エシカルジュエリーとは?素材・認証の見方と8つのブランド事例
公開日:2021年2月28日 / 最終更新日:2026年9月8日
ジュエリーを選ぶとき、デザインや価格だけでなく、宝石や金属がどこから来たのか、誰がどのように加工したのかも知りたい。そんな視点から注目されるのがエシカルジュエリーです。
この記事では、素材と認証の違い、購入前に確認したいこと、公式情報を確認した8つのブランド・事業者の事例を紹介します。情報は2026年9月に編集部が見直しました。取り組みの紹介は、すべての商品に環境・人権上の問題がないことを保証するものではありません。
エシカルジュエリーとは

エシカルジュエリーは、人や社会、環境への影響に配慮して作られるジュエリーを指す言葉です。採掘・調達の透明性、労働環境、再利用素材、修理して長く使える設計など、配慮の方法はさまざまです。
「エシカル」と名乗ること自体が共通の第三者認証になるわけではありません。何に配慮したのか、対象は宝石・地金・加工のどこまでか、その根拠が示されているかを確認しましょう。
天然ダイヤモンド・ラボグロウン・モアサナイトの違い

| 素材 | 主な違い | 選ぶときに確認すること |
|---|---|---|
| 天然ダイヤモンド | 自然の地質過程で形成されたダイヤモンド | 採掘・研磨の経路、調達方針、石の鑑別・評価 |
| ラボグロウンダイヤモンド | 設備内で育成された合成ダイヤモンド。天然と基本的な化学組成・結晶構造が同じ | 合成であることの表示、製造拠点、使用電力などの情報 |
| モアサナイト | 炭化ケイ素からなる、ダイヤモンドとは別の宝石 | 宝石名、サイズ表示、地金、修理・保証条件 |
モアサナイトをラボグロウンダイヤモンドと呼ぶのは誤りです。見た目が似ていても性質は異なります。鑑別や品質評価の書類も、労働・環境配慮を証明する書類とは目的が違います。
出典:GIA:模造石・モアサナイト・ラボグロウンダイヤモンドの違い
人工石なら環境負荷がない?
合成ダイヤモンドは、その石を得るための鉱山採掘を必要としませんが、育成・加工には設備やエネルギーが必要です。石が人工であることだけでは、台座やチェーンに使う金属を含めた環境負荷や労働条件まで判断できません。
米国FTCも、ダイヤモンドの広告について、根拠を限定しない「環境に優しい」などの表現に注意を促しています。比較する場合は、何と比べたのか、どの工程を計算したのか、第三者の検証があるかを見ることが大切です。
認証や調達の説明は、対象範囲まで確認する
キンバリープロセス
キンバリープロセスは、反政府勢力などの資金源となる紛争ダイヤモンドを正規の取引から排除するための国際的な枠組みです。認証制度はダイヤモンド原石の取引を対象としています。
そのため、適合していることだけで、すべての児童労働・強制労働や環境問題がないと判断することはできません。採掘地から研磨・販売までの調達情報も合わせて確認しましょう。
出典:Kimberley Process:紛争ダイヤモンドの定義と原石の認証制度
FairminedとRJC
Fairminedは、責任ある小規模採掘組織からの金などを対象にした認証の仕組みです。「フェアトレード」という一般的な取引方針の説明と、特定の認証取得は分けて確認してください。
RJC(Responsible Jewellery Council)の認証では、企業の認証期間と審査対象を確認できます。企業の事業活動を対象とする認証と、個々の原料の流通管理を対象とする制度を混同せず、証明書がどの範囲を示すのか確認しましょう。
水銀やリサイクル素材の説明
一部の小規模な金採掘では、水銀の使用が人や環境に影響を及ぼす課題となっています。ただし、金の採取・精製には必ず水銀が必要というわけではありません。UNEPは水銀使用の削減や代替手法を紹介しています。
出典:UNEP:小規模金採掘での水銀使用を減らすためのガイド
再利用した宝石や再生金属も選択肢です。一方で、再生素材の使用率が100%でも、製造・輸送・包装の廃棄物までゼロになるとは限りません。回収元、再生割合、対象部品を確認しましょう。
取り組みを確認した8つのブランド・事業者
順位ではなく、素材や調達、再利用など異なる取り組みの例です。画像は初稿掲載時のもので、写っている商品の現在の在庫を示すものではありません。海外のサイトを利用する場合は、日本への配送、返品、修理の条件も確認してください。
1. GYPPHY(ジプフィー):モアサナイトを選ぶ

GYPPHYは、モアサナイトを使ったジュエリーを扱っています。例えばベゼルモアサナイトネックレスの商品ページでは、石とK10・K18などの地金が分けて記載されています。
モアサナイトはダイヤモンドとは別の宝石です。石の選択と地金の調達は別に確認し、人工石であることだけから「製品全体に人権・環境の問題がない」と判断しないようにしましょう。
2. EARTHRISE(アースライズ):つくり手の背景を読む

EARTHRISEは、調達やつくり手の背景を重視したジュエリーを紹介しています。公式コレクションページでは、パキスタンのスワート渓谷の研磨工房に関する取り組みが掲載されています。
ブランドが使う「オーガニックストーン」という名称を、食品や繊維と共通の有機認証と受け取らず、対象の石についてどこまで追跡できるのかを確認しましょう。
3. HASUNA(ハスナ):認証の有効期間を見る

HASUNAは、RJCの公式登録で現在の認証を確認できます。掲載されている認証期間は2026年4月20日から2029年4月20日です。古い取得年だけで判断せず、更新状況を確認する例になります。
認証は対象となる事業の審査を示すもので、あらゆる原料や製品について環境負荷がゼロであるという保証ではありません。購入する商品の素材説明も合わせて読みましょう。
4. PRMAL(プライマル):ラボグロウンダイヤモンド

PRMALは、ラボグロウンダイヤモンドのジュエリーやブライダル製品を案内しています。婚約指輪などを選ぶ際も、石の種類、地金、サイズ直し、納期、修理条件を確認しましょう。
「人工だから必ず安い・低負荷」とは限りません。見た目や予算だけでなく、製造や調達について確認できる情報も比較材料になります。
5. KOMEHYO:宝石を再利用するリメイク

KOMEHYOは、買い取ったジュエリーから選んだ宝石を、新しいデザインへ仕立て直すリメイクジュエリーを紹介しています。すでにある宝石を生かす選択肢です。
写真は初稿で紹介したReKKAのものです。現在の商品は公式のリメイクジュエリー案内で確認し、石の状態や地金、サイズ調整の可否を商品ごとに確かめましょう。再利用しているのが宝石か、金属も含むのかを区別することも大切です。
6. CLED:廃ガラスをジュエリーへ

CLEDは、廃ガラスを加工したEco Gemと金属を組み合わせ、ロサンゼルスで制作しています。公式FAQでは、スターリングシルバー、ゴールドヴェルメイユ、ゴールドフィルド、真鍮などの素材が説明されています。
ガラスの再利用と金属部分の組成を分けて確認しましょう。手作りによる形や色の違いがあり、修理できるかどうかも個別の状態によります。
7. Pippa Small:工芸と仕事を支える

Pippa Smallは、各地の職人との制作や、Turquoise Mountainとの協働を紹介しています。公式の活動説明では、ヨルダンでのシリア人女性の技術習得支援など、ジュエリーづくりを仕事や工芸の継承につなげる取り組みが説明されています。
支援の対象や仕組みはコレクションごとに異なるため、ブランド全体への印象だけでなく、購入する商品の背景を確かめましょう。
8. Wanderlust + Co:素材を部位ごとに読む
Wanderlust + Coは、再生真鍮やスターリングシルバー、金のコーティングなど、素材ごとの説明を公開しています。天然石、キュービックジルコニア、パールも、同じものとして扱わず確認できます。
金色の見た目でも、地金やコーティングの種類は異なります。金属の組成、コーティングの厚み、お手入れ方法などを確認して、自分の用途に合うものを選びましょう。
出典:Wanderlust + Co:素材・コーティングの説明
購入前のチェックリスト
- 宝石は天然・合成・模造のどれか、名称が明記されているか。
- 石だけでなく、台座やチェーンの金属も説明されているか。
- 調達や労働環境の説明に、追跡可能な範囲や確認方法があるか。
- 認証の有効期間・対象事業・対象原料が確認できるか。
- 価格、在庫、納期、返品、修理やサイズ直しの条件を確認したか。
- 今あるジュエリーの修理・リフォームや、中古品の購入も検討したか。
エシカルな選択は、新品への買い替えだけではありません。すでに持つジュエリーを手入れして長く使う、譲り受けた石をリフォームするといった方法もあります。気に入ったデザインと、説明に納得できる背景の両方を大切にして選びましょう。
【免責事項】
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