6月8日は世界海洋デー|プラスチックごみ汚染から豊かな海を守る日を解説

公開日:2021年6月8日 / 最終更新日:2026年9月8日

気候変動

6月8日は「世界海洋デー」。海から受け取っている恵みと、海が直面する課題を知り、日々の選択を見直す国際デーです。海洋ごみだけでなく、漁業資源の管理や排水対策も、豊かな海を守ることにつながります。

この記事では、2026年のテーマ、海洋環境の課題、企業の取り組み、海について学べる映画を紹介します。統計は公表年と集計対象を区別して掲載しています。

世界海洋デー(World Oceans Day)とは?

世界海洋デーは毎年6月8日です。1992年の地球サミットを契機に提案され、国連総会が2008年12月に採択した決議により、2009年から国連の国際デーとして実施されています。海の役割を知り、保全と持続可能な利用を考える日です。

出典:国連「世界海洋デーの背景」

「国連海洋科学の10年」は2021~2030年の取り組み

「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」は、2021~2030年に進められている取り組みです。海の観測や研究から得た知識を、政策や社会の行動につなげることを目指しています。SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」とも関わり、2026年現在も継続中です。

出典:Ocean Decade「Vision 2030」

2026年のテーマは「Reimagine」

2026年の世界海洋デーのテーマは「Reimagine」です。海を遠く離れた存在として捉えるのではなく、食べ物や気候、暮らしを通してつながる存在として、海との関係を捉え直すことを呼びかけています。

2021年の「The Ocean: Life and Livelihoods」は過去のテーマです。世界海洋デーのテーマや開催案内は年ごとに変わるため、参加する際は対象年を確認しましょう。

出典:国連世界海洋デー公式サイト(2026年)

海洋環境が直面する4つの課題

世界海洋デーにて、海洋の生物について知ってみよう

1. 海洋プラスチックごみの増加

国連環境計画(UNEP)は、毎年約1,900万~2,300万トンのプラスチックが水域の生態系へ流入すると説明しています。この推計は湖・河川・海などを含む水域全体のもので、海だけへの流入量ではありません。

ごみの誤飲や絡まりは野生生物に影響します。また、微細なプラスチックについても研究が進められています。WHOの2022年の評価では、人の健康への影響を判断するために追加の研究が必要とされています。「誰もが毎週クレジットカード1枚分を摂取する」と一律の確定値として扱うことは適切ではありません。

出典:UNEP「Plastic Pollution and Marine Litter」

出典:WHO「ナノ・マイクロプラスチックへの曝露と健康影響の評価」(2022年)

2. 船舶事故などによる油の流出

油の流出は海岸や生き物に被害を及ぼします。例えば、2020年7月にモーリシャス沖で座礁した「Wakashio」は、石油を貨物として運ぶタンカーではなく、ばら積み貨物船でした。流出したのは船に積まれていた燃料油です。

事故の防止、流出時の迅速な対応、被害を受けた環境の調査・回復が重要です。過去の事故の説明と、現在の復旧状況は分けて確認する必要があります。

出典:国際海事機関(IMO)「Wakashioの油流出への対応」

3. 過剰漁獲と混獲

FAOの2026年版「世界漁業・養殖業白書」を紹介する公式資料では、評価対象の水産資源のうち、生物学的に持続可能な水準にあるものの割合は62.4%とされています。これは評価した資源の割合であり、海にいる魚の個体数や、購入した魚の割合を示すものではありません。

「2048年に魚がすべて消える」という期限付きの断定より、資源ごとの状態と管理方法に目を向けることが大切です。漁獲量の管理に加え、目的としていない生き物を捕らえてしまう「混獲」を減らす対策も求められます。

出典:FAO「SOFIA 2026の主な知見」(2026年7月7日)

4. 十分に処理されない生活排水

国連水関連機関調整委員会(UN-Water)の2025年公表資料によると、2024年に世界で安全に処理された家庭排水の割合は約56%です。対象はトイレ、台所、洗濯、シャワーなどから出る家庭排水で、工場排水を含むすべての排水の割合とは異なります。

排水処理の整備と適切な管理に加え、家庭でも油や食べ残しを排水口に流さない、洗剤の使用量を守るなどの工夫ができます。「エコ」「天然」と表示されているだけで、排水への影響がなくなるわけではありません。

出典:UN-Water「家庭排水の安全な処理に関する進捗」(2025年公表・2024年データ)

企業による取り組みと、確認したいポイント

海洋保護のための企業活動

おもちゃの素材や回収方法を見直すマクドナルド

マクドナルドは、ハッピーミールのおもちゃについて、バージンの化石燃料由来プラスチックの削減や素材の見直しを進めています。ただし、「プラスチックのおもちゃをすべて廃止した」と一括りにすることはできません。

英国の2025年更新の案内でも、紙・段ボール、金属、ぬいぐるみなど、素材によって回収方法を分けて説明しています。購入・廃棄する地域の案内を確認し、企業の削減目標と達成実績も区別して読むことが大切です。

出典:マクドナルド「Packaging, Toys & Waste」

出典:英国マクドナルド「おもちゃのリサイクル」(2025年3月17日更新)

海から回収したごみを資源にするECOALF

ECOALFは「Upcycling the Oceans」を通じ、漁業者と協力して海からごみを回収し、その一部を再生素材として衣類などに活用する取り組みを紹介しています。2025年7月の公式記事でも、回収から選別・再生を経て繊維になる過程を説明しています。

海洋ごみをすべて衣類にできるわけではありません。商品の素材表示や再生素材の割合、使用後の扱いまで確認しましょう。新たなごみを減らすことと、すでに出たごみの回収・適切な処理は、どちらも必要な取り組みです。

出典:ECOALF「海から回収した素材を使う衣類」(2025年7月23日)

海について考えるきっかけになる映画3選

海洋環境について学ぶ映画3選

ドキュメンタリーは、海の問題に関心を持つ入口になります。ただし、映画には制作時点の情報や制作者の視点が含まれます。数字や将来予測は、最新の研究・公的資料と照らし合わせて受け止めましょう。

Seaspiracy(偽りのサスティナブル漁業)

漁業をはじめ、人間の活動が海洋生物に与える影響を扱う作品です。作品が提示する問題意識を出発点に、魚種や海域ごとの資源管理についても調べてみると、理解を深められます。

出典:Netflix「Seaspiracy」作品紹介

A Plastic Ocean(プラスチックの海)

プラスチックごみと海、生き物、私たちの生活との関係を描く作品です。使い捨てに頼る暮らしを見直し、身近なごみの行き先を考えるきっかけになります。

出典:映画「プラスチックの海」公式サイト

Chasing Coral(消えゆくサンゴ礁)

ダイバーや科学者、撮影チームがサンゴ礁の変化を記録する作品です。水中の映像を通じ、普段は目にしにくいサンゴの白化を知ることができます。

出典:映画「Chasing Coral」公式サイト

私たちにできる5つの取り組み

  1. 使い捨てを減らす:すでに持っているカップや容器を、衛生的に繰り返し使いましょう。
  2. ごみを適切に分別する:屋外に放置せず、地域の回収ルールに従います。
  3. 排水口に流すものを見直す:油や食べ残しを流さず、洗剤は表示された使用量を守ります。衛生上必要な洗濯や手洗いは続けましょう。
  4. 海岸清掃に参加する:主催者の案内に従い、危険物には触れず、安全な場所で取り組みます。
  5. 食べ物や商品の背景を調べる:魚の産地や漁法、企業の環境情報を確認し、買ったものを無駄なく使います。

6月8日を、海との関わりを見直す日に

世界海洋デーは、海を身近な暮らしとつなげて考える機会です。2026年のテーマ「Reimagine」をきっかけに、ごみや排水、食べ物の選び方から、続けられる行動を見つけてみませんか。

               
ライター:Ethical Choice編集部
Ethical Choice編集部です。エシカルな生活を送る知恵、サスティナビリティに関する取り組み、環境問題に対するソリューションを発信いたします。

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