EXIDEA
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2021.12.27

2022年マーケティング成功のカギは、「顧客の声(VoC)」を出発点とした全体設計にあり

デジタルマーケティングを用いて企業にグロースハックを提供する株式会社EXIDEA(本社:東京都墨田区、代表取締役:小川卓真、以下EXIDEA)は、マーケティング設計に関する「2021年の総括および2022年の展望」を発表いたしました。

サービスの全ての起点は、「顧客の声」

2021年を振り返ると、特にSaaS市場の盛り上がりとともに競争がますます厳しくなりました。特に、今年キーワードとなっているのは、「顧客の声(Voice of Customer)です。いかに顧客の声を拾い上げ、事業やサービスにフィードバックできるか、そしてマーケティング設計をできるか、この重要度が高まりました。

マーケティングの基本的な考え方として、「Product-Out(プロダクトアウト)」と「Market-In(マーケットイン)」がありますが、顧客の声というのはこの二つをつなぐものです。ほとんどのサービスでは両側面があり、自社が価値があると思ったものを仮説としてサービス開発されます。その後実際に市場に出し、評価を受けていきます。そして、顧客の声をきちんと吸い上げることで、企業は新たな仮説を生むことができ、新しいプロダクトアウトを実現します。

特にSaaS企業では、顧客に利用し続けられることが重要であり、解約率をいかに低くするかがKPIとして置かれています。他社にリプレイスされることを防ぎ、顧客に利用され続けるためには、顧客の声を吸い上げ続け、サービス改善や開発に反映し、より自社の価値や強みを磨き続けることが大切です。顧客の声があることで、有限なリソース(資本・人材・時間)を集中させることができ、サービスの競争力にも繋がります。

顧客の声から出発したマーケティング設計が重要

顧客の声はマーケティングの全体設計上でも、非常に重要な情報になってきます。どのような顧客が自社の顧客であるのか。その顧客に認知され、興味を持ってもらうためにどのようなメッセージが必要なのか。顧客の声があることで、マーケティングの戦略が定まります。その上で、戦術としてのコンテンツの検討、チャネルの選定が行われるというプロセスで、マーケティングの全体設計が行われます。繰り返しですが、そもそもの出発点である「顧客の解像度」を上げるために、顧客の声は重要です。

顧客の声を明らかにするためには、実際に顧客へ「インタビュー」を行います。すでに多くの企業でも「インタビュー」が行われていますが、そのほとんどが顧客接点を持つCSや事例作りのためのマーケターが行っています。前者の場合、多くの顧客が本音を言いづらく、正しい声を把握できません。また、後者は事例に寄せられており、ここも本来の意味での顧客の声は拾いきれていません。サービス全体と顧客を理解した上で聞き出すことができる人材が行うことが必要です。いわゆるCMO(Cheif Marketing Officer)の視点が必要になります。

CMOの視点を持ち、顧客の声を吸い上げ、それを営業・カスタマーサクセス・開発・マーケティングという部署を横断してフィードバックしていく。上述したサイクルの実現のためには、横断的な組織体制も必要になってきます。

キーワードは「コミュニティマーケティング」、「カスタマーマーケティング」

マーケティングの文脈で言えば、「コミュニティマーケティング」や「カスタマーマーケティング」という言葉も出てきました。

「コミュニティマーケティング」とは自社の顧客同士、すなわちユーザー同士で繋がった共同体に対して、企業が改善点等のヒアリングを行うことや、ユーザー同士の関係性を強化することで自社へのロイヤリティを向上させることを指しています。

「カスタマーマーケティング」とは、契約「後」の顧客満足度を向上し、継続率の引き上げや、サービスのアップグレード、自社の別サービスの購入などにつなげていくことを指しています。

今までは、マーケティングといえば新規獲得のためのマーケティングが中心となっていましたが、今年は実際に契約をしたあとの「顧客」との接点をいかに持ち、満足度を向上し、課題や改善点などの声を引き出すか、ここに対する関心の高さが伺えました。

マーケティング施策では、コンテンツマーケティングや動画の需要増

具体的なマーケティング施策でいえば、コンテンツマーケティングや、オウンドメディアなどのニーズが高まりました。コロナ禍の影響で、営業や展示会の開催が難しく、見込み顧客との接点が減ったことが考えられます。また、例年抑えていた展示会予算をコンテンツマーケティングやオウンドメディアに配分する動きが見えました。

また、動画の需要も高まっています。動画でいえば、クリエイティブな創作活動というよりも、動画の運用や具体的な活用方法に関する問い合わせです。最大の要因は、YouTubeのニーズがBtoCで圧倒的に増えたことです。また、その流れを受けて、BtoBでの需要も増大しました。特に人材、不動産、金融など、無形商材の分野で差別化が難しい領域において、動画を用いて表現するニーズが高まっています。

BtoC、BtoB問わず、広告、SNS、動画広告、LINEなど今までの手法を試し終えた段階で、「次に何をするか?」となった際に、「YouTube」が着目されたと考えています。カメラや機材周りもYouTubeに最適化され、YouTube動画を作りやすい環境ができたことも大きな要因です。

2022年、必要性高まるCMOの役割

特にSaaS領域においては、資金調達もしやすい環境が続いており、新しいプレイヤーが次々と誕生しています。それに伴い、ビジネスの環境はますます厳しくなり、単純な広告手法では顧客を獲得することが難しくなっています。ここで必要なのは、前半で述べた「顧客の声」を元にしたマーケティングの全体設計です。顧客が何を求めており、何に満足しているかを吸い上げることができれば、マーケティング設計はもちろん、メッセージやコンテンツも自然と決まります。

そのためには、顧客理解・自社のビジネス理解が深いCMOの役割が重要です。各企業でのマーケティング責任者を眺めてみると、Web広告やSEOに特化した人材が多く、最も顧客を知る営業やカスタマーサクセスとの連携がうまく取れていないケースも散見されます。特にSaaS事業者にとっては、CMOの必要性がますます高まるでしょう。