グリーンウォッシュとは?事例と見抜くための10のチェックリスト

エシカル

SDGsや環境問題への関心の高まりを受け、消費者も環境に配慮した商品や、人道的な調達をしているブランドを選択するのが主流になりつつあります。

このような環境意識の高まりがあるのに乗じて、消費者を惑わそうとするブランドが存在するのも事実で、エコでもないのに、エコ商品だと謳うような行為がグリーンウォッシュ。

グリーンウォッシュは、環境意識を逆撫ですることからも、倫理面からも良いこととは言えないですが、見分けがつきにくいのも事実です。

当記事では、グリーンウォッシュの問題点や事例を解説した上で、消費者として、騙されないためのチェックリストを紹介。賢い消費者となって、グリーンウォッシュに騙されないためにも、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

 

グリーンウォッシュとは?

グリーンウォッシュ(英語:Green Washing)とは、表面上を取り繕うことを意味する『ホワイトウォッシュ』と、環境やエコを意味する『グリーン』を掛け合わせた造語で、あたかも環境に良さそう、エコであると見せかけ、消費者の誤解を招くことです。

要は、グリーンウォッシュは見せかけのエコということを意味します。

例えば、CSR報告書に関係もないのに、自然をイメージさせる写真などを使用することも、グリーンウォッシュの1つです。

 

グリーンウォッシュは何が問題なのか

グリーンウォッシュをすることは、何が問題かと言うと、消費者はもちろん、グリーンウォッシュをしている企業にも長期的に見ればメリットがないことです。

特に、SDGsやエシカル、サスティナブルなどがトレンド化している今、あたかも環境に良さそう、人道に配慮しているなどのイメージは、消費者の注目を浴びることが多く、それゆえ短期的には利益が生まれやすいでしょう。

しかし、環境NGOなどにグリーンウォッシュだと指摘されれば、著しくイメージを落としかねず、ブランドが傷つくどころか、信用を失いかねません。

なので、安直にグリーンウォッシュに走るのではなく、しっかりと環境保全や人道的な活動を行った上で、それを主張する方が良いでしょう。

 

グリーンウォッシング7つの罪

また、元Terra Choice(現 UL)によれば、グリーンウォッシュには、次の7つの罪があると言います。

隠れたトレードオフの罪
証明しないことの罪
曖昧さの罪
的外れの罪
無関係の罪
環境に悪いもののうち、まだ「まし」であるものを環境に良いと宣伝する罪
嘘をつくことの罪

出典:Sins of Greenwashing

最後の嘘をつくことの罪が全てを代弁していると思いますが、要はグリーンウォッシュは非倫理的な行為だと言うことです。

 

過去のグリーンウォッシング事例

マクドナルドによるグリーンウォッシュ

グリーンウォッシュとは何か、そして何が問題かがわかったところで、過去に実際に起こった有名なグリーンウォッシュの疑いがある事例を紹介したいと思います。

 

マクドナルド

まずは、マクドナルド。2009年に、マクドナルドは欧州で、シンボルであるロゴの色を赤と黄色から、緑と黄色に変更し話題となりました。

その後も同社は、店頭で提供するストローを全て紙製のストローに変えるが、実態は紙製ストローをリサイクルせずに廃棄をしていたのです。紙製のストローを導入した際には多くの賞賛を受けましたが、フタを開けば実態は伴っていませんでした。

Source:ニューズウイーク日本語版
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12701.php

 

H&M

また最近では、ファストファッション大手のH&Mが、サステナブルなコレクションとして宣伝・販売を行ったマーケティングが、実態を伴わないものだとして、ノルウェーの消費者庁から抗議を受けたことも事例として挙げられるでしょう。

同社は、批判を受けた過去がありますが、現在はサステナブルなファッションの実現に向けて取り組んでいるため、今後の行く先に期待ができます。

いづれにせよ、見せかけのエコによって、経済的な利益を上げようとしているところが、グリーンウォッシュの特徴だと言えます。

Source:WWD JAPAN
https://www.wwdjapan.com/articles/1414208

 

グリーンウォッシュを見破る10のチェックリスト

このような企業のグリーンウォッシュに対して、英Futerra社は、グリーンウォッシュを防ぐためにのガイド『Understanding and Preventing Greenwash:A Business Guide』を発行しました。

その中で、グリーンウォッシュだと疑うべき10のサインという次のチェックリストを提供しています。

    1. ふわっとした言葉

明確な意味を持たない言葉や用語 例:「エコフレンドリー」。

    1. グリーン製品と汚い会社

川を汚す工場で作られた効率的な電球など。

    1. 示唆に富む絵

環境に優しそうな画像の使用。例えば、工場のパイプから花が咲いている描写など。

    1. 1点の強調

他のすべてのものがエコではないときに、1つの小さなエコ要素をやたら強調する。

    1. 業界ナンバー1

他がかなり酷くても、自社は他の人より少しエコだと宣言すること

    1. ただ信用できない

環境に優しいタバコのように、危険な製品を “グリーン化 “してもそれは安全ではありません。

    1. わかりにくい表現

科学者にしか確認できない、理解できない情報を使う

    1. 空想の友人をでっち上げる

認証や、推薦など、第三者のお墨付きに見えるでっち上げの「レッテル」を使用する

    1. 証拠がない

正しいかもしれないけど、証拠はどこにあるの?

    1. あからさまな嘘

完全に捏造されたクレームやデータ。

参照:http://www.bsr.org/reports/Understanding%20_Preventing_Greenwash.pdf

ここで上げたチェックリストは、あくまで補助的なものです。

企業はあの手この手で、エコな印象を与えようとしてくることがあるので、重要なのは、消費者自身のリテラシーを上げて、企業のグリーンウォッシュから身を守ることだと思います。

 

私たちにできること

グリーンウォッシュを見極めるために、私たちができること

photo by chandra oh on unsplash

グリーンウォッシュを見破る10のチェックリストを踏まえ、実際に消費者の私たちができることを考えてみましょう。

今回は、グリーンウォッシュに惑わされず、人や社会、地球に優しい消費選択をするために3つの重要な見分け方をお伝えいたします。

 

サステナブルやエシカル、エコなどの言葉に惑わされない

まず1つ目は、商品やブランドを判断する際に、サステナブルなエシカル、そしてエコなどの言葉に惑わされないことです。

サステナブルといえど、商品の一部パーツだけがリサイクル素材を使っており、それ以外は環境に負荷をかけている、なんてこともあり得ます。

そのため、商品の購入を検討する際には、サステナブルなアイテムだからと言葉に引っ張られず、成分表や製造の過程などまでを吟味してみましょう。

 

パッケージのイメージだけで判断しない

次に、商品をパッケージイメージだけで判断しないことが挙げられます。CMや広告のキャッチコピー同様、やはりパッケージが環境に優しそうな雰囲気であると、イメージに引っ張られそうになることも多いのではないでしょうか。

緑豊かな自然や、社会にとって良さそうな写真やデザインであっても、それだけで判断するのではなく、背景や詳細を調査してみるのも1つの手です。

 

グリーンウォッシュを判断するための知識をつける

最後に、グリーンウォッシュというものが存在することを知り、知識をつけてみることがおすすめです。企業が出しているサステナビリティ報告書までを見て、グリーンウォッシュか真に環境に優しいのかを判断することもできますが、そのハードルは高いもの。

時間がある際にグリーンウォッシュについて調査し、事例などから、生活に役立てられるくらいの知識があれば問題ありません。

せっかく、「環境に優しいのかも」と思いながら消費した商品が、本当はそうではなかったなんてことがあったら残念に感じてしまうものです。そのような後悔をなくすためにも、ぜひ3つの方法を試してみてください。

 

さいごに

当ページでは、グリーンウォッシュに関して見てきましたが、いかがでしたか?

トレンドを考えれば、グリーンウォッシュはますます増えると考えられ、消費者は自分の身を守ためにも、グリーンウォッシュに搾取されないためにも、グリーンウォッシュを見抜く力を身に付ける必要があるかと思います。

そのために、私たちEthical Choiceでも情報発信しています。

他にも、ドキュメンタリー映画を見たり、本を読んだりして、確固たる知識を身に付けることで、グリーンウォッシュに騙されない賢い消費者になりましょう。

それでは、最後で読んでいただき、誠にありがとうございました。

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの初代編集長。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることがミッション。

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※本記事はエシカルな情報提供を目的としており、本記事内で紹介されている商品・サービス等の契約締結における代理や媒介、斡旋をするものではありません。また、商品・サービス等の成果を保証するものでもございません
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