エシカルファッションブランド7選|素材・生産背景・修理から選ぶ
公開日:2021年2月26日 / 最終更新日:2026年9月8日
エシカルファッションを選ぶときは、デザインや価格に加えて、服を作る人、原料の調達、動物への配慮、長く使う仕組みに目を向けてみましょう。ブランド名や「サステナブル」という言葉だけで、すべての商品を同じように評価することはできません。
この記事では、ブランドを比較するポイントと、公式情報を確認した7つの事例を紹介します。2026年9月に編集部が情報を更新しました。価格・在庫・修理条件は、利用する時点の公式案内をご確認ください。
エシカルファッションとは?
エシカルファッションは、衣服や靴などの生産・購入・使用を、人や社会、環境、動物への配慮から考えるものです。サステナブルファッションは、原料調達から製造、使用、手放した後まで、持続可能なあり方を目指します。両者は重なる部分が大きく、単一の素材や認証だけで完結するものではありません。

衣服を取り巻く課題
原料の栽培や採取、染色・縫製、輸送では、水やエネルギーが使われます。服を作る人の賃金や安全、原料の調達地域への影響も確認したい点です。2013年にバングラデシュで起きたラナプラザの崩落事故は、衣料品を作る現場の安全に目を向ける大きな契機となりました。
環境省の2025年版衣類マテリアルフローでは、家庭から手放された衣類のうち、再利用・再資源化されず焼却・埋め立て等に回る量は年間約46万トンと推計されています。売れ残った新品の枚数を示す数字ではありません。推計の対象や方法が異なる数字を、単純に比較しないことが大切です。
ブランドを選ぶときの5つの確認ポイント
| 確認すること | 具体的に見る場所・内容 |
|---|---|
| 素材の由来 | 商品ページの組成、再生原料の比率、認証の対象範囲 |
| 働く人への配慮 | 生産工場、労働方針、問題が見つかった場合の改善報告 |
| 長く着られるか | サイズ、用途、洗濯表示、耐久性、修理の受付条件 |
| 手放した後 | 回収対象、再利用と再資源化の区別、回収品の行き先 |
| 説明の根拠 | 対象商品、実績の年度、比較条件、第三者認証の有無 |
素材は名前だけで判断しない
天然素材にも栽培や加工の負荷があり、合成素材にも耐久性や機能上の利点があります。「天然だから安全」「再生素材なら環境負荷がない」とは限りません。ヴィーガン素材でも樹脂を含む場合があるため、用途に合い、長く使えるものを選びましょう。
認証を見る際は、認証名だけでなく、商品全体か特定の原料か、どの工程を対象としているかを確認します。詳しくはエシカルな認証マークの解説をご覧ください。
価格や生産方式だけで善し悪しを決めない
原価の公開は、生産の背景を知る手掛かりになります。ただし原価率だけでは、個々の労働者の賃金や労働環境まで確認できません。セールの有無、国産か海外製かという情報も、それだけで人権や環境への配慮を保証するものではありません。
受注生産は売れ残りを抑える選択肢ですが、生地の裁断ロスや配送、返品も含めて考える必要があります。
初稿で「専門家の視点」として掲載したコメントから、受注生産に関する部分を引用します。
受注生産は在庫には残らないので売れ残り心配は少ないのですが、小ロット生産の場合生地の生産ロスがでます。そのため、衣類の売れ残りという点で、少量生産・受注生産は優れた手法と言えますが、生地の生産ロスも考えると、一概に正解だということは難しいのが現実です。
初稿監修:hap株式会社 鈴木 素 氏(肩書は掲載当時)。今回の編集部による更新について再監修を受けたものではありません。
取り組みから見るエシカルファッションブランド7選
以下は、それぞれ異なる取り組みに注目した事例です。順位ではなく、全商品について同一の認証取得や環境負荷の低さを保証する一覧でもありません。
1. Patagonia:修理して使い続ける

パタゴニアは製品の修理を受け付けています。新しい服を買う前に、持っている服のファスナーや破れを直せないか相談できることが、長く使うための選択肢になります。
修理の可否は、生地の劣化や構造、交換部品の有無などによって異なります。すべての製品を無期限・無料で修理できるという意味ではありません。依頼前に対象外となるケースや料金、洗濯・発送の条件を確認しましょう。
2. Stella McCartney:動物由来素材の方針を確認する

画像出典:Stella McCartney(初稿掲載画像)
ステラマッカートニーは、レザー、毛皮、羽毛などを使用しない方針を掲げています。一方で、ウールやシルクを使う商品もあるため、ブランド全体をヴィーガンと説明するのは正確ではありません。
バッグや靴、衣服では構成素材が異なります。動物由来原料を避けたい場合は、個別商品の素材欄や接着剤などの説明を確かめて選びましょう。
3. ECOALF:再生原料の由来を確認する

ECOALFは、海から回収された廃棄物のうちPETボトルを糸の原料へ再生する取り組みなどを行っています。海のごみを回収する活動と、商品に使う再生素材の説明を区別して読むことが大切です。
すべての商品・素材が海洋ごみ由来という意味ではありません。購入する商品の組成と再生原料の比率・由来を確認しましょう。
出典:ECOALF:海から回収したPETを糸へ再生する取り組み
4. RYE TENDER:残糸から始まったニットづくり

RYE TENDERは、工場に残された糸との出会いをきっかけに、2020年に始まったブランドです。現在の公式紹介でも、残糸から生まれる色や素材の組み合わせをブランドの背景として説明しています。
残糸を生かすというブランドの成り立ちと、各商品の実際の組成は分けて確認しましょう。ニットの洗濯・保管方法も、長く着るうえで重要です。
5. 10YC:生産工程とコストを見る
10YCは、生産者・生産工程・価格など、服づくりの背景を見えるようにする取り組みを紹介しています。例えばノースリーブTシャツの商品ページでは、工程ごとの工場名や生地・縫製などのコストが掲載されています。
公開情報は、何に費用がかかっているかを理解する材料になります。ただし、他ブランドと原価の範囲が同じとは限らず、原価率だけから品質や労働環境の優劣を断定することはできません。
6. BRING:回収した服の行き先を確かめる
BRINGは、ブランドや小売店と連携した衣類回収を行っています。回収品は分別され、再利用や、素材に応じた再資源化へつなげる仕組みです。回収した服がすべて同じ方法で新しい服になるわけではありません。
古着のポリエステルを樹脂へ再生する技術も紹介していますが、北九州響灘工場については、公式ページに「2026年3月時点で運転休止」との注記があります。回収サービスの案内と工場の稼働状況を混同せず、利用時には回収先の最新条件を確認してください。
出典:BRING:北九州響灘工場の説明と2026年3月時点の運転休止注記
7. TOMS:寄付の仕組みが変わっていないか確認する
TOMSは、創業期のOne for Oneから支援の仕組みを変え、現在は非営利団体と協力して子どもの教育・健康・ウェルビーイングを支援しています。公式サイトでは2025年のインパクトレポートも公開しています。
現行の取り組みを「購入1足につき必ず1足寄付」と説明することはできません。寄付つき商品を選ぶ場合も、支援先・方法・実績を確かめ、必要なものを購入することを基本にしましょう。
出典:TOMS:現在の支援方針・2025年インパクトレポート
メンズ・レディースの服やスニーカーを選ぶには
性別による売り場の分類だけでなく、体に合う寸法、必要な機能、手入れのしやすさを確認しましょう。着心地が合わない服や靴は、素材に特徴があっても使う機会が少なくなりがちです。
- シャツやニット:洗濯表示、縮みへの注意、ほつれやボタンの修理ができるかを見る。
- コートやアウトドアウェア:防水加工の手入れ、部品交換、修理できない条件を確認する。
- スニーカー:用途に合うサイズ・機能を選び、素材表示、修理や回収の案内を読む。
- 動物由来素材を避けたい場合:アッパーだけでなく、裏地、接着剤、装飾などの説明も確認する。
過去の紹介記事にある商品名や価格は、そのまま現在の販売状況を示すものではありません。現行の商品ページで素材・在庫・返品条件を確認しましょう。
今ある服を大切にすることもエシカルな選択
新しいブランドを探す前に、手持ちの服を見直してみましょう。合わせ方を変える、サイズを直す、必要なときだけ借りる、中古で探すという方法もあります。
「30回着られるか」など自分なりの目安を持つことは役立ちますが、決まった回数を超えれば必ず低負荷になるわけではありません。洗濯も一律に減らすのではなく、汚れや衛生状態、洗濯表示に合わせて行いましょう。
手放すときは、使える状態なら譲渡や中古販売を検討し、回収に出す場合は素材・汚れ・対象品の条件を確認してください。「買う・使う・手放す」をつなげて考えることが、続けやすいファッションの選び方につながります。
【免責事項】
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