Cruelty-free(クルエルティフリー)とは?認証とヴィーガンとの違いを解説

公開日:2020年8月29日 / 最終更新日:2026年9月8日

エシカル

化粧品や日用品で見かける「Cruelty-free(クルエルティフリー)」。動物実験を行わない取り組みを表す言葉ですが、ヴィーガンや環境に優しい製品と同じ意味ではありません。

この記事では、言葉の意味、各国の制度、認証を確かめる方法を紹介します。2026年9月に公的機関・認証団体の情報を確認し、2025~2026年の制度名やロゴの変更も反映しました。

Cruelty-free(クルエルティフリー)とは?

Cruelty-freeは、直訳すると「残虐性がない」という意味です。化粧品や日用品では、製品・原料の開発などで動物実験を行わない方針を表すために使われます。ただし、表示や認証によって確認する範囲が異なるので、言葉だけで判断せず、原料の供給元や外部への試験委託まで対象かを確認しましょう。

化学物質を使っているから必ず動物実験が必要、というわけではありません。既存データの活用や動物を使わない試験法への置き換えなど、安全性を評価しながら動物の使用を減らす取り組みが進んでいます。

出典:欧州化学品庁(ECHA):動物実験の代替とREACH

Vegan(ヴィーガン)との違い

製品の「ヴィーガン」は、動物由来の原料を使わないことに関係する表示です。一方、クルエルティフリーは動物実験に関する取り組みです。動物実験を行わない製品でも、動物由来の原料を含む場合があります。

両方を重視する場合は、原料と動物実験の方針をそれぞれ確認しましょう。なお、Vegan SocietyのVegan Trademarkのように、動物由来の原料だけでなく、企業などが行う動物実験に関する基準も含む認証があります。「ヴィーガン」と書いてあるだけの場合と、特定の認証を取得している場合を分けて考えることが大切です。

出典:Vegan Society:Vegan Trademarkの基準

環境負荷や肌との相性は別に確認する

クルエルティフリーの認証だけで、温室効果ガスの排出が少ない、容器がリサイクルできる、すべての人に肌トラブルが起きない、と判断することはできません。動物への配慮に加えて、原料調達、包装、使用上の注意なども製品ごとに確認しましょう。

動物実験を減らす世界と日本の動き

EU:化粧品の規制と化学物質の規制を区別する

EUでは、化粧品規制に基づく動物実験の禁止が段階的に進みました。完成品の試験は禁止が2004年、成分の試験は禁止が2009年に始まり、販売禁止について残されていた試験項目にも2013年から適用されました。

ただし、「化粧品に関係する成分は、どのような目的でも一切動物実験が行われない」という意味ではありません。化学物質を扱う工場の労働者や環境の保護などを目的とするREACH規則では、代替手段がない場合に最後の手段として試験が求められることがあります。

出典:欧州委員会:化粧品の動物実験禁止

出典:ECHA:化粧品規則とREACHの関係

2026年6月1日には、欧州委員会が化学物質の安全性評価で動物実験を段階的に廃止するためのロードマップを採択しました。これは代替法への移行を進める計画であり、採択と同時にすべての動物実験が禁止・廃止されたわけではありません。

出典:欧州委員会:2026年採択のロードマップ

米国カリフォルニア州:販売規制には適用範囲と例外がある

カリフォルニア州では、2020年1月1日以降にメーカーやその供給元が実施・委託した動物実験を用いて開発・製造された化粧品について、メーカーによる販売などを原則禁止しています。ただし、規制当局の要求による一定の試験や、2020年より前に販売・試験された製品・原料などに例外があります。米国全体で同じ禁止制度が適用されているという意味でもありません。

出典:カリフォルニア州民法1834.9.5条

日本:動物実験代替法の評価が進む

日本では、日本動物実験代替法評価センター(JaCVAM)が代替法の評価などに取り組んでいます。同センターは2026年7月、日本で開発された皮膚感作性の代替法「α-Sens」がOECDテストガイドラインに追加されたことなどを公表しました。

こうした動きがあるため、「日本では何も変わっていない」と一括りにはできません。一方、代替法が増えたことだけで、すべての製品や試験が動物を使わない方式になったともいえません。

出典:JaCVAM:活動・試験法に関する最新情報

クルエルティフリーの認証・ブランド一覧を確認する

Leaping BunnyとCruelty Free International

ウサギのロゴで知られるLeaping Bunnyに関連する制度のうち、Cruelty Free Internationalが運営する承認プログラムでは、動物実験を行わない基準日を定め、原料メーカーまでの供給網の確認、供給元の継続的な管理、独立した監査などを求めています。「過去に一度も試験されたことのない原料だけ」という説明ではありません。

同団体は2026年、新しい制度名「Cruelty Free International Approval Programme」とロゴへの移行を案内しています。移行中は新しいロゴと、同団体名が付いた従来のLeaping Bunnyロゴが併存します。ウサギの絵だけを見るのではなく、運営団体名と公式の承認ブランド一覧を確認しましょう。

出典:Cruelty Free International:承認基準

出典:Cruelty Free International:制度名とロゴの変更

Cruelty Free Internationalの承認ブランド一覧を見る

PETA:2025年にデータベース名を変更

PETAは2025年7月1日、従来の「Beauty Without Bunnies」を「PETA’s Ultimate Cruelty-Free List」として刷新したことを発表しました。

掲載にあたっては、企業とその供給元が原料・処方・完成品について動物実験を実施・負担・許可しないことを確認する誓約を求めています。方針が変わった場合はPETAへの通知も必要です。ほかの団体の制度と同じ基準・確認方法と決めつけず、それぞれの説明を確認しましょう。

出典:PETA:2025年7月1日の制度名変更と掲載基準の案内

PETAのクルエルティフリー企業・ブランド一覧を見る

製品を選ぶときに確かめたいこと

  • 公式のブランド一覧に、購入するブランド名が現在も掲載されているか。
  • 原料の供給元や外部への試験委託まで方針の対象になっているか。
  • ヴィーガンも重視する場合は、動物由来の原料と該当する認証を確認したか。
  • 日本で販売される製品の成分や使用上の注意を確認したか。

化粧品や洗剤などを買い替えるときに、まず一つ、いつも使うブランドの方針を調べてみましょう。認証団体の公式情報と商品の表示を照らし合わせることが、納得できる製品選びにつながります。

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの初代編集長。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることがミッション。

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