EXIDEA JOURNAL

チェックリスト

SEO対策~自分でできるチェックリスト・2018年最新版

ここ数年間で注目が高まってきた最新のSEO対策事項も含め、このページではSEO対策の基本事項をまとめた「自分でできるチェックリスト・2018年最新版」を紹介します。 このページの内容は、世界最大級の検索エンジンマーケティング(SEM)カンファレンス・Pubcon 2018のキーノート・セッションで共有された最新のSEO関連情報を、チェックリスト形式でまとめたものです。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 SEO対策の基本!順位付け以外の検索エンジンの働きを理解する Googleのような検索エンジンが、ユーザーの検索に対して結果を提示するまでにどのような働きをしているかを理解することは、SEO対策に取り組む上で欠かせない基本的な情報。Googleなどの検索エンジンやロボットの働きは検索結果順位の決定だけではなく、主に以下の3つに分けて考えることができます。 クローリング(Crawling):ページの情報を取得する   レンダリング・インデキシング(Rendering&Indexing):ユーザーにどのように見えるか確認してから、検索エンジンのデータベースに格納する   ランキング・検索結果情報の提供(Ranking & Serving):ページ内容を評価して順位付けし、検索結果として提供する   上記のような検索エンジンの働きを考えると、SEO対策の基本であり重要なポイントは以下の3点と言えます。 WEBサイトのコンテンツがGoogleなどのクローラー・ロボットに正しくクローリングされること(クローリング可能な設定・状態になっていること)   Googleなどの検索エンジンが正しくレンダリング可能なページであること、また正しくインデックスされること   Googleなどの検索エンジンのランキング評価でWEBサイトのページコンテンツが高く評価され、特定のキーワードで上位表示されること SEO対策と言うと「ランキング順位」や「ページの評価」を意識しがちですが、実際にはクローリングされることやレンダリング可能なページであることへの配慮も同様に重要です。 Javascriptを多用しているサイトの場合は注意が必要 多くのWEBサイトで活用されているJavascript。ページのデザインやユーザーエクスペリエンスを高める効果もあるものでGoogleも使用を否定していませんが、検索エンジンは複雑なJavascriptを正しく理解できない場合もある点に注意が必要。特にページのレンダリング・再描画ができないと、Googleなどの検索エンジンはそのページをインデックスできません。   逆にレンダリングが速いページはインデックスされるのも早く、ページの評価や検索結果順位の反映も早く行われる点がメリット。このためJavascriptを多用している場合は、検索エンジンがページを正しくレンダリングできているかの確認が必要です。複雑なJavascriptを多様しているWEBサイトの場合、レンダリングに時間がかかり、ページのインデックスが数日遅れることもあるようです。   なお、Googleクローラーやソーシャルメディア向けにはサーバーサイドでプリ・レンダリングしたドキュメントを返すような機能(ダイナミック・レンダリング:Dynamic rendering)を実装することで、この問題を解消することもできます。 2018年最新版!自分でできるSEO対策のチェックリスト・確認項目 ここからは自分でできるSEO対策のチェックリストとして、2018年最新のチェック・確認項目を紹介します。 この項目内容は、検索エンジンマーケティング(SEM)カンファレンス・Pubcon 2018のキーノートや個別セッションで共有された最新のSEO対策関連の情報をもとに、チェックリスト形式でまとめたものです。 リスト番号カテゴリチェック項目 1URLの最適化検索結果にインデックスさせたいURLにハッシュタグ(#)が含まれてないか 2カノニカルタグ(Canonial)の活用方法を理解しているか 3WEBサイトがHTTPS(SSL)に対応しているか 4サイトマップを作成、Googleなどの検索エンジンに通知しているか 5aタグとhref属性を使ってリンクをHTMLに記述しているか 6内部リンクを適切に設置しているか 7ページのメタデータ(Metadata)各ページに固有のタイトル(Page Title)を設定しているか 8メタ・ディスクリプション(Meta Description)を設定しているか 9画像検索関連各画像要素に適切なキーワードを使ったALT属性を設定しているか 10キャプション(画像に対する注釈)情報を追加しているか 11レイジーロード(Lazyload)を使用している場合、noscriptも併用しているか 12コンテンツ内容・制作ユーザーにとって簡潔に、分かりやすい表現のコンテンツか 13広告の表示数は合理的な範囲か、過剰ではないか 14インタースティシャルの利用は必要な場合のみに限っているか 15ページ表示速度の測定・分析ページスピード(表示速度)の測定・テストツールを利用しているか 161つの評価指標・ツールだけでなく、複数の観点で分析しているか 17表示速度改善によるユーザーの利便性への影響を確認しているか 18構造化データ・マークアップGoogleがサポートする構造化データを定期的にチェックしているか 191つの画面に対して無理に複数のマークアップをしていないか 20正しく構造化データのマークアップができているか確認しているか 21モバイル・ファースト・インデックスへの対応モバイルフレンドリーなWEBサイトに対応しているか ●SEO対策の基本・URLの最適化 SEO対策の基本は各ページのURLを正しく扱うことと、WEBサイトのコンテンツが正しくクローリングされるよう、内部リンクの設置とサイトマップの作成に注意することです。また2018年のトピックスとしてはHTTPS(SSL)対応が必須となってきている点が挙げられそうです。 1. 検索結果にインデックスさせたいURLにハッシュタグ(#)が含まれてないか ハッシュタグ(#)を含むURLをGoogleなどの検索ロボットは理解できずに無視するため、ハッシュタグ付きのURLは正しく検索結果にインデックスされない可能性がある点に注意が必要。ページ内リンクなどで使用するハッシュタグは、例えそれが無視された場合も(#以下を取り去っても)有効なリンクURLであるためSEO対策上の問題はありませんが、ハッシュタグの有無やハッシュタグの内容により、そのURLで表示されるコンテンツが大きく変わることは避けるべきです。   それぞれのコンテンツをGoogleなどの検索結果にインデックスさせてSEO対策を行うのであれば、ハッシュタグ(#)でコンテンツを出し分けることはせず、各コンテンツに固有のURLを設定するべきです。 2. カノニカルタグ(Canonial)の活用方法を理解しているか WEBサイトの各ページのヘッダ部分で設定するカノニカル(Canonical)タグ内のURLは、Googleなどの検索エンジンが非常に重視するURL。コンテンツ内容が重複するページが複数あれば、カノニカルタグの活用によるURLの正規化はSEO対策上、大きな効果を発揮する方法と考えられます。一方、設定内容に誤りがあるとSEO対策で逆効果を引き起こす可能性もあるため、活用方法・設定内容を十分に理解しておく必要があります。 3. WEBサイトがHTTPS(SSL)に対応しているか 大規模なWEBサイトを除き、WEBサイトのHTTPS(SSL)対応は以前と比較して導入が非常に簡単になりました。Google ChromeなどのブラウザがHTTPS非対応のサイトには安全でない旨の警告を表示するなど、今後さらにSEO対策面でもHTTPS非対応サイトのデメリットは拡大する見通しで、現時点で非対応の場合は早期の対応がおすすめです。ただしHTTP(SSL)に対応しても今後はそれが常識となるため、SEO対策上の効果・メリットは限定的と考えられます。 4. サイトマップを作成、Googleなどの検索エンジンに通知しているか 検索エンジンがコンテンツの存在を知る上で、リンクの次に重要なのがサイトマップ。つまりサイトマップはSEO対策上も重要で、Googleなどの検索エンジンが正確にWEBサイトの情報を理解するための方法の1つです。逆に、Googleなどの検索エンジンに通知したい新規ページなどは必ずサイトマップに含めることが必要です。 5. aタグとhref属性を使ってリンクをHTMLに記述しているか HTML内に記述するリンクはシンプルに書くのが一番。Javascriptなどで<a>タグを使わずにユーザーを画面遷移させようとする場合、ユーザーはそのリンクを辿れたとしてもGoogleなどの検索エンジンはその画面遷移を辿れず、リンク関係から適切なSEO評価ができない可能性が高まります。 6. 内部リンクを適切に設置しているか 新しいページコンテンツの情報をGoogleなどの検索エンジンに認識させたい場合、サイトマップへのURL追加と同時にWEBサイトに適切な内部リンクを設置することが一番重要なSEO対策方法。リンクがあることで検索エンジンがクロール可能になり、リンク先のページがインデックス対象となるのです。 ●ページのメタデータ(Metadata)はSEO対策に引き続き効果的 こちらもSEO対策の基本ですが、各ページに設定するメタデータ(Metadata)は今後も引き続き重要なSEO対策要素の1つで、見直し・最適化によって検索結果順位の大幅な改善効果も期待できる要素です。 7. 各ページに固有のタイトル(page title)を設定しているか 簡潔に、各コンテンツの内容を表現した最適なタイトルを各ページのHTMLに設定することが重要で、各ページの<head>要素内に<title>タグを使ってマークアップします。また設定するタイトル(title)は、Googleなどの検索結果でリンクテキストとして使用され、日本語の場合は全角30文字がタイトルの長さの目安です。 8. メタ・ディスクリプション(Meta Description)を設定しているか ページのタイトルと同様、メタ・ディスクリプションにも各コンテンツの内容を表現した適切な要約文を設定することがSEO対策上、重要です。文字数の制限は無く、ユーザーに価値がある内容と検索エンジンが判断すれば長文で表示することもあり得ると言われていますが、概ね日本語の場合は全角150文字前後がGoogleの検索結果に表示されます。 ●高まりつつある画像検索に対するマーケティングの重要性 2018年現在、増加傾向にあるGoogleなどでの画像検索。画像検索からもWEBサイトへの流入を得ようと考える場合、画像検索に対するSEO対策の重要性も高まりつつあります。特にユーザーが商品画像などを検索することの多いECサイトのマーケティングで重要になると考えられる画像検索へのSEO対策ですが、基本となるチェック項目は以下の3点です。 9. 各画像要素に適切なキーワードを使ったALT属性を設定しているか 検索エンジンがどんな画像内容かを理解できるよう、HTML上で画像を表示する<img>要素のALT属性には、表示する画像がどんな画像なのを説明する適切なキーワード・文言を設定します。なおALT属性は画像の説明以上でも、以下でも無いよう、キーワードの無理な詰め込みなどはせずに活用することがSEO対策上、重要です。 10. キャプション(画像に対する注釈)情報を追加しているか 画像要素に設定されたALT属性のテキストやキーワードだけでなく、Googleなどの検索エンジンは画像周辺のテキスト情報も含めてどんな画像かを理解します。特に画像直下に配置するキャプション・注釈を検索エンジンは重要視するため、画像にはキャプション情報を追加することがSEO対策面でもおすすめです。 11. レイジーロード(Lazyload)を使用している場合、noscriptも併用しているか ユーザーのスクロールに合わせて画像の読み込みを遅延させるレイジーロード(Lazyload)を使用中のページ・WEBサイトは注意が必要。最初に画像をすべて読み込まず、ユーザーのスクロールに合わせて(Javascriptのスクロールイベントで)画像を遅れて読み込むレイジーロードはページ表示速度を上げるためには有効な方法。   ただし、検索エンジンにはスクロールの概念がなく、画像の存在を正しく認識できない可能性がある点でSEO対策上はマイナスの側面も。このため<noscript>タグを利用して検索エンジンに画像の存在を伝える方法との併用が必要です。 ●コンテンツ内容を制作する上の重要ポイント 他のWEBサイトよりも、ユーザーの検索ニーズに対して優れたコンテンツ内容を制作することはSEO対策上、重要なポイントの1つですが、広告などマネタイズ手段とコンテンツ内容のバランスやページの表示速度もコンテンツ制作やSEO対策を考える上で無視できない重要なポイントです。 12. ユーザーにとって簡潔で、分かりやすい表現のコンテンツか これは当然のことですが、簡潔で、分かりやすい文章・表現で書かれたコンテンツで、ユーザーの検索ニーズに合った内容であれば、ユーザー評価も、Googleなどの検索エンジンからの評価も(つまり、SEO対策効果も)高まりやすくなります。   GoogleのGary Illyes氏のおすすめは「作成したコンテンツを声に出して読む」こと。それを自分の耳で聞き、不自然な点はないか、違和感がないかをチェックする方法は、分かりやすさを判断するための1つの方法です。 13. 広告の表示数は合理的な範囲か、過剰ではないか WEBサイトのマネタイズ・売上創出のため、ページコンテンツ上にGoogle Adsenseなどの広告を配置する場合でも、その表示数は合理的な範囲内にするべきで過剰な状態は避けるべき。例えば1ページに20箇所以上の広告スペースがあれば、その分の読み込みが必要になり、ユーザーに対するページ表示速度も低下することに。これはユーザビリティ面でもSEO対策面でもマイナスと言えます。 14. インタースティシャルの利用は必要な場合のみに限っているか ページの表示とともに全画面のポップアップを表示、ユーザーのコンテンツ閲覧を邪魔するリスクもあるインタースティシャルの利用は、法的に必要な場合や、ユーザーのコンテンツ閲覧を極力阻害しない形に限るべき、というのがGoogleの考え方。特にモバイルサイトにおけるインタースティシャルの利用は、SEO対策上の評価を下げる可能性も高く、注意が必要です。 ●ページの表示速度を意識し、定期的な測定・分析を行う WEBサイトおよび各ページの表示速度を意識し、定期的な測定・分析を行って改善することはユーザビリティ面でもSEO対策上も重要。表示速度が高ければ、離脱率の低下やコンバージョン率が改善、そのWEBサイト・ページが目的とする売上・アクション数の増加を期待できます。またページスピードはGoogleなどの検索エンジンがランキング順位を決定する際の1つの要素で、SEO対策上も重要な観点です。 15. ページスピード(表示速度)の測定・テストツールを利用しているか WEBページの表示速度の測定や評価は、無料のテストツールを利用して簡単に実施可能。まずは自サイトのページスピードを確認、表示速度が遅い場合は対策が必要です。 ページスピードのテストツールでおすすめは「Lighthouse」 無料・オープンソースのページスピード・テストツールでGoogle Chromeの検証機能(デベロッパーツール)で利用可能なのが「Lighthouse」によるスピードテスト。Google Chromeで測定対象のページを開いている状態でF12キーを押しデベロッパーツールを起動、AuditsパネルでLighthouseによるページ表示速度の測定・改善点を分析できます。GoogleのGary Illyes氏のおすすめがこのLighthouseでのページ表示速度の測定です。 16. 1つの評価指標・ツールだけでなく、複数の観点で確認・改善しているか ある1つの評価指標や、あるツールで遅いと判断されたからと言って、直ちにSEO評価が下がり、検索結果順位が下がると考える必要はありません。むしろ、定期的に複数の評価指標・ツールを使って表示速度の遅いページが無いか、改善箇所が無いかを確認することがSEO対策面でも重要です。 17. 表示速度改善によるユーザーの利便性への影響を確認しているか ページの表示速度改善に目を奪われると、本来はユーザーのためにやっているはずの表示速度改善が思わぬユーザビリティ低下などの悪影響を引き起こす場合も(必要以上に画像の質を低下させてしまう、など)。いくらページ表示速度が改善しても、ユーザーの不利益に繋がっている場合はSEO対策面の評価も高まりません。表示速度の改善で何らかの変更を行った後は、ユーザーがどのような反応しているか、影響を注意してモニタリングすることが必要です。 ●積極的に利用可能な構造化データのマークアップ 検索エンジンにコンテンツ内容を正しく伝えるために、構造化データのマークアップは欠かせないもの。また特定の構造化データ(ニュースやイベント、レシピなど)はGoogleの検索結果画面のカルーセルなど特別枠で表示され、積極的に利用することでWEBサイトへの流入数増加などのSEO対策面の効果アップも可能です。 18. Googleがサポートする構造化データを定期的にチェックしているか 構造化データを利用してGoogleが検索結果画面で生成するリッチリザルト(パンくずリストやカルーセル、レビューなど)は、年々種類が増えています。定期的に確認して、Googleがサポートする構造化データの種類が増えていないかチェックするのがおすすめです(Googleの構造化データ・検索機能ギャラリー)。 構造化データでマークアップすればどのページも必ずSEO対策効果(順位上昇やトラフィック増加)が得られる訳ではありませんが、“潜在的な良いコンテンツ”が日の目を見て流入数増加に繋がる可能性はあります。 19. 1つの画面に対して無理に複数のマークアップをしていないか 構造化マークアップが重要とは言え、あくまで常識の範囲内でコンテンツ内容に適した場合のみ、構造化データでマークアップすることが必要。(例えば、料理についてのページでレシピとしてマークアップしたり、書籍のレビューとしてもマークアップしたりなど)過剰なマークアップは、SEO対策面で逆効果をもたらす可能性もあり、注意が必要です。 20. 正しく構造化データのマークアップができているか確認しているか ページのHTMLを構造化データでマークアップした後は、正しくマークアップしているかをテストツールを使って確認することが必ず必要。正しくマークアップできていなければSEO対策上の効果を発揮することはありません。 構造化データマークアップによるSEO対策の成功事例~楽天レシピ 楽天レシピではレシピページを構造化データでマークアップしたところ、流入トラフィックが2.7倍、セッション時間が1.5倍に増加する効果があったとのこと。構造化マークアップによってSEO対策効果を増加させた成功事例として広く紹介されています。 ●モバイル・ファースト・インデックス(MFI)への対応 これまではパソコンで閲覧した際のページ情報が検索エンジン・Googleのインデックス情報となっていました。これがモバイル向けの情報を基にインデックスされるように変わるモバイル・ファースト・インデックス(MFI)。2018年時点ですでに多くのWEBサイトがモバイル・ファースト・インデックスに対応、インデックスが切り替わっています。   自分のサイトがモバイル・ファースト・インデックスの対象で移行されているかどうかは、Search Consoleに通知があるかどうかで確認できます。また、すでにWEBサイトがモバイル・フレンドリーであれば特別な対応や対策は必要ありません。 21. モバイルフレンドリーなWEBサイトに対応しているか 今後、さらに多くのWEBサイトがモバイル・ファースト・インデックス(MFI)に移行予定で、GoogleのGary...

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Googleが推進するAMPとは?~その構造や対応サイトの実装事例

インターネット通信で利用するデバイスが、パソコンからスマートフォンなどのモバイル端末へとシフトする中、モバイルでのユーザー体験がパソコンでの体験より劣れば、モバイル化とともにインターネットビジネスが苦しくなる可能性も。実際、ページの読み込みに10秒以上かかるモバイルWEBサイトが数多く存在したり、また国・地域によってはモバイルの通信回線そのものが遅い場合もあります。   そこでGoogleなどが立ち上げ、推進しているのがAMP(アンプ)プロジェクト。AMPとは、独自のHTMLの記述ルールとキャッシュの仕組みを使って、モバイルWEBサイトのページコンテンツを一瞬で高速表示させるフレームワークを指し、モバイルでのインターネット体験を向上させようという試み。   このページでは、モバイルWEBサイトでのユーザー体験を改善・向上させることを目的としたAMP(アンプ)について、AMPとは何か?という定義や基本的な構造・仕組みの解説から、対応サイトの実装事例を紹介します。 このページの情報は、検索エンジンマーケティング(SEM)カンファレンス・Pubcon 2018で、Google・Ben Morris氏のキーノートで共有された2018年時点で最新のAMP関連の情報をまとめたものです。Pubcon 2018の概要は「Pubcon 2018参加レポート~SEO対策・WEBマーケティング最新情報」も併せてご覧ください。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 Googleが推進するAMP対応とは何か?~プロジェクトの背景 AMP(アンプ)とは「Accelerated Mobile Pages」の略で、Googleが推進するモバイルWEBサイト高速化のための方法。AMP対応ページはモバイルでブラウジング中のユーザーに一瞬で画面が表示される(ページの読み込みにほとんど時間がかからない)のが特徴です。このAMPの仕組みはAMPプロジェクトと呼ばれるオープンソース・プロジェクトによって提供されており、2015年にGoogleとTwitterが共同して立ち上げたプロジェクトです。 Googleにとって、モバイルの検索結果から個々のモバイルWEBサイトへアクセスする際、ページ読み込みに時間がかかり、ユーザーの離脱が多い点が課題。モバイルでの検索体験やWEBブラウジングを大きく改善するには、ページ表示速度の改善が欠かせないと考えています。 AMPプロジェクトでは、WEBサイトやページをAMP対応させるための様々なフレームワークをオープンソースとして無料提供しており、誰でもAMPを利用・導入することが可能。モバイルWEBでの検索体験やユーザビリティの向上を目的に、Googleが推進している手法です。 スマホ・モバイル向けアプリ作成の時代はもう終わった…? [caption id="attachment_26409" align="alignright" width="300"] 特定のアプリの利用に集中、アプリの新規ダウンロードもほとんど無い[/caption] スマホユーザーは平均して80%の時間が3つの主要アプリの使用に集中しており、平均的なユーザーの1ヶ月あたりのアプリのダウンロード件数は1件未満。つまり、今後新たにスマホ・モバイル向けアプリを作成しても、それがダウンロードされ、使用される可能性は低いということ。   GoogleはWEBブラウジングの高速化こそ、モバイルでのユーザー体験向上に重要と考えているようです。一般的なスマホ利用ユーザーからするとテキストメールの送受信や写真撮影は一瞬にもかかわらず、WEBサイトのブラウジングだけ何秒も待たされるのはストレス。GoogleのBen Moriss氏はPubcon 2018のキーノートの中で「AMPでなくても良いが、ページ表示の高速化はモバイルサイト経由の売上創出・拡大に絶対に必要」と強調していました。 WEBサイトの表示速度改善は売上・マーケティング・SEO対策効果に重要 ここまでモバイルWEBサイトの表示速度の高速化が重要視されるのは、裏付けとなるデータ・事実があるからです。例えばGoogle Chromeのデータによると、モバイルWEBサイトでブラウザのページ読み込み時間が3秒以上になると、53%のユーザーがサイトへの訪問を途中で断念するとのこと。   また、ページの表示速度が1秒でも遅くなると以下のようなマーケティング面での弊害、つまり売上の減少を引き起こすと言われています。 直帰率が8.3%悪化 コンバージョン率が3.5%低下 ECサイトのカートに入る金額が2.1%減少 ページビューが9.4%減少 このためモバイルWEBサイトの表示速度改善は、WEBサイトのオーナーにとって売上・マーケティング効果を最大化するための重要課題とGoogleは捉えています。また、ページ表示速度はGoogleの検索結果順位の決定要素の1つであるため、SEO対策効果も最大化する(検索結果順位が上昇する)可能性があります。 また、世界的に見るとまだ40%のモバイル通信が2G回線で行われている点も、特にグローバル展開するビジネスにとっては重要な視点。インターネット通信環境の整っていない国・地域でビジネスを成功させるためにも、モバイルサイトの高速化・速度改善は重要なテーマです。 AMP対応はユーザー体験(UX)に多数の利点・メリットをもたらす モバイルWEBサイトのページ読み込みが一瞬で完了し、高速ブラウジングを可能とするAMPの仕組みですが、AMP対応がユーザー体験(UX)にもたらす具体的な利点やメリットとして以下のような点が挙げられます。 AMPの仕組み上、ページ読み込みを遅くさせる要素を使用できないため、AMPページはすべて高速   ページ読み込み時にスムーズにレンダリングされ、コンテンツの要素があっちこっちに移動しない   コンテンツ閲覧の邪魔となるポップアップやインタースティシャルなどの広告掲載が基本的に禁止   ページ要素をユーザーが必要とする時まで読み込まない、つまりページの表示開始時に読み込みが必要なデータ量が減り、即時でページが表示される   これまではAMPで表現できるデザイン要素や使用可能なタグに制限があり、デスクトップサイトやモバイルサイトと同じデザインを再現できないことが課題・デメリットでしたが、AMPで使用可能な要素やタグが増えた結果、現在では通常のWEBサイトと同様のデザインがAMPで再現できる状態。   つまりAMPは一部のメディアサイトやECサイト向けのものではなく、すべてのWEBサイトに必要な考え方であり、ページ表示速度を劇的に改善するためのソリューションだと考えられます。 ブラウザで高速表示を実現するAMP(アンプ)の基礎知識~仕組みや構造 AMPの仕組みは、大きく分けて「AMP HTML」「AMP JS」「AMP Cache」の3つのパートから成り立っています。高速表示を実現するために通常のHTMLと比較して制限の多いAMP HTMLやAMP JS、それらのページ情報を事前にGoogleのサーバーにキャッシュするAMP Cacheにより、モバイルユーザーは各WEBサイトのサーバーの情報にアクセスせずにGoogleサーバー上のキャッシュ情報を参照でき、ブラウザ上でページが高速表示されるというのが基礎的な構造。 各パートの基礎知識や特徴を以下で紹介します。 AMP HTMLとは~ページで使用できないタグや要素に注意 AMP HTMLとは、AMP用に定められたHTMLのコーディングルールにしたがって作成、AMP対応ページとしてモバイルのWEBブラウザに読み込みされるHTMLのことで、多くのタグが通常のHTMLタグと同様ですが、AMP独自のタグ・記述方法があったり、AMP HTMLでは許可されていないHTMLタグや要素がある点に注意が必要。   例えば、<img>タグは、<amp-img>に置き換えが必要だったり、CSSファイルを読み込めないため、デザイン要素をすべてインラインスタイルで記述する必要がある点などが注意点。 AMP HTMLの制作で記述可能な部品・コンポーネントは増加中 AMPプロジェクト開始直後は、AMP HTMLがサポートする部品・要素が少なく、十分なデザインでAMPページを制作できない状態でしたが、現在では記述可能なコンポーネントが増え、誰でも簡単に、デスクトップ・モバイルサイト本体と同様のUXデザインを再現できるように対応が進んでいます。 具体的には下記で説明するAMP JSのライブラリと合わせて、<amp-carousel>でカルーセル型のデザインの制作や、<amp-sidebar>でAMPページにサイドバーの表示、<amp-experiment>でAMPページ上でのABテストの実施などが利用可能になってきています。 ※より詳しい情報は、AMPプロジェクト内のページ「AMP HTMLで提供されるコンポーネント」をご覧ください。 AMP JS(JavaScript)とは AMP HTMLページではJavaScriptの記述が原則として禁止されており、独自に記述することができません。ただし、表示速度を低下させること無く、AMPページで使用可能なJavaScriptのライブラリが提供されており、これがAMP JS。これらのJavaScriptはすべて非同期で実行されるため、ページの読み込みに影響を与えないのです。   前述したAMP対応ページでのカルーセルやサイドバーの表示、ABテストの実行などのコンポーネントは、このAMP JSのライブラリにあるScriptをAMP HTML上で記述、呼び出すことで利用できます。 AMP Cache(キャッシュ)とは AMP Cache(キャッシュ)とはコンテンツ配信ネットワーク(CDN)の働きをする仕組みで、AMP HTMLで作成されたページ情報をキャッシュ、同時にページがAMPの仕様に沿って作成されているかのチェックも行います。 これらのAMP CacheのコンテンツにはGoogleの検索画面などからリンクされ、ユーザーがモバイルの検索結果画面でリンクをクリックするとAMP Cache上のキャッシュからページ情報を取得します。通常のモバイルサイトへのアクセスの場合、ユーザーはWEBサイトのサーバーとの通信が必要ですが、AMPページの場合はGoogleのAMP Cacheからページ情報を読み込むだけで良いため、ページのを高速表示が可能なのです。 検索結果でAMP対応マークが表示されるほか、リンク先URLが変わる Googleなどの検索結果では、AMP対応ページにはAMPに対応していることを示す「稲妻」のようなマークが表示され、そのページに即座にアクセスできることがユーザーに分かる仕組みとなっています。また検索結果からのリンク先はオリジナルのWEBサーバーにあるページではなくAMP Cacheのページとなるため、URLもAMP用のURL(例:https://www.google.com/amp/s/www.example.com/など)に変わります。 対応・導入済みサイトの実装事例の紹介 すでにAMP対応・導入済みのWEBサイトの中には、モバイルサイトのページ表示速度改善により、大きな成果を生み出しているところがあります。Googleも成功事例と紹介している2社の実装事例を紹介します。 旅行検索サイトWEGOの成功事例~モバイルのアクセス・CVRともに増加 AMP対応の成功事例の1つとして紹介されているのが、中東地域や東南アジアを中心に展開する旅行情報の比較・検索サイト・WEGO。航空券やホテル予約などの価格比較サービスを提供しており、提携先の航空会社サイトやホテル予約サイトへのユーザー送客がマネタイズのポイントです。   展開している地域の特性上、回線スピードが非常に遅かったり、またアプリもあるもののデータ容量の非常に少ないスマホ・モバイル端末を利用しているユーザーが一般的なこともあり、AMPの実装を決断したとのこと。   このWEGOではAMP対応で多くのページが1秒以内に表示されるようになり、全体としてページ表示速度は10倍近く改善したそうです。また検索結果からのサイトアクセスも12%上昇、マネタイズに重要なコンバージョン率(CVR)は95%増加、WEBサイトで掲載しているバナー広告などのクリック率(CTR)も3倍に向上したそうで、AMP対応により収益面も大きく改善したと予想されます。 インドのECサイト・Myntraの実装事例~CVRが60%増加 Myntraはファッション製品や日用品などを扱うインドで最大級のECサイト。ECサイトのためWEBサイトのコンバージョン率(CVR)が売上に直結、またサイトへアクセスしたユーザーの直帰率や離脱率低下も重要な課題だったと推測できます。MyntraのAMP対応サイトは動的な情報提供を可能にする<amp-bind>コンポーネントを活用して実装、通常WEBサイトと同様のデザイン・使い勝手を実現しています。   このAMP対応によってSEO対策上の効果(検索結果順位の上昇など)は見られなかったものの、サイト全体のページ表示速度は65%減少、直帰率も40%改善したとのこと。結果的にAMP対応前のサイトと比較して、コンバージョン率(CVR)が60%も増加したというAMP対応の成功事例です。 WordPressサイトの場合、テーマ変更やプラグインで実装する方法も 大規模なWEBサイトや動的コンテンツの多いECサイトの場合は、AMP対応のためのシステム開発に一定の期間や費用が必要ですが、WordPressで運用中のブログサイトや静的コンテンツが中心のWEBサイトの場合は、無料のテーマやプラグインを利用して簡単にAMPを実装する方法もあります。   まだ数は多くないもののAMPに対応したWordPressのテーマがあり、それらのテーマにテンプレートを変更することでAMP対応が可能なほか、無料の「AMP...

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音声検索

Googleの音声検索へのSEO対策と強調(フィーチャード)スニペット

Google HomeやiPhoneのSiri、AmazonのAlexa。スマートデバイスや音声アシスタント機能の拡大に伴い、音声検索の利用ユーザーが増加しています。アメリカの調査では、2020年までに音声検索が全検索の50%を占めるまで拡大するとの推測や、音声検索経由での商品購入・音声EC市場が現在の20倍以上に拡大する試算もあり、近い将来、音声検索に対するSEO対策は重要なテーマとなりそうです。   とは言え、音声検索に対するSEO対策とは具体的に何に取り組めばよいのでしょうか?この音声検索SEOのヒントとなりそうなのが、強調スニペット(Featured Snippets:フィーチャードスニペット)。Googleの検索結果画面で最上位に表示される強調スニペットは、Google Homeでの音声検索の(Googleアシスタントが採用する)「回答」になりやすいとのデータが出てきています。 そこでこのページではGoogleなどの音声検索(ボイスサーチ)の現状と、それに対するSEO対策のヒントとなりそうな強調スニペットの最新情報や強調スニペットに取り上げられる確率を上げる方法を紹介します。 このページの情報は、検索エンジンマーケティング(SEM)カンファレンス・Pubcon 2018のキーノート・セッションで紹介された音声検索(ボイスサーチ)関連の情報と、強調スニペット関連の最新情報をもとにまとめています。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 スマートデバイスの普及と音声検索(ボイスサーチ)の増加 Google HomeやiPhone(Siri)、Amazon Echoなど音声アシスタント機能を持ったデバイスの増加に合わせ、音声検索(ボイスサーチ)回数・利用者数が急速に増加しています。デジタルマーケティング市場の分析を行うアメリカのcomScore社による推測では、2020年までに音声検索は全検索の50%を占めるまで拡大するとのこと。   またアメリカでのスマートスピーカーの普及率は2017年時点で13%程度であるものが、2022年には55%まで拡大、普及台数は2,000万台以上となるとの試算もあります(OC&C Strategy Consultants社によるデータ)。Amazon EchoやGoogle Homeなどの購入者のうち65%が「元のスマートスピーカー無しの生活には戻れない」と回答している調査結果もあり、今後も増加が続くと思われます。 ECサイトでの買い物も音声サービス利用が拡大、SEO対策が重要に [caption id="attachment_26488" align="alignright" width="300"] 音声ECの市場規模は今後5年で20倍以上に拡大するとの試算も[/caption] これに伴い、ECサイトなどでのオンラインショッピングや買い物におけるスマートスピーカー・音声アシスタントの利用も拡大すると考えられます。例えば、現時点で音声検索経由での商品購入(音声EC)の市場規模はアメリカで18億ドル(約2,000億円)と試算されていますが、これが2022年には400億ドル(約4.5兆円)まで20倍以上に拡大するとの予測もあります。   今後5年で考えると、従来のデスクトップ・モバイルサイト上でのマーケティング戦略やSEO対策は見直しが必要となり、音声検索に対するSEO対策や、チャットボットなどを使った音声での商品情報やサービスの提供などが求められる時代となりそうです。 音声アシスタント機能を利用可能な主要デバイスと検索エンジン 現時点で音声アシスタント機能や音声検索を利用可能な主要デバイスや各サービスの特徴、またSEO対策を考える上で重要な各サービスの利用検索エンジンを紹介します。 代表的なデバイス・アプリケーション音声アシスタント検索エンジン Google HomeGoogleアシスタント Amazon EchoAlexa(アレクサ) Apple iPhoneSiri(シリ) Microsoft Windows 10Cortana(コルタナ) 上記表の通り、現状では主要なスマートデバイスの検索エンジンにBingが採用されている例が多く、今後、音声検索へのSEO対策にはBingを意識した対策も必要かも知れません。 グーグルが提供するスマートスピーカー・Google Home Google(グーグル)が提供するスマートスピーカー・Google Homeには、Googleの音声アシスタント機能・Googleアシスタントが搭載されており、音声検索が可能なほか、Googleカレンダーと連動したスケジュールの確認や、「Google Play Music」「Spotify」と連動した音楽の再生などが可能なスマートスピーカー。   検索エンジンには当然ながらGoogleが採用されています。また、スマートフォンまたはタブレットの Googleアプリやブラウザ・Google Chromeでも音声検索を利用可能です。 AIアシスタント・Alexa(アレクサ)を搭載したAmazon Echo Amazonが提供するEcho(エコー)などのスマートスピーカーデバイスには、AIによる音声アシスタント機能であるAlexa(アレクサ)が搭載されています。Amazon Musicと連動した音楽再生が可能なほか、Amazonプライム会員の場合はPrime Musicの聴き放題サービスやプライム対象商品の音声注文など、既存のAmazonサービスとの連動も特徴です。またKindle本を読み上げる機能もあります。   なお、検索エンジンにはマイクロソフトのBingを採用しています。 iPhoneに搭載された音声アシスタント機能・Siri(シリ) iPhoneやiPadなどのApple社製のスマートフォン・タブレットのほか、Apple TVやMACのパソコンにも搭載されているAI・音声アシスタント機能がSiri(シリ)。iPhoneユーザーにとっては馴染みのあるSiriですが、AI機能としてはGoogleやAlexaよりも劣っているとされていて、アメリカのデジタルマーケティング企業・ストーンテンプル社がAIアシスタントに約5,000問の問題をテストした調査では、Siriの正答率が最も低かったとのこと。 iPhoneのSiriもまた、検索エンジンにはマイクロソフトのBingを採用しています。 音声アシスタント機能・Cortana(コルタナ)を搭載したWindows端末 マイクロソフトのWindows端末に搭載された音声検索のアシスタント機能・Cortana(コルタナ)。検索エンジンにはもちろんBingが使われており、インターネットへのアクセスではMicrosoft Edgeがブラウザとして起動されます。 Googleの音声検索ではキーワードに、どのような結果を回答するのか? 現時点ではマイクロソフトのBingを採用する音声・AIデバイスが多いものの、Googleアプリなどの利用ユーザー数も多く、音声検索のSEO対策を考える上でGoogleは欠かせない存在。   ところで、Googleの音声検索ではユーザーが発したクエリ(キーワードや質問文など)に対して、どのような結果を回答しているのでしょうか?因果関係や具体的なロジックは不明なものの、以下のような傾向・特徴があるようです(Backlinko社によるGoogle Homeを使ったクエリ1万件の音声検索結果から)。 音声検索結果として好まれるページ・コンテンツの傾向や特徴 音声検索結果に採用されたページコンテンツの表示速度は、平均的なページよりも52%速い   一般的な音声検索結果は29単語から成る比較的短く、簡潔な文章   ドメイン・オーソリティ(ドメインへの信頼性)の高いWEBサイトのコンテンツほど、音声検索結果に採用されやすい傾向   音声検索結果に採用されたページは、平均して1,199件のFacebookシェアと、44件のTweetがあるなど、ソーシャルメディアにおけるエンゲージメントが高い   音声検索結果に採用されたページのタイトルに、音声検索のキーワードそのものが含まれている場合はほとんどない(音声検索のSEO対策においてtitleタグにキーワードが有るか無いかは影響が無い様子)   音声検索結果に採用されたページコンテンツの単語数は平均2,312語で決して短いページが好まれる訳ではない   音声検索に採用される割合の約75%が、検索結果の上位3位以内のページコンテンツ   音声検索結果で読み上げられた内容の約41%が、強調スニペット(Featured Snippet)の内容 以上のように音声検索へのSEO対策のヒントとなりそうな傾向が徐々に明らかにされつつあります。現時点では、音声検索結果の75%が上位3位以内のページコンテンツなど通常のSEO対策が機能していれば、音声検索にも効果がある様子ですが、注目したいのが音声検索と強調スニペットの関係です。 音声検索へのSEO対策に繋がるGoogleの強調スニペットとは? 音声検索へのSEO対策として2018年の「Pubcon 2018」でも注目されたのが、Googleの強調スニペットに関連するセッション。ここからはGoogleの強調スニペットとは何か?という基本内容や、強調スニペットに取り上げられるための対策方法などを紹介します。 検索結果ページの最上部に表示される強調スニペット [caption id="attachment_26502" align="aligncenter" width="532"] 検索結果10位のページが強調スニペットを獲得している事例(https://www.digitaleagles.com.au/より引用)[/caption] Googleのオーガニック検索結果1位のWEBサイト・ページよりも上位に表示されるのが強調スニペット(Featured Snippet:フィーチャードスニペット)と呼ばれる部分。すべての検索キーワードで必ず表示されるエリアではありませんが、2018年時点で全体の検索クエリのうち10%~15%で強調スニペットが表示されています。   現時点では検索回数の比較的多いキーワード中心ですが、強調スニペットが表示されるクエリは増加傾向で、現在強調スニペットが表示されていない検索キーワードでも今後表示される可能性があります。 強調スニペットはパラグラフ・テーブル・リスト形式の3種類 強調スニペット表示として採用されるパターンは、パラグラフ・テーブル・リスト形式の3種類で、いずれも関連する画像と合わせて表示されることもあります。 パラグラフ型:45語から97語の短い文章が強調スニペットとして表示される。pタグでマークアップした箇所が引用されることが多い。   リスト型:箇条書き形式の強調スニペットで、ulタグやolタグでマークアップした箇所が引用されることが多い。   テーブル型:表組み形式の強調スニペットで、tableタグでマークアップした表の全部、または一部が引用される。 強調スニペット表示の獲得でWEBサイトへの流入ユーザーが増加 この強調スニペットが注目される理由は、(すでに検索結果1位表示のサイトであっても)さらにオーガニック検索結果からの流入を増やすことができる手段であり、コンバージョン・売上の増加にも繋がる期待が高まるほか、ブランド認知やWEBサイトへの信頼性向上も期待できるからです。 どんなWEBサイト・ページが強調スニペットに取り上げられている? 強調スニペットに取り上げられているWEBサイトやページを調査すると、その99%がオーガニック検索結果の10位以内のサイトやページのため、まず強調スニペットに取り上げられるのに必要なのはオーガニック検索結果の1ページ目に入ること。また強調スニペットの約30%は検索結果1位のサイト・ページであるため、SEOに強いページほど有利(強調スニペットに取り上げられやすい=音声検索のSEOも強い)であることは変わりません。   一方、検索結果10位のサイト・ページにもかかわらず、強調スニペットに取り上げられたことで爆発的にサイト流入が増え、コンバージョン・売上が拡大した事例もあり、ロングテールの(検索回数の少ない)キーワードでも10位以内で表示されている場合には意識したほうが良いとのがこの強調スニペットです。   また1つのページが複数のキーワード検索で強調スニペット表示されることもあり、ある1ページが最大3,000以上のクエリで強調スニペット表示されている事例もあります。 強調スニペット表示の獲得方法や工夫・改善=音声検索に対するSEO 強調スニペット表示を獲得すると音声検索結果にも採用されやすくなり、音声検索に対するSEO対策としても機能しそうですが、その獲得方法はまだ確立されておらず、これさえやれば良いという方法は残念ながらまだありません。ただし、現在強調スニペット表示されているコンテンツを確認すると、以下の5点のような工夫・改善が重要な要素となっていそうです。 検索クエリ・キーワードに対して、最も完璧な回答を用意していること   Googleが理解できるマークアップで(シンプルなHTMLタグで)回答が書かれていること   ユーザー動向が良いページであること(直帰率が低い、滞在時間が長いなど)   あるクエリの「関連する検索キーワード」に対する回答も同じコンテンツ内に書かれていること(複数のキーワードで強調スニペット表示される可能性が上がる)   リストまたはテーブルの場合は、直前のHタグ要素もしくはPタグ要素内に検索キーワードが含まれていること 日本語ではまだ強調スニペットが表示されるキーワード数がそれほど多くないように思われますが、上記のような5点を意識してコンテンツを改善しておくと、今後強調スニペット表示されやすくなる可能性があります。   以上、Googleなどの音声検索や強調スニペットとの関連性と合わせて、音声検索に対するSEO対策について考えてみました。 このページの情報は、検索エンジンマーケティング(SEM)カンファレンス・Pubcon...

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Pubcon 2018

Pubcon 2018参加レポート~SEO対策・WEBマーケティング最新情報

毎年アメリカ・ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大規模の検索エンジンマーケティング(SEM)カンファレンスであるPubcon(パブコン)。第一回目の開催が2000年と歴史のある検索エンジン・SEOをテーマとしたカンファレンスです。ラスベガスの他にアメリカのフロリダやオースティンで開催される地域別のPubconカンファレンスもありますが、毎年10月~11月にラスベガスで開催されるイベントがPubconの中でも最大規模のもの。 昨年に引き続き、EXIDEAでは2018年10月16日~18日に米国ラスベガスで開催されたPubcon(パブコン)2018に参加、アメリカでのWEBマーケティング最新情報を収集してきました。このページではPubcon 2018で共有された検索エンジンマーケティング・SEO関連の最新情報を紹介します。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 米国ラスベガス開催!PUBCON(パブコン)2018・イベント参加レポート 米国ラスベガスで毎年開催されるPubcon(パブコン)は、世界的にも規模の大きな検索エンジン関連、特にSEO対策関連のコンテンツが豊富なカンファレンス。日本からの参加者も多く、世界中からマーケターが集まる人気イベントです。 毎年、WEBマーケティング・検索エンジンマーケティング業界の著名人・著名企業が登壇し、検索エンジン対策(SEO)やクリック型広告(PPC)などのテーマのほか、ソーシャルメディアマーケティングやコンテンツマーケティングなどの最新情報や取り組み事例が紹介されます。 まず2018年10月に開催されたPubcon(パブコン)2018の概要を紹介します。 Pubcon 2018のカンファレンス概要やイベント会場・参加料金 Pubcon(パブコン)2018の開催期間は、昨年(2017年)のカンファレンスと比較して1日短く、3日間での開催。イベント会場はラスベガスのコンベンションセンターで例年と変わらなかったものの、日数に加えてセッション会場数も減り、2018年はややカンファレンス規模を縮小した内容でした。   イベント期間の2018年10月16日~18日の3日間のうち、1日目はワークショップやトレーニングが中心、キーノート(基調)講演や個別セッションがあるカンファレンスの開催は2日目から3日目の2日間。   カンファレンス2日目、3日目は朝と午後にキーノート(Keynote:基調講演)があり、全参加者が1つの会場へ集まりますが、それ以外は個別セッションに分かれ、同時に7つのテーマ・会場で開催される個別セッションの中から興味のあるテーマのセッションに参加します。2日間で5つのキーノートと合計8つの個別セッションに参加でき、延べ13時間ほど英語漬けになれるイベントです(笑 なお、Pubcon 2018の参加料金ですが、カンファレンスなどに一通り参加できるコースの正規料金が「$1,499」(日本円で約17万円)と高額。ですが、事前申し込みには割引があり正規料金の約半額でチケットを購入できることも。2019年の参加を決めている方は早めの申し込みがおすすめです。 延べ5回のキーノートと主にSEOをテーマとした48の個別セッション [caption id="attachment_26350" align="alignright" width="225"] Pubcon 2018の会場内に掲示されたタイムテーブル[/caption] 2日間のPubcon 2018カンファレンスの間に延べ5回開催された各キーノート(基調)講演の内容はこのページの後半で紹介しますが、キーノートとは別に延べ48の個別セッションが開催されました。1人で参加できるのは2日間で最大8セッションのため、事前に参加したいセッションをある程度決めておく必要があります。   またPubcon 2018で実施された48の個別セッションのうちSEO・検索エンジン対策関連が約半数の23セッションと、SEO関連のセッションの割合が高い内容。ただ、一言でSEO対策とは言っても、その内容は基本的な内容からローカル検索への対応の最新情報、バックリンク対策、ページスピード、社内でのSEO対策組織の構築など多岐のテーマに分かれています。 以下はPubcon 2018で開催された個別セッションのテーマと、各テーマごとのセッション数です。SEO対策以外にもソーシャルメディアマーケティングやSEM・PPC関連のテーマをカバーしています。 個別セッションのテーマセッション数 SEO・検索エンジン対策関連23 ソーシャルメディアマーケティング関連9 SEM・PPC(クリック課金型広告)関連4 コンテンツマーケティング関連4 インターナショナルマーケティング (越境サイトの最適化)5 その他3 今回のPubcon 2018では、米国や世界のSEO・検索エンジン対策関連の最新情報を収集することを目的に、主にSEO・検索エンジン対策関連のセッションを中心に参加しました。(これらのセッション内容のレポートは別記事で紹介します) ここからは、Pubcon 2018のキーノート(基調)講演の内容を中心に、WEBマーケティング・検索エンジンマーケティング関連のトピックスや最新情報を紹介します。 Pubcon 2018のキーノートから分かるWEBマーケティング最新情報 Pubcon(パブコン)2018で行われた各キーノート(基調)講演の内容を簡単に紹介するとともに、2018年のPubconで印象的だった内容をレポートします。イベント・カンファレンス全体ではSEO・検索エンジン対策が中心であるものの、キーノートでは検索エンジン関連のみならず、コンテンツマーケティングやコンバージョンマーケティングに関連する内容も取り上げられ、どれも非常に興味深い内容でした。 検索エンジン対策(SEO)最新情報~Google・Gary Illyes氏 [caption id="attachment_26337" align="alignright" width="300"] Pubconで恒例のGoogle・Gary Illyes氏によるキーノート[/caption] ここ数年、Googleからの新たな発表がPubconであったりと注目のGary Illyes氏のキーノートでしたが、今年2018年のキーノートは基本的なSEO・検索エンジン対策のトピックスに終始、目新しい最新情報は特にありませんでした。 Google・Gary Illyes氏のキーノートの内容は、ここ1~2年の検索エンジン対策(SEO)で注目を集めている ページスピード・表示速度 構造化マークアップ(Schema) モバイルファーストインデックス   といった一通りのトピックスを、おさらいする内容。また最新情報としては「画像検索」の重要性を強調していた点が印象的でした。 画像検索に対するSEO対策 Pubcon 2018のキーノートの中でGary Illyes氏は「画像検索をもっと意識すべき」と強調、画像検索からもトラフィックを得る(つまり、画像検索に対するSEO対策)には、オリジナルの品質の高い画像を制作するほか、以下のような点に注意すべきという話でした。 ※ある調査によると、WEB上の検索のうちGoogleの画像検索の割合は20%を超えており、これはマイクロソフトのBingの検索利用数を大きく上回る割合となっています。 1. ALT属性に画像に適した文言を設定する 2. キャプション(画像に対する注釈)を画像の下部に加える 3. 画像のレイジーロード(Lazyload)を利用している場合は、検索エンジン向けにnoscriptタグで画像パスを提供する またWEBページと異なり、画像へのクロール頻度は低いため、画像の情報を修正してもその反映が遅い可能性がある点にも注意が必要で、コンテンツ作成の最初から上記3点を意識したマークアップが重要とのこと。 強調(フィーチャード)スニペットや音声検索も最近の注目テーマ Gary Illyes氏のキーノートからは逸れますが、Pubcon 2018のSEO対策関連のセッションでは、強調(フィーチャード)スニペットをテーマに扱うセッションや、強調スニペットと音声検索の関係に注目したセッションが印象的でした。Goolgleアシスタントなどでの音声検索において回答に採用された内容のうち、約40%が強調スニペットで表示中の内容だったと言う最新の調査結果もあり、「音声検索に対するSEO対策=強調スニペット対策」という構図にも注目が集まっています。 この音声検索(ボイスサーチ)と強調スニペットの関連性についての最新情報は、別記事「Googleの音声検索に対するSEO対策と強調(フィーチャード)スニペット」でも詳しく紹介しています。 コンテンツマーケティング~Content Marketing Institute・Joe Pulizzi氏 [caption id="attachment_26379" align="alignright" width="300"] コンテンツマーケティング・インスティチュート・Joe Pulizzi氏によるキーノート[/caption] 検索エンジンからのオーガニック流入を対象とするSEOとは異なり、ニーズの顕在化していない潜在層も含め、また検索エンジンだけでなくSNSや動画サイトなどさまざまな経路からユーザーを獲得・蓄積する「オーディエンス(Audience)」。このオーディエンスをメールマーケティングなどの手法を活用して繋ぎ留め、最終的にマネタイズまで誘導するというのがコンテンツマーケティングの考え方。   このコンテンツマーケティングの考え方の第一人者で、アメリカのコンテンツマーケティング・インスティテュート(Content Marketing...

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コンテンツマーケティングにおけるストーリーテリングの手法や効果・実践事例

WEBコンテンツの制作やコンテンツマーケティングで昨今注目されているのが、映画や小説などでも活用されるストーリーテリングの手法。コンテンツの読み手であるユーザー・オーディエンスを、コンテンツに惹き込み、ページ滞在時間や商品・ブランドへのエンゲージメントを高める手法として、ストーリーテリング手法の活用事例が増えてきています。   このページでは、今後のWEBコンテンツ作成やコンテンツマーケティングで欠かすことのできない考え方、ストーリーテリングの手法や実践事例を紹介します。 このページの内容は、世界最大級のコンテンツマーケティングカンファレンス「Content Marketing World 2018」で取り上げられた“ストーリーテリング”に関連するトピックスをまとめて紹介するものです。コンテンツマーケティングや「Content Marketing World 2018」の概要は、「コンテンツマーケティングとは~定義や事例と2018年の最新トレンド」も併せてご覧ください。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 読み手や聞き手をコンテンツに惹き込む~ストーリーテリング手法 最近のコンテンツマーケティングのトレンドでは、数字や事実をもとに記事・コンテンツを作成、雑誌や新聞のジャーナリストのような書き方で「信頼感」を持たせることが重要な一方、読み手や聞き手を最後まで惹き込むような「ストーリーテリング」の手法に注目が集まっています。   製品・サービスのメリットや特徴の羅列ではない、ストーリーテリングの手法に沿って作成されたコンテンツによって、対象とする読み手・ユーザー(ターゲットオーディエンス)をコンテンツに惹き込み、ページ滞在時間を長くすることで、結果的に目的とする購買や問い合わせといったアクションへのコンバージョン(CVR)を高めたり、製品・サービスのブランドイメージ向上などの効果を期待できます。 映画や小説の手法から学ぶストーリーテリング~物語の作り方 ストーリーテリングという手法は新しい手法ではなく比較的古くから使われている「物語の作り方」です。具体的には下記のような古典的な物語のフォーマット・流れを指し、コンテンツマーケティングにおけるストーリーテリングとは「物語を語るようにコンテンツを作成する」という定義。   古典的な手法であるものの、近年のヒットしている数々の映画作品(例えばディズニー映画など)も下記のような流れでストーリーを展開する場合が多く、日本の昔話などでも用いられている手法です。 1. Once upon a time there was ___. (昔々あるところに~) 2. Every day, ___. (毎日~をしていました) 3. One day ___. (ある日のことです) 4. Because of that, ___. (だから、~するようになったのです) 5. Because of that, ___. (だから、~になったのです) 6. Until finally ___. (そして、ついに~) 主人公が何らかの課題や問題に直面、それを克服することで成長し、最終的にはハッピーエンドとなるのがストーリーテリングの特徴です。 童話・シンデレラにおけるストーリーテリングの事例 日本の昔話や童話を始め、映画や小説などの名作と呼ばれるような作品には、ストーリーテリングの手法を活用している事例が多数あります。例えば、童話・シンデレラでも、ストーリーテリングの手法にしたがって物語が展開していることが分かります。 1. 昔々あるところに、シンデレラという女の子がいました   2. 毎日意地悪な継母やその娘たちに、まるで召使いかのような扱いを受けていました   3. ある日のことです、妖精がシンデレラを助け、お城の舞踏会へ参加できることになりました   4. だから、王子様と出会えて、そこで恋に落ちたのです   5. だから、深夜12時の魔法が解ける前にシンデレラがお城を去った後も、王子様は必死に探し続けたのです   6. そして、ついに王子様はシンデレラを見つけ、2人は結婚することになったのです スティーブ・ジョブス氏のプレゼンテーションにおけるストーリーテリング 一方、ストーリーテリングの手法は童話や映画、小説に限らず、WEBサイトのコンテンツやブログ記事、ビジネスにおけるプレゼンテーションなどでも活用可能な手法。ビジネスにおけるプレゼンテーションにストーリーテリングを持ち込んだ代表的な事例が、アップル創業者の1人・ステーブ・ジョブス氏のスピーチです。   2005年6月、アメリカのスタンフォード大学卒業式で行われた「ハングリーであれ。愚か者であれ」と題するジョブス氏の有名なスピーチは、ストーリーテリングの手法に沿った内容でした。 1. 昔々あるところに、幼い頃に養子に出された私(ジョブス氏)がいました   2. 大学まで行かせてもらったものの、毎日人生で何をしたいのか分からず、大学に通う意味を見出だせずにいました   3....

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コンテンツの書き方~ジャーナリストに学ぶ、信頼される作成方法

ユーザーに支持されるコンテンツ、つまりターゲットとするオーディエンス・顧客を集め、最終目的である成果・売上の最大化に貢献するようなコンテンツは、どのような方法・書き方で作成すれば良いのでしょうか?   いまアメリカでは、トラディショナルな手法(新聞・雑誌などのジャーナリストや、映画・小説におけるストーリーテリングの手法など)からあらためて学びを得て、WEBコンテンツの作成やコンテンツマーケティングに活用しようという動きが活発化しています。   別記事「コンテンツマーケティングの最新トレンド」で紹介している通り、今後、WEBページやブログ記事、動画などの作成や書き方で求められるのは「TRUTH(信頼感)」や「TENSION(テンション・緊張感)」。   良いコンテンツとは ・読み手から信頼されるコンテンツ ・読み手のテンションを上げ、ドキドキ、ワクワクさせるようなコンテンツ と定義されそうです。では、どのような方法・書き方で文章を作成すれば、そのような内容になるのでしょうか? このページでは、世界最大級のコンテンツマーケティングカンファレンス「Content Marketing World 2018」で取り上げられた「コンテンツ作成方法・書き方」に関連するトピックスのほか、新聞や雑誌などのジャーナリストのテクニック・手法を紹介します。 ※コンテンツマーケティングや「Content Marketing World 2018」の概要は、「コンテンツマーケティングとは~定義や事例と2018年の最新トレンド」も併せてご覧ください。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 コンテンツ作成の準備や手順~WEBページやブログ投稿記事の場合 コンテンツ作成やマーケティング施策の企画などでも重要な「5W1H」の考え方、 Who:誰に What:何を When:いつ Where:どこで Why:なぜ How:どのように というフレームワークですが、中でもWEBページやブログへの投稿記事などのコンテンツ作成で欠かせないのが「Who」「What」「How」の3つ設計。この3つの構成に加えて、WEBページやブログ投稿記事を読み終えた後の「読後感」を文章を書く前の準備段階で設定することが、良い記事を作成し、コンテンツマーケティングを成功させる上で欠かせない準備であり、必要な手順。 またこの設計や手順は、BtoCのメディア・WEBサイトのコンテンツ作成の場合に限らず、BtoBビジネスの会社ホームページやブログ投稿記事の書き方を考える上でも共通の考え方。手順を1つずつ紹介していきます。 Who:ターゲットオーディエンス(ペルソナ)の設定が必要 WEBページやブログ記事に限らず動画や広告などのコンテンツ作成でもまず必要となるのが、誰にその情報を届けるのか、ターゲットオーディエンス・ペルソナの設定。 一般にペルソナとは、性別・年齢や住んでいる地域、学歴・収入などのデモグラフィック属性や、価値観・性格・趣味・志向などのサイコグラフィック属性などから設定するもので、詳細にコンテンツの読み手(≒顧客・ユーザー)をイメージするために作成するもの。   一方、もしBtoBビジネスのコンテンツ(読み手が一般の消費者というよりも同業他社やクライアント・顧客)の場合、読み手が勤務する業界や会社規模、売上規模や事業の展開エリアなどファーモグラフィック属性を基にしたペルソナ設定が必要です。 このペルソナ設定が曖昧なままでは、どんな書き方が良いのか判断がつかない上、作成したコンテンツの評価も難しくなります。逆に言えば、精緻に設計されたペルソナがあって初めて「ペルソナに役立つコンテンツを作成できているか」という点で評価が可能になるのです。 カスタマージャーニーマップの“どこ”かも良いコンテンツ作成のポイント [caption id="attachment_25133" align="alignright" width="300"] カスタマージャーニーマップの例[/caption] ペルソナ設定に加えてポイントとなるのが、カスタマージャーニーマップという考え方。カスタマージャーニーとは顧客やユーザーが契約・購入などの意思決定に至るまでの過程・プロセスを指す言葉で、「(ニーズや課題の)認知」や「検討」「選択・比較」「意思決定」などのステップ・フェーズがあります。   同じペルソナ(属性)の読み手でも、ある製品・サービスを検討し始めたばかりなのか、十分な比較検討を経て契約・購入直前なのかなど、カスタマージャーニーマップ上のどこのフェーズかで、読み手であるユーザーのニーズが変わるため、作成すべき記事・情報の内容や書き方が変わるのです。 例えば、訪日外国人向けに「東京の観光ガイド」ページや記事を作成する場合を考えると、コンテンツのターゲットユーザーを A.「東京に興味はあるものの、まだ旅行に行くかは決めていない」オーディエンス(カスタマージャーニーの「認知」フェーズ) とするのか、 B.「東京に旅行することは決まっていて、おすすめのホテルやレストラン情報を得たい」オーディエンス(カスタマージャーニー上の「選択・比較」や「意思決定」フェーズ) とするのかで、作成する観光ガイドのページの記事内容や書き方が違うと思いませんか? 実際のコンテンツ作成では「ペルソナとカスタマージャーニーのステップの組み合わせ」で、制作するページや記事内容のターゲットが誰なのか(Who)を設定する必要があります。 What:解消すべき課題の特定と提示する解決方法(コンテンツの内容・テーマ) 一般的にコンテンツ作成は、設定したターゲット(ペルソナ)が抱えるニーズや欲求、課題の解消が目的。もし作成した記事の情報・内容で、ターゲットのニーズや欲求、課題を解消できなければ、制作したWEBページやブログ記事の価値は低いことになります。 つまりコンテンツの書き方以前に、まず正しくユーザーのニーズや欲求、解決すべき課題を特定することが必要です。ペルソナで設定した読み手は「何を知りたいのか?」「どんな課題があるのか?」「それを本当に解決したいのか?」を丁寧に、時間をかけて自問自答することが良質なコンテンツ・記事作成の第一歩です。 他サイトには無い自分なりの解決方法を考えることが必要 さらに読み手であるユーザーが求めるのは、他の会社のホームページやWEBサイトにあるのと似たような解決方法ではないはず。何をテーマとして、どんな内容・書き方で伝えれば、読み手は「この課題解決方法は良い!」と感じるのかを、コンテンツや記事の作成前に整理しておくことも必要です。 一例が「2秒でシャツを畳む方法」。ターゲットの課題を一気に解決するアイデアを斬新な手法で提示できれば、多数のオーディエンスを集めることに成功できる事例です(動画再生回数は1,800万回以上!)。ここまで斬新な解決方法でなくても、何か自分なりの方法・オリジナリティ考え、記事内容に盛り込むことが効果を生むのです。 SEOを意識、コンテンツのキーワード選定も検索エンジン対策に重要 作成したコンテンツをターゲットカスタマーに届け、アクセスを集めるには、当然Googleなどの検索エンジンでの上位表示(SEO対策)も重要な要素。例えば、コンテンツのテーマとなるキーワードを1つ選定、もしそれが非常に検索回数の多いビッグワードの場合、他社の制作ページも多く、キーワード検索結果での上位表示を目指す検索エンジン対策(SEO)の難易度は上がります。   選定したキーワードを類義語や少し言い換えを行い、検索回数が比較的少ないロングテールのキーワードをテーマに選定すれば、競合企業も少なく、検索エンジン対策(SEO)の難易度も比較的低いため、早期にコンテンツ作成の効果を実感できそうです。 作成したページ・記事内容を掲載するWEBサイトやメディアの規模などにもよりますが、まずはロングテールのキーワードを選定、検索エンジン対策(SEO)も意識したコンテンツの作成・書き方がおすすめです。 How:ユーザーにどう伝えるか、伝え方・書き方の設計 冒頭で触れた通り、今後のコンテンツマーケティングで重視されるのは「TRUTH(信頼感)」や「TENSION(テンション・緊張感)」。作成した記事の内容が読み手であるユーザーに信頼されたり、あるいはユーザーをドキドキ・ワクワクさせてテンションが高まる文章を作成するには、どう伝えるか、伝え方・書き方の設計にも工夫が必要です。   いまアメリカでは、このコンテンツに信頼感を持たせる書き方として新聞や雑誌のジャーナリストの記事や文章の書き方から学ぼうとする動きであったり、読み手をコンテンツに惹き込むための「ストーリーテリング」という手法が注目されています。 マーケティングに重要な、制作するコンテンツの「読後感」の設定 最後に、読み手となるターゲットオーディエンスに、記事内容を読んだ後にどうなって欲しいのか、読後感を制作前に設定することも重要なコンテンツ手順の1つであり、マーケティングで重要な要素です。 ・このWEBページや記事を読み終えた後、読み手は何を手に入れている状態か? ・この文章を読み終えた後、読み手はどう感じている状態か? ・このコンテンツを読んだ後の読み手の毎日・日々の生活はどう変化するか? 良いコンテンツとは、事前に設定した読後感(=マーケティング上の目的)まで読み手の多くを到達させるコンテンツ。あるいは読み手自身が目的とするゴール(課題が解決されたり、知的好奇心が満たされた状態)まで辿り着けるWEBページやブログ記事こそ、良いコンテンツと言えそうです。 読み手に信頼されるコンテンツの書き方~ジャーナリストの基本に学ぶ WEB上の情報量が増え続ける一方、昨今では社会問題にもなりつつあるフェークニュースなど信頼できない・偽物の情報が増えてきているのも残念ながら事実です。このような環境で、多くのインターネットユーザーは信頼できる記事や情報を探し始めていたり、また社会的にもWEBメディアに従来のメディア(新聞・雑誌・テレビなど)と同程度の信頼性を求める風潮が生まれ始めています。   今後のWEBコンテンツの作成やコンテンツマーケティングでは、これまで以上に読み手に信頼される情報提供や書き方が必要となります。 では、これまで新聞や雑誌などは信頼される情報機関として、記事の作成・書き方の点でどんな工夫をしてきたのでしょうか?以下のような点が、ジャーナリストの基本的なテクニックから学ぶことのできるWEBページやブログ記事の書き方・手法と言えそうです。 具体的な数字・数値を内容に盛り込みコンテンツを作成するのがコツ 読み手の信頼を獲得するための書き方・コツの1つに、できるだけ数字・数値をコンテンツに盛り込む方法があります。例えば、 ・いつ(何年に?何年間で?) ・どれくらい(何件?何人?何社?いくら?) といった内容を制作するページ・記事の要素に盛り込むことがおすすめの書き方の1つ。   「形容詞は、可能な限り数字に置き換える」という書き方は、文章に具体的な数字・数値を意識的に盛り込むためのコツです。 ×(悪い書き方の例):長年この事業に取り組んでいます ○(良い書き方の例):当社は30年間、この事業に取り組んでいます ×(悪い書き方の例):非常に好評の商品・サービスです ○(良い書き方の例):延べ3,000人以上のお客様に利用いただきました ×(悪い書き方の例):売上が凄い勢いで伸びています ○(良い書き方の例):売上が対前年比150%のペースで伸びています 同じ数値だが、他のホームページには無い視点で作成している事例 この数字・数値も、他社ホームページの既存コンテンツと同じものを扱っていたのでは、オーディエンスにとって価値の高い情報とは言いづらいもの。同じ数値でも違った視点でコンテンツを作成すると、説得力が増し、独自性のある内容になる事例を、コンテンツマーケティングカンファレンス「Content Marketing World 2018」で取り上げられたものから紹介します。 蚊が媒介する感染症「マラリア」ですが、2013年の統計によると世界で60万人以上が死亡しているとのこと(出典:厚生労働省検疫所)。このためワクチン接種を促す記事内容は多数あるのですが、これを他コンテンツと違う視点で伝えているのが、事例として取り上げたインフォグラフィックス。 着目する事実やテーマ、数値は同じですが、切り口をマラリアという病気ではなく「世界で最も危険な動物」という書き方で伝えています。これによって最も恐ろしい動物は、「毒蛇や毒蜘蛛ではなく(人間と)蚊」であることを伝え、マラリアのワクチン接種を促しているのです。 同じマラリアの危険度やワクチン接種を促すコンテンツを、同じように数字で語る場合でも、書き方や切り口、表現方法を変えることでコンテンツにオリジナリティを持たせることが可能です。 信頼できる情報ソースを基に書く~徹底的なファクトチェックが必要 新聞・雑誌のジャーナリストが大事にしているのは「ネタ元」、つまり情報のソース。仮に信頼できない情報を基に作成した記事が出回り、後から情報に誤りが発覚した場合、作成したコンテンツは価値を失うばかりか、掲載した会社・メディアも信頼を失う可能性があります。つまり、徹底したファクトチェックがWEBページやブログ記事、会社ホームページの作成でも必要なのです。   誤った事実を含むページや記事を作成することが無いよう、必要な情報は例えば大学などの教育機関が発表している文献や調査結果、第三者機関の調査データから情報収集して記事を書くべき、というのがジャーナリストの基本な考え方であり、書き方。また、コンテンツ内でその情報のソース・出所を明示すれば読み手の信頼感も高まり、良質なコンテンツになりそうです。 自分で収集した一次情報でなくても、信頼できる機関(大学や業界団体など)が集めた二次情報を基にしたコンテンツであれば、読み手の信頼も得られそうです。一方、自分と同様に二次情報を基に作成されたサイトや記事を情報ソースにしたコンテンツ作成は誤情報の恐れもあるため危険です。 ジャーナリストに必要なのは「自分は無知であるという自覚」と言う人も。謙虚に、時間をかけて丁寧に事実情報を調べながら文章を書き、コンテンツを作成するという方法・書き方が必要です。 独自アンケートは競合会社のサイトコンテンツには無い情報・武器 競合会社のホームページなどで、すでにサイト上のコンテンツとして発信されている内容や見解と同じ情報では、独自性が無く、作成するページや記事の価値も低くなります。できれば独自に実施したアンケートの結果を盛り込むなど、一次情報の要素を含められればコンテンツの独自性が増し、作成するページ・記事の価値が上がります。   一方、そのような独自アンケート調査が難しくても、実際に自分で製品やサービスを利用・体験して、その結果、自分が感じた情報を盛り込むという書き方でも、コンテンツにオリジナリティを持たせることが可能です。 エキスパートやインフルエンサーによる口コミの引用・紹介は効果的 書き手の1人称で書くだけよりも、第三者の声を引用し、文章を追加することはコンテンツの信頼性獲得に効果的な書き方。   例えば、いかに人気の製品・サービスであるかを、売上推移や利用者数推移などの数値やグラフで表現することも重要ですが、それだけでは「なぜその製品・サービスが人気なのか?」、その理由や原因は伝わりにくいもの。グラフや数値だけでなく、実際に利用した人がコンテンツの話者となることで真実味や信頼感が増すのです。 もちろん一般のユーザー・消費者の声も重要ですが、コンテンツの信頼性獲得という点ではその分野のエキスパート・インフルエンサーの声や意見をコンテンツに盛り込むことが効果的です。 誰にでも分かりやすい文章・書き方で作成する [caption id="attachment_26021" align="alignright" width="300"] アメリカの成人の読解力についての調査結果(出所: Contently)[/caption] コンテンツを書く上で「自分は中学生・高校生レベルの文章しか書けないのにどうしよう…」と不安を感じる方もいるかも知れません。が、アメリカの作家・ヘミングウェイの代表作「老人と海」は小学校4年生程度の読解力があれば読める文章・語彙とされています。つまり良質なコンテンツやストーリーを作成するのに、高等な文章力は必要ないのです。   むしろ、それ以上に簡単な書き方でなければ、広くターゲットオーディエンスに理解される文章にはならない可能性もあります。例えばアメリカにおける成人の読解力レベルは、平均すると中学生レベル。つまり高校レベルの文章の書き方では、そのコンテンツの意味が正しく理解されない可能性もあるのです。「中学生でも理解できるレベルの分かりやすい文章」がコンテンツの書き方に求められると言えます。   以上、WEBページやブログ記事のコンテンツ作成・書き方で重要なポイントを、ジャーナリストから学ぶことのできる考え方や書き方なども含め、世界最大級のコンテンツマーケティングカンファレンス「Content Marketing World 2018」で取り上げられたテーマを中心に紹介しました。 コンテンツマーケティングや「Content Marketing World 2018」の概要については、「コンテンツマーケティングとは~定義や事例と2018年の最新トレンド」も併せてご覧ください。     EXIDEAではグロースハックを実現する仲間を募集しています。 ご興味のある方はぜひ弊社の求人情報もご確認ください! グロースハッカー求人情報...

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コンテンツマーケティングでのAI活用事例や効果改善ツール紹介

すでに私たちの身の回りにある多くのデバイスやアプリケーションに搭載されているAI。これまで解決が難しかったマーケティング上の課題を解決したり、実施中のマーケティング施策を効率化するなど、コンテンツマーケティングにおけるAIの活用は今後検討が欠かせないテーマの1つです。   一方、まだコンテンツマーケティングでAIを本格的・実用的に活用している事例は限定的で、現在は黎明期。逆に言えば、早期にAIを活用して自社サイトのコンテンツマーケティング施策を効果改善できれば、それがそのまま競合優位性に繋がるチャンスがあるとも言えます。   このページではAIの基本的な考え方を解説、コンテンツマーケティングへの利用・効果改善事例や、AI・機械学習機能を搭載したコンテンツマーケティングツールなどを紹介します。 このページは、世界最大級のコンテンツマーケティングカンファレンス「Content Marketing World 2018」に参加した中で、AIやコンテンツマーケティングツールに関連するトピックスを抜粋して紹介するページです。「Content Marketing World 2018」の概要は、「コンテンツマーケティングの定義と考え方~2018年の最新トレンド~」もご覧ください。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 そもそもAI(Artificial Intelligence:人工知能)の活用とは? すでに私たちの身の回りには多数のAI(Artificial Intelligence:人工知能)技術を活用したサービスやデバイスが生まれていますが、コンテンツマーケティングを初め、マーケティング業務や施策の中で活用されているシーンはまだ限定的。ですが、AIの強みを理解して上手く利用できれば、今までよりも遥かに短時間で、効果的なマーケティング業務の実施が可能となったり、これまで技術的、あるいはコスト面の制約で実施できなかった施策が実現可能になるかも知れません。   AIを私たちのコンテンツマーケティング活動に活用するため、まずはAIの定義や強みを理解していきましょう。 AI(Artificial Intelligence:人工知能)の定義 アメリカで開催されるマーケティングイベントのAI関連セッションに出席しても、必ずセッションの初めに「What Is AI (Artificial Intelligence)?」というような定義の説明が盛り込まれます。それだけアメリカ(もしくは世界)でも、まだAIの定義が明確に浸透している訳ではないようです。   話者によって多少異なるものの共通する定義は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)とは、「コンピューターシステムに、人間と同様の知覚や知性(視覚認識や音声認識、言語理解、意思決定など)を獲得させるための技術」であるという考え方。   また人間が成長して高度な思考力を獲得するのと同様、AIにもいくつかの成長段階があり、比較的単純なルールに基づく演算処理を行うアルゴリズムから、事前に与えられたサンプルやルールに従って処理を行う機械学習(Machine Learning:マシンラーニング)、さらに高度な情報処理や判断が可能に可能になる深層学習(Deep Learning:ディープラーニング)などがAIの対象に含まれます。 私たちの身の回りですでにAIが利用・導入されている事例 すでにAIは広く私たちの生活に浸透し始めています。私たちの身の回りにあるデバイスやアプリケーションの中には、すでにAIを利用して実現されているものも少なくありません。以下にその導入事例をいくつか紹介します。 分野具体的なサービスAIの利用・導入事例 マップ・経路検索Googleマップ、Uber、Lyftなど渋滞情報や事故情報なども含め、目的地に最短時間で到着できるルートや到着時刻の予測・計算/Uber・Lyftではドライバーの到着時刻の計算のほか、需要状況に合わせた料金の変動にもAIが活用されている 自動運転テスラ・トヨタ・Uberなどまだ実験段階だが、2020年以上は大量生産に入るとの予測も/AIによる自動運転は、人間が運転するよりも事故の可能性が90%低いなどの効果に期待 EメールGmailなどスパムメール・迷惑メールのフィルタリングや、自動のカテゴリ分け・重要度の設定など、EメールにおけるAI活用はすでに何年も前から取り組まれている 教育・ドキュメント作成Grammarlyなど大学での宿題・レポートや、原稿などのドキュメントの盗作チェックにもAIの自然言語処理技術を利用 ソーシャルメディアFacebookなど例えば、写真の中の人の顔を認識して自動でタグ付けされる機能にAIの画像認識技術が利用されていたり、個人の嗜好によってニュースフィードの内容を変えるなどの機能でAIを利用 スマートパーソナルアシスタントGoogleアシスタント、Amazon Alexaなどスマートフォンやスマートスピーカーに搭載されているパーソナルアシスタント機能はAIの音声認識技術によって実現 AIの強み~コンテンツマーケティングへの活用方法や期待できる効果 現段階で言えば、感情表現や高度な判断、他人と関係性を持つことなどはAIにできないことですが、すでに人間以上の能力で実行可能なことがAIにはあります。コンテンツマーケティングツールにも応用可能なAIの強みやコンテンツマーケティングにおける活用方法、期待できる効果とは、具体的には下記のような点です。 機械学習によりユーザーの高度なアトリビューション分析が可能に 様々なマーケティングチャネルや認知経路、WEBサイトへの流入経路の中から、最も最終成果(売上)に貢献したマーケティング施策や、コンテンツ、経路を明らかにするための分析。これまでも最終的なコンバージョン直前のページや経路の分析は比較的簡単に実施できましたが、あるユーザー・顧客がその製品・サービスを一番最初に知ったのはいつ・どのコンテンツがきっかけだったか(最初にユーザーがWEBサイトを訪れたのはいつ、どのページだったか、等)を分析するには大量のデータ処理が必要でした。   これがAIの機械学習によって可能になり、高度なアトリビューション分析事例が生まれつつあります。またアトリビューション分析に限らず、複数のマーケティングデータソースを統合、大量のデータ分析を比較的短時間で実行できる点はAIの強みの1つです テキスト分析によりどんなコンテンツを制作すれば良いかが分かる 検索エンジン対策(SEO)対策で重要なGoogleの検索アルゴリズム。非常に高レベルのAI(深層学習システム)で、そのアルゴリズムは非常に複雑でGoogleも詳細を把握できないレベルと言われています。一方、あるキーワードの検索結果で上位10位に入るページ、上位20位に入るコンテンツは実際に検索すれば簡単に把握可能。つまり、これらの検索結果データを分析、AIを使って“Googleの検索アルゴリズムをリバース・エンジニアリングすること”が理論的には可能です。   例えば、上位10位や20位に入るコンテンツではどんなテキスト(単語・表現)が使用されているか、HTMLのマークアップで共通した特徴が無いかなどをAIを利用して分析、どんなコンテンツを制作すればGoogleの検索で上位に表示されるか、その可能性を計算・測定する方法が可能です。こうしたAIの活用は、コンテンツマーケティングの中でも特にSEOの効果改善に繋がるツールを生み出しそうです。 さらに発展すると、AIが「何を書けば良いかを教えてくれる」だけでなく、AI自身が「コンテンツを制作してくれる」ことも可能になると予想されます。実際、2018年中には20%のビジネス関連コンテンツがAIによって制作されるだろうという予測もあります。(出典:Gartner Predicts Our Digital Future) マーケティング施策・キャンペーン実施に最適な時期の未来予測 ・どの時期に、どんな(検索)ニーズが生まれるか? ・いつメールを送信すると、最も開封されるか(よく読まれるか)? ・実施するなら、いつキャンペーンを実施するのが最も効果的か? 過去の様々なコンテンツマーケティングのデータを分析、次のマーケティング施策やキャンペーンを最も効果的に実施し、成果を最大化するために最適な時期を予測できる点もAIを利用したツールの強みの1つ。 このAIによる未来予測をもとに、効果的なタイミングで最適な内容のコンテンツマーケティング施策やキャンペーンを実行、マーケティング効果やそれに伴う売上を最大化することが可能になります。 AI技術を活用したコンテンツマーケティングツールの紹介・事例 ここまでに説明したようなAIの強みを活かし、すでにAI技術を搭載したコンテンツマーケティングツールが多数提供されています。世界最大級のコンテンツマーケティングイベント「Content Marketing World 2018」でブース出展していたツールの中からいくつか代表的なものを紹介します。 WEBコンテンツを比較・評価するマーケティングツール「Concured」 作成したWEBコンテンツの評価や競合サイトのWEBコンテンツとの比較・評価、トレンドの検索キーワードと自社コンテンツのギャップなどが分かる、イギリス発のAIの自然言語処理技術を活用したコンテンツマーケティングツール「Concured」。   例えば、 ・競合サイトのコンテンツと自社サイトのコンテンツの“ギャップ”(競合と比較して自社はどんな内容のコンテンツが不足しているか)を明らかにする ・自社と競合における同一テーマのページコンテンツをもとに、それぞれのソーシャルメディア上でのエンゲージメント(シェアやリツイート件数など)をスコア化して比較する ・特定のキーワードをテーマにしたWEBコンテンツを、競合サイトは何ページ制作しているかを比較する といった機能があり、コンテンツマーケティングの戦略レベルで競合と自社を比較したり、自社のコンテンツマーケティング戦略で不足している部分を明らかにすることなどが可能なツールです。 競合企業のコンテンツマーケティング戦略をAIがモニタリング「Crayon」 競合サイトのコンテンツマーケティング施策の動きをモニタリングし、それを可視化したり定量化して評価可能になるコンテンツマーケティングツール「Crayon」。   具体的には、競合サイトのページを定期的にクローリング、TOPページや採用ページ、プレスリリースなどのコンテンツに変更があれば、その変化を通知してくれるツールで、製品・サービスの価格変更などのコンテンツ変化もモニタリング可能。またWEBサイトだけでなく、競合のソーシャルアカウントや一般の口コミ・掲示板サイトの内容も定期的にAIが監視、競合のソーシャルメディアマーケティング戦略の変化や、一般カスタマーによる競合製品・サービスの定性評価・評判情報を収集することも可能です。各コンテンツの変化を察知したり、言語解析の部分でAI技術が活用されています。 コンテンツ作成・管理からパソナライゼーション・レコメンドまで「Skyword」 Skywordはコンテンツマーケティングの戦略立案に役立つだけでなく、AIを活用したサイト上でのパーソナライゼーション・レコメンド機能(エンジン)も搭載した強力なコンテンツマーケティングツール。 コンテンツマーケティングでは品質の高いコンテンツを創り出すだけでは不十分で、そのコンテンツを必要とするオーディエンス・顧客に確実に届いて初めてその効果を発揮するもの。WEBコンテンツやEメールでパーソナライゼーション機能やレコメンド機能を活用すれば、AIにより個々のユーザーに最適と思われるコンテンツが表示され、クリック率や開封率の改善、最終的には自社の製品・サービスそのものへのエンゲージメントが圧倒的に高まる可能性もあります。 またどちらかと言えばSkywordは複数の部署や比較的大人数がコンテンツマーケティングに携わる大企業向けのツールで、関連するメンバーに正しくコンテンツマーケティング戦略が浸透するよう、ダッシュボード上で自社のターゲット顧客像(ペルソナ)を共有できたり、コンテンツの作成・発行スケジュールを管理できるほか、コンテンツ制作の進行管理機能など、多機能であることも特徴です。 ナレッジデータベースサービスを提供「Yext(イエクスト)」 飲食店や小売店店舗の住所情報や、営業時間、メニューなどを統合・管理する「ナレッジデータベース」サービスを提供するYext。Yext自体がAIを活用していると言うよりも、GoogleやAmazon、FacebookなどのAIサービスに欠かせないコンテンツを提供しているサービスです。   Googleなどの検索エンジンでで会社名や店舗名を検索すると「ナレッジグラフ」と呼ばれる特別な情報エリアが表示される場合がありますが、これらの情報ソースの1つがYextの情報です。 例えば、Googleの検索結果やAmazon Alexaなどのサービスで活用されるAIは、ユーザーの要求に対してすぐに正確なデータを回答する必要がある一方、WEB上のコンテンツはテキストや動画、音声などさまざまなデータ形式に分かれていたり、同じ店舗情報でも参照するサイトで内容が異なる場合もあり、AIにとってどれが“真実”かを判断するのは容易ではありません。   この課題を解消するアイデアがYextのナレッジデータベース。YextはGooleやBingなどの検索エンジンや、Facebook・Instagramなどのソーシャルメディアとデータ連携しており、Yextの顧客は自社の情報をYext上で変更するだけで瞬時に各検索エンジン・ソーシャルメディアに正しい情報を送信できます。特に店舗数が多い外食チェーン企業などでの活用・導入事例の多いサービスです。 人工知能によるリスティング広告の成果改善・最適化ツール「Kenshoo」 コンテンツマーケティングワールドで紹介されたツールではありませんが、当社EXIDEAが利用する広告運用プラットフォーム「Kenshoo」もまた人工知能(AI)を用いた広告配信の最適化ツールの1つ。中でも検索連動型広告(リスティング広告)の自動入札・キャンペーン管理ツールである「Kenshoo Serch」は、大量の履歴データの中から人工知能が適正な入札単価に自動調整するツールで、検索エンジンマーケティングの成果改善に効果的なツールです。事前に設定する目標、利益最大化や売上最大化などのKPI指標に合わせ、広告掲載期間中に何度も入札単価を調整、自動的に費用対効果が改善・最大化されます。 自社サイトのSEO・コンテンツマーケティングの改善点が分かる「Emma Tools ™」 また当社EXIDEAが提供するSEO・コンテンツマーケティングルール「Emma Tools ™」でもAIを活用しています。「Emma Tools ™」はSEOで重要な対策キーワードの検索結果順位の動向把握や、SEO対策観点での各コンテンツのスコア化、およびそれらのデータを基にAIがWEBサイト改善のために必要なアクションを提示する“AIコンサルティング機能”を搭載したツール。   自社サイトのコンテンツでどこをどのように改善するべきか、また自社サイト全体のコンテンツ作成状況から不足しているコンテンツ(新規制作すべきコンテンツ)はどのような内容か、などをツールを通じて把握することができ、SEO対策やコンテンツマーケティングの効果改善に欠かせない機能を提供しています。(Emma Tools ™の詳細はこちら) もう1つの側面~マイクロコンテンツの重要性の高まり 上記で紹介したYextの事例とも関連しますが、AI化によるコンテンツマーケティングへのもう1つの影響がマイクロコンテンツの重要性が高まっている点です。日々インターネット上で生み出される情報の量は増える一方で、さらに画像、音声、動画など情報フォーマットも多様化、AIが処理すべき量や処理の複雑さは増すばかり。その中から正しい情報・真実をAIに選択させるのは至難の業です。   そこで重要になるのが、Yextが管理する「ナレッジデータ」のようなマイクロコンテンツと呼ばれる“正確な情報・事実”とされるコンテンツです。 変化するマイクロコンテンツの定義とコンテンツマーケティング そもそもマイクロコンテンツとは、どのようなコンテンツでしょうか?   もともとマイクロコンテンツという言葉が使われ始めたのは、1998年のこと。ユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン氏が、ページのタイトルやメールの件名など「見た瞬間に内容が分かるもの」を意味したものでした。これが2002年頃から、ブログやTwitterのメッセージなど「文字量の少ないコンテンツ」という意味合いでも使われ始めました。   現在ではさらに第三の意味として、「AIなどのマシン・ロボットが理解しやすい形で真実・事実を伝えるためのコンテンツ」という意味合いで使われ始めています。このマイクロコンテンツの考え方や動きを理解していなければ、いくら良いコンテンツを制作してもGoogleの検索ロボットに発見されなかったり、また正しい情報と認識されない可能性もあるのです。 今後のコンテンツマーケティングでは、このマイクロコンテンツのように「AI・検索エンジンからはどう見えているか」を意識しながらのサイト運営が必要です。 AI向けの商品情報管理・デジタルナレッジマネジメントが必要 例えば、あるメーカーの生産する製品が各国で翻訳され、複数のWEBサイトで商品情報が提供されているとします。誤訳や単純なミスがあると、同じ製品にもかかわらずAIなどのマシン・ロボットはどれが正しい製品情報か判断できなくなる恐れも。これを避けるため、Product information management(プロダクト・インフォメーション・マネジメント:商品情報管理)という考え方が必要とされてきています。製品情報をできるだけ一元管理しようというものです。   Yextによるデジタルナレッジマネジメント(Degital Knowledge Management:DKM)も同様で、飲食店や小売店店舗の情報が様々メディアや検索エンジンに散在する中、1箇所のデータを変えればすべてに変更が反映されるという考え方。このようなサービス・データベースがあればAIもどれが事実かを判断しやすくなり、店舗運営側も正しい情報をユーザーに届けることが可能です。   一方、従来の手法で店舗の営業時間や住所などの情報を独立したデータベースで管理していると情報の更新性が相対的に低く見えるため、ユーザー・検索エンジンからの評価が下がる恐れもあります。 更新される可能性のある情報コンテンツを提供する場合、ソースをどこから引用するのが良いのか、APIなどのシステム連携で絶えず最新の状態に保つ方法は無いかといった点まで、今後は考慮が必要となりそうです。 検索エンジン向けの構造化データマークアップもマイクロコンテンツの1つ またGoogleなどの検索エンジンが推奨するWEBコンテンツの構造化データマークアップもまた、AIが情報を正しく理解するのに必要なマイクロコンテンツの1つと考えられます。構造化データマークアップとは、WEBページの要素をルール(Schema.org)に従って記述、Googleなどの検索エンジン・クローラーロボットにコンテンツ内容を適切に伝えるための手法ですが、AIが理解・処理しやすい情報提供の形として今後ますます重要となりそうです。   どれだけ良いコンテンツを作成しても構造化データの配慮がなければ、AIにとって理解・処理しづらいコンテンツとなり、検索順位が上がらず、結果的にユーザーの目に触れづらいコンテンツとなる可能性もあります。     以上、AIの概要やAIがコンテンツマーケティングに及ぼす影響・ツールの活用事例など、世界最大級のコンテンツマーケティングカンファレンス「Content...

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コンテンツマーケティング・ワールド・2018

コンテンツマーケティングとは~定義や事例と2018年の最新トレンド

ブログやオウンドメディアなどのコンテンツを活用して、ニーズの顕在化した顧客やユーザーだけでなく見込み客をも対象に購買アクションを引き起し、顧客のファン化までを実現するというマーケティング活動を指すコンテンツマーケティング。残念ながら、その定義や考え方にはまだ曖昧な部分があったり、SEO・検索エンジン対策やインバウンドマーケティングなど他の施策との違いが分かりにくい面も。 一方、2018年9月にアメリカ・オハイオ州クリーブランドで開催されたコンテンツマーケティング関連の世界最大級イベント「Content Marketing World 2018」(コンテンツマーケティングワールド)には世界60ヶ国から延べ3,500人以上が参加、海外ではコンテンツマーケティングへの関心が非常に高いと感じます。 そこでこのページでは、今回参加した「Content Marketing World 2018」の内容をともに、あらためてコンテンツマーケティングとはなにか?という考え方や定義、コンテンツマーケティングの具体的な施策内容や成功・実践事例、最新トレンドを紹介します。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 そもそもコンテンツマーケティングとはなにか?~考え方や定義 まずはじめにコンテンツマーケティングとはなにか?という考え方や定義を紹介します。定義が曖昧な面もあるようで、人によって「コンテンツマーケティングとはSEOのこと」だったり、「コンテンツマーケティングとはSNSでバズらせること」との考え方も。 さまざまな考え方や定義があるものの、このページでは今回参加したイベントを主催する団体でもある「コンテンツマーケティング・インスティチュート(Content Marketing Institute)」による以下の定義を前提に解説します。 Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly-defined audience - and, ultimately, to drive profitable customer...

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ABテストツールによるグロースハック事例~OptimizelyとVWO~

主にオンラインでサービス提供するビジネスの成長や、運営するWEBサイトのグロースハックにおいて、いまやABテストは欠かすことのできない方法・手法の1つ。またビジネスの主体がオフラインでも、ネット経由で見込み顧客を獲得したいBtoB企業や、リアルのイベントやセミナーへの集客マーケティングをWEBサイトで行う場合等でも、圧倒的成果・グロースハックを生み出すためにはABテストの実施が効果的な方法の1つと考えられます。   このページではABテストに詳しい方にも、そうでない方にも役立つよう、ABテストとは?という概要から成功のポイント、代表的なABテストツール・OptimizelyやVWO(Visual Website Optimizer)の紹介、またABテストツールを活用したグロースハックの成功事例を具体例を交えて紹介します。 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 そもそもABテストとは(実施の目的や代表的なツールなど) 最近では活用が常識となりつつある「ABテスト」や、効率的・効果的な実施に必要な「ABテストツール」。オンラインサービスのグロースハックに欠かせない1つの方法・手段として、WEBサイト運営者であれば必ず知っておきたいもの。まずこのページの前半ではABテストについてあまり詳しくない方を対象に、ABテストの概要や実施の目的、代表的なツールを簡潔に紹介します。 なぜABテストという方法がグロースハックに必要なのか ABテストとはWEBサイトのデザイン改善により、売上などの最終成果を最大化する(=グロースハック)ための方法の1つ。2つ以上の画面デザイン、あるいは画面の一部(バナー画像やボタンなど)のデザインを複数パターン用意し、パターンA・Bなどをランダムに表示させ、どのデザインが(パターンAとBのどちらが)最も優秀かを運用中のサービス上で比較・検証するための方法です。 仮に複数のページデザイン案があった場合、主観で優劣を比較することなく、どのデザインパターンがWEBサイト、もしくは該当ページの目的(クリック率やコンバージョン数の最大化、最終的な売上の最大化など)を達成するのに最も効果的か、実験的、かつ定量的に評価できるのがABテストです。 またABテストを通じて改善するデザインとは、単にWEBページの色合いやレイアウトなど見た目を表す狭義のデザインではなく、画面上の文章・テキスト内容や商品・サービスの名称・価格変更なども含む、より広義の意味でのサービス全体のデザインを指しています。オンラインサービスのグロースハック実現に必要な、あらゆる視点での変更実験や効果検証が可能な点がABテスト活用のメリットです。 「製品」と「オンラインサービス」~デザイン制作観点での比較 工場で生産・製造されるような「製品」のデザイン制作とは異なり、WEBサイトのデザインは常に変更可能で、また現在のデザインが100%完璧という確証もありません。従来の工業的な思考から離れ、「プロダクトデザインはいつでも変更できるもの」「完璧なデザインを追求し、常に改善を継続すべきもの」という前提に立った時に生まれたのが、ABテストというグロースハック手法です。 グロースハックの基本的な考え方・ミッションである、常に仮説を持ち、小さな実験で数値で評価可能な検証を積み重ね、大きな事業成長を実現するということを、体現しているものの1つがABテストです。 もちろん工場で生産・製造されるような製品でも、製造・販売開始前にプロダクトデザインのテストが行われる場合もありますが、オンラインサービスのデザイン政策やWEBサイトのABテストとは下記の観点で根本的に異なると考えます。 「製品」のデザインやそのテスト「オンラインサービス」のデザインやそのテスト プロトタイプ・試作品によるテストのみ稼働中の本番サービスでのテストが可能 サンプリングされた一部のテストユーザーによるテスト実際のサービスを利用中のユーザーによるテスト、かつテスト範囲や規模の大小を調整可能 制作したデザインの優劣の数値的な検証が難しい(最終的なデザイン決定に製品開発者の主観が入りやすい)制作したデザインの優劣を数値的に検証可能(サービス運営者の主観を極力排除できる) 一度テストを経て決めたデザインは基本的に変更不可(工場の生産・製造ライン等があるため)ABテストを繰り返し実行し、継続的にデザインを改善可能 「製品」デザインとは異なり、「オンラインサービス」デザインは絶えず改善の仮説を立て、それを検証するための実験・ABテストが可能で、またどの程度改善されたかの効果を数値データで測定・評価可能なことからグロースハックの対象となり得るのです。 WEBコンテンツ以外にもメールマーケティングやバナー広告でも有効 ABテストはWEBコンテンツの改善やグロースハックのみならず、メールマーケティングやバナー広告、リスティング広告などの改善・グロースハックにも有効な手法です。 メールマーケティングでのABテストツール活用方法 例えばメールマーケティングによる効果を最大化には、開封率やメール本文からのリンククリック率の最大化が必要ですが、この効果改善にもABテストによる方法が役立ちます。例えば、メールの件名に複数のパターン候補があれば、まずは配信対象の10%ずつにAパターンの件名・Bパターンの件名でメールを配信、開封率が良い方のパターンの件名で残りの全対象(80%)に配信するなどのABテストが一般的。比較的簡単にグロースハックを実現できる可能性がある方法です。 またこれ以外にも、メール本文そのものをAパターン・Bパターンの2つに分けて配信、効果を検証したり、配信対象を2つのグループに分け、それぞれ異なる日時に配信することで配信日時による開封率への影響などをABテストツールで検証することも可能で、それぞれメールマーケティングのグロースハックに欠かせない手法です。 バナー広告・リスティング広告などでの活用事例 Google Adwordsなど、リスティング広告やバナー・ディスプレイ広告の配信システムでは、すでにクリエイティブのABテストを実施できるような機能が用意されています。複数の広告文面やバナー素材を入稿、どのパターンが最もクリックされるか・費用対効果が良いかなどのデータ分析も可能です。運用者の想定とは異なるパターンが最も成果を生むような活用事例もあり、固定観念に囚われず、さまざまなパターンでのABテストが効果的です。 ABテストを成功させる3つのポイント・ツール導入をおすすめする理由 とは言え、ABテストさえ実施すれば、あるいはABテストツールさえ導入すれば、どんなオンラインサービスでもグロースハックを必ず実現できる訳ではありません。ABテストを成功させ、目に見える成果を生み出す形で実施・運用するには下記のような3つのポイントやコツがありそうです。 1. 筋の良い仮説を構築する 「ここを変更したら効果が改善するのでは?」と漫然と主観的に仮説を構築するのではなく、「どうしたらユーザーの行動が改善するか?」、ユーザー心理や現状のログデータを客観的かつ徹底的に検証・分析し、その結果として導き出される筋の良い仮説をベースに、現状(パターンA)に対する変更案(パターンB)を考えるという手順でABテストのシナリオを設計することが、より効果的な改善・グロースハック実現に必要と考えられます。 2. 売上への寄与の高い仮説を優先してテストを設計・パターン作成 また仮説は1つ構築すれば良いというものではなく、優れたグロースハッカーであれば常にいくつもの仮説を持ち、ABテストで検証すべき改善案・アイデアを複数持ち続けているもの。中でも、特に売上や事業成長へ直接寄与する可能性が高い仮説から優先してABテストのシナリオを設計、複数パターンを作成して検証することで、より早いグロースハック成功の期待値が高まります。 3. テストの実施結果を数値で効果検証・原因を分析 ABテストの実施結果は必ず数値で効果検証されることが必要です。また実施結果が期待した効果を生まなくても、「なぜテスト結果がそうなったのか?」と原因を分析することで、新たな"筋の良い仮説"が生まれ、繰り返し、効果的なABテストを継続的に実施できるようになり、これがグロースハックへと繋がるのです。 上記1~3を可能な限り高速で繰り返す(=グロースハック) 1回のABテストだけで簡単に、事業を圧倒的に成長させるグロースハックを成功させることは、様々な過去の事例を見てもまずあり得ません。むしろ重要なのは、1回のABテストにかかる時間・コストを最小化し、高速で複数回のABテストを繰り返し実行することが、結果として大きな売上・事業成長をもたらすグロースハック実現の秘訣となるようです。 そして、このようなABテストを効果的、かつ高速に実行するためにABテストツールの導入・利用が欠かせないのです。 代表的な無料・有料のABテストツール 現在では様々なABテストツールがあり、以前と比較するとこれらのツールを利用して簡単にABテストを実施、グロースハックに取り組みやすい環境になってきました。特に数値データでの結果検証や、ABテストを繰り返し高速で実施するにはABテストツールの利用が役立ちます。仮に、ABテスト実施のためのツールやシステムを自社開発したり、ABテストの結果をモニタリング可能な仕組みを開発するには時間も必要で、無駄な投資になりかねません。   有用かつ比較的安価で利用可能なABテストツールが多数あるためグロースハッカーであれば、必要なグロースハックツールとしていくつかテストツールの利用経験を積んでおきたいもの。またABテストツールには大きく分けて無料・有料のサービスがあり、以下、それぞれ代表的なABテストツールの概要や機能を紹介します。 無料ツールの代表格・Google Optimizeの特徴やメリット Google OptimizeはGoogleが提供する無料のABテストツール。無料である上に基本的なABテストに必要な機能(複数の画面パターン作成や目標設定、設定目標に沿ったテスト結果の検証機能など)を網羅しており、まずABテストツールを簡単に導入してみたい場合におすすめのツールです。   HTMLやCSSの知識があった方がより機能を使いこなせると思いますが、テストパターンのデザイン作成などをGoogle Optimizeの画面上で簡単に行えるため、専門知識が無くても視覚的にABテストのためのデザイン変更が可能な点が特徴。またGoogle Analyticsとの連携も可能で、ABテスト結果の評価・分析をGoogle Analytics上で確認できる点もメリットです。 有料のABテストツール~OptimizelyとVisual Website Optimizer(VWO) 一方、より大規模サイトや複雑な(パターン数の多い)ABテストを実践する場合は、有料ツールを導入する企業も多数あります。有料のABテストツールでは、OptimizelyとVisual Website Optimizer(VWO)が世界的に見ても2強状態。それぞれ世界各国で数千社以上の導入実績のあるツールです。ここからはOptimizelyとVWOの2つのABテストツールの概要や各ツールを利用したグロースハック事例を紹介します。 世界NO.1のABテストツール・Optimizelyによるグロースハック事例 世界的には非常に多くの有料ABテストツールがあり、各サービスごとに機能や強み、価格などが違いますが、ネットでの口コミや評判・各種レビューを総合すると世界NO.1のABテストツールであり、効果的なグロースハックツールと言えるのが「Optimizely」。   導入企業数や成功事例も多く、また各種レビューサイトでの満足度評価も軒並み高いのがOptimizelyの特徴で、また日本語版サービスもあることから日本国内でも導入・利用実績の多いABテストツールかと思います。 ABテストツール・Optimizely(オプティマイズリー)の概要 ABテストツールを提供するOptimizely社はアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコの企業で、2010年創業の会社。ABテストツールのシェアは世界NO.1で、導入社数は9,000社以上。   Optimizelyの特徴には、管理画面上から簡単にテストパターンのデザインを作成可能なほか、テスト対象とするユーザーのターゲティング設定も可能で、テスト結果もリアルタイムで確認・検証できる点などが挙げられます。またWEBサイト以外にネイティブアプリのABテスト機能や、Google Analyticsなど外部の分析ツールとの連携も可能です。   ちなみにOptimizelyの創業者であるダン・シロカー氏は、2008年アメリカ大統領選におけるオバマ(元大統領)陣営で、グロースハッカーとしてWEBマーケティング面で力を発揮したことでも知られる人物。アメリカ大統領選挙では、支持者にメールマガジンへの登録を呼び掛けたり、WEBサイト上で個人献金を集めるなどのWEBマーケティングが重要なのですが、WEBサイト上でのABテストによりそれらの成果のグロースハックに成功、オバマ元大統領の大統領選挙における勝利をサポートしたことで知られています。 その後、シロカー氏はOptimizelyを創業、さらに2012年アメリカ大統領選でオバマ陣営のWEBサイトのABテストツールとしてOptimizelyが採用され、10億ドル以上(約1,000億円以上)の献金獲得に貢献しました。 Optimizelyによるグロースハック成功事例~2012年アメリカ大統領選挙 2012年アメリカ大統領選挙のオバマ元大統領陣営では、20ヶ月に渡る選挙期間のうちに、Optimizelyを活用して延べ500回以上のA/Bテストが実施されたそうです。その結果、個人献金のコンバージョン率(CVR)が49%改善されたほか、メールアドレス登録の完了率も161%改善するというグロースハックを実現しました。   この時のオバマ陣営のWEBマーケティングチームでは、どんな施策も必ず最初にABテストを実施することを徹底、またそのために常に複数のABテストの仮説・シナリオと、実行のための人的リソースを確保し続けたそうです。以下、ABテストの活用によるグロースハック成功事例を紹介します。 ●高級レストランのメニューからヒントを得たサイトUI変更 [caption id="attachment_25764" align="aligncenter" width="1024"] 献金金額部分の$マークの有無によるABテスト。左側が元のパターンで、右側が変更後のパターン。[/caption] オバマ元大統領陣営のWEBサイトには、常に個人献金を募るためのフォームが設置されていました。このフォーム経由の献金のコンバージョン率(CVR)を高めることは非常に重要で、そのためにABテストが実施されていました。   それまでの献金フォームには、金額の横に「$」マークが付いていました。ところがアメリカの多くの高級レストランのメニューには「$」マークがなく、金額の数字のみが書かれています。これは、その方がより多くの金額を支払う傾向があることが経験的に知られているからです。この高級レストランメニューからヒントを得たWEBサイトのUI変更はすぐにABテストへ移されました。 結果的には、このABテスト事例ではオリジナルのパターンAと、「$」を削除したパターンBの間で有意な差は生まれず、この点はコンバージョン率に影響を与えないことが分かりました。 ●オバマ元大統領の画像有無によるコンバージョン率(CVR)改善 [caption id="attachment_25763" align="alignright" width="300"] 献金フォームの画像有無によるABテスト。[/caption] 「抽選でオバマ大統領と夕食を共にできる」というプロモーションでも、同様の献金フォームが使われていました。献金をすれば自動的に抽選に参加できるというもので、抽選参加者を最大化、献金額を最大化するグロースハックが重要な目的でした。   この時、モバイルWEBサイトの献金フォームではオバマ元大統領の写真が非表示となっていたそうです。これはモバイルサイトは極力シンプルに軽量なものを、というデザインコンセプトから非表示となっていたそうなのですが、一方で他のABテスト結果から、画像の有無がユーザーの行動やCVRに影響を与えることも分かっていました。 そこでこのプロモーションで使用されたフォームで、オバマ元大統領の画像があるフォームと無いフォームを比較するABテストが実施されました。 結果、画像の無いフォームと比較して画像があるフォームでは6.9%、コンバージョン率(CVR)改善、献金額が増額することが分かったという成功事例です。 ●長いフォームを複数のステップに分割して実現されたグロースハック [caption id="attachment_25779" align="alignright" width="300"] 元の縦に長いフォーム(左)と4つの画面に分割されたフォーム(右)。[/caption] 2012年アメリカ大統領選挙の終盤、オバマ陣営のグロースハックチームはすでに献金フォームをほぼ最適化できている状態で、これ以上の改善は難しいとも思える状況でした。しかしながら、この段階でより技術的に複雑なABテストに取り組むことを決断します。   個人献金フォームは法律的な観点から必要な文言や入力項目もあり、非常に縦に長い画面になっていました。これに対して、比較的入力しやすい簡単な項目から献金の内容を入力できるよう、フォーム画面を複数の短い画面・ステップに分けたパターンを作成、ABテストを実施したのです。   長いフォームより、複数の短いフォームの方が最終的なコンバージョン率(CVR)が上がるのではないか?という仮説は、結果的に正しかったことがABテスト結果から証明されました。献金完了のコンバージョン率を5%以上改善するというグロースハックに成功した事例です。 選挙戦の終盤、すでにある程度ABテストをやり尽くした段階でもまだ改善可能性があると信じ、効果的な仮説を構築し、結果的に5%以上のCVR上昇を捻り出すという取り組み姿勢は、グロースハックの成功に欠かせないスタンスと言えそうです。 ※参考・画像引用元: http://www.optimizely.com/customers/obama2012/ Visual Website Optimizer(VWO)を活用したグロースハック事例 Optimizelyに次いで利用シェアが多く、よく知られているABテストツールがVisual Website Optimizer(VWO)です。 ABテストツール・Visual Website Optimizer(VWO)の概要 Visual Website Optimizer(以下、VWO)はインド企業・Wingify社が提供するABテストツールで、世界数十各国に展開しており、導入社数も4,500社以上。MicrosoftやWalt Disney...

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Paypalのロゴ

プラットフォームへの統合戦略によるグロースハック~PaypalやSpotifyの事例~

特にスタートアップ企業にとって、新規のユーザー・顧客をどう集めるか、自社の製品・サービスの認知をどう高めるかという点でのグロースハックは、常に大きな課題であり、重要なテーマとなります。   その解決策となるグロースハック戦略の1つが、既存のプラットフォームに組み込まれる“統合”戦略。   十分なユーザー資産やユーザートラフィックがある大規模なプラットフォームサービスに自社の製品・サービスを組み込み、ユーザー認知を一気に獲得できれば短期間での事業成長(=グロースハック)を実現可能です。このページでは、既存のプラットフォームに自社サービスを統合・組み込むことでグロースハックを実現した事例を紹介します。   このグロースハック事例における重要な観点は以下の3点です。 ・自身の製品・サービスを、どこかのプラットフォームに組み込むことは可能か?(プラットフォーム側にもメリットのある形で) ・統合するならば、どのプラットフォームが最適か?(自身の製品・サービスの潜在的なユーザー・顧客が集まるプラットフォームはどれか?) ・組み込み、統合にあたって、技術面・エンジニアリング的な観点でのハードルは何か? 青木 綾(RYO AOKI) EXIDEA米国支社「EXIDEA GLOBAL USA INC.」代表。2002年株式会社リクルートに入社、就職情報サイト「リクナビ」や宿泊予約サイト「じゃらんnet」等のサービス開発やプロデューサー業務に従事。2014年に同社を退職後、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスに移住。現地で日本語情報誌を発行する「Lighthouse」のVice Presidentを経て、2018年より現職。 Paypalのグロースハック事例~eBayの決済サービスへの組み込み~ Paypal(ペイパル)は1998年創業のオンライン決済サービスを提供する会社で、本社はアメリカ・カリフォルニア州のサンノゼにあります。全世界で2.4億ものアクティブなアカウントが開設・利用されており、2017年の決済総額(Paypalサービスを通じて支払われた金額の総額)は4,570億ドル(約50兆円以上)、いまだに前年比20%以上の水準で成長し続けている企業です。   このPaypalの決済サービスは1999年の開始当初、登録ユーザー数(アクティブ・アカウント数)が1万人程度でしたが約1年で数百万人規模のサービスに拡大、2002年までの約3年間で約1,300万件のアカウントを獲得するまで急成長を遂げ、IPOを果たした後にeBayに買収されます。この急成長の影には、サービス初期に実施されたいくつかのグロースハック施策がありました。 ECサービス「eBay」の決済方法としての統合・組み込み 当時、アメリカで成長・拡大し始めていたオンラインショッピングやオンラインオークションのサービス。その代表格がeBayでした。Paypalは自社のオンライン決済サービスの利用を拡大するには、eBayの決済方法の1つとしてPaypalを組み込むことが必須と考えました。   一方、eBay側もまだ小切手による支払いも多かったアメリカにおいて、簡単で安全な決済手法を導入してオンライン決済を拡大することは急務でした。また、既存のクレジットカード決済と比較しても手数料の安いPaypalサービスは、eBayを利用する出店者・ユーザーに必ず受け入れられるだろうと考えたのです。 このようにプラットフォーム側(eBay)が製品・サービス(Paypal)の必要性や価値を強く感じたからこそ、プラットフォームへの統合によるグロースハックが実現できたのです。 ただ、eBay上での決済方法の1つとしてPaypalを追加するだけなら簡単ですが、実際にはeBay上の各出店者に自店舗で対応可能な決済手段の1つとして登録する作業をしてもらい、eBay上でのPaypal決済が拡大していかなければなりません。   このためPaypalは、eBayの出店者に"Paypalで決済できる"ことをユーザーへ積極的に知らせてもらうため、店舗ページにPaypalロゴを簡単に挿入できるツールをeBayと共同で開発・導入しました。この結果、eBay上の非常に多くの店舗ページで、既存のクレジットカード会社のロゴ(Master CardやVisa Card、AMEXなど)などと横並びでPaypalのロゴが表示されるようになったのです。 この施策によって既存の決済手段(大手クレジットカード会社など)と横並びとなったことでPaypalの信頼性が格段に向上したと考えられています。この結果、急速にPaypalの利用が拡大したというのが、eBayというプラットフォームへの統合・組み込みにより実現したPaypalのグロースハック事例です。 Paypalの紹介マーケティングによるグロースハック事例 eBayへの統合・組み込みによるグロースハックでよく知られているPaypalですが、Dropboxなどと同様の紹介マーケティングによるグロースハック事例も有名です。   Paypalも1999年のサービス開始当初はテレビやラジオなどの既存の媒体を使った広告宣伝によってユーザーを獲得しようとしましたが、期待するほどの効果が無かったそうです。そこでPaypalアカウントの開設を促進するために、以下のような招待制度を導入しました。   ・Paypalアカウントを開設すると、$10が自分のPaypal口座に振り込まれる。 ・さらに、友人・知人にPaypalを紹介すると、$10が自分のPaypal口座に振り込まれる。   この報酬額はその後$5に減額され、現在ではこの紹介マーケティングは実施されていません。しかし、この手法により2000年3月から夏頃までの数カ月間で、400万人のユーザー獲得、グロースハックを実現しました。 ※当時、PaypalのCEOだったイーロン・マスク(現在の電気自動車メーカー・テスラCEO)によると、この招待マーケティングの費用としてPaypalは6,000万ドル以上(約70億円以上)を投じたそうです。ただ、その後2002年にPaypalは15億ドル(約1,600億円)でeBayに買収されています。 このような紹介マーケティングによりバイラルに新規ユーザーを獲得すると同時に、eBayへの統合・組み込みによりPaypalを利用できる場を拡大、Paypalによる決済総額を一気に拡大しするというグロースハックを実現しました。 Airbnbのグロースハック事例~Craigslistへの転載~ 宿泊予約サービスを運営するAirbnb(エアビーアンドビー)もまたグロースハックにより急成長を遂げているオンラインサービスの1つ。そしてAirbnbの成長を語る上でCraigslist(クレイグスリスト)を活用したグロースハック事例は欠かすことができません。   Craigslist(クレイグスリスト)とはアメリカ発の地域別掲示板サービスで、無料で掲載できる個人間の情報交換を目的とした掲示板や、クラシファイド広告と呼ばれる有料掲載の掲示板(求人や不動産など)サービスで構成されています。月間ページビュー数200億以上、アメリカ国内からのアクセスだけで月間約5,000万人の訪問者がいる巨大なプラットフォームサービスです。 各地域ごとの不動産賃貸情報や短期レンタルなどの情報に関連する掲示板もあることから、Airbnbがターゲットとするような“普通のホテルでは満足しない”ユーザーも多数Craigslistを利用していると考えられました。 Airbnb掲載情報のCraigslistへの投稿 サービス開始初期のAirbnbも他の新規サービスと同様、ユーザー獲得が課題でした。また"民泊サービス"という性格上、ユーザーだけでなく宿泊場所を提供してくれるホストの開拓も同時に必要でした。いわゆる“Chicken or the egg”(鶏が先か、卵が先か)という課題に直面していたのです。   Airbnbのユーザー数が少なければ、掲載しても効果を期待できないためにホストの開拓が進みません。またAirbnbの掲載情報件数が増えなければ、ユーザー数も増えません。 この大きな課題を解決したのが「Airbnb掲載情報のCraigslistへの投稿・転載」によるグロースハックです。 Airbnbは、宿泊情報を掲載中のホストが利用する管理画面に「Post to Craigslist(クレイグスリストに投稿する)」というボタンを設置、「Vacation Rental(バケーション・レンタル)」などのClaigslistの無料カテゴリに、Airbnbの掲載情報を数画面の遷移で簡単に投稿・転載できるようにしたのです。   さらに、Craigslist上の情報を見たユーザーはAirbnbのWEBサイトを訪れて宿泊予約をします。このため転載が進むほどに、新規のユーザー獲得が進みました。また毎月数千万ユーザーが訪れるClaigslistへの投稿・転載が簡単にできるため、ホスト側のAirbnbに対する価値や効果への期待感も高まったのです。 こうして、AirbnbはCraigslistという巨大なプラットフォームを“無料で”活用し、ユーザーとホスト(および実際の宿泊予約)を同時に獲得するようなグロースハックを実現したのです。 マーケティング志向のエンジニアがいたから実現できたグロースハック [caption id="attachment_25728" align="alignright" width="300"] airbnbのユーザー数の成長グラフ[/caption] このAirbnbのグロースハックの凄い点は、Craigslistが正式にAPIなどを公開していない(Craigslistが外部システムによる投稿を正式に許可していない)中、エンジニアリングスキルにより実現されている点です。   グロースハッカーではなく従来型のマーケティング人材であっても、Craigslistへの掲載・転載というアイデア自体は思いついたかも知れません。しかしながら、Craigslistが正式にそれを許可していない上、Craigslistへの有料広告掲載の場合は1件あたり月間数十ドル(数千円)の費用がかかります。つまりAirbnbの情報を転載するというアイデアがあったとしても、どのような仕組みでそれを実現すればよいのか想像がつかない可能性もあるのです。   一方、エンジニアリング面からも解決策を考えられるAirbnbのグロースハッカーたちは、あたかもホスト自身が自らCraigslistに投稿したかのようにAirbnbの掲載情報をCraigslistに転載するにはどうすれば良いかを研究したそうです。彼らは、Craigslistの投稿プログラムをソースコードから解読、投稿の仕組みを再現(リバース・エンジニアリング)することで、AirbnbからCraigslistへの転載投稿機能を実現しました。   さらにこのCraigslistへの投稿・転載機能によるグロースハックが優れているのは、システム開発費用を除くと広告予算は無料で、また仕組み化されているためAirbnbが介在しなくても永続的に成長を生み出すグロースハックだった点です。 このようなグロースハック事例では、ユーザー数を増やすのだというマーケティング志向と同時に、高い技術的なハードルも超えていくエンジニアリングスキルが必要です。このことから、グロースハックには技術面の解決策も同時に提示できるマーケティング志向のエンジニアが必要だとも言われています。 「グロースハッカー」と「従来型のマーケティング人材」では大きく異なることが、このグロースハック事例からもよく理解できると思います。 Spotifyのグロースハック事例~Facebookへの統合~ 2008年にスウェーデンで開始されたサービスで、現在では65の国・地域で提供されている全世界規模の音楽ストリーミングサービス。ビジネスとしてはフリーミアムモデルのサービスで、広告が入るなど機能が制限される無料会員と、広告が入らず音楽が聴き放題となる有料のプレミアム会員から成るサービスです。全世界でのアクティブユーザー数は1億5千万人以上、有料サービスの利用会員数も7,000万人以上(2017年時点)という巨大な音楽関連サービスで、2018年にアメリカ・ニューヨーク市場に株式上場したことでも話題になりました。   約10年前に生まれたばかりのサービスが、どのようなグロースハックによって世界規模の音楽ストリーミングサービスとなったのでしょうか?この成長の裏にもプラットフォームへの統合・組み込みというグロースハック戦略が採用されていました。 Facebookの公式音楽アプリとしての統合・組み込み 2011年にSpotifyはFacebookは新たな提携関係をスタートさせました。SpotifyはFacebookのサード・パーティ・アプリの1つ、公式の音楽アプリとなったのです。   これによりFacebook上から簡単にSpotifyのアプリをインストール可能になったことに加え、ユーザーのFacebookのタイムライン上にSpotifyでどんな曲を聞いているかが配信されるようになり、ユーザーのタイムラインを通じて友人・知人へSpotifyのサービスが一気に告知されるようになったのです。 Facebookとの統合と同時に米国市場に進出したSpotifyは、それまで数百万人規模だったユーザー数がFacebookとの統合後すぐに2倍近くに跳ね上がり、それから約3年間で10倍規模のサービスにまで拡大しています。 ●Spotifyの会員数の推移 会員数合計うち、有料会員数 2011年3月約600万人約100万人 2011年9月※Facebookとの統合 2011年11月約1,000万人約250万人 2012年12月約2,000万人約500万人 2014年11月約5,000万人約1,250万人 現在ではSpotifyサービスへの登録をFacebookアカウントで行うことができたり、またFacebook上で繋がりのある友人がSpotifyを利用してどんな曲を聞いているかなどの情報をアプリ上で確認可能になるなど、ますますFacebookとSpotifyのサービスの統合が進んでいます。 プラットフォームとの統合だけでグロースハックを実現できる訳ではない SpotifyがFacebookサービスに組み込まれ、ユーザー数・有料会員数・売上がバイラルに拡大するグロースハックが実現できたのは、優良なプロダクト・サービスだったからこそです。Spotifyに限らず、このページの事例で取り上げたグロースハック企業は、前提として他社に無い価値を備えた新しいサービスを提供しており、それがプラットフォームに組み込まれることで、短時間で爆発的な成長を実現したという事例です。   例えば、Spotifyが対象とする"オンラインで音楽を聴きたい"ユーザーは、Spotify以外のサービスに対して「高額で聴き放題ではない(AppleのiTunesのように都度購入が必要)」もしくは「無料であるが聴きたい曲が選べない(ネットラジオのようなサービス)」といった不満を抱えており、これら既存の音楽配信サービスが抱える課題を解決したのがSpotifyでした。   またSpotifyでは世界各国でのローカライズも徹底して行われており、世界中でヒットしている有名な楽曲だけでなく各国のローカルで活動するインディーズ音楽まで、幅広く音楽をカバーしている点も他のサービスには無い強みです。 この点で、世界各国にローカライズし、既存のSNSサービスを超えて映画や音楽なども含めたハブ・サービスへ進化したいFacebookと方向性が一致したからこそ、統合・組み込みによるグロースハックが実現できたのだと考えられます。   以上、FacebookやCraigslistといった巨大なプラットフォームに、自社の製品・サービスを統合・組み込むことでグロースハックを実現した事例を紹介しました。 グロースハック関連の記事: そもそもグロースハックとは何か?~本場アメリカにおける定義と事例~ EXIDEAでは、このようなグロースハックを実現する仲間を募集しています。 ご興味のある方はぜひ弊社の求人情報もご確認ください! グロースハッカー求人情報 ...

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