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2021.09.01

ITのニューノーマル「X-Tech(クロステック)」とは?


ニュースなどで度々見聞きする機会も増えてきた「X-Tech(クロステック)」という言葉。「クロステックという名前は知っているけど、詳しくは知らない……」このような方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんなクロステックについて詳しく解説していきます。

2021年現在、クロステックは既存事業やサービスとITを組み合わせた、様々なしくみが存在しています。既存事業やサービスとITを組み合わせた「Agritech(アグリテック)」「Fintech(フィンテック)」などクロステックから派生した用語も数多く誕生しているのです。

ITの新常識とも言えるクロステックについて詳しくみていきましょう。

ビジネスの新常識「X-Tech(クロステック)」とは?

「X-Tech(クロステック)」とは、最新のテクノロジーを既存の事業や産業と組み合わせて新しい価値を生み出す次世代型IT資産です。

またクロステックは、業種や業界を問わずに様々なジャンル・サービスへ広がっています。例えば、冒頭でも出てきた「Agritech(アグリテック)」はITと農業をかけ合わせた事業のことを指しています。

2015年に誕生したと言われるクロステックですが、IT企業やデジタル分野に特化した企業が取り入れている技術として考えられていました。

しかし2021年現在では、農業分野における野菜・果物の生産をロボットやIT技術で管理したり、医療機関の紙のカルテを電子カルテに変更したりと様々な分野で活躍しているのです。

また、クロステックを中心にコアとなるシステムを提供する企業や組織は、「プラットフォーマー」と呼ばれています。プラットフォーマーは、従来一部のIT企業のみが主導となりシステムを提供していました。

しかし現在では、既存産業がIT技術を取り入れて新しい基盤を作り、誰でもプラットフォーマーになることが可能となったのです。

それでは、クロステックで誕生したIT技術はどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

クロステックのIT技術とは?

クロステック_so-gud(ソウグウ) ここまでクロステックの基本情報について触れてきました。こちらでは、クロステックで誕生したIT技術について説明したいと思います。

IoT

「loT」とは、「Internet Of Things(インターネット・オブ・シングス)」の略称で、家電や家具などに通信機能を搭載し、インターネットに接続することを示す言葉です。

家電などにインターネットが繋がることで、家具の状態の把握、遠隔操作、家具と家具同士の通信等が可能です。例えば、スマートスピーカーもloTと言えるでしょう。

スピーカーにインターネット技術を持たせることで、アプリや音声操作によって必要な情報を調べられたり、必要な日用品などを購入することが可能です。

クラウド

「クラウド(クラウド・コンピューティング)」とは、インターネットなどのネットワーク経由でユーザーにサービスを提供する技術です。Google株式会社の「Google Drive(グーグルドライブ)」やMicrosoftの「OneDrive(ワンドライブ)」などを利用したことがある方も多いのではないでしょうか?

クラウドサービスを利用することで、データをUSBなどに入れて持ち歩く必要がなくなりデータ管理の安全生が担保されるようになりました。

AI

「AI」とは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略称で、人工知能を指します。AIは人間の思考や会話、動作をソフトウェアに学習させて、人工的に再現したものでもあります。

AIはある特定の方法で収集されたデーターを、反復学習と発見を自動化することで、行動パターンの理解や機会と人間の会話が可能となります。インターネットショッピングでおすすめ商品が掲載されたり、スマートフォンでの音声操作などもAI技術の進化によって実現しました。

ビッグデータ

「ビッグデータ」とは、膨大な多種多様のデータを示す言葉です。ビッグデータには、明確な定義はなく、主にマーケティング用語として使われています。

ビックデータの活用方法には、様々な用途が存在するのです。例えば、企業が新商品やサービスをリリースする際に、ビッグデーターを活用することでターゲットとなる消費者の消費行動を分析。

ターゲットへ向けて最適な販売ルートやPRを提供できたり、コストが管理しやすくなったりすることが可能です。このようにビッグデータを活用することで、業務の無駄を省きより効率的にビジネスを展開できます。

VR

VRは「Virtual Reality(バーチャル・リアリティー)」の略称で仮想現実と訳されています。ゴーグルなど専用の機器を頭や目に装着することで、物理的には目の前に存在しない映像を見ることが可能です。

拡張現実と呼ばれることもあり、2021年現在ではスポーツ観戦、広告、小売業、医療分野、ゲームなど様々なシーンで技術利用がされています。実際にVRは、家庭用ゲーム機をはじめに様々な日常生活でも浸透しつつあり技術の一つです。

さてここまで、クロステックで誕生した技術について解説してきました。次の章では、クロステックから広がったクロステックの種類を見ていきましょう!

ジャンルレスな広がりを見せる、クロステックの種類とは?

クロステック,ソウグウ,so-gud こちらでは、クロステックの代表例をそれぞれ業界の分野ごとに紹介します。

「FinTech(フィンテック)」

「FinTech(フィンテック)」とは、金融を指す「Finance」とテクノロジー「Technology(テクノロジー)」をかけ合わせた造語です。

具体的な例では、「PayPay株式会社」が運営するサービス「PayPay(ペイペイ)」などのアプリ決済、インターネットバンクなどが該当します。

フィンテックは、様々な可能性が期待されており大手企業もフィンテックを基軸としてサービスを展開しています。例えば三菱地所では、フィンテックの拠点となる「FINOLAB(フィノラボ)」を運営しフィンテックベンチャーなどの支援をおこなっているのです。

このように三菱地所やPayPayのように様々な企業やサービスが、フィンテックへの可能性を模索しています。

 

「アドテック(AdTech)」

「アドテック」とは「Advertisement(広告)」と「Technology」を掛け合わせた造語で、インターネット広告に関する技術を指します。

駅のホームなどに記載された広告と違い、ターゲティング広告などは広告の管理や分析もしやすく、よりターゲットにリーチしやすい広告を掲載できるようになりました。

「メドテック(MedTech)」

「メドテック」とは、「Medical(医療)」と「Technology」の造語です。インターネットによる受診予約、電子カルテが代表例で、ペーパーレス化や人件費削減につながるだけでなく、センサーを使って取得した人体データをビッグデータで分析して、新薬の開発を推進することなども期待されています。またIT技術によって、ヒューマンエラーの防止にも効果があるのです。

「エドテック(EdTech)」

「エドテック」とは、「Education(教育)」と「Technology」を掛け合わせた造語で、教育を支援する仕組やサービスを指します。オンラインで事業を配信したり、紙の教科書ではなく、タブレットで学習したりなど、IT技術を利用した教育が浸透しているのです。また学校教育以外でもITと教育を組合わたシーンが存在します。

例えば、ゴルフ教室やパーソナルジムなどのスポーツシーンでも活用されています。コンディションやトレーニングをIAが管理し、最適な姿勢や運動の仕方を教えてくれるシステムもあるのです。

「HRテック」

「HRテック」とは、「Human Resource(人材)」と「Technology」を掛け合わせた造語です。例えば会計ソフトや勤怠ソフトを使用して、人事業務を簡略化し勤務を管理したり、採用コストの削減なども可能です。また採用時の応募状況や選考状況もデータで一括管理できるため、面談や面接時の可能コストを押さえることにもつながります。

「アグリテック(AgriTech)」

「アグリテック」とは、「Agriculture(農業)」と「Technology」を掛け合わせた造語です。農業は、少子高齢化の影響で労働人口が、減少していることが問題視されています。

IT技術を活用することで、効果的な生産や流通を実現することが可能です。アグリテックによって、過疎化が進む地区での農業の衰退の対策につながったり、ロボットを使用して生産物を最速で収穫したり、機構などによってコンディションが変わる野菜の原因を探したりと様々なシーンで活用されています。

「RE Tech(リーテック)」

「RE Tech(リーテック)」とは、「Real Estate(不動産)」の頭文字の「RE」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた用語です。またリーテックは、「Prop Tech(プロップテック)」とも呼ばれており、「Property(不動産)」を意味しています。両者とも、不動産分野とITをかけ合わせることで、従来の不動産業に革新を起こそうとする意図があります。

例えば、不動産の物件を探す際にオンライン上で映像を通して内見ができたり、条件を検索すれば最適な物件を紹介してくれたりするサービスが存在します。IT技術を利用することで、サービスの利用者と企業側の無駄を省くことが可能になりました。

「Mar Tech(マーテック)」

「MarTech(マーテック)」の「Mar」は「Marketing(マーケティング)」を意味します。そんなマーケティングとテクノロジーをかけ合わせてできたのが「MarTech(マーテック)」です。従来のマーケティングは、電話やチラシなどを配布していました。

しかしこれらの方法は、チラシを受け取った消費者が、どの程度サービスや店舗を利用したかというデータを取ることができなかったり、コストがかかったりすることがリスクでした。

そこにITとマーケティングを合わせることで、顧客の多様なニーズに合わせたマーケティングができたり、顧客情報を一覧で見れたり、コストを抑えたり、顧客情報をデータベース化して分析したりすることが可能です。

「Clean Tech(クリーンテック)」

「Clean Tech(クリーンテック)」とは、再生不能資源を使用せずに太陽光発電や電気自動車などの再生可能エネルギーを利用した製品・サービスを意味した造語です。 クリーンテックは、「Green Tech(グリーンテック)」とも呼ばれており、「SDGs(持続可能な開発目的/Sustainable Development Goals)」への取り組みの背景もあり、注目が集まっています。

例えば、電力会社の「ハチドリ電気」では、自然エネルギーを使用した電力発電に取り組んでいます。またハチドリ電力の契約者は、電気代の1%を社会貢献活動に寄与できたり、地球環境への貢献度を毎月確認することが可能です。

実質自然エネルギー100%でCO2ゼロへ「ハチドリ電力」
ハチドリ電力イメージ




「Gov Tech(ガブテック)」

「Gov Tech(ガブテック)」とは、「Government(政府)」の「Gov」とテクノロジーを組み合わせた造語です。 ガブテックは、地方自治体の行政が民間企業のテクノロジーを利用し、業務の効率化を図るのが目的とされています。例えば、従来年に一度の確定申告は、専用の記入用紙に記載して税務署に提出するのが一般的でした。

しかし現在は、専用のポータルサイトを使用して、電子化した確定申告書類を税務署へ提出することが可能となりました。この結果、手書きによるヒューマンエラーや税務署側の業務負担が軽減。また、確定申告書類の作成の工数も削減されることとなりました。

「Legal Tech(リーガルテック)」

「Legal Tech(リーガルテック)」とは、法律を意味する「Legal(法律)」とテクノロジーを組み合わせた造語です。 法務業務にIT技術を導入することで、各種業務への効率化を実現することが可能となりました。例えば、「CLOUDSIGN(クラウドサイン)」と呼ばれるサービスでは、電子契約サービスを提供しています。

従来の契約書は、「契約書」と「印鑑」が必要でした。しかし電子契約書を使用することで、パソコン上で契約書の確認・捺印が可能となったのです。電子契約にすることで、契約書の原本を紛失したりすることがないため、安全に契約の締結をすることができるようになりました。

「Sports Tech(スポーツテック)」

「Sports Tech(スポーツテック)」とは、スポーツとIT技術を掛け合わせた取り組みを指します。 スポーツにIT技術が導入される例は、AIを利用した試合のハイライト動画の作成やスマートディスプレイを搭載したゴーグルで水泳選手のデータ収集など幅広い可能性を秘めています。

またVRゴーグルを装着することで、実際の試合会場に行くことなく、自宅からスポーツ競技をVRで観戦するのも可能です。スポーツテックは、試合を配信するテレビ局、スポーツ選手、観客の関わる人すべてが、技術革新によってスポーツとの新しい関わり方を提示してくれます。

「Fashion Tech(ファッションテック)」

「Fashion Tech(ファッシュテック)」とは、言葉の通りファツションとテクノロジーを組み合わせた言葉です。ファッション業界にIT技術を導入して、業界の活性化や革新を促そうとする取り組みのことを言います。

ファッションテックの代表例としては、洋服のECサイトやコーディネートをAIが提示してくれたりするサービスです。また洋服にセンサーを織り込むことで、洋服自体をデジタルデバイス化する方法も存在しています。

このようなファッションテックは、洋服を購入する消費者の選択から購入までのサポートや工事現場で働く方の体調管理、そして洋服の作り手や実店舗での販売でも様々な取り組みがされています。

「Sales Tech(セールステック)」

「Sales Tech(セールステック)」とは、営業活動にIT技術を導入した取り組みのことを言います。セールステックの例では、「CRM(顧客管理ツール)」「SFA(営業加速ツール)」が有名です。「CRM」は、顧客情報を一括管理したり、商品の販売傾向を分析し顧客調査をしたり、お問い合わせの管理をしたりするツール全般のことを示します。

また、「SFA」は、営業活動を最適化し業務を加速するためのツール全般を指します。SFAツールによって、営業活動の関連業務をデータ管理・作成できたり、営業業務で発生する事務処理などの作業を効率化したりすることが可能です。

「Healthcare Tech(ヘルスケアテック)」

「Healthcare Tech(ヘルスケアテック)」とは、IT技術によって健康・体調管理などの医療分野に特化した取り組みです。センサーによって介護者の体調が管理できたり、体重や血圧などの健康データを管理し、薬を摂る時間やタイミングを知らせてくれるアプリなど様々なヘルスケアテックが存在します。

「Home Tech(ホームテック)」

「Home」は文字取り住居の事を指します。住居とITと技術を融合させたのが、この「Home Tech(ホームテック)」です。ホームテックは、住居にIT技術を導入することで、アプリを通して空調の管理や玄関の鍵の施錠、ペットの体調管理や観察などを実現することが可能です。

また、太陽光発電のソーラーパネルを設置している住居など、発電力が専用モニターで管理できるサービスなど、様々なホームテックが実現されています。

「Auto Tech(オートテック)」

オートテックの「Auto」は、「automation(自動化)」の意味で、モビリティーの自動運転を指します。オートテックは、自動車技術やIT技術を組み合わせ、輸送や移動時の安全性や利便性を高める目的があるのです。例えば、自動運転技術や「コネクテッドカー」と呼ばれる自動ブレーキ付きの自動車もオートテックの一つと言えるでしょう。

「Food Tech(フードテック)」

「Food Tech(フードテック)」とは、フード(食)とIT技術を組み合わせた言葉です。フードテックにより、添加剤などの成分を分析したり、従来にはない食品が誕生したり、調理方法を発見できたりすることが可能です。また、フードテックの活用で、生産者が減っている農家や漁業などをIoTやロボット技術によってサポートすることもできます。

フードテックは、フードロスや飢餓問題、ヴィーガンやベジタリアン向けての代用食品の開発など、様々な可能性を秘めています。

社会や生活をアップデートする「X-Tech(クロステック)」

x-tech,クロステック 今回はクロステックについて解説してきました。IT技術と既存の産業やサービスを組み合わせることで、従来の無駄を無くすだけではなく、人々の暮らしが便利になっていきます。

様々なクロステックが存在する現代。今後、どのようなクロステックが誕生するのでしょうか? 私達の私生活、ビジネスシーンと密接に関わってくるクロステックに今後も注目していきたいですね。

 
新井那智
ライター
So-gúd編集部
新井 那知
埼玉県・熊谷市出身。渋谷の某ITベンチャーに就職後、2016年にフリーランスライターとして独立。独立後は、アパレル、音楽媒体、求人媒体、専門誌での取材やコラム作成を担当する。海外で実績を積むために訪れたニューヨークで、なぜかカレー屋を展開することに—- 帰国後は、ライターとして日々取材や編集、執筆を担当する。料理と犬が好き。
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