グリーンコンシューマー10原則とは|環境を大切にする注目の取り組み

気候変動

グリーンコンシューマーとは、環境問題に強い関心を持ち、より環境負荷の少ない商品やサービスを選択する消費者のこと。

地球温暖化や環境汚染が深刻化している中、グリーンコンシューマーを推進する動きが多く見受けられます。

当記事では、グリーンコンシューマーの概要説明から環境にもたらす効果、グリーンコンシューマーの取り組み10原則を解説します。

最後には、グリーンライフ・ポイントとの関連性や環境に配慮した商品・サービスを選ぶ上で気をつけたいこともご紹介しているので、ぜひご覧ください。

グリーンコンシューマーとは?

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グリーンコンシューマー(Green Consumer)とは、直訳すると「緑の消費者」を意味します。長く使える商品を選択したり、環境問題に積極的に取り組んだりしている企業やメーカーを選ぶ消費者のこと。

また、環境に配慮した行動を呼びかけたり、政府や企業に環境保全を求めたりする運動を「グリーンコンシューマーリズム」とも呼びます。環境に配慮した行動をとる方が増えれば、サスティナブルな社会を実現できると共に、環境保全にも貢献できます。

今後グリーンコンシューマーの活動は私たちが気軽に行える自然保護活動として、より一層浸透していくことでしょう。

グリーンコンシューマーの歴史

グリーンコンシューマーの活動は、1988年イギリスのジョン・エルキントンとジュリア・ヘインズの共著「The Green Consumer Guide」の英語版の出版を機に世界各国で認知されるようになりました。

当時は世界的に環境問題に対する意識が高まっていたこともあり、初版で30万部、翌年には続編が出版されるほどグリーンコンシューマーという言葉は多くの方に知れ渡りました。

日本でも1991年に京都市の地域版ガイドづくりからはじまり、1999年には全国版のグリーンコンシューマーガイドが作成され、グリーンコンシューマーの活動は広がりを見せていました。

しかし、環境ではなく自分に対してメリットのある商品を選ぶことが多くなっていたため、2000年代後半からは環境だけでなく、人権にも配慮している「エシカル消費」や「エシカルコンシューマー」に注目が集まっています。

グリーンコンシューマーがもたらす効果

グリーンコンシューマーの活動は環境にとって多くのメリットがあるとされています。

ここでは「地球温暖化防止」「ゴミ削減」の2つの観点から環境にもたらす効果をご紹介します。

地球温暖化防止

グリーンコンシューマーが再生可能エネルギー(太陽光発電など)への切り替えを行うと、資源が枯渇しないエネルギー源を作れるため地球温暖化防止に効果的です。また、省エネ効果の高い機器への買い替えを行えば、二酸化炭素の排出削減に貢献できます。

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食品においては、地元で作られた地産地消の食品を選べば、輸送エネルギーの削減や地域の活性化に。衣服においても、必要最低限のモノを購入することで、廃棄に伴う温室効果ガスや埋め立てによる土壌汚染を防げます。

ゴミ削減

買い物の際は環境負荷の少ない簡易包装商品を選ぶといいでしょう。例えば、個別に包装されているお菓子の購入を避け、量り売りの野菜を購入するゼロウェイストの取り組みなどです。

また、プラスチック製スプーンの受け取らないプラスチックフリーの取り組みなども海洋プラスチックゴミの削減に繋がります。

さらに環境に配慮しているサスティナブルブランドや古着、共有して着用できるサブスクを利用すると大量廃棄の削減に貢献できます。

グリーンコンシューマーの取り組み10原則、私たちにできること

1992年に京都市で誕生した環境NGOが推進する、グリーンコンシューマーの買い物10の原則(1)をご紹介します。

私たちの意識を少し変えるだけで、環境に貢献できる活動はいくつもあります。

(1)出典:だれもが参加できる環境NGO 環境市民 グリーンコンシューマーの買い物 10の原則

1 必要なものを必要なだけ買う

「食材を買ったはいいものの余ってしまった」「一回しか着ない服を衝動買いしてしまった」などの経験が誰しもがあるのではないでしょうか。

このような行動は食品や衣服のゴミ増加、廃棄に伴う二酸化炭素の増加の原因になるため、本当に必要かどうか見極めた上で計画的に買い物するようにしましょう。

2 使い捨て商品ではなく、長く使えるものを選ぶ

使い捨て商品ばかり購入していると、家庭内におけるゴミ増加や地球規模の資源枯渇を招いてしまいます。そのため、買い物する際は長く使える商品を購入することが重要。

例えば、化粧品のボトルを都度購入するのではなく、詰替えができる商品を選択するなどです。

3 容器や包装はないものを優先し、次に最小限のもの、容器は再使用できるものを選ぶ

商品を選ぶ際は包装が少ないものや量り売り、ばら売りのものを選ぶとゴミを減らすことができます。

プラスチックのレジ袋の使用は避け、エコバッグを常に持参するといいでしょう。再利用できる瓶の飲料や箱のダンボールを使用するのもゴミ削減に繋がります。

4 作るとき、買うとき、捨てるときに、資源とエネルギー消費の少ないものを選ぶ

モノの製造過程から捨てられるまでには多くのエネルギーを消費しています。買い物の際は、エネルギー消費の少ない商品を選ぶことが重要です。

例えば、エネルギー消費の少ない旬の野菜を選ぶなど。旬ではない時期に販売されている野菜は、多くのエネルギーを消費していることに目を向けましょう。

5 化学物質による環境汚染と健康への影響を少ないものを選ぶ

排出される化学物質の中には、大気汚染や水質汚濁、土壌に長期間蓄積するものも少なくありません。このような化学物質は環境だけでなく、私たちの健康にも悪影響を及ぼす危険性があります。

そのため、環境保全に役立つとされる「エコマーク」、安全性や品質が保証されている「認証ラベル・マーク」、オーガニック繊維製品の基準「GOTS」、海のエコラベル「MSC認証」、印刷インキの自主規制「NLマーク」が付いているか確認しましょう。

6 自然と生物多様性をそこなわないものを選ぶ

商品の中には自然を破壊し、生物の生態系に悪影響を及ぼしているものがあります。森林を必要以上に伐採したり、汚水を垂れ流しにしたりしている商品です。

そのため、森林の持続可能性を目的とする森林認証制度の「FSC」「PEFC」のマークが付いているか確認しましょう。

7 近くで生産・製造されたものを選ぶ

遠い地域で生産された商品は輸送の際に、排気ガスを多く排出します。

グリーンコンシューマーを目指す方であれば、地産地消の商品を選び、輸送エネルギーの削減に貢献しましょう。

8 作り人に公正な分配が保証されるものを選ぶ

短いサイクルで大量生産ができ、流行をいち早く掴める「ファストファッション」。しかしその背景には、途上国の方が低賃金長時間労働を強いられていることも少なくありません。

それを解決しているのが「フェアトレード」。途上国での生活と経済的支援のために平等に取引することです。グリーンコンシューマーの方は、フェアトレードの商品や食品を積極的に選択しましょう。

9 リサイクルされたもの、リサイクルシステムのあるものを選ぶ

再生紙やリサイクルコットンなど、リサイクルシステムがきちんと構築されている商品を選びましょう。

リサイクル商品であっても、商品を購入する消費者がいなければ、リサイクルする意味がなくなってしまいます。また、再生紙100%のトイレットペーパーは無駄な資源を排出しなくて済みます。

10 環境問題に熱心に取り組み、環境情報を公開しているメーカーや店を選ぶ

私たちがグリーンコンシューマーとして活動を続けていても、企業がエコな活動を推進していかなければ、環境問題の解決には繋がりません。

環境対策を熱心に取り組み、その情報を消費者にも分かりやすく説明しているメーカーや店舗を選択しましょう。消費者と企業が協力し合うことで、サスティナブルな社会を実現できます。

グリーンライフ・ポイントとの関連性

2022年4月から導入が決定している「グリーンライフ・ポイント」。環境に配慮した行動を取ることで既存のサービスにポイントが付与される制度のことです。例えば、食べ残しの食品を持ち帰りしたり、簡易包装商品を選択したりした際に簡単にポイントが付与されます。

つまり、これまで私たちがしてきたグリーンコンシューマーとしての活動にポイントが付与されると共に、環境問題への取り組みがより身近なものへと変わります。

環境に配慮した商品・サービスを選ぶ上で気をつけたいこと

企業が環境に配慮していると謳っていても、商品やサービスを選ぶ際は気をつけなければなりません。

サスティナブル市場が拡大している一方で、まだまだ課題やデメリットがあるのが現状です。私たちは自分の目で見分けられるようにしておきましょう。

グリーンウォッシュに注意する

グリーンウォッシュとは、環境に配慮していると見せかけて実態が伴っていない商品やサービスを販売している活動を言います。そのため、以下の3つに注意しましょう。

  • 説明がない「エコ」「認証」のマーク・曖昧な表現(エコフレンドリーなど)
  • 隠れたトレードオフ(天然素材を表記しているにもかかわらず、製造過程において環境に大きな負荷がかかっている)
  • 無関係な請求ポイント(ごく一部に限られた主張、オーガニックタバコなど)

このように商品やサービスに騙されない知識を持つことで自分の身を守れると共に、真に環境問題に取り組む企業が増えていきます。

グリーンウォッシュの見分け方をさらに詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。

見せかけのエコを騙る「グリーンウォッシュ」とは? 過去の事例と見分け方

さいごに。地球を守る選択を

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グリーンコンシューマーは、環境問題を考慮して、より環境に配慮した商品やサービスを選び、自然や生態系を守る消費者であることを説明しました。

環境省は来年度からグリーンライフ・ポイントの導入を決定したことから、今後グリーンコンシューマーリズムが普及していくことでしょう。

今でこそ個人の力が小さくても、一人ひとりがエシカルな行動をしていけば、やがて大きな力となります。地球に住むすべての人間が環境を大切にすることができれば、私たちの未来はもっと明るくなるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

               
ライター:Ethical Choice編集部
Ethical Choice編集部です。エシカルな生活を送る知恵、サスティナビリティに関する取り組み、環境問題に対するソリューションを発信いたします。

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※本記事に掲載の情報は、公的機関の情報に基づき可能な限り正確な情報を掲載しておりますが、情報の更新等により最新情報と異なる場合があります。

※本記事はエシカルな情報提供を目的としており、本記事内で紹介されている商品・サービス等の契約締結における代理や媒介、斡旋をするものではありません。また、商品・サービス等の成果を保証するものでもございません
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