エシカル消費とは?地球や社会を思いやる消費の例をご紹介します
近年、サステナブルやSDGsに対する注目の高まりもあり、エシカルという言葉を聞く機会も増えてたのではないでしょうか。
国際的にも環境への負担を減らすことが目標とされている中、ヴィーガン食品や、フェアトレードのアイテムなど、地球や社会に優しい消費、エシカル消費をする人が増えてきています。
周りを配慮した消費をすることをひとまとめにエシカル消費と言いますが、「エシカル」という言葉が広いため、どのような例があるのか正直わからない、という方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、エシカル消費とはそもそも何かを、わかりやすく説明した後に、エシカル消費の具体例をご紹介していきます。
こちらの記事を読めば、エシカル消費に対して私たちができることが分かるので、ぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです。
エシカル消費(英訳:Ethical Consumption)とは?
エシカル消費とは、倫理的な消費のことです。簡単にご説明すると、「人や社会、地球などに配慮したモノやサービスを消費する」こと。
エシカル消費は、気軽にできる社会貢献とも言え、消費することで途上国を支援できたり、環境保護に繋がったり、地球に良いインパクトを与えることができます。
欧米を中心に注目されていたエシカル消費ですが、実は、近年は日本社会においても広がりを見せているんです。
エシカル消費が注目される背景
エシカル消費が日本で注目されるようになったきっかけのひとつが、SDGs(持続可能な開発目標)が国連が発表したことだと言えるでしょう。
SDGsとは、持続可能な開発目標という意味で、貧困、差別、地球環境問題など、あらゆる世界規模の課題を17個のカテゴリーに分類し、それぞれのカテゴリーで2030年までに解決し、達成するべき具体的な目標を設定したものです。
また、エシカル消費が国際社会でも広がりを見せる理由としては、商品の製造背景に数々の搾取があることが浮き彫りになってきているからです。
こちらでは、いくつかある中のうち、3つの例を参考としてご説明します。
ファストファッション業界における搾取
安価で、常にトレンドを追えるファストファッション。そんな魅力的で華やかなファストファッション業界の裏側には、搾取の事実がありました。
世界的にファストファッションの問題性を考える大きな転機となったのが、バングラデシュの首都ダッカにおいて発生した、ラナプラザ崩落事故。
ずさんな管理体制や、スウェットショップ(搾取工場)と呼ばれる劣悪な労働環境が製造の背景にあり起こった、アパレル界で史上最悪の労災です。
ラナプラザ崩落事故の発生を受け、製造の背景にある搾取が見直され、エシカルファッションが増えるきっかけとなりました。
エシカルファッションとは、生産の過程や素材が倫理的であり、人や動物の搾取がなく、環境を破壊する背景がない、社会に配慮したファッションのことです。
化粧品製造の裏にある動物犠牲
口紅やシャンプーなど、コスメ用品と呼ばれる商品を製造する過程で、動物実験が現在でも行われています。
人体に影響がないかを確認するために、ウサギやモルモット、ハムスターなどの動物を使用し、苦痛を伴う動物実験を行うことが議論の的になりました。
とても倫理的ではない製造過程を非難する声は増え、EU諸国では2009年より動物実験を禁止するなど、国際社会でもクルエルティフリー(非残虐的な)な方法で製品を製造する動きが高まっています。
企業単位で見ると、LUSHはクルエルティフリーを推進しており、動物犠牲の背景がないアイテムを消費できる機会は確かに増えてきています。
クルエルティフリーについて、より詳しく知りたい方はこちらへどうぞ。
パーム油の大量消費による森林破壊
チョコレートやアイスクリーム、そして化粧品や洗剤にまで、多岐に渡る商品に使用されているパーム油は、森林破壊と深い関わりがあります。
パーム油を生産するアブラヤシの実を大量に生産するために、大規模な森林が焼失している現実を受け、いくつかの洗剤や化粧品ブランドが従来のパーム油を使用しないことを宣言。
持続可能なパーム油という、エシカルでサスティナブルな変化が見られる例です。
パーム油について、簡単にご説明した記事はこちらです。
こちらで紹介した3つの例のように、周囲を傷つけず、地球、環境、社会に優しい消費のエシカル消費。まだまだ定義が曖昧だと思うので、日本社会ではどのように考えられているかをご説明します。
日本でも広まりつつあるエシカル消費
2030年のSDGs(持続可能な開発目標)達成を目指し、環境や社会に優しいサービスやアイテムが、日本社会においても増えてきています。
SDGsに関連し、ESG投資という環境、社会、ガバナンスにまつわる投資形態も一般的になり、より多くの企業がエシカルやサスティナブルといった社会貢献に踏み出していることも、1つの要因です。
日本社会ではどのようにエシカル消費へシフトが行われたかを、ご紹介します。
ヴィーガン食の選択肢が増加
大豆ミートなどの代替肉や、卵・乳製品不使用のスイーツなど、いわゆるヴィーガン食を見かける機会が増加している日本。
ヴィーガン専門店だけではなく、コンビニやスーパー、カフェでも代替肉の選択肢が増えてきています。今までは選択肢がなく、なかなかヴィーガンを実践できなかった人にとっても、挑戦しやすい環境に変わってきています。
プラスチック使用量の削減
社会全体で、プラスチックの使用量を削減する動きが見られています。
例えば、スーパーやコンビニ、その他の小売店でもプラスチックバッグが有料となったり、スターバックスやセブンイレブンを中心に、プラスチックストローから紙ストローへ移行しました。
これらの例のように、エシカル消費は意識的に行うものだけではありません。例えば、日常生活ですでにエコバッグを持ち歩いている人にとっては、エシカルな消費をしていることになります。
では、日本では他にどんなエシカル消費を試すことができるのでしょうか?
消費者庁が定めた5つのテーマ
エシカル消費を皆さんにとって、もっと身近なものとして感じてもらえるよう、消費者庁はエシカル消費のテーマとして、以下の5つを挙げています。
人 | 障がい者支援につながる商品 |
社会 | フェアトレード商品、寄付付きの商品 |
環境 | エコ商品、リサイクル製品、資源保護等に関する認証がある商品 |
地域 | 地産地消、被災地産品 |
動物福祉 | エシカルファッション |
消費者庁は、これら5つのエシカル消費テーマに合わせて、倫理的な消費活動を推進しているところです。
では、これらのエシカルテーマに沿って、厳選したエシカル消費の例を見ていきましょう。
エシカル消費例10選
こちらからは、日本で購入できるエシカル消費に繋がるサービスやアイテムの例を、10種類ご紹介いたします。
持ち物、食品、日用品、プレゼント、サービス等、バラエティ豊かなエシカル消費例を集めていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
持ち物
エシカル消費は、例えば大豆ミートなどのヴィーガンフードだけではなく、よく身に着ける持ち物からエシカルにすることができます。
アイカサ / 傘
「急に雨が降ってきて、コンビ二で何本ビニール傘を買ったことかわからない。」、「お金がもったいないけど、他の手段を知らない。」という方々必見のサービスがアイカサです。
- カサのシェアリングサービス
- 不要なプラスチックの消費を削減
アイカサは、傘のスポットに行けば、いつでもカサをレンタルできるサービス。お値段も、レンタルの時間単位で発生するため、お財布にも優しい画期的なエシカル消費です。
アイカサ代表の丸川さんにインタビューさせて頂いた記事はこちら。せひ一読ください。
LUSH / 化粧品
エシカルなコスメブランドとして、先駆者であるLUSH。動物実験反対の紙袋デザインを、見かけたことがある方が多いのではないでしょうか?
実は、それだけではなく、他にもLUSHがエシカルである要素があるんです。
- 動物実験なし
- マイカ(雲母)不使用
- 地球に優しいパッケージ使用
動物実験を廃止し、クルエルティーフリーであることはもちろん、マイカという鉱物を使用していない点でもエシカルです。
マイカ(雲母鉱物)の採掘現場には、多くの児童労働の現状があり、消費することが児童労働に関わってしまう原因になってしまう可能性があります。
さらに、包装にも地球に優しいパッケージを使っているLUSHは、エシカル消費としておすすめです。
食品
「食べる物をエシカルな食品に変えてみる。」
最近、フェアトレードだったり、環境保護に繋がったりする食品が増えているため、エシカルな食品の消費に挑戦することは、気軽な社会貢献だと思います。
こちらでは、フェアトレードでアフリカの子どもたちが教育を受けられる環境を整えるコーヒーと、植物性で環境に優しい代替肉の2つに注目しました。
マラウイコーヒー / コーヒー豆
※https://www.charity-coffee.jp/product/malawian-coffee/を参照
アフリカ・マラウイ産で、商品の価格の100%が生産国への寄付になるフェアトレードコーヒーです。
- フェアトレード
- マラウイのの産地を活性化
マラウイという国はコーヒーの産地としては馴染みがないかもしれませんが、マラウイコーヒーは、高品質AAランクのスペシャルティコーヒー。
寄付金は、マラウイの給食支援に届きます。給食があることで、より多くのマラウイの子どもに学校へ行く理由ができ、将来を切り拓くことに繋がります。毎日何気なく飲むコーヒーを、少し変えるだけで貢献ができるエシカルな消費例です。
NEXT MEATS / 代替肉
植物性タンパク質の代替肉、ネクストミーツを買うことは環境保護へ貢献できる消費です。
- 環境保護
- ヴィーガン
環境への負担が大きい畜産による、動物性のお肉ではなく、植物性の代替肉を提供しています。温室効果ガス削減の側面からも、注目されるネクストミーツ。
焼肉ライクとコラボを行い、店頭で代替肉の焼肉を楽しむことができます。美味しい幸せと、環境保護への貢献を両立できるエシカルな消費です。
ネクストミーツ代表の佐々木さんにお話しを伺った記事はこちら。ぜひチェックしてみてください。
日用品
自宅で使う日用品も、エシカルなアイテムをこだわって選ぶことができます。毎日使うからこそ、社会に良いものに変えることに、大きな意味があることでしょう。
日用品の全てを、一気に変えることは難しいと思うので、今回は気軽に変えられる洗剤と、思わず愛着が沸いてしまう家具をピックしてご紹介します。
SARAYA / 洗剤
※https://www.saraya.com/csr/env/rspo.htmlを参照
森林破壊の1つの要因である、植物性油のパーム油。洗剤や化粧品、食料品にもパーム油は、含まれています。
- 持続可能なパーム油を使用
- 森林保護、野生動物保全に貢献できる
毎日の生活で、使う洗剤を変えるだけでも環境保護に貢献することが可能でです。SARAYAは日本で販売するアイテム全てに、持続可能なパーム油を使用していることを発表しているため、知らないうちに環境破壊に関与している可能性をほぼ0にすることができます。
月日工作舎 / 家具
ただリサイクルするのではなく、元の素材に新たな価値をつけて生まれ変わらせるアップサイクル。
- アップサイクル
- 資源の再利用
在るものを生かし、暮らしを楽しむために、アップサイクルの家具を提供しているのが月日工作舎です。
新品にはない、奥深いストーリーをもつ家具で、生活に新たなスパイスを与えることができるでしょう。
月日工作舎の店主、山内さんにアップサイクルについてお話ししていただきました。インタビュー記事はこちらへ。
プレゼント
プレゼントを贈る側、受け取る側だけでなく、ひとつの商品に関わる全ての人を幸せにするエシカルなプレゼントについてご紹介します。
今回は、美しく輝くエシカルジュエリーと、最高品質のエシカルなバラについてそれぞれ説明しました。
GYPPHY / エシカルジュエリー
GYPPHY(ジプフィー)が提供する、人間や生き物の搾取、環境への影響が少ないアクセサリーは、エシカルジュエリーです。
- 人や環境に関するエシカル
- 児童労働の背景がない製造
- 環境負担も少ない
GYPPHYは、人口鉱石のモアサナイトを使用するジュエリーブランド。生産の過程における、児童労働や労働者搾取の要素がないダイヤモンドを使用しています。
さらに、包装もプラスチックではなくFSC®認証マークがある紙製品を使用しているため、環境への負荷を最小限に抑えたアクセサリー。
光り輝くジュエリーと一緒に、社会の幸せにも貢献できる商品です。
GYPPHY代表の滝川さんに、エシカルジュエリーに込めた想いを伺いました。インタビューの記事はこちらからどうぞ。
AFRIKA ROSE / バラ
アフリカから貧困をなくすことを、「最高品質のバラを、アフリカから世界に届けること」で実現しようとしているAFRIKA ROSE。
- フェアトレード
- アフリカの産地を活性化
フェアトレードで、かつ品質にこだわったケニア産のバラを販売しています。生産から、バラが手元に届くまでの全過程における愛が詰まったエシカルなアイテムです。
サービス
エシカル消費は、モノだけではなく、コトの消費にも広がっています。今回は、エシカルなサービス消費だと言える2つの例を、取り上げました。
ソーシャルグッドロースターズ / カフェ
※https://sgroasters.jp/を参照
ソーシャルグッドロースターズは、神保町にある本格的コーヒーショップです。
- 障がい者支援
- コーヒーを媒体に幸せを提供
ハンディキャップのある人が、バリスタとして活き活きと働くことができる焙煎所。コーヒーをひとつの媒体として、働く人の幸せと、顧客の幸せをつくっています。
「珈琲と福祉」の組み合わせでうまれた焙煎所を訪れ、より多くの幸せに携わってみてはいかがでしょうか。
Whyte / 美容室
※画像はイメージです
ヴィーガンヘアのパイオニア、Whyteは東京でも珍しい、ヴィーガンカラーのメニューを提供しています。
- ヴィーガン美容室
- ヴィーガンのカフェも併設
動物実験がなく、自然にも優しい素材でつくられたヴィーガンカラー剤や、オーガニックのヘア製品など、環境へ優しいものを使うというこだわりのある美容室です。
食べ物や服、化粧品などのモノだけでなく、髪を染めるというコトにまでエシカル消費は広まっています。
ヴィーガンのカフェも併設しているので、卵・乳製品不使用のプリンやドリンクなどを試してみてはいかがでしょうか?
このように、「エシカル消費」と一口に言えど、さまざまな種類があります。エシカル消費は、社会にどんどん増えてきているため、ふとした瞬間にヴィーガンマークや、フェアトレードのマークを探してみても、日常のエシカルな消費例を発見できるでしょう。
続いて、日常で具体的にできることをご紹介します。
エシカルな選択77選|倫理的な消費の例や日常でできること一覧
エシカルな行動をしたいが、何をすればいいかわからない。
すでにいくつか取り組んでいるが、他にできることがないか気になる。
そのようにお思いの方のために、Ethical Choice編集部メンバーが実際に行っていることや、様々な本や映画で言われているエシカルな選択を、シーン別に77つ集めました。
これからエシカルに取り組む方は、ぜひスターターガイドとして見ていただければと思いますし、すでに取り組まれている方は、チェックリストとして活用いただければと思います。
世の中は1人ひとりのエシカルな選択(エシカルチョイス)で変わります。
完璧にやる必要はありません。
77もできることがあるならどれから始めよう。
そんな迷いがないように、実践にかかる時間やコスト、挑戦のしやすさなどを考えながら、編集部独自の視点で各アクションの手軽さを星マークで表しています。
★★☆
★★★
星マークのレベルに沿って、エシカルな生活を始めようとする方や、もっとエシカルなアクションがないか探している方など、ご自身の状況に合わせて実践できそうなアクションを判断できます。
また、77のエシカルな選択は下記のような順でまとめているので、気になるセクションから読み進めてみてください。
では、シーンごとにできるエシカルな行動を想像しながら、楽しんで読んでいただければと思います!
消費のアイディア
『購入は投票である』という言葉をご存知でしょうか?
社会や環境に優しいモノ・コトを消費することは、よりよい未来をつくる投票。こちらでは、エシカルな消費の例をご紹介いたします。
エシカルにファッションを楽しむ
おしゃれをするなら、労働者・社会・環境に配慮しながら楽しんでみてはいかがでしょうか?服やアクセサリーなどを選ぶ際にできるエシカルアクションをいくつかご紹介いたします。
1. 新品の服は30回着る ★☆☆
『30wears』という取り組み。30回というと普通に思えるかもしれませんが、1シーズン(4か月)に5回しか着用しない場合、30回着用するまで6年かかる計算になります。意外と30回着ることは簡単ではないので、ぜひ新品の服を買う際に30回着るかどうかを考えてから買ってみてはいかがでしょうか?
2. 服のシェアリングサービスを使う ★★☆
中古を買うだけでなく、共有しあうこともアイディアのひとつ。ついつい違う服を着たくなるけど、環境や社会をおもいやりたい人には、おすすめです。最近は、スマホひとつあれば活用できるサービスが登場しているので、ぜひ使ってみてください。
3. 古着から選ぶ ★☆☆
エシカルファッションのブランドから購入することだけでなく、古着を積極的に選ぶことも、1着1着を長く楽しむアイディアです。着なくなったからといって、すぐに廃棄せずに、古着として再利用する選択をすれば、資源の無駄がなくなります。
4. アパレルブランドの衣類回収ボックスを活用する ★☆☆
ユニクロやZARAなど、店頭には着なくなったアパレルを集める回収ボックスが。途上国に支援したり、再利用したりするこの取り組みは徐々に広がっています。ブランドの指定がない場合もあるので、不要な服は捨てずに、店頭に持ち寄ってみてください。
5. フリマアプリを使う ★☆☆
ファッションを楽しむ時に、フリマアプリを活用しながら欲しい服を購入することもひとつのエシカルアクション。新品を店頭で買うのではなく、1着の寿命をできるだけ伸ばしてみましょう。店頭に行く時間がない方でも、スマホさえあれば利用できるのでおすすめいたします。
6. 人や環境に優しい洋服を選ぶ ★★☆
不適切な労働環境で働く人や、アパレル産業によって傷つけられる環境を守ることができるのが、『人や社会、地球に優しい』エシカルファッション。
エシカルファッションについては、下記の記事でより詳しく解説しているので、人や環境に配慮しながらオシャレを楽しみたい方はぜひご一読ください。
エシカルなショッピングでできること
スーパーやデパート。ふとしたお買い物でも、エシカルな行動を実践できます。日常のなかで、エシカルなショッピングを楽しめるアイディアをご紹介します。
7. プレゼントはエシカルギフトを贈る ★★☆
生産に関わる人や環境に配慮したエシカルギフトなら、贈る側も、貰う側も、そして商品に関わるすべての人を幸せにすることができます。
エシカルギフトを贈りたいけれど、どのようなものを選べばいいかわからないという方は、おすすめのエシカルな商品をご紹介したページをご覧になってください。
8. プレゼントのラッピングを断る ★☆☆
プレゼントのラッピングは、開封したらすぐ捨てられてしまうのに、紙やリボンなど多くの資源が使われています。エシカルなギフトを選ぶ以外に、ラッピングを断ることで資源の消費を削減できるので、試してみてください。
9. 過剰包装の商品は避けて消費する ★☆☆
過剰な包装を避け、消費される資源をなるべく減らすために、ゼロウェイストな消費を心がけてみませんか?量り売りのお店『バルクショップ』では、容器を持参するとゴミを出さずにお買い物を楽しめ、必要な分だけ購入できるので、無駄を少なくできることが特徴です。
10. 廃棄から近いものを消費する ★☆☆
不揃い商品やおつとめ商品と買ったり、すぐに消費する場合は消費・賞味期限が近いものを消費してみてください。廃棄に近い食材を減らすと、フードロス(食品ロス)を削減することができます。
日本のフードロスの現状は世界でも深刻なのですが、詳しく知りたい方は下記を確認してみてください。
フードロスについて
11. 代替レザーを使用した商品を買う ★★☆
パイナップルレザーやアップルレザー、サボテンレザーなど、植物性のレザーの選択肢が増えてきています。動物の搾取がない代替レザーを楽しむことは、動物愛護のひとつです。動物の犠牲がないアイテムを楽しみましょう。
12. モノの背景を考えて消費する ★★☆
商品の背景までを考えて、消費する商品を選ぶこともエシカルな消費例。海や森を守るマークなど、エシカルな認証マークにはそれぞれ意味があり、エシカルな商品を判断する基準になるので、買い物の際に確認してみてはいかがでしょうか?
エシカルな商品を判断する認証マークは、こちらの記事で詳しく解説しているので、気になった方はぜひご一読ください。
13. アップサイクルの商品を消費する ★★☆
古くなってしまったり、捨てられるはずだったりする素材や製品に、新しい価値や想いを吹き込み、生まれ変わらせる『アップサイクル』。廃棄予定のものを有効活用することで、捨てられる資源を削減できます。
エシカルに美容やコスメを楽しむ
ヘアメイクなどの美容を楽しむためにも、増えてきているエシカルな選択肢。美容というジャンルでできるエシカルなアクションをご紹介します。
14. マイカ(雲母)を使用するコスメを避ける ★★☆
マイカは、採掘の段階で児童労働の背景がある場合が多い素材です。キラキラと輝くラメになるマイカは、ほとんどのコスメに使われていますが、マイカフリーのコスメを選択することが、児童労働の解決に貢献できます。
15. クルエルティーフリーの化粧品を選ぶ ★★☆
エシカルに美容を楽しむなら、クルエルティーフリー(動物実験がおこなわれていない)化粧品を選ぶこともひとつ。動物犠牲がないコスメを楽しむためには、クルエルティフリーマークを基準に商品を選んでみてください。
クルエルティーフリーの概念は、下記の記事で詳しくご説明しています。
16. オーガニック・エシカルなコスメを選ぶ ★★☆
オーガニックでエシカルなコスメの選択肢は増えてきています。人のカラダや土壌に優しい他に、容器を使い回すことで消費される資源を減らす化粧品も登場。性能やデザインも優れたものが多いので、地球が喜ぶコスメを選択してみましょう。
17. オーガニック・エシカルのカラー剤で髪を染める・シャンプーリンス使用 ★★☆
オーガニックやエシカルな製品はコスメだけでなく、カラー剤やシャンプ―リンスなどもあります。動物犠牲や環境への負担を少しでも減らしたい方は、エシカルな製品や施術を受けられる美容院を選ぶことをおすすめいたします。
家でできること
次に、自宅で簡単にできるエシカルアクションを集めました。人や社会、環境を思いやりながら、幸せに暮らすライフスタイルをご提案いたします。
自宅でできるエシカルなアクション
お家で実践できるエシカルなアクション。今日すぐに実践できるものも多いので、ぜひ試してみてください。
18. コンポストを取り入れる ★★☆
生ごみが出たら、コンポストで肥料化することで、ごみを再利用できます。生ごみを捨てる手間や資源を削減することはもちろん、堆肥を家庭菜園に活用することも可能。気軽なエコ活動として、おすすめいたします。
19. 再生可能エネルギー(再エネ)を使用する ★★★
再エネ100%使用の電力にシフトすることを、パワーシフトと言います。従来の火力発電ではCO2排出量が問題になっていますが、地球に優しい方法で電力を使用するために、再エネを使用することがおすすめ。
再エネだけを扱う『ハチドリ電力』責任者の小野さんにインタビューをおこなったので、気になる方はご一読ください。
20. できるだけ自炊する ★☆☆
既製品ではなく、できるだけ自炊をすることも、節約になりますし、エシカルでもある行動。コンビニ弁当や既製食品は包装に資源が使われているため、なるべく資源を節約できる自炊をおすすめします。
21. 使っていないコンセントは抜く ★☆☆
電気製品を使用していなくても、コンセントを挿したままでいると、待機電力が発生します。無意識のうちに、資源を使用することを避けるため、外出時や使用しない時はコンセントを抜くことがおすすめです。
22. 水洗トイレは『小』を使うように意識する ★☆☆
水洗トイレは小ボタンやレバーでも、十分に流せることが多いため、節水にもなる『小』で流すようにしましょう。現在、世界的に水不足が深刻化しているため、水の使用について考えるべきなのです。
水不足の現状などをご説明した記事があるので、水の大切さを振り返るためにも、ぜひ読んみてください。
23. 地産地消の野菜や食材を楽しむ ★☆☆
地産地消の食材を楽しむことは、地域の環境を守る活動の1つ。地産地消の食材を消費すれば、食材を運ぶためのCO2排出量を削減でき、生産者と消費者が繋がり地域を活性化させることができるというメリットがあります。
24. ゴミの分別はしっかりとおこなう ★☆☆
ゴミの分別をきちんとおこなう。当たり前のように思えるかもしれませんが、決まりに従わずに廃棄すると、本来リサイクルできるはずの素材が活かされません。各自治体の方法に従って、分別することから始めましょう。
25. 漂白剤不使用のティッシュやペーパーを使う ★★☆
ティッシュペーパーやトイレットペーパー、ハンドペーパーなど、色が白いのには理由があります。その理由とは、漂白剤。大量の水と薬品を使い漂白された製品に比べ、無漂白の紙は有害な水や薬品を消費しないため、環境に優しい製品です。
26. 不要なモノは譲るか、中古ショップに預ける ★★☆
不要だからと言って、すぐに廃棄するのではなく、中古ショップやセカンドハンドストアに預けることでモノの寿命を伸ばすことができます。捨てる前に、必要としている人・場所がないのか、もう一度検討してみてください。
エシカルな食生活を送るためにできること
ヴィーガン、べジタリアン、ぺスカタリアンなど、バラエティ豊かな食生活の選択肢があります。環境や社会問題、そして動物愛護の視点など動機は様々だと思いますが、ぜひ自分に合う食生活でのエシカルアクションを見つけてみてください。
27. 週に1回お肉の消費を休んでみる ★☆☆
完璧なヴィーガンでなくても、環境への負担を減らすには、週に1回だけお肉を食べないことも効果的。例えば、月曜日だけお肉を摂取しない『ミートフリーマンデー』があります。
畜産は環境問題の大きな原因。どのような影響をもたらしているか気になる方は、こちらの記事を読んでください。
28. ヴィーガンの料理にチャレンジする ★★☆
ヴィーガンの料理にチャレンジしたい方は、ヴィーガン料理を集めたレシピプラットフォームや、ヴィーガン料理専用のキットを活用ください。先ほどもお伝えした通り、動物性ではなく植物性の食事を選ぶことは環境を守る行動です。
ヴィーガンレシピの掲載サイト『vcook』の代表、工藤さんにお話しを伺いました。ヴィーガン料理を知りたい方や挑戦したい方におすすめの記事です。
29. 植物性ミルクにする★☆☆
最近は、豆乳以外にも、オーツミルクやアーモンドミルク、ライスミルクなど選択の幅が広がっています。ミルクも同様に、植物性の商品を選ぶことが環境問題を解決する一助に。
カフェでも植物性ミルクをオーダーできるので、牛乳をなるべく避けたい人は試してみてください。
30. フードロスをなくす★☆☆
環境負荷が少なく、動物犠牲も出さない選択をメインにご紹介しましたが、食事の際にフードロス(食べ残し)をしないというエシカルなアクションもあります。食べ残しをしないようにするだけの、簡単な行動です。
31. ソイプロテインにする ★☆☆
プロテインも動物性のホエイプロテインだけでなく、大豆がベースのソイプロテインがあります。植物からもタンパク質を摂取することができるので、体を整えたいけれど動物性のプロテインは避けたいという方におすすめです。
32. 代替肉を選ぶ★★☆
次々と登場する、まるでお肉のような食感や風味の代替肉。牛肉だけでなく、鶏肉や豚肉のような代替肉など、豊富なラインナップが開発されています。地球を守りながら、お肉のような味わいを楽しめる代替肉はいかがでしょうか?
代替肉として人気が急上昇中の『ネクストミーツ』代表、佐々木さんにお話をうかがいました。代替肉で地球を救う、その想いを、ぜひご一読ください。
お風呂場でできるエシカルな取り組み
バスタイムや洗濯、歯磨きなどお風呂場でできるエシカルアクションをご紹介します。水を使う場所からは、排水溝を通って海や川に成分が流れ出すリスクがあるので、気を付けてみてください。
33. マイクロビーズ流出を防ぐ洗濯ネットを使用する ★★☆
海底に積もっていくマイクロビーズ(プラスチックの一種)。魚の体内に蓄積され、私たちも摂取しているリスクがあります。微細なプラスチックを通さない特殊な洗濯ネットを使えは、流出を防げますので、試してみてください。
34. 竹の歯ブラシにする ★★☆
歯ブラシの持ち手には、プラスチックが使用されている場合が多いですが、竹歯ブラシにするというアクションがあります。日々のプラスチック製品の使用を減らすことで、プラスチックフリーに貢献できるエシカル消費です。
35. エシカルな歯磨き粉にする ★★☆
歯磨きの時間は、歯ブラシを竹素材に変更するだけでなく、ヴィーガンやオーガニック、プラスチックフリーの歯磨き粉を使う方法も。カラダにも優しく、海洋保護にもなるので、おすすめいたします。
36. 洗剤やシャンプーは詰め替えする ★☆☆
容器入りの洗剤やシャンプーを使うなら、なるべく詰め替えるようにすることで、ゴミの排出を減らせます。色んな種類を楽しみたい人は、使いまわせる専用の容器を用意しておくといいですね。
37. 固形のシャンプーを使う ★★☆
固形のシャンプーを使うことは、シャンプーを入れるプラスチック容器を削減することに繋がります。また、自然由来の成分を使用した固形シャンプーもあるため、頭皮にも環境にも優しいシャンプーを楽しめます。
38. マイクロビーズフリーの洗剤にする ★★☆
洗濯用洗剤にも、マイクロプラスチックビーズという微小なプラスチックが含まれている場合が多いです。海や川に流出すると、海洋の生物や環境を傷つけてしまうのため、マイクロビーズフリーの洗剤を選んでみてください。
キッチンでできるエシカルアクション
キッチンの場合、環境や社会に気を遣うだけでなく、自分の体内もケアしてあげるアクションがおすすめです。自分を思いやりながら、地球への貢献にも繋がる行動をいくつかご紹介します。
39.繰り返し使えるラップにする ★☆☆
プラスチックのゴミが、都度発生してしまうラップの使用。最近だと、蜜蝋からつくられた再利用できるラップがあるので、ちょっとした消費を減らせる蜜蝋ラップの使用をおすすめいたします。
40. 繰り返し使える容器を使う ★☆☆
プラスチック容器など、日々のプラスチック消費を減らすためにもシリコン容器や食器などを使いましょう。プラスチックの消費は、環境への被害だけでなく、BPAという有害な化学物質を体内に摂取するリスクがあります。
41. 天然素材のスポンジを使う ★☆☆
プラスチック製のスポンジではなく、天然素材でつくられたスポンジを使用することで、プラスチックフリーを実現できます。また、植物のヘチマは使用後も燃やせることから、ヘチマたわしも環境に優しいアイテムです。
42. 日々のペットボトル消費を抑える ★☆☆
一人暮らしの方は特に、浄水器がないとペットボトルの水を消費する機会が多いのではないでしょうか?簡易的な浄水器があれば、手軽に、ゴミを出さずに、清潔な水を楽しめます。日常で、ペットボトルの消費量を減らすアイディアです。
43. リボべジ(リボーンベジタブル)をおこなう ★☆☆
1度消費した豆苗や、大根のへたなどを、キッチンで育てると1つの野菜を何度でも楽しめます。食材という資源を、何度も活用できるおすすめのアイディアです。
外出時にできること
外出先では、ちょっとした消費が多くなるのではないでしょうか?お出かけの際に、外出時でも簡単にできる、エシカルなアクションをいくつかご紹介します。
お出かけの際に実践したいエシカル
カフェや移動の際にやってみたいエシカルなアクションを集めました。
44. カフェで使い捨てカップではなくマグカップにしてもらう ★☆☆
カフェの店内利用で、マイボトルを忘れてしまった時は、マグカップにすることができるか聞いてみましょう。1回のコップ消費ですが、少しの資源消費を減らすことが貢献に繋がります。
45. 急な雨にはカサのシェアサービスを使う ★★☆
急な雨の旅にコンビニ傘を買っていたら、家がビニールカサだらけなんて経験ありませんか?そんな時は、駅やデパートなどにあるシェアリングサービスを使ってみてください。
国内では、1日70円でカサが使えるサービス『アイカサ』があります。アイカサの代表である、丸川さんにインタビューをおこなったので、ぜひご一読ください。
46. スマホ充電にはバッテリーのシェアサービスを使う ★★☆
大事な時に限って、スマホの充電がない。スマホの充電器も忘れてしまった。
コンビニなどでバッテリーを新しく買うなら、バッテリーのシェアサービスを使ってみませんか?必要のない消費を避けることができるエシカルなアクションです。
47. 車ではなく電車・自転車を使う ★☆☆
二酸化炭素の排出を減らすため、私たちができることは移動手段を公共交通機関や、自転車を使うこと。自転車で通勤・通学できる方は、自転車に変えてみることで環境はもちろん、健康にもプラスな影響が期待できます。
エシカルに出張・旅行をする
出張や旅行の際は、長距離を移動するための移動手段や、宿泊施設にこだわることで、エシカルな選択を実現できます。最近は、気軽にエシカルなアクションを出張や旅行などでも選べるようになっているので、ぜひ参考にしてみてください。
48. 飛行機を使用するならカーボンオフセットをする ★★☆
飛行機を使用するときにカーボンオフセットというオプションがあります。搭乗する飛行機で、1人が排出する二酸化炭素量を、植林などの活動で埋め合わせるというもの。手頃な価格で協力できるので、ぜひ検討してみてください。
カーボンオフセットは難しい概念かもしれませんが、下記の記事でわかりやすくご説明しています。ぜひ、ご一読ください。
49. 珍しい動物製品のお土産は避ける ★★☆
特に海外旅行の際に言えることですが、サイ角や象牙などが使用されたお土産の購入は控えましょう。動物製品が高値で売れると、乱獲が起こり、絶滅危惧種を増やすことに繋がります。
絶滅危惧種は、こちらの記事でわかりやすく一覧にまとめながらご紹介しています。
50. 外来種を持ち込まない ★☆☆
外来種を旅行先から日本に持ち帰ると、知らないうちに生態系に変化が起こってしまいます。大きな生き物だけでなく、植物も例外ではないので、帰る際には気を付けてみてください。
51. BIOホテルに宿泊する ★★★
オーガニック素材や自然との調和にこだわったBIOホテル。高い基準が定められているので、まだ日本に2か所しかありませんが、旅行の際に選んでみることもエシカルな体験になります。
出社時にできるエシカルな取り組み
オフィスで気軽にできるエシカルな行動。自分で少しずつ始めながら、職場の皆さんにおすすめしてみるのもいかがでしょうか?
52. 紛争鉱物を使用しないPCを使う ★★★
オフィスで使うPCを、紛争鉱物を含まないPCに変えることも、提案したいエシカルアクションのひとつ。紛争の原因となる紛争鉱物の流出を抑え、平和につながる行動です。
エシカルPCが気になる方は、ZEROPC代表の青山さんへのインタビューをご覧になってください。
53. オフィスイベントでゴミを減らす ★★☆
オフィスで歓迎会などのイベントをすると、どうしても出てしまう使い捨ての紙コップや紙皿、割りばしなど。なるべく洗えるお皿やカトラリー、コップを準備してもらって、出てしまうゴミを抑えましょう。
54. バナナペーパーで名刺をつくる ★★☆
名刺を作る際、バナナペーパーを検討してみてはいかがでしょうか?バナナペーパーは、廃棄されたバナナの皮が生まれ変わったもの。ごみを削減するアイディアで、エシカルな名刺を作成することをおすすめします。
55. コットンペーパーを導入する ★★☆
主に、オーガニックコットンを使用して生産した紙を使うことがエシカルなアクション。
東日本大震災で被災した土地に綿花を植え、復興へ貢献する東北コットンや、アフリカ・タンザニアで持続可能な農業を支援するタンザニアコットンがあります。社会に貢献できるコットンからつくられたコットンペーパーを導入してみませんか?
56. お弁当を作る ★☆☆
コンビニやスーパーでランチを選ぼうとすると、プラスチックで包装されたもの、ヴィーガンやベジタリアンの方には選択肢が少ないものが多いと思います。
そこで、お弁当をつくることはゼロウェイストで、自分の食生活に合わせることができるエシカルアクションです。
57. プラスチックはすすいで捨てる ★☆☆
プラスチックと燃えるごみを分別していても、プラスチックごみに汚れがついているとリサイクルできない場合があります。
自治体ごとに扱いが異なるので確認していただきたいのですが、きちんと洗ったプラスチックはリサイクルされる可能性が高いです。
エシカルな持ち物で地球を思いやる
ペットボトル、プラスチックストロー、ビニール袋など、使い捨て製品は山ほどあります。それらは、日々のちょっとした消費に見えるかもしれませんが、その消費を避けることもエシカルな選択です。
エシカルな物を持ち歩いてみる。そんな身近で、続けやすいアクションをご紹介します。すべて網羅する必要はありません。毎日できることから始めてみてください。
58. 大地に還る製品を選ぶ ★★☆
スマホケースをはじめとし、土に還る素材を使用した100%堆肥化可能な製品が続々と登場しています。プラスチック製品ですと自然に還りませんが、土に還る製品を選ぶことでゴミを減らすことができます。
59. マイボトル・マイ箸・マイストローを使う ★☆☆
コンビニでお弁当を買った時、外出先で喉が乾いた時、ついつい消費してしまう使い捨て製品。マイボトル・マイ箸・マイストローを持ち歩くと、日々のちょっとした資源の消費を抑えることができます。
常に持ち歩くことは難しいかもしれませんので、オフィスや学校に置いておくことをおすすめいたします。
60. エコバックを持ち歩く ★☆☆
有料化されたレジ袋。肝心な時に、エコバックがない。そんな経験ありませんか?エコバックを持ち歩けば、環境保護ができます。新調する必要はないので、自宅にあるバックを使ってみてください。
レジ袋が有料化されてどのような効果があるのか気になる。そのように感じていらっしゃる方は、下記の記事をご確認ください。
61. BPAフリーの製品を選ぶ ★★☆
プラスチック製品を使うと、有害な化学物質BPAを摂取するリスクがあることをご存知でしょうか?BPAとは、がんや糖尿病、心血管疾患にかかるリスクを上げる物質なので、健康に気を遣いたい方はBPAフリー製品を選びましょう。
BPAの摂取を避ける『BPAフリー』については、こちらの記事で詳しく説明しています。
62. オーガニックメッシュバッグを使用する ★★☆
オーガニックメッシュバッグは、エコバッグのようですが、オーガニックコットンを100%使用した生物分解可能なバック。野菜や果物に触れても、安全に保管できるため、ビニール袋を使用して個包装する必要がない優れものです。販売されているものを見かける場面が少ないと思いますが、手作りすることもできるので、興味のある方は試してみてください。
日常のアイディア
最後に、毎日少しずつできる、ちょっとしたエシカルをご紹介します。気軽に取り入れていただけるエシカルなアクションなので、『今日はこの1つをやってみよう』という気持ちで始めてみてください。
エシカルな過ごし方
毎日をエシカルに過ごすなら、下記のアクションをおすすめいたします。
63. パートタイムヴィーガン・フレキシタリアン ★☆☆
週1回だけ肉食を控えたり、自炊の際は菜食を心がけるなど、場面に合わせて食生活を柔軟に変えるフレキシタリアン。最近は、『パートタイムヴィーガン』という言葉もあり、気軽にチャレンジすることができるので、ぜひ試してみてください。
フレキシタリアンについてより詳しく、そして簡単にご説明しているので、気になった方は確認してみてください。
64. 国際デーを祝う ★☆☆
アースデー、国際女性デー、世界水の日など、国際的に環境や社会問題にまつわることを広く考えるためのイベントはいくつもあります。
誰かにとってはただの1日かもしれませんが、国際デーを迎えたらテーマについて考えて共有することも気軽にできるエシカルです。
65. 映画や本で勉強する ★☆☆
畜産が環境にもたらす問題や、現代人の食生活に関してなど、知識やアイディアが深まるものが多いので、ぜひ見てみてください。鑑賞会を開いて友達とディスカッションなんかもいいですね。
66. ポジティブミニマル ★★☆
ポジティブミニマルとは、ミニマリストのなかに含まれるアイディアです。本当に必要なものによって、心を満たす考えで消費を見直すもの。安いからという理由だけで購入はせず、必要なものかどうかを考えてみましょう。
下記の記事で『Less is More』というあるものや必要なものを大事にする考え方をご紹介しています。ポジティブミニマルと繋がる部分があるので、興味がある方はご参照ください。
67. 自然との繋がりを感じる ★☆☆
毎日できるちょっとしたエシカルとして、皆さんにぜひおすすめしたいことが自然に触れることです。
森林や海を訪れる必要はなく、太陽を浴びてみたり、小さな花や観葉植物を育ててみたり、日々のなかで少しでも自然に触れることで自分と地球の繋がりを振り返ることができます。
ネットでエシカルな取り組みをする
オンラインのサービスで、エシカルに貢献できるアクションをいくつがご紹介。スマホがあれは、すぐに参加できるものなので、気軽に行動に移してみてください。
68. Ecosiaで検索する ★☆☆
Ecosiaは、検索するだけで植樹に貢献できる検索エンジン。日々何気なく使用する検索エンジンを、Ecosiaに変えるだけで、地球に緑を増やす貢献ができます。ちょっとした検索は、Ecosiaに変えてみませんか?
69. actcoinでアクションを視覚化する ★☆☆
actcoinは、ちょっとした社会貢献を視覚化できるアプリ。人や社会、環境に優しいアクションはわかりにくいかもしれませんが、actcoinを使えば、どのように行動で貢献できるか一目でわかります。
70. SNSで発信する ★☆☆
エシカルやサスティナブルな情報をSNSで発信することもひとつ。知識に触れる機会がないため、環境保護や社会課題に気づいてない場合もあるため、気づいたことは発信してみることもコミュニティの貢献に繋がります。
エシカルなプロジェクトに参加する
エシカルな消費をすることや、日々使う製品をエシカルなモノに変える以外にも、エシカルな活動に参加するという方法があります。参加型のエシカルとして、ぜひおすすめしたいものを一覧で集めたので、気軽にできそうなものを探してみてください。
71. 社会貢献ができるクレジットカードを使用する ★★☆
クレジットカードを利用すると、一定の額が社会貢献の活動に寄付されるクレジットカードがいくつかあります。通常だとポイントとして貯まる分で、森林保護や難病支援など、さまざまな社会的アクションに協力できます。
72. ヘアドネーションをする ★★★
病気や何らかの事情でヘアウィッグを必要とする人のために、ヘアドネーションをおこなってみませんか?自分が伸ばした髪の毛で、誰かを幸せにできるアクションです。ヘアドネーションが可能な美容室かどうか、事前に確認してから訪れることをおすすめいたします。
73. ゴミ拾い・ビーチクリーンに参加する ★★★
街中のポイ捨てゴミを拾う活動や、プラスチックごみが行きつく海辺を清掃する『ビーチクリーン』をおこなうことは、エシカルへの参加の1例です。
ゴミ拾いは、ごみや毎日のゴミ消費について見つめ直す機会に。個人でも始めやすいアクションですし、団体が開催している活動に申し込むのもおすすめです。
74. フリーマーケットに参加する★★☆
フリーマーケットは、モノの寿命を伸ばすことができる取り組み。自分は不要だと思っても、誰かにとっては必要なモノである場合があるので、引っ越し前や大掃除の際に不要なものが多くでた時は、フリーマーケットに参加してみてください。また、新品を購入するのではなく、フリーマーケットでモノを探してみることもおすすめです。
75. 寄付やクラウドファンディングに参加する ★★☆
社会問題や環境問題を解決するための寄付やクラウドファンディングに参加することもエシカルなアクション。クラウドファンディングというアイディアは今や広がっており、実際に現地に行って助けることはできないけれど、プロジェクト自体は応援したいという方は、ぜひ検討してみてください。
76. 植林活動に参加する ★★★
ゴミ拾いに加え、参加型のエシカルである植林活動も豊かな地球を繋いでいくためにできる1つの取り組み。自然に触れながら、自らの手で植樹をおこなう経験は、環境を考える大きなきっかけになるはずです。
77. エシカルについて話してみる ★☆☆
活動に参加しなくとも、エシカルに関するアイディアや知識を家族や友達と離してみることも参加できるエシカル。人や社会、地球を思いやる取り組みや考え方を、ぜひシェアして広めてみてください。
ここまで日常で出来ることを紹介してきましたが、公的機関による認証ラベルを参考にする方法もあります。最後に海のエコラベル「MSC®認証」に触れておきます。
海のエコラベルMSC®認証とは?
和食を代表する食である、魚。日本の食卓を豊かにするため、国内だけでなく、海外からも大量の魚が輸入されています。
しかし、皆さんは、世界の漁業のおよそ3分の1が、持続可能ではない方法で行われていることをご存知でしょうか?
このままだと、海の生き物が絶滅してしまう危機に直面している海。そんな海の現状を改善しようとつくられたのが、海のエコラベルMSC®認証です。
今回は、MSC®認証とは何か、どうしてMSC®認証が必要とされているのか、どのように使用されているのか、をご説明します。
持続可能な漁業の証、MSC®認証
参照:https://www.msc.org/jp/home
まず、MSC®認証とは、MSC®(英語:Marine Stewardship Council®:海洋管理協議会)によると、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物に与えられる証です。
通称、「海のエコラベル」と呼ばれ、主にMSC®漁業認証とCoC認証の2つの基準をクリアした水産物に付与されます。
MSC®認証は、MSC®漁業認証とCoC認証という2つの基準をクリアすることした、厳選された水産物だけに与えられる認証マークです。
MSC®漁業認証
MSC®ではなく、独立した審査機関が審査を行うMSC®漁業認証。この段階では、漁業方法は持続可能かが審査の対象です。
審査は、以下のMSC漁業認証規格3つの原則に基づいて進行していきます。
- 資源の持続可能性
- 漁業が生態系に与える影響
- 漁業の管理システム
CoC認証
CoC認証とは、加工・流通チェーン内でMSC®認証と非認証の水産物を区別するための仕組みです。このCoC認証は、加工業者、卸売業者、レストラン、小売店などの各サプライチェーン過程で必要とされます。
持続可能な養殖水産物に与えられるASC認証
MSC®認証に派生して、ASC認証と呼ばれる、ASC®(Aquaculture Stewardship Council®:水産養殖管理協議会)による持続的な養殖水産物に付与されるエコラベルもあります。
MSC®という団体とは
先ほど、MSC®認証の解説でも少し説明しましたが、MSC®(Marine Stewardship Council®:海洋管理協議会)という団体が、このMSC®認証の審査機関で、発行などを実施しています。
MSC®とは、1997年に設立された海洋を保護しようとする団体です。
世界の海を生命であふれたものにするというMSC®のビジョン
MSC®が持つビジョンは、世界の海が生命にあふれ、現在から将来にわたり水産物の供給が守られることです。
このビジョンを達成するために、MSC®はいくつかのミッションを設けています。
- MSC®のエコラベルと認証制度を通じて、持続可能な漁業に向けた取り組みに報いる
- 水産物購入に際しての消費者の選択に影響をもたらす
- パートナーとともに水産物市場を持続可能なものへと転換する
- 世界の海洋環境の保全に貢献する
上記のミッションをもとに、活動を行っているのがMSC®という団体。
実は、MSC®がこのようなビジョンとミッションを掲げて、海洋保護に励む理由は、海が今までにないほどの危機に直面しているという現実があるからなんです。
過剰な漁獲を抑えるためのMSC®認証
今や、世界の3割にも及ぶ魚が獲りすぎであると、国連食糧農業機関が発表。
また、過剰に収穫を行うことで、1970年から2012年の約40年間にかけて、49%もの海洋生物が絶滅していることがわかっています。
自然に繁殖し、成長していくスピードを考えれば、いつまでも収穫し続けることができる漁獲量を確保できるはずですが、「適切な量」を超えた漁獲を続けると漁獲量は頭打ちを向かえてしまう可能性がとても大きいです。
そのため、海にある生命を守るため、食卓から魚を失わことを防ぐために、MSC®認証によって海洋を守っていくことが必要とされているのです。
しかし、このMSC®認証ですが、日本国内ではあまり普及していないのが現状です。
日本ではまだ認知度が低いMSC®認証
日本において、MSC®が普及しない理由として挙げられるのが、その認知度の低さ。
また、資源管理された商品を消費者が選択する傾向が強い欧米などの海外と比べて、日本国内では資源管理の観点への注目があまり高くないことが言えるでしょう。
まず、MSC®認証などの資源管理を意味するマークが存在している事実を知ってもらうことが重要になるため、この記事を読んでいる皆さんは、MSC®認証を日々の生活で探してみてほしいです。
そして、MSC®認証の認知度を向上させ、市場においてMSC®認証を消費することが当たり前にあることで、企業にも消費者にも、さまざまなメリットを実現できます。
MSC®認証で実現するサスティナブルなマーケット
企業が、自社の製品にMSC®マークを付けるメリットはいくつもあります。
- ブランド認知度、イメージの向上につながる
- 原料の安定的な調達につながる
- CSR(企業の社会的責任)に関する評価の向上
- トレーサビリティの向上
- SDGs(持続可能な開発目標)の目標14に貢献
上記で示した主な企業側のメリットは、より多くの消費者がMSC®認証の商品を選択するようになるほど、大きなものになっていきます。
そのため、消費者が資源管理されている商品を選んで消費することは、企業が持続可能なビジネスを進めていくことに直結しているのです。
MSC®認証商品を積極的に導入している企業例
MSC®認証を導入し、サスティナブルな領域に注力する企業が増えてきている近年。そこで、MSC®認証を導入している企業の取り組みを、4つご紹介します。
セブンイレブン
セブン&アイグループによるプライベートブランド、「セブンプレミアム」の水産食品でMSC®認証を得た食品が販売されています。例えば、たらこや辛子明太子などの魚類はMSC®認証マークが付与されているものです。
また、ASC®認証をえた、むきエビなどの養殖魚介類も扱っています。
さらに、「アラスカシーフード」というアラスカ州で天然水産資源を育む生態系を守るような資源管理・漁業管理を経たラインナップも。
イオン
イオングループが運営する、トップバリュも豊かな海をまもるためにMSC®認証などの商品を積極的に販売しています。
「グリーン・アイ natural」という、MSC®認証マークを得ている鮮魚のラインナップや、MSC®認証を経た魚介類を具材としてつかったおにぎりなどを展開しています。
マルハニチロ
マルハニチロが提供する、家庭用冷凍食品にも、MSC®認証を受けた魚介類が使用されています。例えば、MSC®認証が確約されたアラスカスケトウダラを原料とした、白身魚のフライや、ホタテなどが挙げられます。
ニッスイ
ニッスイは、冷凍食品だけではなく、缶詰や加工品などにもMSC®認証の魚介類を使用しています。鯖缶のさばや、ちくわの原料である白身魚など、資源管理に気を使った商品を展開しています。
このように、多くの企業が資源管理まで整えることができるMSC®認証を積極的に導入し始めています。これらの企業から消費することは、小さな変化に見えるかもしれませんが、大きな変化を起こすことができる1歩です。
MSC®認証マークがついた商品を消費しよう
企業と消費者の双方で、持続可能な商品でマーケットをあふれさせるためには、サスティナブルな商品を選択するということが私たちにできること。
スーパーやコンビニでは、MSC®認証マークがついた水産物、あるいは水産加工物を購入する。MSC®認証を得ている魚介を、使用しているレストランで食事をする。
お得感だけで購入の意思決定をするのではなく、MSC®認証のようなさまざまな側面にアンテナをはりつつ、消費をしていくことが私たちにできることです。
さいごに。エシカル消費で今日より良い明日を
社会へ貢献することは、ボランティアをしに途上国へ直接向かって何かをすることや、実際にお金を寄付というかたちで渡すことだけではありません。
今回ご紹介したように、たった1つの消費を、エシカル消費に変えてみる。その少しの変化で、社会を良くする方向に貢献することができます。
また、年々増えているエシカル消費の選択肢。それぞれの商品の背景には、さまざまなストーリーがあるエシカルな製品を購入することで、愛着がますます沸くこと間違いなしです。
今日から、そのちょっとしたエシカル消費で、地球に優しい暮らしをしてみませんか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【免責事項】
※本記事に掲載の情報は、公的機関の情報に基づき可能な限り正確な情報を掲載しておりますが、情報の更新等により最新情報と異なる場合があります。※本記事はエシカルな情報提供を目的としており、本記事内で紹介されている商品・サービス等の契約締結における代理や媒介、斡旋をするものではありません。また、商品・サービス等の成果を保証するものでもございません