Facebookメッセンジャーボット~マーケティング自動化・ツール導入事例

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Facebookメッセンジャーボット~マーケティング自動化・ツール導入事例

アメリカではFacebookメッセンジャーなどメッセンジャーアプリの利用者が多く、これを利用したボット化・マーケティングの自動化の事例が最近増えています。その背景の1つが、システム開発不要でメッセンジャーボットを簡単に作成できるツールが増えた点で、Facebookメッセンジャーボットで予算をかけずにマーケティング実務を運用できる点が利点です。

このページではFacebookメッセンジャーボットに注目すべき理由をお伝えするため、当社EXIDEAが2019年3月にアメリカ・サンディエゴで参加したソーシャルメディアマーケティング関連イベント「Social Media Marketing World 2019」から、メッセンジャーアプリを活用したマーケティングの自動化事例やメッセンジャーボットを簡単に作成できるツールなどを紹介します。

※「Social Media Marketing World 2019」の概要は、別の記事「ソーシャルメディアマーケティング最新動向~2019年Social Media Marketing World参加レポート」でご確認ください。

青木綾青木 綾(RYO AOKI)


EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。

なぜ今、Facebookメッセンジャーボットに注目すべきなのか?

当社EXIDEAが2019年3月にアメリカ・サンディエゴで参加したソーシャルメディアマーケティング関連イベント「Social Media Marketing World 2019」では、ソーシャルメディアマーケティングに関連するテーマが幅広く取り上げられたイベントでしたが、中でもFacebookなどのメッセンジャーアプリを活用したマーケティング、「メッセンジャーボット(Messenger Bots)」は注目テーマの1つ。

世界各国のメッセンジャーアプリ利用

世界各国でのN0.1メッセンジャーアプリを図示したもの(青:Facebookメッセンジャー/緑:WhatsApp)

メッセンジャーアプリと言えば日本国内ではLINEですが、世界的に見るとFacebookとWhatsAppの2強。中でも北米ではFacebookメッセンジャーの利用者数が多く(2018年時点でアメリカ国内のユーザー数が約1.3億人、全世界で約13億人)、アメリカで参加するカンファレンスでは「メッセンジャーボット=Facebookメッセンジャーアプリ上でのユーザーとの会話・メッセージの自動化」という意味で語られる場合がほとんどです。

今、Facebookメッセンジャーボットに注目が集まる理由は何でしょうか?2つの理由を紹介します。

メールマーケティングよりもユーザーとのやり取りが早く、効果的

Facebookメッセンジャーボットのマーケティング効果は、メールマーケティングと比較するとよく理解できます。メールマーケティングの場合、各ユーザーのメールボックスに多数のビジネスメールが届くため1つ1つの施策効果は限定的で非効率(メール開封率は良くても10%~20%)。また以前と比較して漸減傾向と言われています。

一方、メッセンジャーマーケティングはFacebookメッセンジャーをビジネス利用している企業がまだ少ないこともあって効果的。Facebookメッセージの場合はスマホのプッシュ通知機能もあり、メールと比較して早くユーザーに読まれる可能性が高く、またメッセージ開封率が60%~70%以上という事例もあります。

効果を出しづらくなったメールマーケティングから、Facebookメッセンジャーのボット化・マーケティングに予算をシフトするアメリカ企業も増えています。

メッセージ対応などマーケティング実務の自動化ツールが増加、開発不要

またもう1つの理由が、Facebookメッセンジャーボットを実現するツールの増加。事前に設定したシナリオに合わせ、ユーザーが送信するFacebookメッセージへの企業側の対応など返信・マーケティング実務を自動化。かつ無料利用可能なツールが増えており、システム開発不要でメッセンジャーボットを導入できる点も注目を集める理由の1つです。また、AIの自然言語処理機能を搭載した高機能なチャットボットツールも生まれつつあります。

イメージは「Facebookメッセンジャーアプリ上のチャットボット」

自社のWEBサイトにチャットボットを設置する企業も増えていますが、そのFacebookメッセンジャーアプリ版と言えるのが、このページで説明するメッセンジャーボット。事前にいくつかの選択肢を用意、ユーザーの回答内容に合わせて、次に配信するメッセージ内容を変える、配信タイミングも自由に設定できるなど、高機能なFacebookメッセンジャーのボット化ツールが増えています。

メッセンジャーボット導入によるマーケティング自動化事例・活用方法

システム開発不要で簡単にFacebookメッセンジャーボットを導入できるため、アメリカではさまざまなビジネスでの活用が進んでいます。ここではメッセンジャーボット導入によるマーケティング自動化事例として、あるアメリカのピザレストランの事例を紹介します。

下記はアメリカ中西部を中心に店舗を展開するピザレストラン「Rapid Fired Pizza」の事例。「ピザ1枚無料」のクーポンをFacebookメッセンジャーボットを活用した方法で拡散させた事例です。LTVを考慮すると1万ドルのマーケティング予算で14万ドル以上の売上効果を生んだ好事例です。

Facebook広告でポストへのコメントやメッセージの送信を訴求

この「Rapid Fired Pizza」の事例の場合、まず上記投稿ポストにコメントすることをユーザーに求めています。このポストをFacebook広告で拡散させ、無料クーポン希望者が続々とコメント入力していきました。(途中からはFacebook広告を利用せず、自然に拡散したそうです。)

メッセージ目的のFacebook投稿の作成

Facebookページへの投稿で目的を「問い合わせを増やす」とすると、アクションボタンが「メッセージを送信」となる。

ほかにも、「メッセージ送信」を目的のアクションとする投稿ポストや広告の作成もFacebookでは可能。クーポンが欲しいユーザーがクリック1つでメッセージを送信できるような投稿ポストを作成、それをFacebook広告で拡散することも可能です。

事前に設定した質問内容やユーザーの回答への返信が、会話のように自動で進む

「Rapid Fired Pizza」のFacebookメッセンジャーボットの事例

「Rapid Fired Pizza」のFacebookメッセンジャーボットの事例

ここからがメッセンジャーボットによる自動化部分で、「Rapid Fired Pizza」の事例ではユーザーのコメント入力後、すぐにFacebookメッセージが自動送信されます(①)。まずユーザーに指定した文字列の返信を促し、メッセンジャー上で繋がります(オプト・イン)。

この事例ではまず「RAPID」の入力を求めていますが、ユーザーは実際に入力しなくても「RAPID」と書かれたボタンが表示され、それをクリックするだけでメッセージを送信できます。

Facebookメッセンジャーボットで獲得したメールアドレス宛にメルマガ配信も可能

また同時にボットでユーザーのFacebook登録メールアドレスも取得も可能(②)。この事例の「Rapid Fired Pizza」は取得アドレスをメーリングリスト化、毎月トッピング無料や割引クポーンなどを送付するメールマガジンの配信のほか、メールと同じ内容をFacebookメッセンジャーにも配信(⑤)し、ユーザーが最新情報を見逃さないように工夫しています。

メールアドレスが無くてもFacebookメッセンジャーで多数のユーザーと繋がれば、Facebookメッセージでのマルマガ配信が可能な点も、メールマーケティングからメッセンジャーマーケティングへの予算シフトの1つの理由です。

割引クーポンの配信もFacebookメッセンジャーアプリ上でボット化

ユーザーのFacebook登録メールアドレスを取得できた段階で、すぐにピザの無料クーポンをFacebookメッセンジャー上のメッセージで配信します(③)。ここまでがFacebookメッセンジャーボットによるマーケティング自動化の範囲。

後はユーザーが店舗に訪れた際、会計時にFacebookメッセンジャーアプリ上のクーポンを提示すれば、ピザが1枚無料に。店舗のスタッフが「REDEEM」(使用済み)とメッセージを入力(⑤)するだけで、繰り返し使用を防げる点も、このFacebookメッセンジャーボット事例の優れた点です。

Facebookメッセンジャーボットの活用メリット~WEBサイトが不要!

メールマーケティングと比較して即時性のある点がFacebookメッセンジャーボットの活用メリットの1つと紹介しましたが、上記事例のように広告・集客からアクションまでの一連のマーケティングを、WEBサイトやランディングページが作成不要で実現できる点も、Facebookメッセンジャーボットを利用するメリットです。

WEBサイトの開発やランディングページのデザイン・コーディングが不要

紹介した事例のように、Facebook上での広告・集客からクーポンの配信・来店まで、ユーザーは一切WEBサイトにアクセスせずに実現できるのがメッセンジャーマーケティングのメリット。WEBサイトの開発やランディングページの制作が不要で、デザインやコーディングのスキルが無くても一連のWEBマーケティング施策を実施可能です。またスマホのメッセンジャーアプリ向けのボットのため、WEBページと違ってモバイル最適化などの配慮が不要な点もメリットです。

ランディングページに誘導し、メールアドレス入力を促すより遥かに効果的

Facebook広告などのWEBマーケティングでは、ユーザーを広告からランディングページへ誘導、メールアドレスなど個人情報の入力・問い合わせを促すのが一般的。そのコンバージョン率の最大化にはランディングページの最適化や、ユーザーの入力ミスを減らすためのフォームの工夫などが必要です。

一方、今回紹介するFacebookメッセンジャーボットによるマーケティングでは、それらの工夫・最適化が不要。ユーザーのコメント入力や空メッセージの送信があれば連絡先を獲得したのと同じで、すぐにボット化された自動マーケティングを開始可能。ランディングページでのメールアドレス獲得より、遥かに効率的と言えます。

なおかつ、Facebookメッセンジャーボットは、上記事例のようにメールアドレスの収集にも効果的に利用でき、従来のメールマーケティングと組み合わせて活用して効果を高めることも可能です。

Facebookメッセンジャーボット作成の無料ツール・おすすめ3選を紹介

以下では、上記事例のようなメッセンジャーボットを簡単に、かつ無料で実現できるFacebookメッセンジャーボット作成のおすすめツールを紹介します。アメリカで開催されたソーシャルメディアマーケティング関連イベント「Social Media Marketing World 2019」のセミナーでも取り上げられた3つのツールに厳選しての紹介です。

メッセンジャーボットの作成には、まずFacebookページの開設が必要。各ボット作成ツールのサービス利用登録後、Facebookページとサービスを連携することで、メッセンジャーボットが作成可能になります。

Facebookメッセンジャーボット作成ツールの代表・Many Chat(メニー・チャット)

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Facebookメッセンジャーボットの作成ツールで最も有名で代表格と言えるのがMany Chat(メニー・チャット)。システム開発が不要で無料利用も可能なほか、無料登録でも複数のシナリオをボットで設定でき、設定したシナリオの流れを視覚的に確認しながら編集できる点でも使い勝手の良い、おすすめのボット作成ツールです。

ユーザーの自由入力メッセージに対しては、キーワード単位であらかじめ対応ルールの設定も可能。例えば「資料」というキーワードが含まれるFacebookメッセージでの問い合わせには、商品・サービス説明資料のダウンロードURLが入ったメッセージを返信するなどの自動化が可能です。

またボットで自動配信したメッセージの開封率や、メッセージ内のリンク・ボタンのクリック率などの効果測定が可能な管理画面の機能も充実、自社のWEBサイトにFacebookメッセンジャーへのメッセージ送信を促すポップアップ画面を簡単に表示できるウィジェット(グロースツール)も利用できます。

Facebookメッセンジャーボットの作成ツールでありながら、充実した関連機能も利用でき、しかも無料。初めてのメッセンジャーボットの作成にはMany Chatがおすすめです。

チャットボットのメッセージフロー

Facebookメッセンジャーボットのコミュニケーションフローを視覚的に確認できるのがMany Chatのおすすめポイント

ポップアップウィジェット

WEBサイト設置用のウィジェットなど、メッセンジャーボット以外の機能も充実

Many Chat(メニー・チャット)|manychat.com

開発不要・無料利用も可能なボット化ツール・Chatfuel(チャットフューエル)

Chatfuel

Chatfuel(チャットフューエル)も同様、システム開発やコーディング知識が無くてもFacebookメッセンジャーボットを作成できるツールで有名なサービス。Facebookユーザー1,000名とのメッセージやり取りまでは無料で基本機能を利用できます。

予め標準のメッセージやり取り・シナリオが設定されているため、それをカスタマイズする(デフォルトのメッセージ文面を書き変える)だけですぐにFacebookメッセンジャーボットとして活用できますが、Many Chatと比較して視覚的にボットのコミュニケーションフローを確認する機能が無いため、やや中・上級者向けのツール。

またYoutube、Instagramなど外部サービスとの連携機能がMany Chatと比較して充実しており、比較的規模の大きなサービスで利用する場合や、複雑なコミュニケーションフローを実装する場合はChatfuel(チャットフューエル)がおすすめとなりそうです。

Chatfuel(チャットフューエル)|chatfuel.com

業種・サービス内容別のテンプレートが便利なMobileMonkey(モバイルモンキー)

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ECビジネスやコンサルタント、リテールの店舗など業種・ビジネスごとにボットのメッセージテンプレート(ただし、英語)が用意されており、ウィザード形式の初期設定で分かりやすいのがMobileMonkey(モバイルモンキー)のサービスの特徴。

無料利用可能で、Many ChatやChatfuelと同様のFacebookメッセンジャーボットの構築が可能。本格的にチャットボットの運用を進める場合や、メッセージ購読者が増えた場合は有料登録が利用が必要な点も他のサービスと同様ですが、上記2つのツールと比較してMobileMonkeyは利用料金が高い点がデメリット。

MobileMonkey(モバイルモンキー)|mobilemonkey.com

まとめ:日本国内向けにはLINEメッセンジャーがAPIを公開しているが…

このページで紹介した通り、アメリカではFacebookメッセンジャーボット作成の無料ツールが増えており、また無料ツールとは言え機能が充実しており、企業のメッセンジャーマーケティング活用が進んでいます。アメリカ企業のホームページを見ると、これまで「メールアドレス登録」としていた箇所を「Facebookメッセンジャーに送信」などに置き換えるケースも増えています。

一方、日本国内向けのメッセンジャーマーケティングで考えるべきは、LINEメッセージのボット化。LINEもメッセンジャーのAPIを公開おり、自社でシステム開発すればLINEメッセンジャーのボット化は可能ですが、アメリカのFacebookメッセンジャーボット作成ツールで紹介したような無料利用可能な高機能のボット作成サービスはまだ無い様子。

今後、システム開発不要で誰でも簡単にLINE向けのメッセンジャーボットを作成できるようになれば、日本でもメッセンジャーマーケティングがさらに注目を集めそうです。

以上、Facebookメッセンジャーボットの事例や活用方法、おすすめの無料ツールを、2019年3月にアメリカ・サンディエゴで開催されたソーシャルメディアマーケティング関連イベント「Social Media Marketing World 2019」から抜粋して紹介しました。

※「Social Media Marketing World 2019」の概要は、別の記事「ソーシャルメディアマーケティング最新動向~2019年Social Media Marketing World参加レポート」でご確認ください。
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