※このブログはEXIDEA社長小川のブログで一般公開はしていますが、EXIDEAで働くメンバーと、ジョインを検討してくれている人を対象とした私の独り言みたいなものなので、乱筆乱文であることをご了承ください。
前回、EXIDEAを立ち上げた理由の話をしたが、その中で触れた私の師である森下英吉さんとの出会いについて少し話をしたい。
私の人生に最も大きな影響を与えているのは確実に森下さんなので、その私が起業したEXIDEAもその影響を大きく受けていると言って良い。
森下さんに初めて会ったのは25歳の時。当時、1社目の会社を起業した時の共同創業者の恩師であり、この時に会社の顧問のような形で入っていただけた。
25歳の私が経営の右も左も分からない中から7年で一定の成功を収めることができたのは、どう控えめに見ても森下さんの教えに寄るところが大きかったと思う。
その当時は相当な迷惑をお掛けしたし、25歳の本当にダメな私にあれだけの時間を割いて、経営を教え続けてくれたことには深い感謝と敬愛の念ばかりである。
ふと考えてみると、自分が若い経営幹部たちに何度もだめでも教えようと思うのも、できる限り多くの失敗をさせようと思うのも、深い愛情を持っているのも、森下さんが自分にしてきてくれたことと同じ行動を無意識に取っているからだと思う。
1社目に起業をした会社は上場しないことを決めて経営していたのだが、会社に利益を残す形で経営をしていたのであれば、上場準備に入れる水準だった。
私にとっては立上の2社目であるEXIDEAもビジョンに対してはまだまだ、これからが勝負の企業ではあるものの6年で望んでいた姿にはなることができたと思う。
経営者を10年以上もやっていると、名刺だけを数えても、経営者や投資家には数千人は会うことになる。その中でも森下さんは別格だった。
考えてみれば、私が最初に会った経営者が森下さんだったわけだが、数千人の経営者や投資家と会ってきて、一番すごいと今でも思う人に最初にお会いすることができ、また、メンターとして7年間師事できたことは幸運以外の何物でもない。
この時の森下さんは既に経営者としても成功をして、一線を退いていた。なので経営者という言葉が当てはまるかどうかは分からないが。
森下さんの何がすごいかというと、読んだ未来がずれない。10年前に、「10年後はこうなっているよ」と言っていたことが正に今そうなっている。多くのことがそうだ。
人によっては「孫正義さん、柳井正さんに会っていないからそう思うだけ」と言う人もいるかもしれない。しかし、ジェフ・ベゾスとウォーレン・バフェットを比べることに意味がないように、孫正義さんと森下英吉さんを比べることに意味はない。全く別種の生き物なので。
これだけスピードが速い時代に未来を正確に当てるのは簡単なことではない。1年先だって非常に難しい世界だ。
私が未来を5年、10年単位で読んで事業を張っていくスタイルの経営をするのは、森下さんの影響である。もちろん、まだまだ森下さんのような精度は出ないが。
未来の読み方は、理詰めでも非常に細かい計算をするが、最後は感性が大事で、そういう力を磨くためにも、普段からアート的なものに良く触れるようにしている。これも森下さんから教わったことである。
他にも書き切れないくらい大事なことを教わったし、最近はありがたいことに交流を多く持たせていただいているので、また改めて多くを学ばせていただいている。
私は今37歳で、私が初めて森下さんに会った時の森下さんの年齢と同じ年だ。この12年間は思えば、森下英吉さんという存在に憧れて、どれだけ近づけるかと常に考えていた。まだまだ遠く及ばないが、師の存在は人の人生はこれだけ大きく変えるのだということを、この機会に振り返ってみて感じた次第だ。
EXIDEAは若い会社なので、経営幹部も含めて若い人間が多い。私はこの会社の社長でありながら、森下さんが私にしてくれたように、メンバーたちの師としても、このEXIDEAに集まる子たちが大きな未来を描けるように育てていきたいと思っている。