サーキュラーエコノミーとは?アップサイクルインテリアなど新しい経済モデルで持続可能な社会に

サステナブル

サステナビリティ(持続可能性)の観点から注目集める新しい経済の形、 サーキュラーエコノミー。すでに、サーキュラーエコノミーのモデルから、画期的なサービスが次々と生まれており、その動向からは目が離せません。

このように注目を集める画期的な経済モデルですが、一体何が革新的かよく分からない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、 そんなサーキュラーエコノミーを、環境問題やビジネスモデル、またそれを支えるテクノロジーなど、様々な角度から徹底解説。

読んで頂ければ、これから主流になるサーキュラーエコノミーを通して、世界が向かう先が少し、お分かりいただけるかと思います。

サーキュラーエコノミーとは?

サーキュラーエコノミーとは、資源を無駄にせず、循環させていく新しい経済モデルのことを指します。

資源を採取し、製造・販売し、使われた後に捨てられる、従来の 一方通行の経済モデル(リニアエコノミー)の代わりとして、サステナビリティ(持続可能性)と経済成長を両立するものとして、サーキュラーエコノミーは語られます。

 

サーキュラーエコノミーの概念図

こちらは、サーキュラーエコノミーの先進国として知られる、(1)オランダ政府が提唱している概念図です。左側は従来型のリニアエコノミー、真ん中はリユースエコノミー、右側はサーキュラーエコノミーを表しています。

サーキュラーエコノミー、リニアエコノミー、リユースエコノミーの概念図
From a linear to a circular economyより

ご覧いただければわかる通り、従来型のリニアエコノミーは直線的であるのに対し、 サーキュラーエコノミーは循環しています。

ここで注目していただきたいのが、 サーキュラーエコノミーは真ん中のリユースエコノミーとも違うという点です。リユースエコノミーでは、廃棄物が出ているのに対し、サーキュラーエコノミーでは、そもそも利用した資源を廃棄されることが考えられていません。

リユースやリサイクルしやすい素材だったり、 製品寿命を長くすることで廃棄が出ないことを目指して始めから設計されており、このような循環型のデザインのことをサーキュラーデザインと呼びます。

(1)参照:https://www.government.nl/topics/circular-economy/from-a-linear-to-a-circular-economy

循環型社会との違い

サーキュラーエコノミーと似た概念に、循環型社会がありますが、この2つは決定的か違いがあります。

サーキュラーエコノミーで重要視されているのは、最初のデザインや、設計段階で、資源が廃棄にならなかったり、長く使えるようにすること。一方で、循環型社会においては、出た廃棄物を、いかにして無駄にせずに、再び循環させられるか、ということです。

つまり、サーキュラーエコノミーが入り口戦略なのに対して、循環型社会が出口戦略であるというという点が、決定的に違うと言えます。

サーキュラーエコノミーの経済効果

サーキュラーエコノミーの経済効果はどれくらいあるのでしょうか?

アクセンチュアの著書『(2)Waste to Wealth』によると、サーキュラーエコノミーがもたらす経済効果・経済価値は、2030年時点で約4兆5000億ドル。

この4兆5000億ドルという数字、実は従来の一方通行型の経済モデルを続けた場合の経済的損失から来ています。

どういうことかと言うと、従来の経済モデルを続けた場合、需要と供給の間で80億トンの天然資源不足が生じ、 それによって4兆5000億ドル、2050年には25兆ドルの経済的損失が発生するということ。

つまり裏を返せば、サーキュラーエコノミーへの転換によって、 4兆5000万ドル規模の経済価値が生まれるという試算から来ている数字なのです。

(2)参照:https://www.accenture.com/jp-ja/insight-creating-advantage-circular-economy

サスティナビリティへの挑戦:サーキュラーエコノミーが必要になった理由とは?

サスティナブルのイメージ
サーキュラーエコノミーが必要とされる理由は、上記の経済規模の話からもわかるように、従来の一歩通行型の経済モデルでは、資源が需要に追いつかなくなったためです。

その証拠に、現在人類が使用している天然資源は(3)地球1.7個分。

このままの大量生産・大量消費を続けていれば、いずれ人間が経済活動を行えなくなると考えられています。

そこで、経済成長と限りある資源を有効に使うことの両立を目指す、サーキュラーエコノミーが必要だというわけです。

(3)参照:https://www.footprintnetwork.org/our-work/ecological-footprint/

サーキュラーエコノミーとSDGs

SDGsとは、17の目標と169のターゲットからなり、持続可能な開発を目指す国際目標です。サーキュラーエコノミーは、そんなSDGsとも、持続可能な成長を目指すという点では重なる部分が多くあります。

サーキュラーエコノミーが貢献するSDGsの目標には以下が挙げられます。

12 つくる責任 つかう責任
→はじめから再利用可能であったり、長期利用可能なデザインや設計をすること。13 気候変動に具体的な対策を
→限りある資源を有効に使うことで、 生態系を守ることにつながります。14 海の豊かさを守ろう
→廃棄物を出さない設計なので、海に廃棄物が捨てられることを防ぎます15 陸の豊かさも守ろう
→資源を有効に使うことが前提のため、資源の過剰利用を防ぎ、生態系を守ります。

5つのビジネスモデルと事例

これまで、 サーキュラーエコノミーがどのようなモデルで、なぜ必要性が高いのかを解説してきました。

次に、 具体的にどのように実用的なビジネスモデルビジネスモデルが組めるのか、また実際にどのようなサービスや商品があるのか、アクセンチュアのレポートを基にご紹介いたします。

再生型サプライ

再生型サプライとは、再生可能な材料や、生分解可能な素材を利用することを指します。

微生物によって生分解される、バイオプラスチックを使用することなどが再生型サプライにあたります。

回収とリサイクル

回収とリサイクルは、資源を回収して、リサイクルをすることで、無駄を減らすという考え方です。

代表的なブランドとして上げられるのは、ECOALF。

ECOALFは、海から回収したペットボトルや、リサイクルナイロン、リサイクルウールなど、捨てられた資源を再活用することで環境負担を下げ、サスティナブルなファッションに取り組んでいます。

製品寿命の延長

製品寿命の延長とは、その名の通り、より長く製品を使ってもらう取り組みのこと。

代表的なブランドには、アウトドアで有名なパタゴニア(Patagonia)や、スウェーデンのジーンズブランドNudie Jeans(ヌーディージーンズ)が挙げられます。

両社とも、修理プログラムなどを充実させていて、長く製品を使ってもらうシステムを構築しているのが特徴です。

シェアリング・プラットフォーム

シェアリング・プラットフォームは、使用されていない製品などの貸し借りや、シェアすることでより効率的に製品やサービスを利用する取り組みのことです。

代表的なサービスには世界的に有名なAirBnbやUber、日本では空き家に注目し、定額で全国に住み放題のサービスを展開するADDressなどが挙げられます。

サービスとしての製品(Product as a Service)

サービスとしての製品とは、モノとしてではなく、体験としてサービスを提供するという考え方です。それによって所有する事は重要ではなくなり、その製品がもたらす体験に注目が集まります。

最近では、トヨタやポルシェなどのメーカーも、サブスクリプションモデルに進出していることからも、サービスとしての製品へ移行している流れが見て取れるかと思います。

サーキュラーエコノミーを実現する10の破壊的テクノロジー

サーキュラーエコノミーは、技術革新によるブレイクスルーによって、実現することが多い経済モデルです。

ここでは、 サーキュラーエコノミーを支える10の最新技術を3つのカテゴリーに分けてご紹介いたします。

デジタル技術

ユーザー間や管理システムの間でリアルタイムの情報交換を可能にするなど、サーキュラーエコノミーはデジタル技術によって大きく支えられています。

ここではサーキュラーエコノミーを支える、5つのデジタル技術をご紹介いたします。

①モバイル技術

まずなんといっても、モバイル技術が大きな役割を果たしています。

ユーザー間や、プラットフォームでのやり取りなど時と場所を問わず行える用意したのがモバイル技術です。

②M2Mコミュニケーション

M2M(マシン・トゥ・マシン)コミュニケーションでは、人を介することなく自動的な情報交換ができます。

これによって、リアルタイムの情報が活用できるようになり、より安く優れた性能をユーザー提供することが可能です。

③クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングによって、インターネット上にコンテンツやアプリケーションが一元管理されています。

それによって、違うデバイスから同じ情報にアクセスすることが可能です。

④ソーシャルテクノロジー

FacebookやTwitter をはじめとする、友人や家族と繋がれるソーシャルメディア。

特にシェアリングサービスにソーシャルテクノロジーが不可欠です。

ソーシャルテクノロジーを使えば、既存のネットワークにアクセスできるため、プラットフォームの立ち上げコストを削減できますし、顧客からのフィードバックを早く低コストで受けることも可能です。

⑤ビッグデータ・AI・アナリティクス

シェアリングプラットフォームなどをはじめとするサーキュラーエコノミーでは、顧客一人ひとりに合わせたサービスを提供することが重要。

そのため、パーソナライゼーションを実現する、ビッグデータや AI、 行動分析などに使われるアナリティクスどの技術が必要となります。

エンジニアリング

サーキュラーエコノミーにおいては、 再生資源の活用や資源の回収などが肝になりますが、それらを高いコストパフォーマンスで実現させるのが、次の3つのエンジニアリング技術です。

⑥モジュラーデザイン

モジュラーデザインとは、簡単に言うと、製品の組立が部品単位でできるようになる技術のことです。

モジュラーデザインによって、部品の交換修理などが低価格で出来るようになり、製品寿命の延長や、回収とリサイクルを促進することができます。

⑦スマートリサイクル

スマートリサイクルは、電子機器のような、本来リサイクルが困難な原材料を再生したり、リサイクルしたりすることを可能にする技術です。

資源は廃棄せずに循環させるサーキュラーエコノミーにおいては、非常に有効で重要な技術だと言えるでしょう。

⑧ライフ&マテリアルサイエンス

ライフ&マテリアルサイエンスによって、従来廃棄物として扱われていたモノを新たな資源として利用することが可能になります。

資源の循環を前提としているサーキュラーエコノミーにおいて、ライフ&マテリアルサイエンスの技術は非常に重要です。

ハイブリッドテクノロジー

続いて、デジタルとエンジニアリング技術の両方を活用したハイブリッドテクノロジーを2つご紹介いたします。

⑨トレース&リターンシステム

トレース&リターンシステムは、エンドユーザーからメーカーや第三者に製品を引き渡して、追跡することができる技術で、コスパよく大規模な中古品の回収を行うことを可能にします。

⑩3Dプリンター

3Dプリンターを使うことで、必要な部品を正確に作成することができます。

また、生物分解が可能な素材を従来は使えなかった製品にすることも可能で、製造の可能性を大きく拓くことが期待されます。

 

世界各国の取り組み

ここまで、サーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデルと、それを支える10のテクノロジーを紹介しました。

続いては、地域に目を向けて、サーキュラーエコノミーに取り組んでいる先進的な事例をみていきます。

サーキュラー・エコノミー・パッケージ

EUの旗
まずは、サーキュラーエコノミーを積極的に推進するEUから。

EUでは、(4)サーキュラー・エコノミー・パッケージ(英語:Circular Economy Package 以下CEP)と呼ばれる政策を2015年に早くも採択しました。

CEPでは、新しいビジネス領域の創出や、SDGsの達成を目標に、アクションプランと廃棄物改正提案を行っています。 それぞれ以下の通りです。
行動計画(Action Plan)

  • 食品廃棄物削減に向けた共有の測定手法の開発
  • 二次資源の品質基準の開発
  • エコデザイン指令作業計画
  • プラステックにおける海洋廃棄物の大幅な削減
  • 廃水再利用を含む水の再利用の促進

廃棄物改正提案(~2030年)

  • 都市廃棄物の65%をリサイクル
  • 包装廃棄物の75%をリサイクル
  • 全種類の埋め立て廃棄物を最大10%削減

EUがこのようにCEPを採択していることを受け、ヨーロッパ各国でも独自の政策や目標を掲げて、サーキュラーエコノミーに取り組んでいます。

続いては、その中でも非常に先進的なオランダの都市、アムステルダムの取り組みをご紹介いたします。

(4)参照:https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_15_6203

アムステルダム

アムステルダムは、2050年までに完全にサーキュラーエコノミーに移行することを目指し、世界を見渡しても非常に先進的な取り組みを積極的に行っています。

(5)アムステルダムが掲げているマイルストーンは以下の通りです。

  • 2022年までに市の調達の全体の10%を循環型にすること
  • 2023年までに市の建築に関わる入札案件を循環型にすること
  • 2025年までに市の調達の50%を循環型にすること
  • 2030年までに一次原材料の使用は50%以下とすること
  • 2050年までに完全サーキュラーエコノミーへ移行

このように明確化されたマイルストーンの下、アムステルダムではすでに70を超えるサーキュラーエコノミーのプロジェクトが発足していたりと、世界の最先端をいっています。

サーキュラーエコノミーにおける世界のお手本として、アムステルダムからは目が離せないでしょう。

(5)参照:https://assets.website-files.com/5d26d80e8836af2d12ed1269/5de954d913854755653be926_Building-blocks-Amsterdam-Circular-2019.pdf

私たちができること

本記事では、サーキュラーエコノミーに関して解説してきましたが、いかがでしたか。

世界の資源は枯渇しつつあり、人類は地球1.7個分の資源を消費している状況の中で、サーキュラーエコノミーの考え方はさらに重要になりますし、これからの経済の中心になる可能性が高いです。

また、サーキュラーエコノミーは国や企業だけが関係する話かと思われがちですが、私たち一人ひとりにもできることはあります。

資源を有効に使うこと、廃棄物を出さないことを考えれば、以下の行動が取れるのではないかと思います。

大きな山も、まずは1歩目を踏み出すことが重要です。まずは、できることから始めましょう。

それでは、続いてサーキュラーエコノミーに関連するアクションであるアップサイクル家具についてご紹介します。

 

アップサイクル家具と注目のインテリアブランド3選を紹介

どこかで捨てられてしまった家具に、新たな命を宿したアップサイクル家具。リサイクルとは異なり、本来の味は活かしつつ、また違った価値を与えることができると、最近話題を呼んでいます。

それぞれのアップサイクル家具の背景には、ストーリーがあり、デザインもユニークなものが多いことが特徴です。

こちらの記事では、アップサイクル家具とは何か、簡単にご説明をし、いくつかのアップサイクル家具とおすすめのブランドをご紹介します。

最後まで読んでいただければ、アップサイクル家具を購入することのメリットを理解していただき、明確な家具やブランドのイメージまで持っていただけると思います。

 

アップサイクル家具とは

アップサイクル家具とは、処分されるはずの家具が、元の姿や味を残しつつ、新たな家具として生まれ変わった家具のことです。

廃棄を待つだけの家具たちに、新たな価値を生み出し、再利用することができるため、環境に優しく、サスティナブルの取り組みのひとつです。

アップサイクルとは

日本アップサイクル協会によると、アップサイクルとは、”「所詮ゴミを宝物に変える」サスティナブルな考え方です”。

アップサイクルを経て、付加価値を生み出すことができるため、創造的再利用とも呼ばれます。リサイクルやリユースとは概念が異なり、不要なものを捨てずに新たな姿で再利用する方法です。

先ほども述べた通り、本来は廃棄されてしまう物を、宝物に変えることができるアップサイクルを利用した家具には、どんなものがあるのか、こちらから見ていきたいと思います。

アップサイクル家具を一挙紹介

毎日の暮らしに登場するインテリアを、アップサイクル家具に変えたら、日常が面白くなること間違いなしです。

部屋にあるだけで、話題の的をかっさらってしまうような、ユニークなアップサイクル家具をこちらではご紹介します。

照明(電気)をアップサイクル

シンバルでできたアップサイクルの電気

出典:https://www.upcycle-interior.work/items/26289983

こちらの照明、実はシンバルから作られています。

打楽器としての現役を引退したシンバルですが、生活に欠かせない電気を供給する家電となって、皆さんを照らす新たな活躍場所を見つけました。

このシンバルライトが新たな価値を見つけて輝いているように、「まだまだがんばるぞ!と皆さんが思えますように。」といった思いが込められています。

信号機を使ったオフィス家具

出典:https://tokosie.jp/smart-ideas/4409/

まさかの信号機も、アップサイクル家具としてオフィスの雰囲気を和ませています。LED信号機の普及に伴い、現役を引退してしまう信号機が多いのだとか。

ユニークな空間を作りたい方に、特におすすめしたいです。

このように、予想外な物までアップサイクル家具として活躍しています。

アップサイクル椅子

学校の椅子をアップサイクル
出典:https://tsukihi.theshop.jp/items/28145855

学校でよく見かけたあの椅子も、アップサイクルの手にかかればカラフルな椅子として生まれ変わります。

子供たちがいたずらで書いてしまった落書きも、そのまま。様々な思い出が詰まった椅子で、コーヒータイムなんていかがでしょうか。
Graveneのプラスチック粉でできたアップサイクル椅子
出典:https://www.buddys.tokyo/items/31381735

次に「ゴミ箱からやってきた椅子」がコンセプトな、ユニークな椅子、Gravêne (グラブェネ)をご紹介します。

フランス生まれのGraveneは、産業廃棄物のプラスチック粉から作られた椅子です。ひとつひとつがハンドメイドで、椅子を支える脚の部分にまで建設現場の足場が再利用されています。

アップサイクルテーブル

跳び箱でできたアップサイクルの机
出典:https://tokosie.jp/smart-ideas/4087/

体育の授業でよく見た跳び箱も、おしゃれなテーブルに様変わりします。シックなブラックでペイントすることで、クールな雰囲気を出してくれます。

跳び箱の一段目も、クッションを活用することで、ソファとして再利用できる優れモノです。

パレットでできた机

出典:https://tokosie.jp/smart-ideas/4087/

荷物の輸送用に使われるパレットも、遊び心くすぐられるテーブルに生まれ変わります。

その日の気分に合わせてベルトの色を変えてあげるだけで、カスタム可能な、まさにオンリーワンのテーブルです。

アップサイクル雑貨

ドラム缶でできたゴミ箱出典:https://gleam.jp/store/interiorgoods/258.php#1

廃棄されるはずのドラム缶は、使われていた当時の印刷を残したまま、ふたつと同じデザインがない、あなただけのゴミ箱になりました。

ガーデニングをする際の道具入れに使うのもよし、カフェに店舗用のダストボックスとして設置するのもよし、な優れものです。

ガラス瓶で作るプレート
出典:https://www.upcycle-interior.work/items/26289440

リサイクルが困難なガラスボトルも、アップサイクルすれば、お洒落なトレーに生まれ変わることができます。

ワインボトルをアップサイクルしたこのトレーに、チーズやクラッカーなどを並べたら、ワインタイムを盛り上げてくれること間違いなしです。

アップサイクル収納

アップサイクルのタンス
出典:https://yesantique.official.ec/

日本の伝統である箪笥(たんす)を、サブスクリプションという新たな価値観とかけ合わせて提供しているのが、「yes」というサービスです。

職人の手によって、ひとつずつ丁寧に作られた箪笥ですが、残念なことに様々な物語をのせたまま、地方の蔵に眠ってしまっているのが現実です。

アップサイクルで新たな価値を生み出し、若者でも手が伸ばしやすい購入体系にすることによって、次の世代に日本文化を繋いでいくという思いが込められています。

アップサイクル家具おすすめブランド4選

ここまで、ユニークなアップサイクル家具をいくつかご紹介しました。

次では、アップサイクル家具に興味を持っていただけた方へ、これらの家具を購入できるブランドを4つご紹介します。

Upcycle Interior

1つ目のブランドは、Upcycle Interiorです。

捨てられるものを「遊び心」で再定義し、「物を大切にする」世の中へ、がコンセプト。

倫理的であり、環境に優しいという考え方を大切にし、さらに一つ一つの製品に込められたストーリーにまでこだわって、幅広い商品をセレクトしています。

tumugu upcycle furnitureというオリジナルブランドでは、先ほども紹介したように、学校で使用されていた備品を活用した家具を展開しています。

gleam

2つ目に紹介するブランドは、gleamです。

「その家具は旅をしてきました」がコンセプトであるgleam。様々な道を歩み、一つの役割を全うした廃材たちに、家具として新たな命を宿し、皆様のもとへお届けしているブランドです。

扱う材料としては木材がメインで、例えばインド洋の人々の月日がつまった思いを運ぶ木材を、家具として生まれ変わらせています。

オーダーメイドの家具の製造も行っているため、新たに新居をデザインしている方にもおすすめしたいです。

Peace Craft

3つ目にご紹介するブランドは、Peace Craftです。

こちらのブランドは、「誰かにとっての不要を誰かにとっての必要に」を大切にしています。

倉庫の外壁に使われてた板材、家屋解体で発生する廃材、産業廃棄物に起因する木材パレットなど、従来ならば廃棄されてしまうような材料を再利用したインテリアを通し、空間づくりを提案しているブランドです。

TerrUP

アップサイクルインテリアブランド TerrUP
最後に紹介するブランドは、TerrUPです。

こちらのブランドでは、飲食店やホテルなどで廃棄されている竹割り箸を素材として再利用し、竹割り箸の特徴を生かしたデザインのインテリアを販売しています。

竹割り箸が織りなすユニークなデザインが特徴の天板は、一つ一つオーダーメイドで丁寧に作られています。

アップサイクルは家具だけではなく、服やバックなどのファッション業界でも見かけることができるので、日常の生活でぜひ探してみてください。

最もお伝えしたかったことは、要らなくなった物をすぐに破棄するのではなく、新しい価値が生み出された、アップサイクル家具を選択してみるのはいかがでしょうか、というご提案でした。

続いて、サーキュラーエコノミーにもつながる年賀状の処分方法を紹介します。

エシカルな年賀状処分方法を紹介。 書き損じはがきで途上国の子ども支援

名前や住所を書き間違えたり、年賀状デザインの印刷が上手くいかなかったり、不要な年賀状はがきの処分に困った経験がある方が多いのではないでしょうか?

ここでは書き損じはがきや切手を集めることで途上国の子ども支援に繋げられるキャンペーンをご紹介します。

「あなたのはがきが、だれかのために。」

次の年賀状は、ぜひ新年の幸せをだれかのために活用してみてはいかがでしょうか?

使わない年賀状で子どもに教育を

書き損じはがきや未使用はがき、切手等で国際貢献ができるキャンペーンが「あなたのはがきが、だれかのために」です。

国際協力NGOシャプラニール主催のキャンペーンで、集まった支援金を途上国の子ども教育支援に充てます。

子どもを取り巻く状況は、コロナの世界的流行を受け深刻に。特に、バングラデシュなどの南アジアの国では、子どもたちが教育を十分に受けられず、「教育格差、児童労働、児童婚」を経験するなど、困難な状況に置かれています。

そこで、書き損じはがきを集めるキャンペーンでは、不要な書き損じはがきや切手を集め、子どもたちの支援に役立てるということです。

コロナ禍の子どもたちへの支援

コロナ禍で働く少女

今回のキャンペーンの支援先は、主に途上国の子どもたち。新型コロナの世界的流行を受け、南アジアをはじめとする国の子どもたちは、困難な状況に置かれています。

例えば、バングラデシュでは教育格差が助長され、児童労働や児童婚の問題なども顕著に。また、バングラデシュは「1年半」と、世界で最も長く学校閉鎖が続いた国であり、教育を受けられず児童労働に従事する子どもが多い傾向にあります。

このような状況は、コロナ禍で親が失業したり、収入が減少したりといった要因で発生しているのです。そこで、シャプラニールは「書き損じの年賀はがきや切手」を回収し、途上国の子どもたちへの支援活動を目指しています。

世界における、児童労働の現状については、下記の記事でご紹介していますので、ぜひご一読ください。

児童労働の現状を説明した記事

書き損じはがき回収キャンペーン概要

こちらで、どのようなはがきや切手が回収の対象なのか、そしてどのように回収が実施されるのか、概要をご説明いたします。

回収対象のモノ

対象のはがきと切手

回収の方法

はがき回収の方法

回収対象 ・未投函の郵便はがき
(かもめーる、往復はがき等も対象)
・書き損じた年賀はがき、過去の余った年賀はがき
・切手(未使用、使用済み)
公式サイトはこちら

対象のはがきや切手を回収し、指定された住所にご送付ください。

はがき10枚が子どもの1日を救う

子ども支援のために、大量のはがきが必要なわけではありません。では、子ども支援を行うためには、どの程度の量のはがきが必要なのでしょうか?

はがき10枚(約500円相当)で、児童労働を行う少女たちの支援センターを1日運営できるようになります。また、はがき20枚(約1,000円相当)で、子どもたちに読み書きを学ぶ授業を1ヶ月実施が可能に。

授業の対象は、元々は支援センターに通っていた家事使用人の少女たちです。彼女たちは、雇用人に支援センターへ通うことを許可されておらず、宿題を届けてもらう作業が必要になります。はがきから生み出された費用は、そんな彼女たちの教材費となります。

はがき回収キャンペーンで、エシカルな年末年始を

今回は、年末年始にできるエシカルな活動として、はがき回収キャンペーンについてご紹介いたしました。

近年、デジタル化の風潮もあり、年賀状離れが進むなか、シャプラニールでは回収目標を50万枚としています。

もし、自宅に回収対象となるはがきや切手がある方は、この機会にソーシャルグッドなキャンペーンに参加してみてはいかがでしょうか?

「あなたのはがきが、だれかのために。」

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの初代編集長。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることがミッション。

【免責事項】

※本記事に掲載の情報は、公的機関の情報に基づき可能な限り正確な情報を掲載しておりますが、情報の更新等により最新情報と異なる場合があります。

※本記事はエシカルな情報提供を目的としており、本記事内で紹介されている商品・サービス等の契約締結における代理や媒介、斡旋をするものではありません。また、商品・サービス等の成果を保証するものでもございません
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