷っていた方が次の一歩を踏み出せたり、自分自身の強みがわからず自信を失っていた方が強みをクリアにして前向きに働けるようになったり。一言で言うと、キャリアの「どうしよう…」を「こうしよう!」に変えるサポートをしています。

2つ目が、“キャリアカウンセラー養成講座”です。弊社では、キャリアカウンセラーを「キャリアサポーター」と呼んでいますが、現職のキャリアサポーターが模擬カウンセリングや座学を行い、本気でプロのキャリアカウンセラーになるためにスキルを向上させたい方に向けた実践重視型の講座を提供しています。



────具体的にはどのような講座内容になっているのでしょうか? キャリアカウンセリング養成講座

キャリアカウンセラー養成講座の期間は、3ヶ月です。受講者は、月1回ごとに3つのテーマに沿った座学をオンラインで受講します。大きな特徴は、座学のインプットや課題をこなすだけでなく、プロのキャリアサポーターとの1対1での実践的な模擬カウンセリングを実施し、それに対してフィードバックがしっかり受けられる点です。

また、フィードバックを元に受講生同士のロープレも行うことができるので、さまざまなテーマでのカウンセリング方法を体験することもできるんですよ。キャリアカウンセラーは、他業種からのキャリアパスも多い職業ですが、なかなか実践的に学ぶ場所はないため、資格だけ持っていて活用できていない方が多く、大変好評いただいています!



────実践型でとてもやりがいがありそうですね!では続いて、3つ目の事業を教えていただけますか? 法人様向けサービス

3つ目は、2020年からトライアルとしてスタートさせた“法人様向けサービス”です。実は、厚生労働省が働き方改革の1つとして、企業の「キャリアコンサルティング」導入を推進しています。

例えば、社員の方がライフイベントを機に働き方に悩んでも、社内の人事への相談となると、「人事評価に影響してしまうのでは…」と考え、なかなか本音で話せない部分も多いものですよね。キャリアの悩みは、上司や同僚にも話しにくく、1人でモヤモヤを抱え離職してしまうパターンも多いので、企業にとっては大きな損失になってしまうんです。

そこで、「ミートキャリア」が相談窓口としての役割を果たし、従業員の離職防止やメンタルヘルス予防などへ効果を発揮していく「キャリアコンサルティング」を提供しています。




「女性はライフステージが変わるとキャリア形成できない」起業へと突き動かした1つの課題


喜多村若菜

────では、キャリア相談事業として「ミートキャリア」を立ち上げようと思われたきっかけは、何だったのでしょうか?

「ミートキャリア」を立ち上げるきっかけはいくつかあるのですが、1つは新卒で就職した職場で管理職の女性が少なく、キャリアイメージが見えず転職したことです。2つ目は、大学卒業後すぐ出産した後輩がファーストキャリアを築けずに悩んでいる姿を見たことですね。

働き方に制約があるだけで、キャリア成長のきっかけすら持てないことを知り、大きなショックを受けました__。

私は、父のようにバリバリ仕事をして、専業主婦の母のように子どもに寄り添う家庭も築きたいと思っていました。なので当たり前に、“キャリアと家庭を築くことは両立できる”と思っていたんです。

しかしその後転職した教育系の事業でも、ユーザーであるお子さんを持つお母さん方と話をする中で、改めて「働き方や時間の制約がある中で、キャリアを形成することの難しさ」を実感しました。 そこでどんな課題があるのか深堀しようと、SNSなどを利用して200名ほどの子育て中の方や人事の方にアンケートを行い、話を聞きに行ったんです。



────SNSですか!?

TwitterのDMで育児中の方に1人ひとりアンケートを送っていったのですが、多くの方が快く協力してくださって私自身も驚きました!いきなりアンケートが送られてきたら、ちょっと怪しい人だと思われてもおかしくないですよね(笑)。

実は、この時ヒアリングさせていただいた方の中には、のちに「ミートキャリア」のメンバーとしてキャリアサポーターをされている方もいらっしゃるんですよ。この時の皆さんの協力がなければ、今の「ミートキャリア」はなかったと言っても過言ではありません。

そして、何名かの方にヒアリングをさせていただく中で、「働き方の選択肢が少なすぎる」「週5日フルタイムでしかやりがいのある仕事はできないのか」「それができないと、離職するしかないのか」と、多くの課題があることに気づいたんです。

この課題に対して、私は“新しい選択肢”をつくることが、必要だと思いました。そして最終的に「女性や子育て中に限らず、誰もが自分に合った働き方が出来る社会を実現したい」という想いで「ミートキャリア」を立ち上げたんです。



────確かに、復職した後の働き方で苦戦している話はよく聞きます。そして女性だけでなく、正社員の求人といえば週5フルタイムが当たり前ですよね。“新しい選択肢”というのは、どのように作っていけるのでしょうか?

まず、なぜ上記のような課題が起きているのか考えた時に、今の“人材業界の構造”が大きな影響を与えていることに気づきました。私たちは、この「人材業界の構造をぶち壊すくらいのインパクトを与えたい」と考えています。

人材業界の行うエージェントや求人広告の構造は、法人からお金をもらうビジネスモデルです。そのため、「週5フルタイムでバリバリ働けるスキル人材」といった企業側が求める人材には、お金もかけて獲得しようとします。しかし、逆を言えばその条件から外れたら、支援される場所がありません。

ここから人生100年時代といわれ、企業が個人のキャリアを形成する終身雇用のような制度はなくなっていき、1人ひとりがキャリアを形成していかなくてはいけない時代になっていきます。そんな世の中に変化していった時、もっと人材業界の求める条件から外れる人は増えていくと考えています。しかし、今の構造のままでは、そんな方たちを支援できません。

「時短正社員で働きたい」と言ってもなかなか案件がないんです。「パートではいけないんですか?」と言われてしまうことが、現実なんです。
なので私たち「ミートキャリア」は、人材業界の構造では支援できない方たちを直接支援できないかと考え、法人ではなく個人からお金をいただくことにしました。個人1人ひとりが自分の強みや提供できる価値を明確にし、企業に働きかけることで、多様な働き方の実現ができないかと試みているところなんですよ。

例えば、週5日の求人に応募して面談の中で週4日勤務ができないか交渉するとか、採用を高めるTipsを教えることで変えられることもあります。実際に、ユーザーさんには週5日の求人に応募する中で交渉し、週4勤務で働くことができるようになった方もいらっしゃいます。伝えることで変えられることがあるので、まずは自信を持ってそういった交渉ができるように支援しています。




“起業家”は選択肢の1つだった


喜多村若菜,幼少期

────喜多村様は、25歳で起業をされていますよね。普通は、起業まで踏み切れない方が多いと思いますが、もともと起業家になりたいと思われていたのでしょうか?

ちょうど中間くらいですね(笑)。「何者かになりたい」という思いはありましたし、私の家庭環境も大きく影響していると思います。

私の周りには、○○先生と呼ばれるような職業の人が多かったんですよ。例えば「医師・会計士・エンジニア・囲碁の先生」などの、さまざまな専門職です。なので、自然と私も専門職につきたいと思っていました。



────すごい…やはり優秀な家系でいらっしゃいますね!その専門職の中の1つに“起業家”があったんですね。

そうですね。ただ、大学に行くまでになりたい専門職が見つからず、起業するにも自分が本当に解決したい課題は思い付いていませんでした。そこで、“天職”を見つけようと、大学在学中に1年休学してシンガポールの日系企業でインターンを経験したんです。

そこで、さまざまな価値観の人と出会い、どこかに“天職”という正解があるわけではなく、「自分の選択を正解に変えていくこと」が大切なんだと気づくことができたのは、大きな経験になっていますね。



────では、実際に解決したい課題を見つけ起業を進める当初、大変だった部分はありましたか?

“キャリア支援事業”をはじめようとは思ったものの、私自身が人材業界に精通しているわけでもなければ、支援したい対象のワーキングマザーでもありませんでした。そこで、実際に子育て中で時短勤務する友達に協力してもらい、1日体験をしました(笑)!



────確かに、育児しながら時短で働くのは想像しても大変だと思いますが、実際に体験するとユーザーの気持ちがより実感できそうですね!

おっしゃるとおりです。実際に体験してみると、ヒアリングした育児中の皆さんの声を、より実感することができました。
その後1人またひとりと、人材業界に知見を持つ人や、「ミートキャリア」の想いに共感してくれるメンバーが増えていきました。私が子育て中でもないのに“育児中の働き方の選択肢が少なすぎること”を課題と捉えて行動しようとしている姿を見て、助けてもらえる事も多く、恵まれた環境でしたね!

先ほど200名ほどにアンケートをしたお話をしましたが、その中で100名ほどの方がヒアリングにご協力してくださったんです。ここでヒアリングした方から輪が広がり、人脈がある中で「ミートキャリア」をリリースできました。

リリース後もヒアリングをさせてもらった皆さんがSNSでシェアしてくれましたね!ここで出会った方の協力と後押しがあったおかげで、大きな問題もなく起業できましたと思っています。




スキルの棚卸しで、自分の強みを言語化する


オンラインキャリアカウンセリング

────それでは、メイン事業の「オンラインキャリアカウンセリング」について詳しくお伺いできますでしょうか?

2019年11月にオンラインキャリア相談サービス「ミートキャリア」をリリースし、現在は相談実績2,000件を超え、80名を超えるサポーターの方に参画いただいています。メインとなる「オンラインキャリアカウンセリング」はZOOMを使ってキャリアサポーターと1対1で会話し、キャリアに対する課題や不安を整理、解決まで伴走するサービスです。

「オンラインキャリアカウンセリング」は75分間で、終わった後に1000文字程度のテキストフィードバックもお渡ししています。料金は、「おためし・1回・3回・6回」と回数ごとに変わり、回数が増えるほどお得になる仕組みです。



────どういったキャリア相談が多い印象ですか?

利用されている例として多いのが、「転職したいけど、何をしたいのか具体的になっていない」「自分の強みを分析・言語化できていない」という内容ですね。
例えば、現職でモヤモヤして転職が頭をよぎり、エージェントに登録します。すると、1週間に10件応募するように言われることもあります。

しかし、自分の考えがクリアになっていないと、どこに応募したらいいかわからず、どの求人を見てもピンとこない…という事になってしまうんです。

そんな時に、「オンラインキャリアカウンセリング」を利用することで、まず自分のキャリアやスキルの棚卸しから行い、強みややりたい事を明確にしていきます。また、実際に転職する場合に、どういった条件を優先したいのか整理したり、応募後の面接の対策だったりで利用される場合もありますね。

長期の場合は、内定後のサポートまでトータルで伴走支援することもできます。実際に転職後、定期的にキャリア形成1on1としてカウンセリングを使っていただくなど、いわば「外部のメンター」のような使い方をされるユーザーさんもいらっしゃるんですよ。



────転職後も相談できるのは、心強いですね!「大人の自己分析プログラム」では、どのような事ができるのでしょうか? 大人の自己分析プログラム

「大人の自己分析プログラム」では、今すぐの転職は考えていない方がメインでご利用されています。「今の会社で定年まで働き続けるのかな?」など、じっくり中長期的なキャリアプランを考えたい方にオススメです。

キャリアサポーターと1対1で、3ヶ月かけて「書く」「まとめる」「話す」の3ステップで自己分析を完成させていきます。具体的には、「1対1のテキストメール・1ヶ月ごとのワークシート作成・自己分析後のキャリアカウンセリング」を行います。ワークシートは、合計15本のワークと3枚の自己分析結果シートが残るので、いつでも見返して将来的な転職やキャリア形成を考えた時に活用することができます。



────「ミートキャリア」のユーザー層としては、どのような方がご利用されているんでしょうか?

ユーザー層の割合としては、8:2で女性に多くご利用いただいています。コロナ禍で働き方やキャリアを考え直した方が増えたこともあり、ユーザー数も増えていますね。年齢は、平均すると35歳前後で、30代女性がコアユーザーです。

やはり、キャリアとライフイベント両方で悩む時期に、「ミートキャリア」を活用いただく方が多いのだと思います。

具体的な2人のユーザー事例をあげますと、1人は30代で新卒から同じ会社で働いていた女性の方です。この方は結婚後、働き方を変えたいと思っていたものの、スキルにも経験にも自信が無いため転職に踏み出せずにいました。ですが、カウンセリングで強みを見つけて自信を持てるようになったんです。そして転職活動に臨まれ、希望の働き方を実現されました!

もう1人は、通常の週5日フルタイムの求人に応募して、週4正社員として希望通りの働き方を成功させた方です。カウンセリングで自分の転職軸や強みを明確にし、自信を持って企業に働きかけることで、自分では考えもしなかったことが実現できることもあることを実証してくれたように感じています。




“キャリア相談”を未来の当たり前にしたい


ミッション,ビジョン,バリュー

────では最後に、「ミートキャリア」が目指していくビジョンをお伺いできますでしょうか?

やはり、まだまだお金を払ってプロに“キャリア相談”をすること自体が、一般的な文化にはなっていません。もっと“キャリア相談”の認知を広げ、キャリアに悩んだ時に当たり前に利用されるサービスにしていきたいと思っています。

また、転職前の一時的な利用ではなく、定期的に来る場所として“キャリア相談”が浸透していって欲しいですね。

そして、これからも「ミートキャリア」は、全ての人が働き方を柔軟に選択でき、その人の強みを活かしたキャリア形成を支援していきます。いくつになっても、自分らしい働き方を選択できる社会の実現を目指し、結果として個人が生き生きと働く社会になって欲しいですね。

きっと、理想の働き方が実現できれば、社会の活性化につながっていくと考えています。これから、日本では労働人口は減少しますが、1人ひとりの生産性を爆上げすることで、社会に大きなインパクトを与えたいですね。



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ライター,エディター,松中朱李,shuri matsunaka
編集/ライター
So-gúd編集部
松中 朱李
神奈川県・横浜市出身。アパレル企業にて販売からバイイングを経験したのち、イタリア・フィレンツェへ留学。現地で2年間を過ごし、気づけば靴職人に。帰国後は、メンズシューズブランドにて広報PR、メディア運営、ECサイトディレクション等に従事し、現在に至る。うさぎの散歩とヨガが日課。
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