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ミスユニバーシティ難波 遥が “SDGs認知活動”で起業家へ|Hands UP(ハンズアップ)代表 難波 遥氏 インタビュー


今回は、学生起業家として“SDGs認知活動”を通じて事業を行う「株式会社 Hands UP(ハンズアップ)」代表の難波 遥氏を取材する。

彼女は、「2020年ミスユニバーシティ日本代表グランプリ」、「2019年ミス・フェリス」など、出場した全てのミスコンでグランプリを獲得し、4冠達成したことで話題を呼んだ。

一方で、現在も現役の大学生として、フェリス女学院に通いながら、貧困問題を解決するためSDGsの認知活動を推進する「起業家」としての活動にも注目を集めている。

難波氏は「SDGs×Fashionable」を掲げ、学生団体として「Hands UP」を立ち上げた。そこから、昨年2021年12月に法人化し「株式会社 Hands UP」の代表として“学生起業家”となったのだ。

「Hands UP」は、SDGsの認知活動をメインにソーシャル・ビジネスを展開している。なぜ、難波氏は起業に踏み切ったのだろうか?「Hands UP」の事業を通じて、伝えたい想いがあるという。「Hands UP」の事業内容や、実現を目指す未来の展望についてお話を伺った。



難波遥,handsup
インタビューイー
難波 遥
(Haruka Nanba)
株式会社 H ands UP
代表取締役
2000年1月生まれ、静岡県出身。高校時代は「7種競技」でインターハイ出場経験をもつ。現在は、フェリス女学院に通う現役の大学4年生。
学生時代からイベントの司会やモデル活動を開始。
多くのミスコンで受賞も重ね、4冠を達成。
一方で、SDGsの認知活動を中心に環境・社会問題を課題視し、学生団体「Hands UP」を立ち上げる。
2021年12月 持続的な活動をするため法人化。株式会社 Hands UPの代表として学生起業家となる。
受賞歴
ミスユニバーシティ2020日本大会 グランプリ
ベストオブミス神奈川2020
ミス・フェリス2019
SHONAN JUNE(湘南国際マラソンのコンテスト)グランプリ


「失敗は成功に変えられる」 と気づかせてくれた “ミスコン”への挑戦


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────では、はじめに自己紹介をお願いいたします。

私は現在、フェリス女学院に通う大学4年生です。昨年2021年12月に「株式会社 Hands UP」を立ち上げ、代表としてSDGsの認知を広げるための事業をメインに展開しています。

「Hands UP」は、もともと大学2年生の時に立ち上げた「学生団体」でした。SDGsに詳しくなかったり、興味や関心がなかったりする若い世代の方へ、「SDGs×Fashionable」をテーマに認知を広げる活動をしていました。

他には、大学1年生のころからイベントの司会やモデル活動をしながら、ミスコンに4回出場しています。ありがたいことに4冠を達成することができたので、運の強さには自信があります(笑)!



────グランプリは1つ獲得するのも難しいことだと思いますが、4冠達成はすごいですね!中でも、1番印象に残っているミスコンはありますか?

やはり、「2020年ミスユニバーシティ」の日本大会でグランプリをいただいたことですね!ミスユニバーシティには、「ベストオブミス神奈川2020」のグランプリになったことで、“神奈川代表”としてエントリーすることができました。

そのため、「次の大会でグランプリを獲れなかったら、これまでミスコンでグランプリに選んでいただいた皆さんに申し訳ない……」とプレッシャーが大きくなっていったんです。

およそ10ヶ月間の大会期間中は、毎日自分の内面と向き合う日々でした……
また、誰も見ていない時こそ意識を抜かないように、寝ている時も姿勢を正していましたね(笑)!

結果として日本大会でグランプリを頂いた時は、応援してくださった皆さんの想いに応えられたことがとても嬉しかったです。そして、高校受験や大学受験で失敗してきた私にとって、日本大会でのグランプリ獲得は大きな自信に繋がりました。



────失敗したようには思えませんが、なぜそのように思われたのでしょうか?

実は、地元である静岡県の国公立大学が第一志望だったんです。私はひとり親なので、国公立の大学に行くことが学費の面でも1番の親孝行ができる選択肢だと思っていました。しかし、第一志望には合格できず東京の私立大学に通うことになったので、当時は“失敗“だと感じていたんです。

しかし今では、このように自分の中では“失敗”だと感じていたことも、肯定できるようになりました。ミスコンや大学生活を通して、“失敗”というのは存在しなくて、自分次第で“成功”と捉えることができると気づいたんです。

実際に、東京の大学に行く選択をしたからこそ、出会えた人やたくさんの貴重な経験を積むことができています。はじめは“失敗”だと思っていたことも、今では全て“成功”に変えることができました。このようなマインドセットになったのも、ミスコンへの挑戦や日本大会での優勝が大きく意識を変えてくれたと思っています。




SDGsに興味がなかった私を変えた、1人の子どもの存在


フィリピン留学時

────ミスコンなどの活動をする一方で、はじめは学生団体として「SDGs認知活動」をはじめたとお伺いしました。SDGsに関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

大学で「SDGs」に関する授業もあり、もちろん内容は知っていました。でも実は、ただ勉強しているという感覚で、その時はあまり深く興味がなかったんですよね。むしろ、「社会貢献する方たちって偉いな。真面目だな……」と、どこか他人事に捉えていました。

そんな私の意識が大きく変わったのは、大学2年生の春に行ったフィリピン留学の時です。街を見渡しても道は舗装されておらず、信号機もなくて大きな衝撃を受けました……。
はじめはどうやってこの大量の車やバイクが走っている道を渡ればいいのか、戸惑うほどです(汗)。

そんなフィリピンに滞在中のある日、1人の小さな子どもに物乞いをされました。この子どもに出会った瞬間、「もしかしたら、自分がこの子だったかもしれない……」と、強く感じたんですよね。

それと同時に、「私は、この子と同じ地球の中に存在する1人の人間なんだ」と、静岡出身の難波遥から、地球の中の1人である難波遥として、意識が大きく変わったんです。今までは、どこか遠い世界で起きている問題だと感じていたことが、急に自分事化した瞬間でした。

同じ地球上にいる同じ1人の人間として、「この子を救いたい」と思ったことをきっかけに、帰国してすぐに世界の貧困問題について調べはじめたんです。



────私もフィリピン留学で、まったく同じ衝撃を受けました(汗)。しかし普通は、カルチャーショックを受けてもその体験だけで終わってしまうかと思います。そこから難波さんは、どういったアクションを起こしていったのでしょうか?

フィリピン

世界の貧困問題を紐解いていくと、貧困解決のためには一方向からのアプローチをしても解決できないとわかりました。なぜかと言えば、貧困問題には、環境問題や人権問題などさまざまな社会問題が絡み合っているからです。

具体的には、直接的に雇用を増やしたり、貧困地域の方たちが安全に暮らせるための自然環境の保全をしたり、多角的な方向から1つひとつ課題解決をしていく必要があります。そういった様々なアプローチが、最終的に貧困問題の根本的な解決につながるということです。

このあまりにも大きな貧困問題に対して、私に何ができるのか考えました。そこで、まずは少しでも多くの方にこの“現実を知ってもらうこと”で何か変わるかもしれないと思ったんです。私が1つの体験をしたことで、世界の問題を自分事化できたように、誰かにとって同じ体験や情報を伝えることで意識を変えられるのではないかと__。

それと同時に、「貧困の課題全てを解決するためのサービスや仕組みをつくりたい」と思い、大学2年の時に立ち上げたのが、学生団体の「Hands UP」でした。

そして、世界で起きている問題を伝えるために「SDGs」を活用することにしたんです。ただ注意しなければいけないのは、「SDGs」は世界の課題を単純に“言語化し可視化したものに過ぎない”という点です。そのため私たちは、「SDGs」という言葉には囚われすぎず、本質的な解決をするための仕組みをつくることを目指して活動してきました。



────なるほど、1つのツールとして「SDGs」を活用することで、認知活動を推進しようとしたわけですね。

HandsUP立ち上げ当時の写真

その通りです。まずは、「SDGs×Fashionable」というキーワードで、社会貢献に関心を持っていない同世代の興味を惹くようなテーマを設けて認知活動を始めることにしました。

“社会貢献”と聞くとハードルが高く、興味を持つことができなかった方たちも、“おしゃれ”をかけ合わせることで、もっとラフで身近に「SDGs」へ興味を持ってもらうきっかけを作れるのではないかと考えたんです。

はじめは、SDGsの全項目に対して動画をつくってみました。それが、全然Youtubeの再生回数が回らなくって大苦戦で……(笑)。



────すごくわかります(笑)Youtubeマーケティングは難しいですよね……他にはどのような取り組みをされていたのでしょうか?

「Hands UP」の事業は主に3つで、法人化した現在もブラッシュアップして引き続き行っています。1つが、「DREAM EARTH TILE(ドリーマースタイル)」という“SDGsすごろく”の開発・イベント運営です。2つ目が「社会貢献イベントの企画運営」、3つ目が「グッズ販売事業」です。

まず、「ドリーマースタイル」というSGDsすごろくは、大人はもちろん小学生からSDGsについて楽しく学べることをテーマに、独自開発したゲームです。ゲームを楽しみながら、自然と社会問題やその取り組みについて学べる空間を提供しています。

このゲームをつくった背景には、SGDsを知っていただく事はもちろんですが、もう1つ「日本の教育を変えたい」という想いもありました。日本ではあまり世界を意識する学びが少ないように感じるんです。例えば、日本では学力を上げるための授業がメインですが、アメリカのある小学校では弁論大会やプレゼンテーションをする授業などもあります。

これはどちらが良い悪いという問題ではなく、ゲームを通じて世界の社会問題や環境問題を理解することで、個人の行動をより世界を意識したものへと変えることができるのではないかと考えているんです。少しずつ大きな視点で活躍できる子どもたちが増えていくきっかけになったら嬉しいですね!



────まさか教育から変えていこうとしていらっしゃるとは……子どもの時から、世界の課題を知りグローバルな視点を持って欲しいという事ですね!

海ヨガ

おっしゃるとおりです。この想いに共感いただいた企業様や学校で、講演会としてイベントを開催してきました。続いて2つ目の「社会貢献イベント」については、今まで本当に色々なことをしてきました!

「竹でごはんを炊く稲刈りイベント」、「海で自然を感じながらするヨガ体験イベント」、「ヴィーガン料理イベント」、「農業体験」など、ジャンルは様々です。これらのイベントも、“楽しみながら気づいたら社会貢献している企画”を考え運営しています。

3つ目は、「Hands UP」のイラストを作成し、SDGsをおしゃれに届けることをテーマにオリジナルグッズを制作してきました。具体的には、ステッカーや、LINEスタンプなどを販売しています。




「お金をもらうことは、価値を貢献できたという事」 意識の転換で法人化へ


法人化,株式会社HandsUP

────これまでも素晴らしい活動を精力的に行っていますが、難波さんはまだ現役の大学生ですよね。学生団体として活動を続けることもできたと思いますが、なぜ「Hands UP」を法人化されたのでしょうか?

活動自体は順調で、私たち「Hands UP」の想いに共感いただく方も、参画してくれるメンバーも増えていました。しかし、1年半ほど経過したころから、「このままの資金では、活動を持続することが難しいな…」と感じ始めたんです。

当初は、学生団体ということもありますが「利益を出すこと」を、目的としていませんでした。資金の面でも、カメラマンの手配や交通費などの細かい経費もすべて、私自身の自己資金で運営していたんです。

これは、私の意識に問題がありました。社会貢献を謳いながら、「お金をもらうこと=悪」なのではないかと、感じていたからです。悪というよりは、「申し訳ない」という感覚でしょうか。しかし、私のこの感覚は間違いだと気づきました。「お金をもらうこと=価値貢献に対する対価をいたただくこと」なんだとわかったんです__。

日本のソーシャル・ビジネスに目を向けても、やはり多くの団体は献金や寄付が大きな資金源となっており、ビジネスとしての利益で全てを運営することは難しい現実があります。この事実を知った時、社会貢献をしている人こそしっかり対価をもらうべきであると思いました。でも今の社会は、そうではありません。

本来なら、対価をもらいそれを資本にまた人を豊かにするビジネスへ展開するような循環が必要だと思うんです。このような循環を生むソーシャル・ビジネスの成功例として、「Hands UP」が1つのロールモデルになることを目指し、法人化することを決めました。

社会貢献を仕事にしたいと思っても、自分が生活できなければ仕事として選ぶ人は少ないですよね。「Hands UP」は、「社会貢献って、ちゃんと儲かるんだ!」という意識変革を起こすことで、社会貢献を仕事として取り組んでいこうとする人たちを増やしていきたいと思っています。



────確かにボランティアやプロボノとして社会貢献に関わる人は増えていますが、本業となるとお金はシビアな視点になってきますね。では、具体的に社会貢献しながらビジネスとしても循環を生む仕組みとして、どのような取り組みをされているのでしょうか?

はしわたしプロジェクト

新たな取り組みとして、「はしわたしプロジェクト」というクラウドファンディングを始動しています。その名のとおり、「箸」「渡す」プロジェクトで、間伐材を再利用した箸を、必要とされている人や場所へ届けます。この「はしわたしプロジェクト」は、「森林還元・障がい者雇用の拡大・SDGs教育」という3つの視点の循環を生んでいます。

間伐材は、自然災害や森林保護の目的で間引かれた木材なので、日本の森林資源の循環を助けることに繋がります。また、障がい者支援を行う施設に割り箸の制作を依頼し、障がい者雇用の拡大を目指しているんです。

3つ目の「SDGs教育」というのは、割り箸袋に描かれた「Hands UP」オリジナルロゴを読み取ると、「AR絵本」としてSDGsについて学ぶことができる仕組みをつくりました。もちろん割り箸を買った方も使えますし、教育を受けたくても受けられない孤児院や、医療機関などに配布できるようにすることで、誰もが簡単にSDGsを学ぶことができるようにしました。



────なるほど。この「はしわたしプロジェクト」は、個人向けのクラウドファンディングなのでしょうか?

はし

実は、企業様にも向けたプロジェクトなんです。「Hands UP」のイラストと合わせて企業側のSDGsオリジナルイラストを制作でき、箸袋にキャラクターと合わせて企業広告動画もコードで見ることができるようにしました。

この仕組みによって、箸が「広告」の役割を果たします。広告でもあり、雇用も生まれ、環境にもよく、教材として教育もできる八方良しのサービスなんです。このように循環を生み、買う人も使う人も、企業にもそれぞれのメリットがある仕組みをもっと考えていきたいですね。



人のために生きることが、社会にエネルギーを生む


ビジョン

────では最後に、難波さんが「Hands UP」を通じて伝えたい想いや、ビジョンをお伺いできますでしょうか?

私が特に、同世代の方々に伝えたいことは、世界が抱える大きな課題に比べたら、自分の悩みってすごくちっぽけだということです。また私自身が、これまで「Hands UP」の活動を通じて気づいた大切なことがあります。

それは、「誰かのために時間を使うことが、もっとも自分の時間や心を充実させてくれる」という事です。だからこそ、「Hands UP」は限界を決めることなく「自分でも何かできる、誰かのためにできることがたくさんある」と、気づくきっかけをつくり続けていきたいと思っています。

人のために生きることってエネルギーが湧いてくるんですよね!
こうした良いエネルギーが社会に流れていくことで、日本の活性化にも繋げられると感じています。だからこそ、今この瞬間を“自分史上最高の自分”でいられる人で溢れさせていきたいですね。

また、個人的な目標としては、一度政治の世界に入り政治家として国の制度を変えられるような人になっていきたいと考えています。とても大きな目標ですが、政治家というのは国のお金を動かすところです。

お金をどう使えば人の生活を豊かにしていける制度がつくれるのか、どうしたらお金が生まれ損失が生まれるのか、「Hands UP」の事業を通じてしっかり学んでいきたいと思います。




Hands UPの詳細を見る

ライター,編集,松中朱李,shurimatsunaka
編集/ライター
So-gúd編集部
松中 朱李
神奈川県・横浜市出身。アパレル企業にて販売からバイイングを経験したのち、イタリア・フィレンツェへ留学。現地で2年間を過ごし、気づけば靴職人に。帰国後は、メンズシューズメーカーにて広報PRをメインに、オウンドメディア運営・ECサイトディレクション等に従事し、現在に至る。うさぎの散歩とヨガが日課。
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