地球にも人にも優しい、オーガニックコットンの特徴をわかりやすく解説!

サステナブル

洋服やタオル、寝具等、様々な製品で使われているオーガニックコットン。町中で目にすることも多くなり、身近な素材になりつつあります。
 
肌に優しい、気持ちが良いといったイメージはあるかと思いますが、普通のコットンとオーガニックコットンの違いや、オーガニックコットンが持つメリットを挙げられる方は少ないのではないでしょうか。
 
本記事ではオーガニックコットンとは何か、そのメリットとともにわかりやすくお伝えします。
 

オーガニックコットンとは?

 
オーガニックコットンは、有機栽培により育てられた綿花から作られたコットンのこと。
 
オーガニックコットンだと認められるには、オーガニック農産物等の生産方法についての基準に従って、2~3年以上のオーガニック農産物等の生産の実践を経て、認証機関に認められた農地で栽培された綿花を使う必要があります。
 
実は普通のコットンとオーガニックコットンの違いはその見た目ではわからず、かつ普通のコットンも残留薬物は少ないため、収穫されたコットンから判別することは難しいもの。
 
詳しくは後述しますが、オーガニックコットンであることを証明するために、専門的な認証機関が存在するのです。
 

普通のコットンとの違いは?オーガニックコットンの2つのメリット

 

有機綿のいいところ
 
先述のように、普通のコットンとオーガニックコットンは見た目では判別できません。
 
では、なぜオーガニックコットンを作るのでしょうか。それは普通のコットンとオーガニックコットンの大きな違いは、地球環境と生産者に対して大きなメリットがあるためです。
 

生産者に優しい

 

通常のコットン栽培では大量の農薬が使われます。この農薬が生産者に健康被害をもたらしてきたのです。
 
それもそのはず。世界で使われている化学殺虫剤の約22.5%、農業で使用される殺虫剤の10%が綿畑で使われています。綿畑が世界の耕作地に占める割合はわずか2.5%です。
 
一方オーガニックコットンの場合は、化学農薬を使うことがないので、健康被害も少なくなり、必然的に生産者に優しい選択だと言えるのです。
 

地球に優しい

 

2014年に綿花栽培の環境負荷について、Textile Exchange(持続可能な繊維産業を推進する国際的な非営利団体)がオーガニックコットンと一般的なコットンを比較した調査が行われました。
 
彼らの調査結果から、下記のことがわかっています。
 

  • オーガニックコットンは地球温暖化への影響が47%少ない
  • オーガニックコットンは酸性雨を70%減らす
  • オーガニックコットンは土壌劣化、浸食が26%少ない
  • オーガニックコットン農業用水の使用を91%減らすことができる
  • オーガニックコットンはエネルギー使用量が62%少ない

このように、オーガニックの栽培方法は、従来の方法に比べて、地球に優しい方法だということができるでしょう。

 

オーガニックコットンの基準

 
これまで、オーガニックコットンが地球環境に良く、かつ生産者の健康にも好影響を与えることを説明してきました。
 
そんなオーガニックコットンを見分ける方法は認証マークを参考にすることです。
 
オーガニックコットンを使用していることを証明する国際的認証基準が2つあり、それぞれ「GOTS(ゴッツ)認証」と「OCSオーガニック認証」です。
 

GOTS(ゴッツ)認証

 

GOTS(ゴッツ)認証のマーク

 
GOTS(Global Organic Textile Standard)は、適切なオーガニック繊維製品であることを評価するために用いられる国際基準です。
 
GOTS認証をクリアするためには、以下のような厳しい基準を原料から最終製品までのすべての工程で満たさなければなりません。

  • 原料:95%以上がオーガニック
  • 有機製品精度:オーガニックでない製品との混同を防ぐ
  • 環境配慮:水・エネルギー利用の環境目標設置
  • 薬剤使用制限:毒性の強い薬剤を使用しない
  • GMO禁止:遺伝子組み換え技術を利用しない
  • 動物実験:動物実験・生体実験をしない
  • 雇用倫理:強制労働・児童労働の禁止
  • 労働環境:衛生的で安全な労働環境…etc

さらに、GOTSのラベルには、「Organic」と「Made with Organic」の2種類があり、「Organic」は、製品の95%以上が認証されたオーガニック繊維、「Made with Organic」は、製品の70%以上が認証されたオーガニック繊維を使用したものを指します。
 

OCSオーガニック認証

 

「OCS」は、Organic Content Standard(OCS)の略で、調達された原料から最終製品までにおいて、その商品がオーガニック繊維で作られたことを証明します。
 
「OCS」のラベルにも以下の2種類が存在しています。
 

  • OCS 100 :原料は95%以上がオーガニック
  • OCS Blended :原料は5%以上95%未満がオーガニック

オーガニックコットンの製品を探す際には、ぜひGOTS(ゴッツ)認証もしくはOCSオーガニック認証があるかを1つの目安にしてみてください。

 

さいごに。私たち消費者にできること

 
消費者ができること
 
当記事では、オーガニックコットンに関して、その栽培方法や地球環境や生産者にとってのメリットを解説してきましたが、いかがでしたか?
 
地球環境や生産者を守るためには、オーガニックコットンの栽培を拡大していくことがとても重要です。そのために、私たちにもできることがあります。
 
買い物は投票という言葉があるように、選択肢がある際には「オーガニックコットン」の製品を選んで購入することで、世界は少しずつより良くなっていきます。
 
オーガニックコットンを選ぶ基準としては、「GOTS認証」と「OCSオーガニック認証」を参考にしましょう。
 
オーガニックコットン以外の有機栽培については、こちらの記事で解説しているので、ぜひ読んでみてください。
 
体に良いだけじゃない?オーガニックの基準と真のメリットを紹介
 
それでは、最後までお読み頂き、ありがとうございました!

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの初代編集長。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることがミッション。

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