請求書はペーパーレスの時代へ。 請求書受領クラウドシステムTOKIUMインボイスが実現する、請求管理のアップデートとは?
2023年(令和5)10月に複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式、いわゆる「*インボイス制度」が導入されます。
また2021年10月から適格請求書発行事業者登録申請もスタート。今、直接コア業務ではないけれど、企業にとって必要不可欠である〝請求書管理″と向き合う機会が増えています。
そこで今回は請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」を提供する株式会社TOKIUMにお話を伺いました。
取材をするなかで見えてきたのは、請求書の発行側と受領側、両社の事情を把握したバランサーの役割の重要性でした。
インボイス制度とは「適格請求書保存方式」のことをいいます。 所定の記載要件を満たした請求書などが「適格請求書(インボイス)」です。 インボイスの発行または保存により、消費税の仕入額控除を受けることが可能です。 インボイス制度は売り手側、買い手側双方に適用されます。
取締役
クラウド請求書需要システム「TOKIUMインボイス」とは?
―――本日は株式会社TOKIUMの取締役松原さんにお話を伺っていきます。まずは株式会社TOKIUMがどのような会社なのか教えてください。
当社は2022年4月より、「株式会社TOKIUM」へ商号変更しました。社名となった「TOKIUM」は、創業時から当社が掲げている「無駄な時間を減らして豊かな時間を創る会社」というビジョンが由来となっています。
社名が示す通り、当社が目指すのは企業の支払業務で発生するアナログ作業を抜本的に削減し、支出の最適化や予算管理など「企業の意思決定」に関わるコア業務にお客様が時間を割けるようになることです。そこで当社では、請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」、経費精算クラウド「TOKIUM経費精算」、文書管理クラウド「TOKIUM電子帳簿保存」などのサービスを提供しています。
―――提供するサービスのなかでも特に力を入れているサービスはありますか?
全てのプロダクトに等しく力を注いではおりますが、敢えてひとつサービスを選ぶならば2023年(令和5)10月から導入される「インボイス制度」でも注目されている、請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」です。2022年7月には関西エリア、8月には関東エリアでのTVCMの放映もスタートし、これからさらに需要が高まっていくと考えています。また2021年(令和3)に改正された「電子帳簿保存法」に対応するサービスである文書管理クラウド「TOKIUM電子帳簿保存」も今後、大幅なアップデートを予定しています。
■トキウム防衛隊「発足」篇
■トキウム防衛隊「出動」篇
企業の抱える課題感も伝わりやすい上にコミカルに仕上げられたとてもいいCMですね!そんな注目のサービスである「TOKIUMインボイス」とは具体的にはどのようなサービスなのでしょうか?
簡単に言うと紙やメール、PDFなどあらゆる形で届く請求書を代行受領し、支払業務を完全ペーパーレス化するのが「TOKIUMインボイス」というサービスです。最近では、請求書受領代行サービスと呼ばれる機会も増えてきた気がします。
請求書の原本は、法定期間に基づいて当社が安全に倉庫で保管しています。また、それだけなく仕訳や承認、会計ソフトへのデータ連携も「TOKIUMインボイス」で完結します。
TOKIUMインボイスなら担当者が出社しなくても、申請から承認までオンラインで完結する
―――DX化の進む現代に最適のサービスといえますね。「TOKIUMインボイス」はどのような企業におすすめしたいサービスでしょうか?
「TOKIUMインボイス」は、請求書の受取側のクラウドサービスです。
自社に届く請求書の受取は全て電子化したいが、様々な取引先がいて「電子請求書しか受け取りません」とは言えない…… などの制約を受けている企業のみなさまにこそ「TOKIUMインボイス」は最適なサービスだと考えています。
また先程もお話したように電帳法の改正やインボイス制度の開始など、法対応が迫ってきているものの、自社で対応するための工数や労力を割くことができないというお悩みを抱えた企業さまには、ぜひ「TOKIUMインボイス」を選んでいただきたいと思っています。
―――既に多くの企業で「TOKIUMインボイス」が導入されていると伺いました。実際の導入成功事例やお客様の声を教えてください。
支出管理クラウドTOKIUMの導入社数は2022年6月現在1,000社を超え、規模や業種を問わず幅広くご利用いただいております。導入いただいた企業の中には、150名規模だったオフィスを当社サービス導入後に5名規模のオフィスに縮小できたという成功事例もあります。
その他にも、紙の請求書原本に数名の担当者が受領印を押して承認を進めていくという企業の場合は「捺印者が出社していない日は承認が進まない」という課題を当社サービス導入で解消できたというお声もいただいています。
急速に浸透するリモートワーク、しかし「紙の領収書が会社に届く」という状態が続く
―――松原さんの経歴もお伺いしていきたいのですが、どのような経緯で株式会社TOKIUMへ入社され「TOKIUMインボイス」を立ち上げることになったのでしょう?
新卒で入社したのは外資の証券会社でした。仕事をするなかで創業者やCEOの方と出会う機会が多く、その中で「自分もプレイヤーとして勝負したい」という想いが強くなっていきました。そして3年半勤めた証券会社を退職後、自らの手で事業を立ち上げました。しかし、事業は上手くいかず1年半で畳むことになってしまったのです。
次の事業を決めかねているときに当社の代表取締役である黒崎さんにお声かけいただき、「TOKIUMインボイス」の立ち上げを業務委託として手伝うことになりました。
私が事業に参画した当時は、ちょうど新型コロナウィルスの蔓延防止のため緊急事態宣言が発令された後でした。リモートワークは急速に一般化していきましたが、一方で「紙の領収書が会社に届く」という状態には変化がありませんでした。
紙で届く以上、誰かが受け取り、経理処理をしなければいけません。経費精算クラウド「TOKIUM経費精算」を利用されていたお客様からも「以前のように毎日出社できないのに紙の請求書が会社に届いて困っている」という声を頂くようになっていました。その課題解決のために生まれたのが「TOKIUMインボイス」です。
―――最初は業務委託として「TOKIUMインボイス」に関わっていた松原さんが実際に入社を決意した決め手はどんなところにありましたか?
自身が事業を立ち上げに失敗した後だったこともあり「TOKIUM」のサービスをお客様に提案した時にいただいた「ありがとう」という感謝の言葉が入社の決め手になっていると思います。自分の関わったプロダクトが世の中に認められることはもちろん、お客様に適切なソリューションを提供できること、そしてお客様に喜んでいただけることにとてもやりがいを感じたのです。今後もこの気持ちは大切にしていきたいと思っています。
TOKIUMインボイスは、請求書の発行側と受領側のバランサー
―――現状のインボイスに関する社会的課題はどのようなものが挙げられると考えますか?
課題としては、日本には様々な事業者が存在し、一律に「これでやりなさい」というやり方では難しいという点が挙げられると思います。先日当社で行ったアンケート調査でも「紙の請求書を今後も送り続ける予定である」と答えた企業が大半を占めていました。そもそもパソコンがない、請求書はFAXで送っているという企業もあるのです。
▲TOKIUM公式YouTubeチャンネルより
とはいえ、そういった企業を取引から排除するわけにもいきません。ITリテラシーには事業者毎に差があるという前提で考えていく必要があるのです。
過渡期には過渡期に必要なサービスがあります。ソフトウエアだけを提供し、使ってくださいというだけでは対応できない方も少なからずいらっしゃいます。対応できない方をどのように吸収していくかが過渡期に必要なサービスである「TOKIUMインボイス」に求められるものだと思っています。そしてサービスを提供しつつ将来を見据えて徐々に「請求書の電子化」へ皆さまを導いていくのが私たちの役割なのです。
―――5年後10年後、インボイス制度に伴い将来的に経費精算に携わるSaaSテクノロジーは、どのように進化・発展していきますか?
インボイス制度は法律であり準拠しなければいけないものです。しかし、企業としてその法律に準拠したからといって売上が伸びる訳ではありません。準拠するために必要な運用の手間をいかに効率的に対応していくかが求められていくと思います。
具体的に例を挙げると、「適格事業所番号が請求書に書いてあるか」、「受け取った請求書が要件をみたしているのか」などの確認作業は、企業にとって追加の事務負担になり得ます。「TOKIUMインボイス」をはじめ、さまざまなSaaSが対応していくことになるでしょう。
これはSaaSシステム要件とは別軸の話にはなってしまいますが、大企業が先行してインボイス制度に対応し、中小企業などの取引企業もそれに追随する形で制度への対応が進むという流れも強くなると思っています。その間に私たち株式会社TOKIUMが立ち、サポートできる存在でありたいと考えます。請求書の発行側と受領側、両者の事情、ITリテラリーを勘案し、間に立つバランサー的な役割が求められていくでしょう。
将来はTOKIUMインボイスに法人支出管理サービスとしての役割を持たせたい
―――将来的に挑戦していきたいことは何ですか?
現在、DX化の推進が叫ばれていますがDXに至るまでにはいくつか段階があると思っています。DXの最終形は、業務をデジタル化し、それにより得たデータを経営に活かせている状態です。しかし、現状多くの企業で行っているDXは業務のデジタル化です。
当社のサービスにおいてもまずは紙の請求書をなくし、支払業務を完全ペーパーレス化するところから始まります。私たちも最終的にはデータの利活用に進んでいきたいと思っています。「この取引先への支払いが多い」「このプロジェクトの採算が悪い」などデータを可視化することで経営判断に使っていただける法人支出管理サービスを提供していきたいと思っています。一言でまとめると「まずは業務の効率化、そして支出管理へ」というのが私たちの目指すところです。
個人的には「法人支出管理と言えばTOKIUM」と名前を挙げていただけるような企業になっていきたいと考え、お客様からいただく感謝の言葉を大切にしながら日々邁進しています。
―――最後にあなたにとって、「TOKIUM(インボイス)」とは?
先ほどお話した通り、自分自身で立ち上げた事業はお客様に受け入れられないまま終わってしまいました。幸いなことに「TOKIUMインボイス」にも立ち上げのタイミングから携わることができました。手塩にかけて育ててきたサービスが、私たちとお客様を繋いでくれたのです……とてもよくできた子どものような存在でしょうか。これからも子どもの成長を一番近くで感じ、手助けしていけることがとても嬉しいですね。
「TOKIUM」の詳細を見る
「TOKIUM インボイス」の詳細を見る
請求書の授受はノンコア業務でありながら企業活動には欠かせない「企業活動のインフラ」と呼べる業務です。株式会社TOKIUMが提供するサービスはそんな「企業活動インフラ」を支える〝縁の下の力持ち″であり、ITリテラリーの低い中小企業も救い上げる〝優しいサービス“であると感じました。
いずれは「請求書は昔、紙で郵送していた」というと驚かれるような時代がやってくるでしょう。請求書は電子化され、企業はクラウド上に蓄積されるデータをみて経営判断をする……株式会社TOKIUMのサービスはそんな少し先の未来を見せてくれました。
はい
80%
いいえ
20%
はい
80%
いいえ
20%