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テレワークの課題を解決する「oVice(オヴィス)」とは?メタバース(仮想空間)上の直感的なコミュニケーションで未来へ広がる可能性


コロナ禍で一気に浸透した「テレワーク」。移動時間や勤務場所の制約をなくし、育児や介護をする社員にとっても、“ライフワークバランス”をとることができる魅力的な働き方として人気だ。また企業としても、優秀な人材を採用するために「テレワーク」の導入は必須条件となってきている。

しかし「テレワーク」には多くのメリットがある一方で、導入後にストレスを感じている人の割合は、約60%と半数を超えたという*アンケート結果も出ている。さらに興味深いのは、ストレスを感じている人の中でも、「雑談」がある人とない人では、ストレス解消の状況に“14pt”も差が生じたというのだ。
*引用元:株式会社リクルートキャリア「新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査」

この結果を見てわかるとおり、「テレワーク」の導入には“コミュニケーション不足の解消”を同時に行う必要があることは明白だろう。この課題に対して、テレワークのコミュニケーション不足をバーチャル空間で解決するサービスとして人気を集めているのが「oVice(オヴィス)」だ。

「oVice」は、メタバース(仮想空間)上で直感的なコミュニケーションを可能にしている。なんとリリースからたった1年で導入企業は2000社を超え、サービスリリースからたった8ヶ月でARR(年間経常収益)1億円を達成した。今年2月には年でARR5億円を突破し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで成長するベンチャー企業だ。

時代のニーズに合った革新的なサービスは、どのように生まれたのだろうか?今回は、「oVice株式会社」代表取締役 CEO ジョン・セーヒョン氏に取材。起業ストーリーから「oVice」を通じた“ビジネスメタバース”の可能性についてお話を伺った。



ジョンセーヒョン氏,オヴィス,ovice
インタビューイー
ジョン・セーヒョン
(Jung Saehyung)
oVice(オヴィス)株式会社
代表取締役 CEO
1991年11月、韓国生まれ。中学・高校時代にオーストラリアに留学、帰国後日本の大学受験に失敗、その翌日に貿易仲介事業を起こす。日本の大学を再受験して進学し、在学中にIT事業会社の設立、2017年に上場企業に会社の売却を経験。
IT技術のコンサルタントを経て、2020年にNIMARU TECHNOLOGY(現在のoVice)を設立。


テレワークの“不便”ではなく、“課題”を解決するために開発した「oVice」


ジョンセーヒョン氏

────早速ですが、ジョン氏はこれまで複数の起業を経験されたと伺いました。「oVice株式会社」立ち上げ前は、どのような事業をされてきたのでしょうか?

私はエンジニアを目指し日本の大学へ進学したのですが、在学中にAI事業としてディープ・ラーニングを使った留学生向けのサービスを作りました。問題を解きながら成績をあげるシステムです。

次は、同じく日本に来た留学生向けの“メディア”や、“就職マッチングサービス”のプラットフォームを立ち上げました。この事業を上場企業に売却後、個人的にブロックチェーンやRPAなどのIT技術コンサルティングをしながら、複数の企業と共同事業を行ってきましたね。



────さまざまな事業を経験された中で、今回の「oVice」立ち上げにいたるきっかけは何だったのでしょうか?

実は、コロナ禍で海外出張中にロックダウンに合ってしまったことが「oVice」開発のきっかけなんです。今までのように対面ではなく、オンライン上で仕事をする時間が増えたことで、社内のコミュニケーションが不足していることに気づきました。

そこで、オンライン上でもリアルなコミュニケーション体験ができる空間をつくろうと考え、開発したのが「oVice」です。はじめは、社内での円滑なコミュニケーションを図るためのプロトタイプとして作りました。

実際に社内ツールとして「oVice」を使ってみると、以前のように活発なコミュニケーションが自然と生まれるようになったんです。そこで、「oVice」をたくさんの人に使ってもらおうと思い、2020年8月にサービスをリリースしました。



────なるほど、はじめは社内向けに作られたサービスだったのですね。それでは「oVice」がどのようなサービスなのか教えていただけますか?
オヴィス,ovice使用イメージ

「oVice」は、現実世界と同じようにコミュニケーションを図れる“仮想空間サービス”です。Web上の仮想空間にいるアバターを動かしながら、他のアバターに話しかけることができ、従来のビデオツールのようにミーティングしながら資料の共有などを行うことができます。

「oVice」の大きな特徴は、アバターに近づくほど声が大きくなり、遠くなるほど声が小さく聞こえるようになっていて、現実のオフィス同様の空間を作り出している点です。また、アバターの向きによっても会話する相手の声の音量が変わるので、臨場感のある空間を体験することができます。



────よりリアルなコミュニケーション体験にこだわっているんですね。

そのとおりです。もちろんバーチャル空間には、会議室もありエリアや階層によってセキュリティ設定を分けられます。オフィスでもキーが無いと入れない部屋があるように、周りに聞かれたくない会議や機密性の高いミーティングをする場面でも「oVice」上で再現できます。

とにかく「oVice」は、リアルな世界をそのままオンライン上で再現することに大きなこだわりをもっています。これは、オフライン上の不便さをオンライン上では無くそうとするのではなく、オフライン上の不便も含めてそのままのリアルを再現するということです。

例えば、「イベントや展示会で話しかけづらい」という不便がある場合、オンライン上ならクリック1つでアクションを起こせるようにするなど、不便を無くすことは簡単です。

しかし、「oVice」の考え方は、逆なんですよ。「オフラインで不便なら、オンライン上でも不便でいい。」と__。

そして、「オフラインでできることは、オンライン上でもできるようにする。」
これが「oVice」のポリシーですね。オンライン上で無駄を省き完璧な世界を作り過ぎてしまうと、効率的ではありますが、いわゆる「オンライン疲れ」を起こしてしまいます。



────確かに……ビデオツールやチャットだけで効率的な仕事はできますが、今まで当たり前にあった“雑談”という無駄が省かれてしまったことによって、現実との差に疲れを感じる方が多いですよね。

だからこそ、「oVice」は“不便”を取り除くのではなく、“課題”を解決するサービスを目指しています。「oVice」は直感的な操作で、アバターが近づけばすぐに話かけられますし、お互いの距離感もリアルに感じる事ができます。

他にもオフィスにいる全員に音声で伝えることができる「館内アナウンス」機能なども追加し、今までのリアルなオフィスと変わらない体験を再現しました。

あともう一つ、「oVice」のこだわっている点は、安定した通信が可能な点です。海外でロックダウン中に開発したこともあり、不安定であったり低速のインターネット環境でも問題なく利用できるように、最適化されています。

そのため、長時間の利用でも通信量を気にすることなくご利用いただけます。




毎日5万人が「oVice」に出社

導入数,ovice,オヴィス

────では続いて、「oVice」を導入される企業様についてお伺いいたします。

実は、「oVice」を導入される企業様は、大手企業がもっとも多いんです。はじめは、スタートアップなどのIT系企業が多くなっていくと思っていたので、私自身も意外な反応だと感じました。

ヒアリングしてみると、ITベンチャー企業などは以前からオンラインツールを使っていたこともあり、“フルリモート”にシフトすることが容易だったように思います。逆に、大手企業ほどオフィス勤務がメインだったため、テレワークをいきなり推奨されても、様々な課題が生じていたことがわかりました。

そこで、コミュニケーション不足の課題を解決するツールを探している中で、「oVice」を見つけていただくことが多いですね。デモや無料トライアルで、実際に使っていただき便利さを実感した上で導入することができます。

また、「oVice」は階層やビルを分割するなど、自由な設計が可能です。現在導入されている事例では、もっとも高い階層で88階まで作っている企業様もいらっしゃいます。高すぎても階層を探す手間が発生したため、今はビルの分割を進めているようですね(笑)!



階層イメージ

────なるほど、物理的にオフィスを改装するのは大変ですが、バーチャル空間なら好きにカスタマイズできる点も魅力的ですね!料金は、階層の数(スペース数)で料金が変わるのでしょうか?

オヴィス料金形態

料金設定は、とてもシンプルでエリアの大きさ毎に3つプランを作っています。月5,500円〜55,000円(税込)で、同時利用の推奨人数が20名〜150名となっています。

他には先ほどの例のように、150名以上でビルごと作られる場合は、カスタマイズの希望を相談しながら見積りを出しています。現在は、2,000社以上の企業様に導入いただき、毎朝5万人以上が「oVice」に出社されているんですよ!



────5万人もご利用されているんですね!「oVice」はリリースから2年も経過しておらず、わずか1年でARR2億円を突破しています。このスピード感ある成長ができた理由は何だと思われますか?

やはり、時代のブームに乗れたことでしょうか。コロナ禍と一言でいっても、時期によっても世の中の空気感は全然違いましたよね。やはり、そのような変動がある中で時代の潮流を読みながら運営できたことだと思います。

あとは、サービスの急成長に合わせて、組織としても強化していくことができた点が大きいですね。リリースした2020年の時点ではまだ10名ほどでしたが、現在は100名以上に増員できました。人員を着実に増やしながら、組織の仕組み化も推進できたことが大きな力になったのだと思います。



──── 一気に人員が増えたことで、組織としてのカルチャーがマイナスに働くことはありませんでしたか?

おそらくですが、組織が成長していく中で生じる壁というのは、ゆっくりとした成長曲線を描く場合だと思うんです。私たち「oVice」の場合は、かなり早いスピード感を持って成長しているので初期メンバーと中期で入社したメンバーの間でカルチャーとしてそこまで差がないんですよね。

全員が、初期メンバーのようなものです(笑)
カルチャー的には問題はなかったのですが、100名を超えたところで事業の方向性など私の考えを社員全員にダイレクトで伝えることが難しくなりました。

そこで、考えを全員に共有できるようにYouTubeとして動画配信をはじめました。あとは、弊社の場合は、海外にいるメンバーも数十人います。主にアメリカと韓国が多いですが、国際メンバー間の言語を統一したり、情報をまとめて体系化できるよう組織構成を組み直しているところです。




ビジネスにおける「メタバース」の可能性

ジョン氏

────「oVice」は、「ビジネスメタバース」というキーワードで説明されていることが多いと思いますが、「メタバース」ではなくあえて「ビジネス」とつける意図はあるのでしょうか?

もともと、私自身「メタバース(=仮想空間)」に懐疑的でした。なぜかといえば、「メタバース」は仮想通貨やNFTとの関係がフォーカスされていましたし、はじめは「少し危ないんじゃないか……」と思っていたからです。しかしある時、韓国から「メタバース」というキーワードでイベントの登壇依頼が来たんですよ。

その時、改めて「メタバース」についてよく調べてみると、自分がやろうとしている世界や、実現したいと思う概念と同じことがわかりました。まだ「メタバース」の定義は曖昧ですが、インターネットの最終的な着地点が「メタバース」だと言われています。

インターネットがメタバースになるなら、自ずとビジネスがメタバースに移行するのは自然な流れではないでしょうか?この先、SaaSなどすべて含まれているハブとなる世界が「メタバース」だと思います。

しかし、一般的にはメタバースというと、3Dやアニメーション、ゲームやNFTなどエンターテイメントな世界を想像しやすいですよね。そこでエンターテイメントと切り離してビジネスに限定したメタバースを提供しようと「ビジネスメタバース」というキーワードを使っています。

人生でエンターテイメントと関わる時間は数%しかありません。私たちは圧倒的にビジネスと関わる時間が多いですよね。例えば、コンサートを開催するとしても、コンサート自体は数時間です。しかしコンサートを実現するまでには数千時間を要します。

私たちは圧倒的な実務の時間のためのメタバースを提供していこうとしているんですよ。



────なるほど、確かに仕事をしている時間の方が多いですよね。メタバースとして、エンターテイメントとビジネスの世界はこの先も差別化されていくのでしょうか?

今のところビジネスとエンターテイメントの接点はありません。しかし、今後はおそらくミックスされ融合していくのだと思います。

例えば、世界が変わるごとにアバターも変化し、仕事中はスーツ、コンサートにはカジュアルな服装に着替えるように、メタバースを行き来するようになっていくのではないでしょうか?



────「oVice」としては、現在はオフィス空間をメインとした「ビジネスメタバース」を提供されていますが、他にはどのような活用ができるのでしょうか?

学校オヴィスイメージ

「oVice」では、 オフィス空間の他にも大学やイベント、展示会で利用されています。大学では、一部の学部や研究室単位で「oVice」をご利用される方が多いです。海外でも展開しているのですが、韓国の場合は逆に学部単位ではなく大学全学での導入が多いですね。

イベントや展示会としては、ビジネスの中でもソフトウェア業界の方が利用されることが多く、オンライン上の方がわかりやすく説明できるため、「oVice」はとても提案しやすい空間になっています。他にもBtoBビジネスのマッチングプラットフォームとしても活用していけると考えていますね。

ビジネスシーンにおける空間を活用したアクティビティは、全て「oVice」で実現可能です。細かい部分でいえば、社内イベントからオンボーディング、インターン生の教育や新人研修などあらゆることが「oVice」上で完結することができると思っています。




オンラインとオフラインの差をなくし、物理的な制約をなくす

ビジョン

────では最後に、今後「oVice」が目指すビジョンをお伺いできますでしょうか?

やはり、私たち「oVice」が大切にしているのは、「オフライン」の空間です。メタバースを提供していながら真逆のことを言っているように聞こえるかもしれません。

私たちのビジョンは、“物理的な制約をなくすこと”です。物理的な制約をなくすために、選択肢を与えることで制約を無くせるのではないかと考えてきました。

この物理的な制約を無くす1つの選択肢が、オンラインとオフラインの「ハイブリッド」です。オンラインの世界にいながら、オフラインでシームレスに話すことができる環境であったり、またその逆であったり、どこにいても同じ体験ができる世界をつくりたいと思っています。

また、このハイブリッドのバランスを、5:5なのか、7:3なのか誰もが選べるようにしたいですね。そのための技術開発にも、今後さらに注力していきます。

ジョン氏

もう1つは、「oVice」を“App Store”のようにエコシステムにしていくことです。今後の「oVice」は、バーチャル不動産として空間を賃貸する仕組みとして場所だけを提供し、その他の家具やシステムはそれぞれの専門性をもった事業社から選べる仕組みをつくっていこうと考えています。

例えば、「勤怠管理システムなら、A社のシステムを使おう」など、拡張性を担保する仕組みです。その延長線上に、オンラインとオフラインの境界線が曖昧になり必要なファンクションを、ユーザーによって補われていくようになるのではないかと思います。

一方で、最終的にはリアルな不動産にも手を加えていくことも考えています。テレワークに最適化した家など、「インターネット環境があるからワーケーションができる」というレベルではなく、よりオフィスネイティブな空間もつくっていきたいですね。

両方向からアプローチすることで、物理的な制約のない世界に変えていけるのではないかと思います。オンラインとオフライン、どちらを選択しても同じ熱狂、同じ体験ができる世界を目指していきたいですね。



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ライター,編集,松中朱李,shurimatsunaka
編集/ライター
So-gúd編集部
松中 朱李
神奈川県・横浜市出身。アパレル企業にて販売からバイイングを経験したのち、イタリア・フィレンツェへ留学。現地で2年間を過ごし、気づけば靴職人に。帰国後は、メンズシューズメーカーにて広報PRをメインに、オウンドメディア運営・ECサイトディレクション等に従事し、現在に至る。うさぎの散歩とヨガが日課。
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