「大切なことは自分らしさの追求」ーーービッグデータソリューションとAI技術で幸せなキャリアを提供するAvintonジャパン株式会社・代表取締役・中瀬氏にとっての新しい当たり前とは?


ここ数年、*日本のVC(ベンチャーキャピタル)投資額は、増加傾向にある。また日本では「起業ブーム」という言葉をテレビやネットで見聞きする機会が増えている。 しかし日本のVC投資額は、G7諸国では第6位という結果となっているのも現実だ。つまり世界的にみた時、日本のVCは“まだまだ”という見方もされている。

そんななか日本から世界へ向けて、メイドインジャパンの最先端ITソリューションを提供するのが「Avintonジャパン株式会社」だ。

Avintonジャパン株式会社は、ビッグデータとAIソリューションの設計・導入を得意とするITコンサルティング会社。 代表取締役の中瀬幸子氏は、経営者であるのと同時に2児の母という顔を持っている。

取材では『私は経営者というより“特攻隊長”です(笑)。会社を動かしているのは、優秀なエンジニアたちです!』『“何かになりたい”より、“自分らしさの追求”ということが、これから何より大切になると思います。』と中瀬氏は笑顔で語る。

今回はそんな中瀬氏に経営者として実現したい未来やITテクノロジーの将来についてお話を聞いてきた。



*1出典
経済産業省 経済産業政策局 . “ベンチャーキャピタル投資の国際比較” . 経済産業省 . 令和3年3月 . https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/seichosenryakukaigi/dai8/siryou1.pdf(参照2022-04-25)

中瀬 幸子
インタビューイー
中瀬 幸子
(Sachiko Nakase)
Avintonジャパン株式会社
代表取締役
1986年富山県生まれ。
大学卒業後富士ゼロックス(現富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)に法人営業として就社。働きながら土日に会社設立を経験し、事業をスタート。現在は2児の子育てをしながらAvintonジャパン(株)の代表として、マーケティング/セールス/人材採用/エンジニア教育に取り組む。ソフトバンクアカデミア生。


エッジAIで人の安全を守るーーーー


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────まずは御社の概要について教えてください。

Avintonジャパン株式会社は、ビッグデータとAIソリューションの設計・導入をするITコンサルティング会社です。

よく女性経営者として1人で起業したように思われがちですが、あくまでも私は経営者として経営の舵取りをしたり、人材採用やマーケティング戦略を考えたり、“特攻隊長”的な立ち回りをしています(笑)。あくまでも会社のブレインは、ソリューションの開発やコンサルをしている、エンジニアメンバーです。



────どのようなソリューションを提供しているのか教えてください。

Avintonジャパン株式会社が提供しているソリューションは、大きく分けると3つ存在します。

データプラットフォーム(データ管理の総合ソリューション)であるAvinton Data Platform(アヴィントン データ プラットフォーム)エッジAIカメラAIサービス開発の3つです。

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その中でも主力製品は、*エッジAIカメラです。市販の一般的なMini PCと市販のカメラを組み合わせ、電源に繋ぐだけで使えるので、低コストで画像処理・AIソリューションの活用導入ができます。電源が一つあれば、カメラを設置するだけなので、取り付け時の負担が軽いのも特徴です。機能としては「物体検出」「異常検知」「姿勢測定」「転倒検知」など様々な機能があります。

またエッジAIならではの処理速度の速さもポイントです。クラウド上でのAI処理は、処理速度にタイムラグが発生する場合があります。エッジAIは、データの収集と推論が同じコンピューターで完結するので、処理スピードが最大10倍も早くなります。



*エッジIAとは

エッジAIとはIoT機器やセンサーなどの端末にAIを搭載し、端末が学習・推論を行う技術のこと。



────どのようなシーンでエッジAIカメラが活躍しているんですか?

エッジAIカメラは、安全管理としての利用用途が多いですね。

例えばエッジAIカメラは、農業をはじめとした第一次産業での活用も期待されています。このカメラは「物体カウント」という機能があるので、リンゴなどの果物がいくつ実になっているかを瞬時に数えることができたり、果物の状態判別ができるので摘果のタイミングを予測することができます。

その他、エッジAIカメラは、建設現場や工場などで導入され、セキュリティーにおける安全性の担保や働き方改革にも活用されています。

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例えば、工事現場で人が倒れていたら「転倒検知モデル」によって、アラートを鳴らしてくれます。また人が入ってはいけない危険な場所や、従業員しか入れない場所に設置すれば「物体追跡」や「侵入検知」によって情報が届き、警報を鳴らす設計となっています。

このようにテクノロジーを利用することで、人の命を救ったり、危険を回避できるようになります。テクノロジーの進化によって、多くの方が幸せになって欲しいと願っています。




────なるほど…人の目の代わりになって、安全性の向上や効率化を後押ししているんですね。

そうですね!それに私たちは、システム開発をアウトソースやオフショアに依頼しません。 100%社内のエンジニアがシステムを作っているのも特徴ですね。社内のエンジニアがお客様の要望に応じて、仕様や機能もカスタマイズできるんですよ。

働いているメンバーの平均年齢も30歳と若く、優秀なメンバーが揃っているので、お客様の要望にスピーディー且つ迅速に対応することが可能です。




世界に雇用を生む仕事の立ち上げを決意。きっかけは、フィリピンで目にしたとある現実。



────最先端の技術を提供していると思うのですが、経営者になりたいと思ったきっかけや原体験は何ですか?

会社経営を志したきっかけは、2つあります。1つは、幼少期から祖母の働く背中を見ていたことです。実家が町工場なんですが、子どもの頃から頻繁に祖母の仕事を手伝っていました。このような環境で育ったので、自然と頑張って仕事をすることに幼い頃から憧れていたのかもしれません。

そして2つめは、20歳の時にボランティアで訪れたフィリピンでの体験です。フィリピンは、ゴミ山で生活の糧を稼ぐスカベンジャーと呼ばれる人たちが暮らしています。小さい子どもが、危険なゴミ山から空き缶を探して、両親の生活費を稼いでいるんですよね……。

その光景を目にした時、私の中で電撃が走って『世界に雇用を生む仕事を作ろう!』と強烈に思ったんです。大学卒業後は大手企業に就職したものの、本当に自分がやりたいことを再確認して、はじめたのが今の会社です。



────なるほど…御社の取り組みは、「グローバル」という言葉がキーワードになっているような気がするのですが、もともとグローバルでのビジネス展開は意識していたのでしょうか?

ソウグウ,エッジAI,AvintonJapan
2010年頃、シリコンバレーの技術やサービスが日本に入ってきて浸透するというビジネストレンドみたいなものがあったんです。それに、フィリピンの子どもたちの自立を促せるような仕組み作りには、グローバルなビジネスじゃないとダメだという気持ちもありました。

色々と考えた結果、時代のビジネストレンドとグローバルなビジネスという構想を掛け算した時に、世の中の問題を解決する方法はITテクノロジーのソリューションだったんですよね。とはいえテクノロジーは、あくまでも手段なので、人が幸せになってくれることなら何でも良かったのかもしれません(笑)。



────社内メンバーに外国人のエンジニアさんが多いのもグローバルというキーワードからですか?

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確かに日本で作った技術を世界に向けて発信したいという気持ちはありますが、それで有名になりたいわけではありません。むしろ日本は海外と比べると、IT技術の導入が遅れ、IT人材が不足しています。そのため、まずは日本のお客様にITソリューションを提供したり、外国人エンジニアを積極的に採用しています。

また自分たちのソリューションを海外にどんどん売り、有名になりたいという欲もないんですーーーーあくまでも“世界中に雇用を生みたい”という初心を大切にしています。




知識を知るだけでは意味がない、何をどう学ぶかが重要な時代へ


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────なるほど…雇用を生むという目標やグローバルな活動以外にも、社会貢献度の高い取り組みをされていると思いますが、どのような取り組みをされているんですか?

ボランティア活動は、いくつか手掛けています。地域の子供達や学生に無償でプログラミングの方法をレクチャーする取り組みや、海沿いのゴミ拾いまでーーーー色々やっています!

また途上国の子どもを救う前に日本の子どもたちもサポートしたいという思いがあり、シングルマザーのご家庭のお子さんたちを対象にした、プログラミングのワークショップを無償で開講しています。

最近は、神奈川大学の高野倉ゼミ様とも連携して、大学生に無償でプログラミングやシステム開発のレクチャーも行っています。



────ボランティアでやられているんですね…素晴らしい取り組みですね。

ソウグウ,エッジAI,AvintonJapan
最近は大学や自治体様とも連携して、横浜観光のイノベーションプロジェクトをスタートさせました。弊社が開発したデータプラットフォームをみなとみらいへ無償提供しながら、50以上の団体と連携しながらデータを集めています。

観光関係のビッグデータを活用して、観光客のニーズや動向、観光シーンでの課題を明確にして観光施策を提供しています。新型コロナウイルスの流行で、横浜観光に大きな経済的影響が出たので、デジタル技術を活用して観光ビジネスの未来が少しでも良くなるように取り組んでいるんです。



────活動の幅とスケールがとても大きいですね。

このほかにAvintonジャパン株式会社では、プログラミング学習の場として「Avintonアカデミー」を無償で提供しているんです。 また「Avintonアカデミー on Campus」では、実践的なIT技術や応用AI、キャリアデザインなどの専門的な講義を行っています。

この取り組みは、大学キャンパスの訪問やオンラインの学習コンテンツなどを提供し、産学間の有意義な交流を通じて、学生たちの将来について考えてもらうことが目的です。講義では、Avintonの経験豊富なエンジニアやマネージャーが実体験を語り、多様な仕事の可能性を学生たちと懇談しながら、相互の理解を深めていきます。

Avintonアカデミーに参加することにより、学生たちが卒業後のキャリアをイメージするきっかけや、AIに淘汰されないエンジニアに成長して欲しいと願っています。 また地方にもITビジネスの雇用を生むための活動も行っているんです。ITビジネスで地方を盛り上げれば、地方が元気になり、最終的に全国で雇用を生むことができると思っています。

エンジニアのニーズは、市場を鑑みても年々高まっていますし、プログラミングを覚えて少しでも一人ひとりの人生が良くなっていって幸福の追求につなげて欲しいですね。



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────この技術面も無償で提供しているのは、なんというか…シンプルにすごいですね…

最初は私も「有料にしよう」と考えていたんですが、エンジニアのメンバーから「これは無償にすべきだ」と言われたんですよね。法人として企業を経営しているので、利益はたしかに必要なのですが、教育は無償であるべきだと思っているんです。

知識を知るだけでは意味がなくて、何をどう学ぶかが重要な時代になってきていると思っています。




Avintonアカデミーの詳細を見る

ITテクノロジー×教育で地方を盛り上げるーーー


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────5年後10年後には、どのような未来になっていると思いますか?

技術的なところでいうと、ビッグデータを高速で処理するサービスがより一層伸びると思っています。自社でもデータプラットフォームは作っていますが、日本ではまだまだクラウドが主流です。ですが、これからは「データプラットフォーム×AI×クラウド」というハイブリッドなサービスがますます進化していくと思っています。
一方で「人(ヒト)」という文脈で考えると、テクノロジーの進化と幸福の追求は今まで以上に分離する気がしています。

人が技術をどのように使っていくかはわからないんですが、人が今まで以上に本質的な部分にフォーカスすると思っています。多様性という言葉が浸透したり、SDGsの取り組みが広がっているのも、人が経済やお金という文脈以外に価値を見いだして、本質的に生きることを考える人が増えたからではないでしょうか。



────なるほど…そのうえで、これから挑戦したいことはなんですか?

地方創生とITテクノロジーをかけ合わせた活動は、今まで以上に挑戦していきます。地方を「IT×教育」で盛り上げたいですね。

私は電車が1時間に1本しか走っていない田舎の港町出身なんです(笑)。だから気持ちがわかるんですけど、まだまだ地方だと「転職は悪」みたいな価値観が残っている側面もあるんです…伝統を守ったり、その地域らしさを守ることはもちろん大切ですが、視野を広げて新しいことに挑戦しないと、時代に取り残されてしまうリスクもあると思います。 なので、地域の学校や行政と連携して「Avintonアカデミー」のようなプログラミング学習の場を無償で立ち上げました。その先に地方にもITビジネスの雇用を作るため活動しています。地元に雇用を生み、ITで盛り上げて、地方を元気にしたいです!




自分らしさの追求が、未来を創造する



────もうここまでお話を聞いていると、中瀬さんの人としての大きさに圧倒されています(汗)。そのうえで質問なのですが、中瀬さんにとって「新しい当たり前」とは何ですか?

私にとって新しい当たり前とは「自分らしさを見つめて、追求すること」ですね。
「何かになりたい」より、「自分らしさを追求する」ことが大切だと思います。

多くの人が、『スティーブ・ジョブスになりたい!』『女優の◯◯さんみたいになりたい!』みたいに“何かになろう”としている気がしています。人は、人生を生きていると色々と悩みを抱えていますよね。もちろん私も壁にぶつかると悩んだり、もがいたりする時もあります。

目の前に辛いことや悩んでることがあると、人は視野が狭くなって、心が小さくなってしまうと思うんです。私も子育てや会社経営を通して、色々と考えるんですよ…。でも自分を客観視して、俯瞰して見た時にその悩みって意外に小さかったりするんですよね。うーん、何て表現したらいいんですかねーーーーー『解き放て!!!』『宇宙から自分を見てみろ!悩みなんて小さい!』って思ったりするんです(笑)。



────!!!今自分も解き放たれました(笑)本当に社会貢献性の高い活動から最先端のITソリューションの提供まで、素晴らしい活動をされていると思うのですが、最後に中瀬様にとって、「Avintonジャパン株式会社」とはどのような存在ですか?

この会社は私にとっての“全て”です!

働くメンバーたちにも幸せになって欲しいですし、背中をそっと押していきたいですしーーーー。まだまだやりたいことが多いんですけど、テクノロジーで雇用を生んで、世の中を幸せにしていきたいですね。これまで取り組んできたソリューション提供は、今まで以上にブラッシュアップして、大切にしている心根の部分はブラさずに一歩一歩仲間たちと進んでいきたいと思います。




Avintonジャパン株式会社の詳細を見る

<編集後記>

今回の取材を一言で言い表すなら、『中瀬氏に解き放たれた1時間』だ。編集後記では書ききれないほど、中瀬氏の人的魅力と心の器にたじたじになった取材だったーーーー。 テクノロジーの進化は、年々加速して私たちの想像できない未来を作り出すことは間違いないだろう。

しかし、中瀬氏の根底にあるのは、社会を良くしたいという純粋な気持ちだった。

最先端のITソリューションで世の中を良くするーーーAvintonジャパン株式会社様の魅力は、提供しているソリューションはもちろん、中瀬氏の心の器なのかもしれない。



新井那知
ライター
So-gúd編集部
新井 那知
埼玉県・熊谷市出身。渋谷の某ITベンチャーに就職後、2016年にフリーランスライターとして独立。独立後は、アパレル、音楽媒体、求人媒体、専門誌での取材やコラム作成を担当する。海外で実績を積むために訪れたニューヨークで、なぜかカレー屋を開店することに—-帰国後は、クライアントワークを通してライターとして日々取材や編集、執筆を担当する。料理と犬、最近目覚めたカポエイラが好き(足技の特訓中)。
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