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プラントベースフードを当たり前の選択肢に。「Grino(グリノ)」が食から環境課題へ挑むワケ


「プラントベース(plant-based)」という言葉を聞いたことはあるだろうか?「プラントベース」とは、植物由来の食事を中心とした食生活を指す言葉だ。

最近では「プラントベースフード」の代表である、植物性ミルクや代替肉が日本のスーパーでも当たり前に購入できるようになった。特に、アメリカやヨーロッパなどの海外では、健康志向の高まりやダイエット法としても人気を博している。

また「プラントベースフード」は、畜産業に比べ環境負荷が少ない。そのため、食料不足や環境問題の解決案としても期待されている。

今回は、プラントベースフードの定期配送サービス「Grino(グリノ)」を運営する、Red Yellow And Green 株式会社 代表取締役の細井氏に取材を行った。

今年2021年6月にリリースされたばかりの「Grino」。なぜ「プラントベースフード」ブランドを立ち上げたのか?また「Grino」が食を通じて目指すビジョンについて伺った。



Grino,グリノ,細井優
インタビューイー
細井 優
(ほそい ゆう)
Red Yellow And Green 株式会社
代表取締役社長
1983年生まれ、東京都豊島区出身。
2008年にAppleに新卒入社。主に顧客体験に責任を持つチームでプロジェクトマネージャーとして従事。
2016年 Red Yellow And Green 株式会社を起業。サラダの定期配送事業「salad(サラド)」立ち上げ。
2021年6月 プラントベースフード「Grino(グリノ)」を立ち上げる。 プライベートでは2児の父。現在は、プラントベースフードメインの生活を送っている。

植物性食品100%・冷凍プラントベースフードブランド「Grino」

────それでは、プラントベースフードブランド「Grino」のお話を伺っていきます。では、はじめに「Grino」というブランド名の由来についてお伺いできますでしょうか?

grino,グリノ,ソウグウ,ソーグウ,sogud,so-gud 細井さん:
「Grino(グリノ)」は、Green(グリーン)とInnovation(イノベーション)をかけ合わせた造語です。

はじめは、プロダクトがイメージしやすい「ベジ〇〇」なども上がったのですが、あえて抽象的で私たちのビジョンと未来を感じさせる名前がいいなと「Grino」に決めました。

これまでの価値観や一般的な食事から、植物由来のプラントベースフードへシフトする大きな変化を表しています。また、イノベーションを起こすことで、環境改善したいという想いも込めました。



────食のブランドに「イノベーション」が入るのは、革新的で素敵な名前ですね!もう1つ、ブランドロゴも気になったのですが、どのような想いを表しているのでしょうか?

grino,logo,ロゴ,グリノ 細井さん:
ありがとうございます。「Grino」のロゴは、下が土・上がテーブルを表しているんです。もこもこした土とテーブルを繋ぐイメージです。

手触り感のあるやわらかなイメージを持って欲しかったので、ロゴのフォントも曲線を使用しています。

そして、私たちはまだ未完成なので、フォントもあえて文字を見切らせているんです。これからサービスが完成していくにつれて、徐々に上へ文字が出てくる予定なのでご注目いただけると嬉しいです(笑)!



────なるほど、企業の成長と共にロゴも完成に向かうわけですね。斬新でとても面白いアイディアです!では、さっそくですが「Grino」のサービス内容について詳しくお伺いできますでしょうか?

細井さん:
「Grino」は、冷凍プラントベースフード(植物性食品)を定期配送するサービスです。
「地球とあなたに、おいしい選択肢。」をコンセプトに掲げ、人にも環境にもおいしいことをしようと考えています。

そのために動物性食品を一切使わず、環境負荷の少ないプラントベースフードを新しい食事の選択肢として提案しています。

メニューは現在11種類で、開発中のメニューが15種類ほど。今後もどんどん種類が増えていく予定です。

定期配送は4・6・8食プランの3つ。各プランとも1週間から、ライフスタイルに合わせて配送頻度をお選びいただけます。



────開発中のメニューがとても気になるのですが…どんなメニューかちょっとだけ教えていただく事はできますか?

細井さん:
実は、大人気メニューのカレー第2弾を開発中なんですよ。あとは、まだ試食段階ですがとてもおいしいビーフストロガノフができそうです!

このビーフストロガノフは、プラントベースフードとしてではなく食事としてレベルの高い味で、大人気商品になる予感がしていますね…



────おいしそうですねビーフストロガノフ…味への強いこだわりもひしひしと感じるのですが、メニュー開発はどのようにされているのでしょうか?

細井さん:
「Grino」のメニュー開発には、“ 冷凍王子 ” こと西川 剛史さん(ベフロティ株式会社 代表取締役)に監修していただいています。

西川さんは、元々マルハニチロで冷凍食品の商品開発をされていた方です。現在は、テレビなどで冷凍食品に関する情報発信をしたり、冷凍食品開発コンサルタントをされたり、冷凍食品にとにかく詳しい方なんです!

そんな西川さんに「冷凍準備段階~お届けまでのオンタイム管理~解凍してあたためる時間」など、細かいポイントを教えていただきました。

また、冷凍食品はOEMのクオリティも重要です。西川さんに、料理のジャンル毎に得意なOEM先をご紹介いただき、現在は田端・青森・山形の3カ所を利用しています。



当たり前に選択肢の1つとして「Grino」が食卓に並ぶ世の中にしたい

────続いては「Grino」を立ち上げたきっかけについてお伺いしていきたいと思います。

グリノ,grino,細井 細井さん
私は「Grino」をスタートする以前、オフィス向けにサラダを定期配送するサービス「salad(サラド)」を展開していました。

昨年コロナ禍に入り、3月にはじめて緊急事態宣言がありましたよね。この時、今後はオフィスから自宅へと働き方が大きく変わっていくだろうと思ったんです。

「サラド」は法人契約が中心だったので、オフィスへの配送から自宅配送に切り替えていく必要がありました。そもそもなぜ「サラド」が法人向けだったかというと、配送頻度が一定だからです。

保存料を使用しないサラダのため、消費期限はもって2日。そのため、配送頻度や地域にフレキシブルに対応することへの課題を感じていました。

そこで、「何をどう届けるか」もう一度考え直した答えが「冷凍食品」だったんです。その時ちょうど、ある大手企業の代表とお話する機会があり、「冷凍食品は食事の再現性が高く、レトルトにはできないこともできるようになる」と知りました。

「冷凍食品」なら保存料を使っていなくても1年持つので、配送エリアも制限ありません。冷凍庫に保存できるのでフードロスも防げますし、「冷凍食品」に大きな可能性を感じました。



────なるほど、どう届けるかの答えが出たわけですね。次に何を届けるかですが、なぜ「プラントベースフード」にされたのでしょうか?

細井さん:
何を作ろうかと模索している時、ちょうど妻が食事と環境問題の関係について勉強していたんです。

その時、たまたま講座の中に出てくるショッキングな映像を見てしまって…その衝撃を受けてから、アニマルライツ(動物の権利)について深く考えるようになりました。コンビニに行けば動物らしさを消した商品が並んでいる、そんな当たり前なことを改めて感じたんです。

また、これをきっかけに畜産業と環境の繋がりを学びました。家畜を育て解体し消費者に届くまでのエコシステムは、環境負荷が高く畜産業の課題となっています。

全ての家畜から排出される温室効果ガスは、地球全体の14%を占めていることを知りました。これは、交通機関の排出量と同等です。

また2025~30年の間に、動物性タンパク質の需要と供給のバランスが崩れ、食料不足になるだろうと予測されています。これらの観点からも、食事の見直しが大きな環境変化を生むことができるのではないかと感じました。



────環境課題の解決を目指すために「プラントベースフード」をスタートさせたわけですね。

細井さん:
もう1つ、「プラントベースフード」に決めた大事な理由は、 健康のためです。欧米やヨーロッパでベジタリアンや「プラントベースフード」に切り替える人が増加している理由の1つとして、ダイエットや健康志向が挙げられます。

科学的にも、動物性食品の食べ過ぎは健康に問題を引き起こすことがわかっているんです。WHOによると、発がん性が高まるリスクがあるとの報告もあり、健康な身体のためにも「プラントベースフード」を選ぶことは最適と言えると思います。

「プラントベースフード」の市場は、代替肉ブームに見て取れるとおり、さらに成長していくと考えられています。しかし、まだ多くの人が食べていない理由は、自分には関係ない食べ物だと思われているからだと思うんですよ。

大豆ミートと言われても「ヴィーガンの人が食べるものじゃないの?」みたいな感覚です。その障壁を取り除くには、「プラントベースフード」だから選ぶのではなく、単純においしいから選ばれる存在になる必要があります。

私たちが目指すのは、環境課題を解決することですが、これをお客様に押し付けたくありません。「Grinoは地球に優しいので食べてください」ではなく、おいしいから選ばれるブランドでありたいと思っています。

これは自分自身、押し付けられると条件反射のように拒絶してしまうあまのじゃくな性格だからかもしれません(笑)。



────たしかに、PRとして地球のために「プラントベース」にしようと言われるよりも、おいしいから選ぶ方が継続したくなるし、友達にも勧めやすく感じますね。

細井さん:
そうなんですよ!「プラントベースフード」を勧める時に、普通にお肉を食べる人が罪悪感を感じてしまうのは嫌だなと思うんです。食事はそれぞれが自由に楽しむものですから。

なので、シンプルに「Grinoおいしいから友達にもすすめよう!」と思っていただけたら嬉しいですね。



────ここまで「Grino」のサービス内容が決まるまでをお伺いしました。構想からリリースまではどれくらいの期間がかかったのでしょうか?わりとスピード感があるように思います。

細井さん:
そうですね、およそ8カ月ほどです。冷凍王子の西川さんにお会いしたのが去年の10月頃で…

「サラド」でお世話になっていたOEM先に相談し、初めて試作品ができたのが今年の1月でした。そこから試食や改良を重ね、今年2021年6月にサービスをリリースし販売開始しました。



────すごく早いですね!では実際に「Grino」をリリースして半年ほどたった今、課題と感じることなどはありますか?

細井さん:
やはり「プラントベースフード」は、市場創造が必要なプロダクトでありサービスです。いかに生活者に直結した商品であるかを示す必要があります。

地球環境のためと言っても多くの消費者の方には気づいてもらえません。商品としておいしいことが大前提であり、食事としておいしくなければ取り入れてもらえないんです。

先程もお伝えしたとおり、おいしいから食べ、結果として地球環境に良いことができているという循環を生みたいと考えています。しかし、このPR設計がとても難しいんですよね…

現在、「Grino」のユーザーはほとんどがベジタリアンの方です。あるアンケート結果によれば、ベジタリアンやフレキシタリアンを選ぶ理由はさまざまですが、「健康のため」と答える方は多くいらっしゃいます。

あくまで、環境課題の解決は私たちの “ こじつけ ” でしかありません。「Grino」が環境負荷が低い食事であるということは、後からわかればいいことです。この辺のPR設計が課題と感じますね。



世代間にある不公平さを少しでも無くしたい

────では、最後に「Grino」が今後目指していくことや、ビジョンをお伺いできますでしょうか?

grino,細井 細井さん:
まだまだ目指していきたいことはたくさんあるのですが、まず1つ目は「Grino」で使用する素材を全て環境再生型農法で収穫された野菜に切り替えていきたいと考えています。

プラントベースフードに1食を置き換えた場合、日本人の平均量で換算すると1食150gの温室効果ガスが削減できるとされています。

これが、もし商品の使用食材を有機農法で作られた野菜だけにシフトした場合、温室効果ガスの排出量はマイナスになる可能性があるんです。それは、有機農法によって土壌の環境が良くなり、土中の微生物が、光合成によって大気中の二酸化炭素を土中に固定する働きをするからです。

上記から最終的には、農薬や肥料を使わない環境再生型農法による食材を使用し、炭素の排出量をマイナスにするところまで目指していきたいですね。

あとは、使用する容器もプラスチックから、環境負荷の少ない素材に変えていきたいと思います。バイオマスを使用していない素材など様々な種類があるので、中身だけでなく容器もしっかりこだわっていきたいと思います。

そして、やはり私たちが目指すのは、環境負荷の少ない「プラントベースフード」から少しでも持続可能な地球環境を作っていくことです。

今の子供たちの世代って生まれたときから、SDGsがあり課題があるじゃないですか。この状況ってとても不公平だと思うんです。

僕らが子供だった時代には考えもしなかったことを、生まれたときから突きつけられているような…

子供を持つ1人の親としても、これからを生きる次世代の人たちのために、「Grino」を通じて少しでもサステナブルに貢献していきたいですね。

だからこそ、イノベーションを起こし「おいしい食事を選択したら当たり前にプラントベースフードだった」という環境を作っていきたいと思っています。



────ありがとうございます。では最後に、これから「Grino」を試してみたいと考えている方へ、おすすめのプランやメニューを教えていただけますか?

グリノ,カレー,ソウグウ,ソーグウ,sogud,so-gud 細井さん:
初心者プランとしては、定期配送の4食プランがおすすめで、これなら週1回からお試しできます!

メニューはどれもおいしいので選べないですが…(笑)
バターチキンカレーが1番人気ですね!個人的にはピーマンの肉詰めやキンパもおすすめ。

週毎にメニューは変更ができますので、前回の内容を振り返りながら次回のリクエストを受け付けています。ぜひ「Grino」からプラントベースフードをお試ししてみてください。



Grino(グリノ)の詳細を見る

<編集後記>

今回の取材の中で、「世代間の不公平を無くしたい」という細井さんの言葉がとても印象的でした。次世代に持続可能な社会をつなげていくためにも、誰もが知っておきたい食と環境の問題。

しかし、同時に「おしつけをしたくない」とおっしゃっていた細井さんの思いにも深く共感しました。それぞれが自由に楽しむべき食事。だからこそ、自分が何を選ぶのか、何を食べるのか、少し立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。

実は、細井さんのご好意で「Grino」をたくさん頂いたので、さっそく周りにいるベジタリアンやヴィーガンの方に食べてもらいました!

すると、かぼちゃとトマトのもちもちペンネグラタンを食べた1人から「こんなおいしいもの2年ぶりに食べた」と衝撃の一言(笑)

私もキンパを頂きましたが、「プラントベースフード」とはまったく感じない、とてもおいしい食事でした!ぜひ普通の食生活の方も、お試ししてみてはいかがでしょうか?



ライター松中朱李
ライター
So-gúd編集部
松中 朱李
神奈川県・横浜市出身。アパレル企業にて販売からバイイングを経験したのち、イタリア・フィレンツェへ留学。現地で2年間を過ごし、気づけば靴職人に。帰国後は、メンズシューズブランドにて広報PR、メディア運営、ECサイトディレクション等に従事し、現在に至る。うさぎの散歩とヨガが日課。
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