2024.02.16

ビジネスマンのための睡眠学: 仕事と健康のバランスを取る方法


筆者であるソウグウ編集部の新井は、重度の不眠症だ。ライター・編集業の同業種なら理解していただけるかもしれないが、この仕事の夜は深くて長い―――特に締め切り前はなおさらだ… 気がつけば、朝を迎えてしまうこともただある。

つまり眠ることができないし、寝ようとしてもなぜか眠れないのだ… そんな中、藁にもすがる思いでとある大学教授を取材した。それが今回『ビジネスマンのための睡眠学』という切り口で、睡眠学の重要性を語ってくれた中部大学・特任教授の宮崎 総一郎氏だ。

宮崎氏は中部大学 特任教授でありながら、2005年から「睡眠教育健康指導士」として活躍を開始。「*睡眠学」のエキスパートとして、放送大学・ラジオ講座において「睡眠と健康」でラジオ講座を担当して以来、毎年受講者数は増え、2023年度には4,432人にも履修者は増加している。

今回は全ビシネスマン必読の睡眠メソッドを紹介する。睡眠がもたらすポジティブな影響、睡眠不足で発生する身体の不具合、また睡眠を改善するためには何をすればよいかなどを取材した。

取材を通して見えてきたことは、重要でありとてもシンプルな“睡眠の重要性”だった―― 今この記事を就寝前にスマホで読んでいる社会人は、今すぐに画面を閉じて眠るのだ!この記事を読み終わっている頃には、読者であるあなたの不調の原因が解明され、不眠症などが改善するきっかけが手にはいっているはず。

■睡眠学とは?

睡眠学とは、睡眠に関する包括的な研究分野であり、睡眠の医学的、社会的、科学的側面を統合的に扱います。この分野では、睡眠障害の診断と治療(睡眠医学)、睡眠が個人の健康や社会経済に及ぼす影響(睡眠社会学)、そして睡眠の生物学的な役割やメカニズム(睡眠科学)に焦点を当てています。睡眠学は、睡眠不足や睡眠障害による個人的および社会的な問題を理解し、それに対処するための知識や解決策を提供することを目的としています。



宮崎 総一郎
インタビュイー
宮崎 総一郎氏
中部大学 特任教授
日本睡眠教育機構 理事長
放送大学 客員教授
秋田大学医学部卒業、1998 年秋田大学医学部耳鼻咽喉科助教授、2004 年滋賀医科大学睡眠学講座特任教授(主任)、2012 年より放送大学客員教授兼務、2016 年より現職。現在は睡眠健康指導士の育成、睡眠障害の包括的医療、睡眠からアプローチする認知症予防プロジェクトに取り組んでいる。




寝不足で体重増加!? 編集長に起きた、睡眠不足による悪循環…


まずはこの画像のをご覧いただきたい…

当編集長の体型の推移 ▲65キロ⇒96キロの写真。メタボ認定、尿酸値高め、コレステロール値が上昇した成れの果てだ...自分よ!なぜそれで笑っていられるのだ!

私は現在90キロ、健康診断では尿酸値高めの判定をくだされた34歳だ。いつからこのような体型になったのかを思い返すと、約10年前に遡る。

ライターという仕事の性質上、締め切りの前は徹夜が当たり前。24時を過ぎてからが、勝負だった。仕事が終わるのは、深夜2時過ぎ…そしてまた朝6時~7時に起きて仕事をする毎日だった。
(TVアニメ「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」の第1話を見た時には当時を思い出しました..)

この頃の私は、注意力散漫、暴飲暴食、不眠症、パフォーマンスの低下、情緒不安定などなど… 今振り返ると、睡眠時間は1日4時間程度。そして仕事のストレスで週末は酒を飲み、深夜のラーメン、ハンバーガーをはじめとしたジャンクフードを無意識に欲していた―― こんな負のコンボの蓄積が、今の身体を作り上げたのだ(あの頃に戻って、過去を変えたい…)

ではなぜこのようなコンディションになったのか…

働きすぎの日本人だから?

それとも会社と社会のせい?

……

否(いな)!!!


すべては「睡眠不足」が引き起こした悲劇のストーリーだったのだ。

今回の取材をおこなう前に「*ESS眠気評価」というアンケートを回答した上で当日を迎えた。結果は、16点という数値で、重度の眠気を常に感じている睡眠負債の状態が判明。そんなコンディションの中、宮崎氏との取材は朝9時から開始された。

■「眠気の評価(Epworth sleepiness scale【略:ESS】)」とは?

眠気の評価:Epworth sleepiness scale(ESS)
医療機関で睡眠時無呼吸症候群(SAS)を調べるには、まずは問診で⽣活習慣や症状について聞き取りを⾏います。 そして睡眠の状態について、おもにつぎの調査表を⽤いて調べます。
24点満点のうち、11点を超えると眠気は強いと判断されます。



常に眠たい日本人―――約15兆円の経済損失を生む睡眠不足


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―――今回は『ビジネスマンの睡眠学』をテーマにお話をお伺いしていきます。朝9時にもかかわらず、取材のお時間を割いていただきまして、ありがとうございます!

今日はよろしくお願いします。朝の方が頭が回転するので、意図的に朝9時にしたんですよね(笑)。

先程、新井さんのESS眠気評価を拝見したのですが16点でした… 新井さんかなり寝不足で悪い状態ですね…。

―――っえ!そうなんですか? 実は昨日も締め切りがあり深夜まで仕事をしていました…。

新井さんのデータから分かるように、日本人の睡眠不足は深刻な状況なんです。まずはこの名古屋駅の写真を見てください。何か気が付きませんか?

取材用スライド ▲左のビルはホテルのため、暖色系の電球を使い、右はオフィスビルのため蛍光灯を使用している。

左側に見えるのがマリオットホテルで、右側がビジネス街ですね。そしてビルの奥は住宅街なので、写真の手前に比べると建物の光がまばらで暗くなっているのがわかりますよね――

そして色の違いがわかりますか?ホテルは暖色系で、睡眠を促進するように設計されています。一方で、ビジネス街はブルーライトが多く、白色光が優勢です。後ほど、詳しく説明しますが、現代社会の睡眠問題の一端を担っています。

―――なるほど…この絵からだとまだ少しピンと来ていないのですが、この写真と現代社会の睡眠問題はどのように関係しているんですか?

取材用スライド
現代社会の睡眠問題は、大きく3つ存在します。1つは、若い方々を中心に、仕事が忙しいことで、睡眠不足を引き起こすということです。2つ目は、高齢になると、睡眠時間は確保できるが寝られない、つまり不眠を引き起こすということですね――
そして3つ目は、交代勤務者で、寝る時間が不規則になることでリズム障害を引き起こしていることです。

特に若いビジネスマンを中心に、ブルーライトの光から睡眠不足に陥りがちです。そして、高齢者の間では時間はあるのに眠れないという問題が増えています。

また人間は本来、昼に働いて夜に休む生活リズムを持っています。ですが睡眠のリズムが、夜勤や交代勤務、深夜残業などによって、崩れてしまうんです。実は睡眠のリズム障害が、現代人に多いんですよね。

実際5人に1人が不眠症状を訴え、20人に1人が過去1か月間に睡眠薬を試したことがあるというデータもありますね。

―――5人に1人ですか…なかなか深刻な状況ですね… 睡眠時間はどのような状況なのでしょうか?どうでしょうか?

ご存知の通り日本人の睡眠時間は、韓国を抜き先進国の中では最下位です。

日本人の睡眠時間は国際的に見ても短い方いですね。特に、2020年のコロナ禍から睡眠時間が更に減少しました。2021年の調査では、日本人の睡眠時間が14分増えたと報告されています。ですが日本人は、国際基準では睡眠時間は短い状態が続いているわけです。

取材用スライド ▲働く世代は4割以上の男女が、睡眠時間が足りていない状況

特に男性の約4割が、1日6時間未満の睡眠を取っています。5時間以下になると、さまざまな健康障害のリスクが高まります。ちなみに新井さんは、日頃の睡眠時間は何時間確保していますか?

―――(ッギク!!)…お恥ずかしいのですが、最近は4.5~5時間くらいですね…納期や締め切り前は、明け方まで仕事をして1日2時間-3時間程度しか寝られない時もあります…。

なるほど…5時間程度の睡眠時間は、身体にとってはとても危険な状態ですね。実際に6時間未満の睡眠は、日中の眠気や睡眠不満につながります。また睡眠時間が短い人ほど、寝つきが悪い傾向にあります。つまり睡眠不足は全ての人類にとって、百害あって一利なし―― 仕事のパフォーマンスの低下を引き起こすので良いことがありません。

睡眠は質と量、両方が重要です。さらに、夜中に目が覚める中途覚醒も睡眠時間が短い人に多く見られます。これは、早朝に目覚めて二度寝できない状態で、実はこれがうつ病の初期症状の一つなんです。通常7時に起きる人が、最近は5時に目覚めてしまうといった変化は、注意が必要です。

また睡眠時間が6時間未満になると、睡眠の質も落ちます。寝付きが悪くなり、睡眠の質が悪くなるのです。

取材用スライド ▲6時間未満の睡眠は入眠困難や中途覚醒を引き起こしてしまう。

睡眠時間が6時間未満だと、脳のコントロールが効かなくなります。睡眠は脳が自身をコントロールするために必要です。睡眠不足になると、脳の前頭葉の機能が低下し、扁桃体の過活動が抑えられなくなります。そして不安や抑揚、イライラするといった感情を引き起こしやすくなるのです。

このような状態が、さらなる睡眠不足を招くという悪循環を引き起こします。

例えば、スペースシャトル「チャレンジャー」の事故も睡眠不足が一因とされています。
当時、この事故のプロジェクトは、各分野のプロフェッショナルチームであったにもかかわらず、司令官が忠告を無視してしまいました。具体的には、気温がマイナスになって固定燃料シールドゴムが硬くなる危険性を指摘されたにも関わらず、打ち上げを強行したのです。その結果スペースシャトルは爆発してしまいました…これは睡眠不足による判断ミスが大きな原因と考えられています。

―――なるほど…確かに寝不足が続くと感情のコントロールが効かなくなり、冷静な判断ができなくなってしまいますよね…いつもなら1時間で終わる仕事が、2時間かかったり…

実施に睡眠不足による経済損失は、アメリカで約45兆円、日本においては約15兆円という調査結果も出ています。

取材用スライド ▲国のGDPを基準に考えると、日本の経済損失はGDPの2.92%に達し、アメリカは2.28%。

実際に睡眠不足による怪我・事故などが原因で、年間60万日以上の労働時間が損失されています。また、睡眠時間が6時間未満の人は、7~9時間睡眠の人に比べて死亡リスクが13%高まるという研究データも存在しますね。

―――ここまでのお話を聞いていると、睡眠不足の状態で良いことは一つもありませんね…

そうですね、ですが裏を返せば、この状態は伸びしろでもあるんです。

6時間未満の睡眠を取る人が毎日30分長く寝ることで、約8.3兆円の経済効果が見込めるとされています。もし1時間以上の睡眠が増えれば、現在の損失はほぼ解消されるはずです。

日本人が平均7時間20分から8時間20分ほど寝るようになれば、経済的損失は大幅に減少する可能性を秘めています。

野球選手・大谷翔平の睡眠時間は11時間。睡眠時間の理由が納得すぎる。


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―――ここまでのお話を聞くと、以下に自分のコンディションが常に不調なのかということがわかりました…

ここまでは、睡眠不足に関するネガティブな話ばかりしてしまいましたが、寝ることでポジティブな効果も多数ありますよ。

新井さんの睡眠時間を聞いてから、気になっているのですが、ひょっとして健康診断で肥満診断をされたことはありませんか? あとイライラしたり、アイディアがわかなかったり、つい余計な商品をネット通販で買ってしまったりすることはありませんか?

――全部当たっています! 実は完全に睡眠不足になった頃から、1年で体重が12~18キロ増え、肥満認定されました(汗)。あと睡眠不足だと普段は気にならないことでもイライラするし、頭が回らないので文章が思いつかなくなったりしますね…(昨晩ネット通販で謎のネコの置物を購入したことは、黙っておこう…)。

睡眠は免疫力、記憶、眠気の改善、ひらめきなどを促すための重要な生理機能なんです。
睡眠不足だと、免疫力も下がってしまいますね。また感情のコントロールが効かない、仕事のモチベーションが上がらない、ヒヤリハットを引き起こすなどは、すべて睡眠不足が関係しているんです。

また睡眠不足の大切さは、野球選手の大谷翔平さんも語っているんですよね。
新井さんは、大谷選手が何時間寝ているか知っていますか?

―――知らないですね…何時間程度寝ているんですか?(汗)

2年前のネット記事では、大谷選手は試合がないときは、練習後に4時間昼寝をして、夜は7時間睡眠を取ることが書かれていました。つまり1日11時間程度の睡眠時間を確保しているとインタビューで言っていたんです。

またインタビューでは、記者さんが『1日1時間増えるとしたらどうしますか?』と質問したところ、起きている時間のクオリティが上がるので、睡眠時間を確保すると回答したそうです――
つまり彼の野球プレイや立ち居振る舞い立ち振舞は、十分な睡眠時間があってこそだということです。セントルイスでヌートバーが大谷選手を食事に誘ったけど、キッパリと『僕は寝るので帰ります。』と断ったのは、睡眠によって日中の練習に影響することがわかっていたからということですね。

先程もお伝えした通り、睡眠不足で最も影響力を受けるのは脳の前頭葉機能です。前頭葉がしっかりと動いているので感情のコントロールも効き、人の心を察する能力にも影響を与えます。

大谷選手は、インタビューや記者会見でのコメント・態度・表情も穏やかで、試合運びがうまくいかなくても、イライラしたり焦ったりすることもありません。何ならグラウンドのゴミを拾うようなスポーツマンの鏡のような行動を取ります――
このような行動は睡眠をしっかり取り、前頭葉が適切に機能している証拠でもあります。

寝れば運動能力・記憶力UP、寝なければ免疫力がDOWN!


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―――なるほど…忙しいこと理由に睡眠時間を削ってきましたが、自分も潔く寝ます!大谷選手のようになりたいです(汗)!

また睡眠時間を確保することは、運動技能や記憶が向上するというデータもありますね。

「4-1-3-2-4」という数字のブラインドタッチの研究があります。参加者は朝の10時には21回、夜の10時には22回打てましたが、一晩眠った後の翌朝には26回打てるようになっていました。

つまり寝ている間に運動技能・記憶力が向上しているということが判明したんです。

また睡眠は記憶の向上にも重要な役割を担っています。睡眠不足では記憶力が低下しますが、十分な睡眠を取ることで学習効果が高まるわけです。また大脳の神経細胞は約170億個あり、シナプスという回路が記憶に関わっています。

昼間に活動することで多くの記憶が形成されますが、睡眠中、特にノンレム睡眠中に不要な記憶は消去され、必要な記憶が強化されます。これにより、脳の中に次の日の活動に必要な「ワーキングスペース」が確保されます。睡眠不足では、この記憶の整理がうまく行われず、記憶力が低下します。

―――最近、ケアレスミスや抜けて漏れが多くて、記憶力が低下している気がしていました…

頭の中が色々な情報が混線していて、何を記憶するべきかという整理ができていません。ぐちゃぐちゃに絡まった配線ケーブルのようなイメージです――― つまり睡眠は、次の日のために脳みそを綺麗に整理していくれています。

取材用スライド ▲起床時に勉強し、しっかりと睡眠を取る、そして再学習することで学習効率が上がる。

取材用スライド ▲右から順番に、赤のグラフになるにつれて睡眠時間が短く、風邪の症状を発症する割合が高まっていることがわかる。

また睡眠は、免疫力にも関係しているんです。睡眠と免疫力の関係について調査した実験では、7時間以上寝た人は風邪の症状を発症するのが17%に対して、6時間未満の被験者は30%にも増加しています。5時間未満であれば、45%にも及びます。

新井さんが、インフルエンザになったと言っていたのも、睡眠不足による免疫力の低下が原因ですね。

―――なるほど…でも寝なくてもワクチンを打てば何とかなりませんか?(汗)

取材用スライド
良い質問ですね(笑)4時間しか寝ていない人は、10日にワクチン接種後の抗体が0.5%しか生成されていません!

寝ている間に抗体ができるので、8時間寝た人とは抗体ができている割合が大きく異なります。つまり睡眠不足の状態で、ワクチンを摂取しても抗体ができないので、意味がないということです。

―――なるほど…4時間睡眠でインフルエンザの予防ワクチンを打ちました…(っあ、だから俺、インフルエンザのワクチン打ったのにインフルになったんだ…)。

眠ることで実力が発揮される!ダイエット効果もあり。


取材用スライド つまり新井さんは、ESSの眠気指標のスコアが、16点だったので普通の人の2倍の確立で事故を起こしますよ!ケアレスミスが多い、記憶力が低下していると言っていたのも強い眠気を常に感じているということですね。

―――(耳が痛い…)実は…自転車事故を良く起こすんです… 1年に1回自転車事故で骨折しています(泣)。

典型的な睡眠不足による注意力が散漫になっている影響ですね(汗)。
睡眠を取り、私が言うアドバイスをもとに改善すれば、約2週間後とかには数値は改善していますよ。

またスタンフォード大学のバスケットボール選手たちを調査した研究があります。

彼らは平均約6時間41分の睡眠しか取っていなくて、疲労感が高かったのです。ですが彼らに1か月間、毎晩10時間以上ベッドにいるように依頼したところ、平均睡眠時間が8時間28分に増加しました。結果として、眠気のスコアが正常範囲に戻り、疲労感もなくなったんです。

さらに驚くべきことは、フリースローと3ポイントシュートの成功率が1か月で9%向上し、86mダッシュのタイムも0.7秒短縮されました。この運動能力の結果は、良質な睡眠がパフォーマンス向上に直結することを示しています。

取材用スライド ▲十分な睡眠を取った場合「疲労(POMS)」と「眠気(ESS)」は、ほとんどなく授業中も眠くならない。またフリースローと3Pシュートが、9%も上達しているという結果となった。

2016年には、日本での睡眠に関する実験も行いました。働く23歳のビジネスマン15人を対象に、平均7時間22分の睡眠時間を取っている人たちです。彼らは日中眠気はないと言っているんです。

取材用スライド ▲十分足りていると思っていた睡眠時間だが、潜在的睡眠不足として1時間3分も睡眠が足りていない状態が判明。

その後、同じ人たちに9日間12時間寝るように指導しました。最終的には、平均睡眠時間が8時間25分に落ち着きました。これは彼らが実際には1時間3分の睡眠不足だったことを示しています。

さらに血液検査の結果にも驚きました。7時間22分睡眠のときの血糖値は92.5でしたが、8時間25分寝ると血糖値が低下し、インスリンの分泌が正常化しました。これは、睡眠が糖尿病などの生活習慣病に与える影響を示しています。

取材用スライド ▲8時間以上寝ることで、血糖値が低下、インスリンの分泌量が増えている。また甲状腺ホルモンによる細胞の代謝亢進を記録。またストレスを分泌するコルチゾールが低下していることがわかった。

―――それは衝撃的です。このデータを見ると、私も生活習慣病になってしまっている可能性が高いですね…

そうですね..睡眠不足は生活習慣病のリスクを高めるわけです。十分な睡眠を取ることで、体の健康を守ることができるので、睡眠は単なる休息ではなく、体と心の健康を維持するための必要不可欠な要素なのです。

―――自分は、もうすべてがアウトですね…この厳しい現実とデータを受け止められるHPは、今の僕にありません(汗)。

もう一つ別の実験もあります。

新井さんは先程肥満になったと言っていましたよね? 睡眠不足は、食欲と食行動にも大きな影響を与えるんです。実はVan Cauterらが「Ad lib feeding(アドリブフィーリング)」という実験をおこないました。

研究では、睡眠を4時間に制限した若者たちが、炭水化物や脂肪が多い食品を多く摂取することがわかりました。この現象は、睡眠不足により体内のホルモンバランスが変わるためです。また睡眠を4時間に制限した若者は、「レプチン(食欲を抑制するホルモン)」の分泌が18%減少し、「グレリン(空腹感を高めるホルモン)」の分泌が28%増加します。これにより、睡眠不足の人は脂っこいものや炭水化物を多く食べたくなる傾向にあります。

取材用スライド
―――実は徹夜仕事、深夜作業が増えると食べても食べてもお腹が満たされなかったり、無償にピザとフライドチキンが食べたくなったりします…
体重、コレストロール値、尿酸値が増えていったのも睡眠時間が足りなくなっていた頃からでした…。


睡眠不足はストレスホルモンのコルチゾールを増加させ、血糖値を上げ、インスリンの効果を低下させます。またレプチンと言われる食欲抑制に関するホルモンが、低下するわけです。レプチンの低下により、食べても食べも満足感が得られないケースもありますね。

結果的に暴飲暴食となり、糖尿病のリスクが高まってしまいます。また、睡眠不足による食欲増加と運動量の減少は肥満のリスクを高めることに繋がりますね。

この状態が続くと、肥満、生活習慣病、そしてうつ病のリスクが高まります。睡眠不足はうつ病の発症にも関連があり、うつ病患者は睡眠障害を抱えることが多いです。

肥満は睡眠時間の短縮につながり、睡眠障害はさらに睡眠不足を悪化させる悪循環に陥ります。このように、睡眠不足は肥満や生活習慣病、精神的な不安定さ、認知症のリスクを高めることが明らかです。

取材用スライド
―――私もストレスが原因で食欲が増え、夜遅くに仕事が終わると、選択肢が限られた食事をとることが多くなりました。深夜のラーメンとビールとかですね… 睡眠時間も2~3時間と非常に短く、高ストレス状態だった時期がありました…その結果、文章を読むのが難しくなり、誤字脱字が増え、最終的にはパニック障害のような状態になり、心療内科に通っていた時期があったんです…。

なるほど…心療内科での診断はどのようなものでしたか?

―――集中力が続かない、注意力が散漫ということを伝えたところ、ADHDと診断されました(汗)処方されたコンサータを服用しましたが、副作用がきつく、最終的には会社を辞めることにしました…

それは大変な経験ですね。睡眠不足は多くの健康問題を引き起こし、精神的なバランスにも影響を与えます。新井さんの経験は、睡眠の重要性を強調しています。

ビジネスマンは、◯◯時間寝ろ!


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―――先生、では人間は何時間寝れば良いのでしょうか?

睡眠時間は、個々の生物種によって異なります。人間の場合、睡眠時間は基礎代謝と関連しているんです。

基礎代謝は、運動をしなくても消費されるエネルギーのことです。若い人や赤ちゃんは基礎代謝が高いため、長い睡眠が必要です。

しかし、年齢が上がり筋肉量が減少すると基礎代謝が下がり、睡眠時間も短くなります。

年齢を重ねると筋肉量が減少し、必要な睡眠時間も短くなりますが、退職後の暇さから早く寝る傾向にあります。これが不眠の悩みの一因となっています。

取材用スライド ▲5時間以下の睡眠では、高血圧になるリスクが1.6倍に増加することがわかる。

また30歳から59歳の人たちにおいては、睡眠時間が7~8時間が理想とされています。6時間未満の睡眠では高血圧のリスクが高まりますし、5時間以下の睡眠では、高血圧になるリスクが1.6倍に跳ね上がります。このことから、睡眠時間の短縮が様々な健康問題を引き起こすことが読み取れるわけです。

取材用スライド ▲30歳から59歳の人たちにおいては、睡眠時間が7~8時間が理想。

しかし、全ての年齢層を一律に7~8時間の睡眠が理想とするのは誤解を招く可能性があります。特に高齢者は、5~6時間の睡眠が適切であり、長い睡眠時間は体に負担をかけることもあります。また、病気のために長く寝る必要がある場合もありますよね。

一方、青年期や働き盛りの世代では、7~9時間の睡眠が健康に良いとされています。しかし、個人差があるため、5~6時間でも十分な睡眠を取っている人もいますし、長時間睡眠者もいます。重要なのは、朝起きた時の疲れの有無や昼間の眠気です。このような身体の状態でなければ、その人にとっての睡眠時間は適切と言えます。

――― なるほど… 睡眠の質と量が健康に及ぼす影響は、年齢や個人差によって異なるということがよくわかりました。まずはビジネスマンは7時間以上の睡眠はマストということですね!

睡眠のアドバイスの4つのポイントとは?


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―――先生、自分の場合は寝たいけど、寝れないんです…具体的にどのような生活週間の改善が必要なのでしょうか?

結論からお伝えすると以下の4つになります!

  • 寝る時間前にはゲームをしない、スマホの使用を控える。
  • カーテンを10センチ開けて寝る。
  • 朝食を4品摂取する。
  • 長く眠る。


―――なるほど!意外にシンプルな方法ですね!実践するだけで、睡眠の質は変わりますか?

約2週間で効果が現れてくると思います。以前、私の患者さんで、睡眠不足が原因で、日中の眠気や作業中のミスが増えるという方がいたんです。20代の男性が睡眠不足で仕事中に居眠りをし、ミスを繰り返していました。またこの人は軽度のうつ状態でもあったんです。

彼は「睡眠不足症候群」だったのですが、彼は土日に遅くまで起きていて、朝は長時間寝ている傾向がありました。このような不規則な睡眠パターンは「社会的時差ボケ」と呼ばれ、月曜日からの眠気や生活リズムの乱れにつながります。

彼にも先程お話した4つのアドバイスをしました。結果として、2ヶ月後には眠気が大幅に減少し、うつ症状も改善しました。

つまり週末に過度に長く寝ると、平日の生活リズムに悪影響を及ぼす可能性があります。睡眠の質を高めるためには、毎日一定のリズムで睡眠を取ることが大切です。

―――なるほど!ではどのように先生のアドバイスが、身体に影響するのでしょうか?

身体の体内時計が影響していますね。実は体内時計を動かすには、3つの要素が必要です。
「朝の光」、「朝の食事」、「活動」です。

取材用スライド
実はブルーライトは、青い光なので太陽の光と同じ効果を人体に与えます。自然光が入ることは朝の目覚めに役立ち、体内時計をリセットし、日中の活動に備えてしまうわけなんですね。そのため、寝る前にスマホを見るのは、太陽の光を浴びて体内時計がリセットされている状態になります。

そして夜はメラトニンと呼ばれる、脳の松果体(しょうかたい)からホルモンが分泌されます。メラトニンは、体内時計に作用したり、細胞の新人代謝を促し身体の疲れを取る効果が期待できるんです。

ですがブルーライトを浴びることで、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。その結果、寝付きが悪くなり、疲れが取れない状態になり、朝も身体がダルい状態のままなんです。

取材用スライド
▲日光が目に入ることで脳が「覚醒」する。夜は光が入らないので、メラトニンが生成される。

朝ごはんを食べると、人生が変わる。


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次に朝食をしっかりと摂ることも重要です。朝に4品食べると、体内時計が朝を認識し、エネルギーが回ります。夜は食事を控えめにし、消化管を休ませることで、睡眠の質が向上します。

そして朝の光を浴び、朝ごはんを食べると日中の活動もアクティブになり、生活リズムが整うというわけです。

取材用スライド ▲朝は4品以上食べることが重要。タンパク質やビタミンをバランス良く摂取することで、睡眠も改善される。得に納豆が推奨されている。

特に朝食は体内時計にとって非常に重要です。朝にタンパク質を含む食事を摂ることで、トリプトファンの摂取が増え、セロトニンの生成を助けます。これにより、日中の気分が良くなり、夜にはメラトニンが生成されるので良質な睡眠が得られるようになるわけです。

―――それは興味深いですね。体内時計のバランスを保つために、朝食が重要な役割を果たしているのですね。

まさにその通りです。朝食をしっかり摂ることで、体内時計が整い、日中のパフォーマンスが向上します。睡眠だけでなく、食生活も睡眠の質に大きく影響するわけです。

取材用スライド
▲朝食を食べることで、日中の眠気が緩和される。

また朝食に関するデータをご紹介しましたが、高校生の実力テストで毎日朝食を取っている人と、取らない人とでは、全科目で約70点もの差が出ることが分かっています。朝食を摂ることは、学業成績にも大きな影響を与えているんです。

取材用スライド
▲朝食をとる生徒ととらない生徒の平均点の差。

―――自分の浪人時代の生活を振り返ったら、朝食を食べていませんでした… 朝食を抜いていたことが志望校に合格できなかった一因だったかもしれません。

そして仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼします。 一流の大学やビジネスマンは、質の高い睡眠を確保し、早い時間に就寝することが多いです。
企業の社長たちは、会食も夕方17時や18時から開始する人たちが多いですね。ですが若手社員になればなるほど、仕事も遅い時間に終わり、その後、21時や22時とかから飲みに行きご飯を食べる… そして家に帰り寝るので、結果的に翌日の仕事のパフォーマンスも低い状態になります。

睡眠を妨げるのは、スマホだけじゃない―――


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―――なるほど、一般社員は仕事が終わるのも遅く、体内時計のリズムが崩れるわけですね…。

そうですね、また夜に浴びる蛍光灯などの光やデバイスの利用によるブルーライトが睡眠に与える影響は大きいです。蛍光灯には、ブルーライトの青い成分が多い場合があります。青い色は日中の空の色と同じなので、脳を覚醒してしまうわけです。そのため家の電気も朝・昼は白の蛍光灯にして、夜18時になったら暖色系の色に変更するのを推奨します。

蛍光灯の色は、セロトニンとメラトニンが関係しています。朝の光を浴びてセロトニンが活性化され、夜は暗くしてメラトニンが増加することが、良質な睡眠の鍵になるのです。

取材用スライド ▲日中はセロトニンが生成され、夜はメラトニンが生成される。セロトニンが分泌されることで、日中はアクティブに活動できる。

――なるほど、光の影響が大きいのですね。特に蛍光灯の青い光が問題ということですか?

取材用スライド ▲蛍光灯の青い光は、夜のメラトニンの生成を抑制し安眠を妨げる。

蛍光灯は青白い光が多く、これが夜にメラトニンの抑制に影響を与えます。またスマートフォンをはじめとしたデジタルデバイスも、睡眠に悪影響を与えてしまうんです。

取材用スライド
総務省のデータですが、睡眠時間とスマホの使用時間を見ると面白い結果がわかります。
スマートフォンを使用しない人は、男女共に8時間半程度の睡眠をとっているのですが、スマートフォンを3時間以上使用する人は7時間36分となっています。つまり睡眠時間は50分程度短くなっています。

さらにスマホを見てる人は、睡眠時間が1時間20分以上も削られているという結果がわかりました。

―――なるほど…寝る前スマホをついつい見てしまいますが、寝る前の読書も電子書籍ではなくて、紙媒体が好ましいということですか?

おっしゃる通りです。電子書籍と印刷書籍では、「睡眠潜時」と呼ばれる深い睡眠に入るまでの時間が10分以上遅くなっていまうんです。

また寝る前のYou Tubeをはじめとした動画コンテンツも、睡眠に悪影響を与えます。

―――悪いとわかってはいても、ついつい寝る前にスマホで動画を見てしまいます…。

脳が、寝る前にデジタルデバイスで動画コンテンツを視聴すると、脳が興奮して覚醒状態に入ります。その結果、メラトニンが、分泌されずに眠ることができないだけではなくて、疲労も取れない状態になるんです。

また人間の大脳の記憶容量は非常に膨大で、シナプスを介した神経細胞のネットワークによって情報が蓄積されています。この記憶容量は約17.5テラバイトとも言われ、人間の脳が膨大な情報を処理できることを示しているわけです。

一方で、動画やオーディオコンテンツを消費することが脳のメモリを多く消耗することがあります。YouTubeなどの動画プラットフォームを視聴することで、脳が情報を処理し、整理しようとするわけです。

寝る前にこれらのコンテンツを視聴すると、睡眠の質に影響を与える可能性があることが指摘されています。正しい睡眠を取り、仕事のパフォーマンスを上げたいのであれば、就寝前の動画コンテンツは見ない方が良いですね。

実際にIBMのある部長の方は、早い時間に就寝することが重要だと言っているんです。残業を夜に3時間かけて行うより、朝の30分で片付けた方が効率的ということを言及しています。朝は脳が活性化され、記憶容量も高まり、大きな決断も行いやすくなるというメリットも存在しているんです。

眠い時のカフェイン摂取と睡眠の影響


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恐らくですが、新井さんはコーヒーを飲む人ですよね?

―――コーヒーはかなり飲みますね。深夜まで作業する時は、エスプレッソをトリプルで飲みます…

思っていた通り、かなりの量のカフェインを摂取していますね(汗)。 今はエナジードリンクやコーヒーなど、カフェインを摂取する習慣が広がっていますが、コーヒーはぜひやめていただきたいです。実験では、寝る3時間前、6時間前にコーヒーを飲むと、睡眠時間が1時間短くなってしまうことが明らかになりました。またカフェイン作用によって夜中の中途覚醒も増加してしまうんです。

その理由は、カフェインがアデノシンの働きを妨げてしまうからです。アデノシンは脳の疲れを感じた時に蓄積され、眠気を引き起こす物質です。脳が疲れたと感じるとアデノシンが睡眠中枢に作用し、眠くなります。

取材用スライド
▲カフェインによってアデノシンの作用を阻害する。

ですが、カフェインを摂取すると、アデノシンの働きを妨げ、眠気を抑制してしまいます。つまり、カフェインを摂ることで脳の疲労は取れず、睡眠の質が悪化します。寝ることが本来の脳の疲労回復方法なのに、カフェインによって妨げられてしまうのです。

―――今まで、僕の生活は先生のアドバイスと真逆の生活をしていました…SNSで出ている情報はまったく信憑性がない情報だということを痛感しまた(汗)。

24時間勤務の人や深夜働いている人はどうすればいい?


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―――実は昔自分は、バーで朝5時頃まで働いていた経験があります。夜勤の仕事をしている人、寝たいけど徹夜仕事をしてしまった人たちに、何か応急処置的な方法や睡眠改善の方法はあるのでしょうか?

夜勤勤務の場合にも睡眠改善や集中力を持続させるための方法があります。一つ例を挙げると、タクシーの運転手さんに関するエピソードです。

彼は23時から3時まではしっかりと眠り、他のドライバーが忙しく働いている時間に休息をとります。朝4時から7時までは引き継ぎの時間で、この間には通常3人ほどしか運転手がいません。ここが彼にとって稼ぎ時となり、コロナ禍でもタクシーの需要に変化はありませんでした。

彼の睡眠パターンは、23時から3時の「アンカースリープ」と呼ばれるものです。この時間帯は深い眠りを確保しますが、朝4時から7時まで働きます。その後彼は、4時間ほどしっかりと寝て睡眠時間を合計7時間に調整します。この方法によって、彼の体は効率的に回復し、仕事中に最高の状態で運転できるのです。このように、タイミングを考えた睡眠の取り方が重要です。

また彼は、体内時計に関しても理解があります。夜は人間の体温が上昇し、深い睡眠に入りやすくなります。一方、昼間は体温が下がり、寝つきが悪くなります。このサイクルを活かすことで、睡眠の質を向上させることができます。

―――なるほど!タイミングを考えた睡眠の取り方が大切なんですね。

特に看護師さんなど夜勤シフトの仕事をする人は、夜勤明けのタイミングで注意が必要です。日通働いている人は、起床時に朝の光を浴びることが大切です。朝の光を浴びることで体内時計が調整され、体温が上昇し昼のモードに切り替わります。一方、夜勤明けでは体内時計が変わっているため、寝る前には光を避けることが重要です。

また夜勤の方は、カーテンを厚くして、寝室を完全に暗くすることで、静かな環境を作ることも重要となります。

また、注意すべきは飲酒やカフェイン摂取です。夜勤明けにコーヒーを飲んで寝ることは避けましょう。これは夜勤明けのカフェインは、睡眠を妨げる要因となります。

また夜勤明けに帰宅する際には、サングラスをかけることもおすすめです。夜勤明けに外に出て朝の光を浴びると、体内時計が正常に調整されてしまうことがあります。サングラスをかけることで、光を遮断し体内時計のスイッチを入れないようにすることが可能です。これは特に夜勤明けの人にとって、役立つ方法といえますね。

また、少しでも眠りが取れる場合は積極的に休むことをおすすめします。夜勤明けの休み時間を活用して睡眠を取ることで、体の回復に役立ちます。年齢に関係なく、睡眠不足にならないように工夫することが大切です。

取材用スライド ▲夜勤明けの仕事の人が注意したいポイント。

――― 朝まで働いた場合は、日光を身体に入れないことが大切なんですね!夜勤や徹夜仕事をした時の仮眠や昼寝などは、やはり有効なのでしょうか?

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仮眠はとても重要ですね。眠たくなった時が仮眠のタイミングなのですが、夜勤の場合は、必ず仮眠を取る必要があります。目安としては、20分~30分の短い時間、または90分~110分の1サイクルを推奨しています。

ですが人は40分以上の睡眠を取ると、深い睡眠状態に入ってしまいます。そのため、目覚めても頭がボーっとしてしまうんです。そのため短い仮眠は20分~30分以内、長く時間仮眠が取れるのであれば、90分から2時間寝ることで脳が回復します。

取材用スライド
また夜勤の仕事をする際に、睡眠のリズムを整えることが重要ですね。夜勤明けの日には、夜2時間、昼前に寝て、夜勤の日にも夜2時頃に15分だけ寝ることが大切です。そうすることで睡眠を避け、朝の目覚が快適になります。

さらに、夜勤が入る前に午後2時から4時に2時間ほど寝ることも大切です。そして勤務中の午前2時頃や1時頃に15分だけ仮眠をことが夜勤の仕事を安全におこなう上で重要になります。

例えば、夜仕事が夜仕事が入っているときは午後、午後2-3時に2時間から3時間の仮眠を取り、夜勤が開始されて午前2時に15分だけ寝ると、危険な眠気(5分以内に急に寝てしまう眠気)を回避することが可能です。。

このようなリズムを実践することで、夜勤の体調を整えることができますが、不規則な生活習慣に注意が必要となります。

―――一方で、昼寝はどうでしょうか?私もお昼ごはんを食べた後はかなり眠くなっていまいまして…

特に「パワーナップ」と呼ばれる昼寝が有効です。このパワーナップは、人が眠くなる午後1時~3時の間に、10分~30分ほどの短い昼寝を取る方法です。横になると深い睡眠に入ってしまうので、机にうつ伏せになって寝ることをおすすめします。

仮に寝ることができなくても、部屋を暗くして目を閉じるだけでも効果があります。

パワーナップは、15分程度の短い仮眠でも、脳は2時間ほど回復します。重要なのは、仮眠を取るタイミングです。眠たくなったときに仮眠を取るのが良いです。しかし、仮眠の時間にも注意が必要で、40分を超えてしまうと深い睡眠に入ってしまいます。

深い睡眠から起きると、ぼんやりとした感覚が残り、起きづらくなります。仮眠時間は個人差がありますが、15分から30分以内が良いでしょう。起きたときに頭がぼんやりするようであれば、深い睡眠に入っている可能性が高いです。

また、仮眠を取らないと一日中眠気に悩まされることがあります。特に午前2時から6時、午後2~3時は危険な眠気のピークですね。実は交通事故などは、午前2時から6時に発生するリスクが高まるんですよね。

そのため出勤前や午後2時に眠気を感じる場合は、パワーナップを取ることで、危険な眠気を軽減できます。仮眠を上手に活用することで、安全な状態で業務に取り組むことができます。

―――ありがとうございます。今日のお話は、すべてのビジネスマンのす睡眠改善について重要な要素ばかりでした…。

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繰り返しになりますが、日常生活においても目覚めの悪さや眠気を解消するために、夜遅くまでゲームしたり、スマホで動画を視聴したり、カフェインを摂取したりすることは逆に睡眠に悪影響を与えます。

一方で、日中の眠気を回避し夜快眠するためには、適切な光の取り入れや昼間の活動、パワーナップ(短い昼寝)の活用などが大切です。日常で使用している生活用品見直して、遮光カーテンは朝の体内時計をリセットしないため避けるべきです。そして朝食は4品摂るように心がけましょう。

日本人は頑張りすぎて、真面目な正確なのかもしれませんが、ドイツなどでは午後10時以降に洗濯をしたり、料理を自宅でつくったりすると罰金になるそうです。つまり、睡眠を取るということを大切にしているといえます。

今日お伝えしたことを実践するだけで、睡眠は改善して、精神的な辛さはもちろん、肌も綺麗になったり、頭の回転も早くなるはずです。

ビジネスマンは、時にはお酒を飲んだり、夜更かしをして遊んだりすることもあると思いますが、自分の人生の質を向上させるためにも「睡眠を取る」ということに意識を向けてみてください。きっと人生が一変するはずですよね。

―――今日は本当にありがとうございました!すべてのビジネスマンにこの記事を読んでほしいと、改めて感じました。

宮崎教授直伝!睡眠の改善方法まとめ


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その後私は、宮崎教授に伝授してもらった方法をいくつか試した。 まずは遅くても24時前にはベッドに入り、7時間以上の睡眠を試みた。 もちろん、寝室のカーテンは10センチ開け、スマホを見ない状態で就寝する。

また夜仕事が遅くなり、夕飯を食べる時間が22時を過ぎたら、消化に良い食べ物を食べるか、スープだけを飲み寝る。

そして、夕方18時以降からは、カフェインを摂取するのをやめた。朝はしっかりと朝食を食べ日光にあたり、仕事を開始するように生活週間を見直した。

結果は、ESS眠気評価は2点。つまり眠気はほぼない状態になった。また日中の集中力が比べものにならないほど上がり、頭がクリアになった(なんだか気分も明るい!)。また暴飲暴食をしなくなり、体重も減り、睡眠の質も改善された―― つまり、睡眠不足の負のループにいた私が言いたいことは、『ビジネスマンは寝なければいけない!』ということだ。

1990年代にリゲインのCM内で『24時間戦えますか?ジャパニーズビジネスマン!』という歌が流れていたが、24時間戦うよりも、8時間の睡眠がビジネスマンに取って重要だった。

読者の中で睡眠についての悩みがあれば、まずは今回紹介した宮崎教授のアドバイスを実践していただきたい―― きっと世界が変わるはずだ。

最後に、宮崎教授の快眠メソッドを以下にまとめたので、ぜひ活用していただきたい。

では、お休みなさい――

  • 寝る時間の前にスマホの使用を控える。
  • テレビやスマホは寝る1時間前までに制限する。
  • カーテンを10センチ開けて寝る。
  • 朝食を4品摂取する。
  • 7時間以上寝る。
  • 寝る6時間前までにカフェイン・アルコールを摂取しない
  • 昼寝は、座った状態で20分~30分以内にする。
  • 夜勤勤務の方は、仮眠を仕事前と夜中2時~3時頃に仮眠を取る。
  • 明け方まで仕事をした人は、サングラスをかけて帰宅し日光を目入れない。


新井那知
ライター
So-gúd編集部
新井 那知
埼玉県・熊谷市出身。渋谷の某ITベンチャーに就職後、2016年にフリーランスライターとして独立。独立後は、アパレル、音楽媒体、求人媒体、専門誌での取材やコラム作成を担当する。海外で実績を積むために訪れたニューヨークで、なぜかカレー屋を開店することに—-帰国後は、クライアントワークを通してライターとして日々取材や編集、執筆を担当する。料理と犬、最近目覚めたカポエイラが好き(足技の特訓中)。
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