2024.06.01

未来を拓くDX戦略の鍵はデバイスにある!? ヒット株式会社の挑戦


DX化が叫ばれるようになり、既に数年が経過している。しかし、未だに私たちは、紙資料を作ることもあれば、現金での支払いを余儀なくされることもある。

まだまだDX化が浸透しきったと言えない日本において、新たな挑戦をしようとする企業がある。それが情報技術の総合的なソリューション及びサービスを提供するヒット株式会社だ。

今回は、そんなヒット株式会社の尾崎さんに、DX化の未来に焦点を当てお話を伺いつつ、ヒット株式会社の挑戦と未来へ展望を紐解いていきたい。

ヒット株式会社
インタビュイー
尾崎 太一氏
ヒット株式会社
システム営業部


ヒット株式会社の概要の紹介・主要な取扱商品と導入の背景


ヒット株式会社 取材写真 ▲ヒット株式会社の取扱商品
(左:マルチ決済対応PinPad Vega3000 P3、右:PAX A920MAX)


―――まずは、ヒット株式会社の事業内容や取扱商品について教えてください。

ヒット株式会社は、1996年設立以来人と社会に役立てる情報技術の総合的なソリューション及びサービスをご提供させていただくことを目的に事業を展開しています。

簡単にご説明すると、世界的にシェアを獲得している人気の高いブランドメーカーさんの商品を取り扱い、商品だけでなくその機器と親和性の高いシステムも販売するのがヒット株式会社という会社の事業になります。

当社の主力事業となっているのは、決済機器、高機能の小型高速印刷装置です。近年、キャッシュレス決済が爆発的に浸透し、皆さんが普段利用するコンビニやスーパー、美容院などさまざまな場所で決済機器やスキャナー、モバイルプリンターなどを目にする機会が増えたと思います。

ヒット株式会社の特徴としては、先ほども少しお話したように単にハードウェア製品を販売するだけでなく、より使いやすいように各種ミドルウエア製品も日本のお客様の環境にあわせたものをきめ細かく独自に製品化しています。

モバイル・コンピューターと高速無線システムの構築を総合的に支援させていただくため、現場運用に寄り添った、ネットワークデザイン、アプリケーション構築支援、導入作業、保守サービスを一貫して提供しています。

なかでも今、力を入れているのはウェアラブル運用を初めて導入する場合でも使いやすいウェアラブルスキャナ「ProGlove(プログローブ)」や、持ち運びができるハンコ型eシール押印デバイス「ポケッタブルeシール KEYSEAL(キーシール)」です。

こちらの2つの商品につきましては、後ほどご紹介させていただきます。

「すでにあるものをちょっと良くする」キーシール・プログローブ


ヒット株式会社 取材写真 ▲左:ハンコ型eシール押印デバイス「ポケッタブルeシール KEYSEAL(キーシール)」 右:ウェアラブルスキャナ「ProGlove(プログローブ)」

従来の動作はそのままでデジタル捺印ができるキーシール


ヒット株式会社 取材写真 引用:ヒット株式会社公式サイト

―――先ほどお話に登場した持ち運びができるハンコ型eシール押印デバイス「ポケッタブルeシール KEYSEAL(キーシール)」とはどのような商品なのでしょうか?

『ポケッタブルeシール KEYSEAL(キーシール)』は、パソコンやスマホの画面に「ハンコ」を押印する感覚でeシール(※)を貼付することを実現する「持ち運びができるハンコ型」eシール押印デバイスです。デバイスの取り扱い方も「ハンコ」のようなもので、Bluetooth通信を使用するためオフラインでも使用可能です。

※eシール:電子データを発行した組織として、組織の正当性を確認できる仕組み

eシールの押印を開始する前に、KEYSEALの持ち主自身が設定したPIN(暗証番号)コードを入力することで、強力な認証を行いますし、物理的に所有していること、PINコードを入力することで、「当事者」が押印したことを証明してくれます。証明書の挿入も可能である為実印と同等の効力がある印影(eシール)として利用していただけます。(但し、契約内容によっては使用不可の場合もあり)

ヒット株式会社 取材画像 引用:ヒット株式会社公式サイト

また、『ポケッタブルeシール KEYSEAL(キーシール)』は、PNGやJPGの画像ファイルを登録することも可能で、自由なデザインのeシールを押印することができます。いつもの印影画像データだけでなく、撮影したデータ等も、アイデア次第でさまざまな利用シーンで活躍できるでしょう。

例えば、ハンコ以外の使い方だと生産者表示なども可能です。書類や商品の資料に会社情報やメールアドレス、サイトURLなどを押印することで、ドキュメントの制作者を表示、証明することができます。

―――ハンコ以外のデータも押印できるとは画期的な商品ですね。どういった背景でこの商品を導入することになったのですか?

CEATECのフランスブースで出会いました。(当時の製品名はKEYSEALではなく、KEYMOでしたが、日本の商標権の都合でKEYSEALと日本国内では名前を改めています。)日本ではハンコを押す機会が非常に多く、日本文化とのシナジーを感じました。
eシールの導入はこれから確実に必要になますし、個人的にも非常に面白いと感じました。

ヒット株式会社は「Human Interface Technology(ヒューマン インターフェイス テクノロジー)」の頭文字をとってHITという社名になっていることもあり、「情報技術で人と社会の役に立つ」という理念の元に、事業を展開しています。私自身「既にあるものをちょっと良くする」というモットーの元に日々業務取り組んであり、そんなヒット株式会社で取り扱うには、最適の商品だと感じましたし、電子印鑑などDX化が進まない日本でも、これなら受け入れられやすいと思いました。

『ポケッタブルeシール KEYSEAL』はDXと現代を繋ぐ中間にある商品だと思います。だからこそ受け入れられやすく、これから導入を検討される企業も増えていくと思います。

直近ですと、電子証明書の導入や、オフィシャルタイムスタンプ等、より高レベルなeシールを提供するためにGMOグローバルサイン株式会社との業務提携も決定いたしました。



両手で作業ができる!プログローブ


ヒット株式会社 取材画像 引用:ヒット株式会社公式サイト

―――続いて、ウェアラブルスキャナ「ProGlove(プログローブ)」についてもどのような商品なのか教えてください。

ウェラブルスキャナは、倉庫、工場でのピッキングや入荷作業で、手の甲に付けたままバーコードやQRコードを読み取ることができる機器として注目されています。

当社が扱っている「ProGlove(プログローブ)」は、初めてウェアラブル運用をする場合でも使いやすい点が特徴です。

なぜならProGlove製品は、手の甲に装着することにこだわりを持ったウェアラブル製品のため、作業者は両手の自由を常に維持できるので、作業そのものの妨げになることがないというメリットがあるからです。これにより従来のバーコードスキャナの運用と比較して、スキャナデバイスを持ち上げたり戻したりする時間が不要となります。

実際に、1回のスキャンの導線を概ね4秒短縮することができ、即効性のある効率化を実現できたという声をいただきました。

またProGlove製品を最大限に活用頂くためウェアラブル・オプションが充実しているのもポイントです。

ヒット株式会社 取材画像 引用:ヒット株式会社公式サイト

DX化の現状とヒット株式会社が直面した課題


ヒット株式会社 取材画像
―――ヒット株式会社がDX化において最も重要視されている点は何ですか?

DX化とは違うと思いますが、当社が商品を導入する際には「インパクト」を大切にしています。「そんなものがあるの!」や「そんなことができるの!」など驚きのある商品を提供し、注目していただきたいと考えています。

展示会に出品した際も、商品は「ProGlove(プログローブ)」と「ポケッタブルeシール KEYSEAL(キーシール)」のみでしたが、多くのお客様にご来場いただきました。それはやはりこれらの商品がインパクトがある商品だったからこそだと思っています。

―――ヒット株式会社がDX化や「今あるものをちょっと良くする」商品を導入するにあたって直面した課題はどのようなものがありましたか?

やはり新しい商品をお客様に受け入れていただくことには苦労しました。当社のスタッフは柔軟なメンバーが多く、常に新しいものに目を光らせています。

しかし、お客様のなかには既存のものを好む方も少なくはありません。特に「ポケッタブルeシール KEYSEAL(キーシール)」については「紙でいい」と思われてしまっては利用を検討してもらうことはできません。

そんな中、2022年1月の電子帳簿保存法改正により、電子取引で扱った電子データを紙に出力しての保存ができなくなったことで興味を持ってくださる方が増えました。

―――ヒット株式会社が顧客に提供する価値をDX化がどのように変えましたか?

プリンターやスキャナー業界は、若い世代の人が増えにくい業界で、新しい事を取り入れにくく、DX化の壁も高い業界と言われています。そんな中でも当社の商品やプログラムを導入された企業から「導入してよかった」、「業務が効率化した」という声を頂くことが増えています。生産性が向上するという反響により、今後もお客様が増えていくと思います。

弊社が提供する商品が生み出す、業務が効率化したというお客様の反響こそがDX化の一助になっている証明だと思います。

―――DX化によって変わる業界の競争構図について、ヒット株式会社はどのような見解をお持ちですか?

弊社は創業以来、各種ミドルウエア製品も日本のお客様の環境にあわせたものをきめ細かく独自に製品化し、急速に拡大するIoTに不可欠な端末制御の最先端のソリューションを提供してきました。

DX化による競争構造という点では、弊社のような情報技術の総合的なソリューションやサービスを提供できる企業がやはり強いと思います。

それぞれメーカーさんも自社独自のシステムを販売していますが、それはやはりメーカーという枠に縛られたものになってしまいます。ヒット株式会社は、さまざまなメーカーの商品をセレクトして販売し「どれでも使えます」というフレキシブルさと、業界との強い繋がりを付加価値としてアピールしていけると思っています。

今、まさにプリンターやスキャナー業界はDX化が進みつつあり、変わろうとしています。そういった業界へのアプローチが上手く、商品をユーザーが抵抗なく利用できるように導入するのが上手い企業が今後も伸びていくと思うので、当社も力を入れていきたいと考えています。

QRコード決済が出始めた頃、あまり普及しないと思った人が大半だったと思います。しかし、今はタッチ決済や電子マネー決済よりもQRコード決済(PayPayなど)が大きなシェアを獲得しています。

QRコード決済はDX化の先にあったもので、「ポケッタブルeシール KEYSEAL(キーシール)」も同じだと思っています。大きなプラットフォームを立ち上げ、先駆者が勝つ時代です。だからこそ、さまざまなところにアンテナを張っていることが重要だと思います。

ヒット株式会社が見据える未来像とDX化の先に待つ可能性・今後の展望


ヒット株式会社 取材画像
―――ヒット株式会社が想定しているDX化の未来像とはどのようなものですか?業界全体の変化についてもお聞かせください。

プリンターやスキャナー業界全体は、ゆっくりとDX化が進んでいくと思います。全てが電子化することは難しいですし、ずっと紙や現金決済も残ると思います。ゆっくりと変化して、徐々に良くなったり、紙や現金など物理的なものを活かしたり……そういったソリューションが生まれてくると個人的には思っています。

業界全体の変化としては、世代交代が今起ころうとしている時期です。そのため、新しい世代に変わった時に、どのような変化が起こるかは気にしていなければならないポイントだと思います。

―――ヒット株式会社がDX化を推進する上での今後の指摘は何ですか?

まずは「可能性にかけてみましょう」と言いたいです。「こうなるかもしれない」や「こうなったら便利だろう」などもっと想像力を働かせて欲しいと思っています。その想像力によって、思いもしなかったモノや、新しいモノが自分や会社に生まれるかもしれません。

もしも大きな革新に勇気がもてないならば、まずは当社のように「今あるモノをちょっとだけ良くする」という考えで、動いてみるのもいいと思います。

また企業については、新規事業開発室を設けている会社が少ないように感じます。新規事業開発室をもっと大きくしてみるのもいいかもしれません。それは会社の「可能性」になるはずです。それこそが会社の未来になると思います。
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