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2021.11.18

プロボノとは?国内最大級ボランティアマッチングサービスactivo(アクティボ)に聞くプロボノ活動の始め方


「プロボノ」と聞くと、ボランティアと何が違うのだろうと思う方も多いのではないでしょうか?「プロボノ」とは、自分のスキルや専門知識を活かして取り組むボランティア活動のことです。

プロボノ活動は、もともとアメリカやイギリスで法律に関わる職の人が、無報酬で行なった公益事業のことを指す言葉でした。

現在では、さまざまな職種において専門知識を持った人が、スキルを活かして無報酬にて支援サポートを行っています。とは言っても実際に「プロボノ」がどのような活動をするのかあまりイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか?

今回は、「プロボノ活動」について国内最大級のボランティア情報サイトを運営する株式会社activo(アクティボ)にお話しを伺いました。

「プロボノ」の具体的な活動内容や「プロボノ」実践者の声、その活動によってどんな影響が得られたのかをお伝えしていきます。



プロボノ活動とは?

────本日はアクティボの荷宮さんにお話を伺っていきます。国内最大級のボランティア情報サイトということですが、どのようなサービスなのか教えていただけますでしょうか?

activo,アクティボ 荷宮さん:
「アクティボ」は、プロボノ含めボランティア情報の総合サイトを運営しております。

現在ユーザーは16万人、4,500事業の非営利団体(NPO)・社会的企業様にご登録いただいており、サイトの閲覧数は月間150万PVと国内最大クラスとなっています。

アクティボは、ボランティアとソーシャルセクターの求人を取り扱うマッチングサービスで、ボランティアする人と人手が足りないNPO等をマッチングしています。
(*ここでのソーシャルセクターとは、非営利に関わらず、社会課題解決を目指した組織全般のことを指す)

直接ではなく間接的に人を繋げることで、世の中を良くしようとしている人たちを支援する中間支援事業ですね。



────ユーザーが16万人もいらっしゃるんですね!早速ですが、ボランティアの中でも「プロボノ」についてお伺いします。プロボノ活動はボランティアとは違うのでしょうか?

荷宮さん:
プロボノは、スキルを活用したボランティアの1つです。語源は「公共善のために」という意味のラテン語 “ Pro Bono Publico ” から来ています。

ボランティアもプロボノも、基本的に無報酬で社会活動に貢献する点では同じです。しかし、プロボノは自分の培ってきたスキルを活用する点が異なります。

最近の調査では、4人に1人がソーシャルセクターで働きたいと答えており、その多くが収入面での不安を理由に、ソーシャルセクターを仕事(本業)にしていない事が分かりました。
(*引用元:パーソルキャリア株式会社「ソーシャルセクターでの理想の働き方」調査)

つまり、「社会課題を解決したい、貢献したい」という想いを、副業やプロボノとして取り組んでいく方が増えています。

また、スキルを活かす事が求められるプロボノ活動を通して、自分自身の力試しや、スキルアップを図る目的とした方も多くいらっしゃいますね。



パラレルキャリアとしてのプロボノ


────なるほど。副業とプロボノは、収入が目的となっているかどうかの違いだと思います。プロボノはもう一つのキャリア形成「パラレルキャリア」として注目が集まっているということでしょうか?

パラレルキャリアとは

パラレルキャリアとは、ピーター・ドラッカーが『明日を支配するもの』という著書の中で提唱した言葉で、「本業を持ちながら、第二の活動をすること」と定義されています。

第二の活動に明確な定義はなく、自分のスキルアップや夢の実現、社会貢献活動など収入を目的としない場所での活動を指します。

1つの仕事を本業とせず、すべての活動を本業のように取り組むことも含まれるため、パラレルキャリア=複業と同じ意味とされる。


荷宮さん:
そのとおりですね。副業となると、収入が目的となるため、働いている会社によっては参加できません。

そこで、副業はできないけれどスキルを活かして社会課題を課題したい、自分のスキルに対してチャレンジしたい、という方が「プロボノ」を始めています。



ユーザーアンケートから分かったプロボノ活動のメリットとは

────荷宮さん自身は、「プロボノ」活動をされたことはありますでしょうか?

pippo,ピッポ,ソーグウ,ソウグウ,so-gud 荷宮さん:
私は現在、「NPO法人PIPPO(ピッポ)」でプロボノ活動をしています。「PIPPO」は障害者の自立を応援する福祉施設の製品販売サイトを運営するボランティア活動団体で、Web制作やマーケティングのフォローをしています。

私の場合、期限は無期限で月数時間~10時間程度携わって活動していますね。プロボノは、募集団体によって単発であったり、継続であったりとご自身で希望の関わりを選ぶ事ができます。

現在「PIPPO」では、ECサイト運営にかかわる全般(Web制作、ライティング、撮影補助、マーケティング)などができるプロボノを募集してますので、ぜひ一緒に働いてくれる方がいると嬉しいです。



PIPPOでプロボノ活動したい方はこちら

────ではユーザーとしてプロボノ活動で感じた事や、メリットはありますか?

荷宮さん:
私にとってのプロボノは、本業のあとの別腹のような感覚なんですよね笑

仕事以外で新しい挑戦をしたり、自分のスキルを活かしたりする場所が欲しかったんです。日々勉強にもなりますしやりがいも大きいと感じますね。

なにより、持っているスキルを活かして何か役に立つ事ができ、喜んでくれる場があると自分自身がとても楽しいんですよ!

前提として、携わるNPOの活動への理解や共感を持って取り組む気持ちが大切ですが、自分のスキルに対してのチャレンジ、組織・事業を大きくするチャレンジがしたい方は、プロボノ活動に向いているのではないでしょうか?

携わるNPOやプロジェクトによりますが、裁量権がわりと大きいこともあり、専門領域を強みとしてプロジェクトを推進していける場があります。

また、本業で関わる事ができない人たちとの出会いや、NPOの方だけでなくプロボノ同士のコミュニケーションから情報交換の場となり、人脈が広がる事での好影響も多くあると感じます。

アクティボを通じてプロボノ活動をしたことのあるユーザーにアンケートを取った結果、以下のようなプラスの意見が多く挙がりました。



グラフ

「仕事へのモチベーションが上がった」がもっとも多く全体の19%を占めています。

次に同率14%の方が「社会問題に貢献できている実感を得ることができた」「自分のスキルの程度を認識する事ができた」「本業では得られない経験をすることができた」「社会問題について知識が深くなった」「新しい価値観を持つことができた」と回答しています。

そして、プロボノ活動をやってみた結果、「またプロボノ活動を行いたいか」という問いに対しては、「参加したい」・「また機会があれば参加したい」と半数以上が回答しています。

皆さん「プロボノをやってよかった」と思っていただけているのではないかと思います。



────確かにユーザーの満足度がとても高いですね!具体的に、どのようなスキルを活かしたプロボノ活動があるのか教えていただけますでしょうか?

activo,アクティボ,スキルアップ,ソウグウ,ソーグウ 荷宮さん:
そうですね、スキルも様々ですがマーケティングの募集は比較的多いかと思います。あとは、最近ですと「広報・コンプライアンス・営業・Webデザイン関連」なども出ています。

具体的な募集案件を3つご紹介させていただきますと、以下のとおりです。



  • 広報・マーケティング系プロボノ
★広報スキル求む!全員パートタイムNPOの活動を紹介!!
募集団体:認定NPO法人Living in Peace
NPOのメンバー全員がプロボノとして運営をしているNPO団体さんの募集です。
活動期間は1年以上の長期ですが、各々のライフスタイルにあわせた活動頻度で参加できます。

  • 営業系プロボノ
★【法人営業のプロボノを急募!】営業スキルを社会事業へ使っていただきたい!
募集団体:NPO法人フォレシア

  • IT系プロボノ(Web制作・ITツール等)
★IT系ボランティア募集! 各種SNS/Web/365/SAF/MA/デザイン等
募集団体:NPO法人 森の学校
プロジェクト形式(納品までかかわるような形式)、運営形式(運営メンバーとして参加する形式)などあります。

アクティボでは、「プロボノカテゴリー」の他にも「スキルカテゴリー」として、スキルを活かした募集なども行っています。

ぜひ様々なカテゴリーで探してみていただけると嬉しいです。


マッチングサービスの領域を広げSDGsへアプローチ

────広報などの重要ポジションなどもあるんですね。では、最後にアクティボが今後目指していくビジョンについてお伺いできますでしょうか?

荷宮さん:
先程もお伝えしたとおりユーザー数は現在16万人、ソーシャルセクターの団体が4,500事業にご登録いただいております。

しかし、私たちはまだまだ拡大できると思っています。今後もよりマッチング事業の規模を拡大し、「困ったらアクティボに登録すればすぐに人が集められる」というプラットフォームに成長させていきたいですね。

また、NPOに関わりたい企業とのマッチングも推進していきます。企業・NPO・ユーザー様々なセクターをまたぎながら、領域を繋げて事業を拡大していく必要があると思っているんです。

そうすることで、SGDsに対しても企業、NPO、自治体などいろいろな方が共同で課題解決ができる場を作っていけるのではないかと考えています。



アクティボでプロボノを探す

<編集後記>

今回は「プロボノ」というキーワードでお話を聞かせていただきました!私自身「プロボノ」は、ボランティア活動の1つとして認識していたものの、あまり区別がわかっていなかった1人。

この取材を通して、プロボノが単なるボランティアではなく、活動を通して自分自身を成長させることができる活動なのだと知ることができました。

プロボノ活動を通して、本業ではできない仕事ができたり、パラレルキャリアとして自分自身のスキルを向上させたり、世の中で起きてる社会課題や問題を深く知るきっかけになったりと、良いことづくし。

荷宮さんが自身のプロボノ体験の感想として、「プロボノは別腹みたいなものです」と笑顔でおっしゃっていたのが、とても印象に残りました!

単純にボランティアとして社会に貢献するだけでなく、自分の力試しや新しいコミュニティと繋がるきっかけとして、プロボノ活動をしてみてはいかがでしょうか?



ライター松中朱李
ライター
So-gúd編集部
松中 朱李
神奈川県・横浜市出身。アパレル企業にて販売からバイイングを経験したのち、イタリア・フィレンツェへ留学。現地で2年間を過ごし、気づけば靴職人に。帰国後は、メンズシューズブランドにて広報PR、メディア運営、ECサイトディレクション等に従事し、現在に至る。うさぎの散歩とヨガが日課。
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