
最終更新日:2022.06.21
法人印鑑(会社印鑑)の種類、作成方法を解説!購入はセットがおすすめ
法人印鑑(会社印鑑)と言うと、みなさんはどのような印鑑を思い浮かべるでしょうか?
おそらく角印を真っ先にイメージする方が多数いらっしゃるかと思いますが、一言に法人印鑑と言っても用途に分けていくつかの種類があります。
個人用の実印と同様に法的に重要な印鑑もあります。そこで、このページでは、会社にとって重要な印鑑「法人印鑑」について徹底解説!
法人印鑑の種類から形やサイズ、彫り込む名前のルールまで幅広く理解していきましょう。
このページをしっかりとご覧になれば満足のいく法人印鑑を作成することができるので、ぜひ最後までご覧いただき、経営を後押しする最高の印鑑を見つけていただければと思います。
Contents
法人印鑑には様々な種類がある

どのような種類のはんこがどの様な目的で使用されているのかを確認していきましょう。
法人印鑑は、代表者印・銀行印・角印・ゴム印の4種類あります。
企業の実印「代表者印(法人実印)」

会社実印も個人の実印と同様に印鑑証明を発行することが可能です。
代表者印(法人実印)は人によっては、代表印や会社実印、その他には法人実印や丸印などとも呼ばれています。
基本的にはどの印鑑も登録されて法的な拘束力を持つ代表者印(法人実印)だと認識しても間違いないでしょう。
代表者印(法人実印)を押印するということはすなわち会社の意思決定を示すこと。したがって、会社実印は、全ての会社に必要なはんこであり、大切に保管しなければならない印鑑でもあります。
金融機関との取引に必要「法人銀行印」

会社、企業が使用する銀行印であること以外、個人が日常的にお金を振り込んだり引き出したりする際に使用している銀行印と基本的な使い方の違いはありません。
会社の大切なお金を預かる金融機関に届け出るはんこなだけあって、実印と同様に厳重な管理が必要な印鑑の1つでもあります。
基本的に銀行印と通帳があれば窓口において預金が引き出せるため、管理を徹底することが必要です。
銀行印は金融機関のルールに合っていればどのようなはんこでも登録が可能なため、代表者印(法人実印)を銀行印として登録することも可能。
しかし、セキュリティの面から考えて銀行印は新しく専用の印鑑を作成することが推奨されています。
日常的に使用される「角印」

横長で長方形が多く使用されているため、日常的に使用される会社の認印のことを多くの人が角印と読んでいるようです。人によっては、社印や社判などと呼んでいます。
見積書や請求書などはもちろん押印の必要な書類ですが、実印を押すほどではありません。
とは言え、銀行印を日常的に使用するのも安全面から控えるべきです。このような状況の中で角印は簡単で便利なはんことして多くの企業で重宝されているのです。
より便利に使える「ゴム印」

社内文書への捺印や、角印と同様に見積書や請求書、あまり重要でない契約書などに用いられることが一般的。
ゴム印の利便性を活かして、住所や定型文などを簡単に書類などに記載することができるはんことしても活用されています。
ゴム印は耐久性やセキュリティの虚弱性の観点から、実印や銀行印として登録をすることはできません。
しかし、日常的に使用する認印としては問題なく使用することができます。シャチハタのゴム印は法人印鑑としても大変便利です。
会社印は2種類の形から

角印には印面が四角い「角天丸タイプ」または「角寸胴タイプ」の印鑑が人気です。

サイズなどは規定があるものの、形状に関しては具体的な決まりはないのです。
特別なこだわりがあるのであれば、慣例にとらわれることなく印鑑を作成するのも良いと思います。
しかし、余程のことがないのであれば、値段や安全性、利便性などの面から慣例通りの印鑑を作成しておくのがよいでしょう。
天丸タイプと寸胴タイプの違いとは?
どちらのタイプの印鑑であっても代表者印(法人実印)や銀行印として登録することは可能です。そのため、どちらの印鑑を購入するのかは好みで決めてしまても問題はありません。両者の違いは大きく、見た目と値段にあります。
まず、天丸タイプは法人印鑑としての風格を感じさせる見た目で人気を博しています。個人用のはんこでこのタイプを使用している人は多くないでしょう。
他のはんことの差別化を図るためにも代表者印(法人実印)に最も適した形です。
寸胴タイプは、値段が安いことがメリットです。法人だけではなく個人使用もされているタイプの印鑑ですから流通量が多く、結果として値段が少しだけ安くなっていると考えられます。
おすすめは天丸タイプと寸胴タイプの使い分け
それぞれにメリットとデメリットがある天丸タイプと寸胴タイプですが、おすすめは使用用途に合わせてはんこの形を変えるという使い分けの方法です。例えば、代表者印(法人実印)には「丸天丸タイプ」の印鑑を使用して銀行印には「丸寸胴タイプ」の印鑑を使用してみてはいかがでしょうか。
印鑑の形を変えることで誤用を防ぐことができ安全性が格段に高まります。
印面に刻印される名前について

個人的に使用するはんことは文字の記載方法も大きく異なります。
ここでは、その中でも特に重要な印鑑の印面について説明をしていきます。
代表者印(法人実印)や銀行印など丸型の印鑑
代表者印(法人実印)や銀行印などの丸い印面の印鑑には主に2箇所に文字が彫られています。これらの印面は二重の同心円になっていて、輪の中の文字が中文(ちゅうぶん)と呼ばれ、輪の外の文字が迴文(かいぶん)と呼ばれています。

中文(ちゅうぶん)には何が記載されるの?
一般的に中文には印鑑の所有者についての情報が刻み込まれます。例えば、株式会社の代表印の場合は「代表取締役印」、代表取締役が1人の有限会社の場合は「取締役印」となります。
そのため、中文を見ることで印鑑の所有者の会社に置ける立ち位置や権限などを瞬時に判別することが可能です。
役職者用の認印を作成するのであれば、中文に「部長」、「課長」といった文字が刻み込まれることになります。
迴文(かいぶん)には何が記載されるの?
対して、迴文には社名や屋号が刻み込まれます。中文を見れば所有者の役職などが判別できるのに対して、迴文を見れば持ち主が所属する法人が分かるというのが二重の同心円という特徴的なデザインをした法人印鑑の利点です。また、中文が縦書であるのに対して迴文は円に沿うように刻まれているという特徴があります。
しかし、これによってどの文字から読み始めるべきかが分からなくなってしまう場合も。
そのため、多くの法人印鑑には迴文の読み始める位置を示す「開始点」(別名、中点)が付けられています。
社名や屋号などの文字をデザインしてみて、読みづらいと判断した場合には、このような開始点を付けることも可能です。
迴文(かいぶん)にはひらがなやカタカナ、英語なども使用可能
迴文には社名や屋号名も入るため、ひらがなやカタカナ、そして英語などを用いた表記をすることが可能。むりやり漢字表記などをする必要もありません。法人登記した屋号をそのまま使用可能です。
また、ひらがなやカタカナ、英語などで迴文を刻んだ印鑑は代表者印(法人実印)として法務局に届け出ることが可能です。
こちらも、特に心配することはありません。なお、印鑑の記載方法などで不安点があれば事前に担当者に確認を取っておくとより安心です。
実印(代表者印)のサイズについて

銀行印や角印など企業で用いられるはんこの中でも作成する際には一番ルールに注意すべきです。
代表者印(法人実印)の印影サイズは10.0mm〜30.0mm
法人設立の際に、法務局に届け出る代表者印(法人実印)は印影のサイズは一辺が10.0mm〜30.0mmの正方形に納まるもの、と定められています。大き過ぎるものでも小さすぎるものでもなく、このサイズに納まるはんこでなければ登録をすることができません。
18.0mmが最もたくさんの人に使用されている代表者印(法人実印)のサイズ。そして、21.0mmがより代表者印(法人実印)としての風格を求める人が用いるサイズだといわれています。
したがって、18.00mm〜21.00mmの間のサイズで作成するのがおすすめです。
銀行印とサイズを変えることによって区別を付ける
会社で使用する重要な印鑑のうち、代表者印(法人実印)と混同してしまう可能性があるのは銀行印です。角印やゴム印などは形状や素材が明らかに異なるため、誤用の心配はありませんが、銀行印は多くの場合、代表者印(法人実印)と同様の印面が丸い寸胴タイプで作る方が多いので、注意が必要です。
そこで、印鑑の混同を防ぐために印面のサイズを代表者印(法人実印)と銀行印で変えるとう方法が推奨されています。
代表者印(法人実印)よりも少し小さめのサイズで銀行印を作成することで区別を付けるのです。
安全性の面からもサイズで区別する方法はおすすめできます。
一般的でないサイズを希望する場合は在庫に注意
先述したように、代表者印(法人実印)は10.0mm〜30.0mmまでのサイズで登録できます。もし、サイズ目一杯のはんこを作成したいというような場合や、ギリギリまで小さなはんこを作成したいというような場合にはお店に印材の在庫があるか確認することが必要です。
一般的ではないサイズの印鑑を注文しようとすると、適したサイズの印材の在庫が無い場合や、そもそも取り扱い自体がない場合などがあります。
サイズ以外でも特別な要望がある場合には事前に入念な相談を行うことをおすすめします。
おすすめ!法人印鑑に人気の素材

高い耐久性とスタイリッシュな見た目のチタン印鑑

最大の魅力は、摩耗や腐食に強い高い耐久性と美しい見た目です。
他の印鑑に比べてメンテナンスに気を使う必要も無いため、紛失などセキュリティ面には十分注意する必要はありますが、一度購入すれば一生使い続けることができる印鑑となります。
重厚感もあり、押印をするときのインパクトも抜群です。
法人印鑑となったときにはきっと実用面でも見ても素晴らしい印鑑となりますし、高級感のある高いステータスも見せることが出来る1本となるでしょう。
高級印材として名高い上質な黒水牛印鑑

見た目も高級感は法人印鑑としての風格も醸しだしてくれる素材。シンプルでありながら力強い見た目が黒水牛の特徴です。
耐久性も自然素材の中ではかなり高い部類に入るのも特徴。耐久性に加えて、硬さと粘りも十分あるため印鑑に非常に適した素材だと言えます。
朱肉の乗りも良く、印影が綺麗に映るのも黒水牛が人気の理由です。
木目が美しく、環境にも優しい彩樺印鑑

グリーン購入法の適合商品として販売されている場合が多く、環境負荷の低い印材としても注目されています。
エコな側面も法人印鑑の購入時には検討してみてはいかがでしょうか。
そのほかにも印材はたくさん!自分が満足できる印材を選ぼう!
ゴム印などは代表印や銀行印として登録をすることができないため購入には注意が必要ですが、それを除けばどのような素材でも法人印鑑として使用することが可能です。見た目や強度、メンテナンスのしやすさなどを考慮した上で満足のできる印材をじっくりと選ぶようにして下さい。
まとめてお得!!会社印鑑3点セット

3本セット以外にも認印を加えた4本セットの法人印鑑セットや便利なシャチハタ印鑑をプラスしたゴム印セットなども販売されています。
会社印は会社設立時に一式揃えるのが便利ですし、なにより一本一本別々に購入するのよりも、セットで購入した方が値段も安くなります。
自分好みの印材やサイズの印鑑がセットで販売されていないかどうか、まずはインターネットショップなどを探してみることをおすすめします。
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徹底サポート!法人印鑑登録までの道のり

代表者印(法人実印)は法務局に届け出ることで、銀行印は会社のお金を預ける金融機関に届け出ることで印鑑の効果を発揮します。
一方、会社向けの銀行印は、日常的に普通預金口座を金融機関で開設するときに印鑑を登録することと登録方法に大きな違いはありません。
そこで、今回は、一般的にはイメージが難しい代表者印(法人実印)の登録方法についてご紹介します。
代表者印(法人実印)の登録方法と印鑑証明書の交付までの流れ
それでは、実際に代表者印(法人実印)の登録を行い、代表者印(法人実印)の印鑑証明を交付するまでの流れを確認していきましょう。大きくは以下の4つのステップに分けられます。
- 1.営業所の所在地を管轄する登記所へ印鑑を届け出る
- 2.印鑑カード交付申請書を提出し印鑑カードを受け取る
- 3.印鑑証明交付申請書に記入の上、印鑑カードと合わせて提出
- 4.印鑑証明書が交付される
代表者印(法人実印)の登録は会社設立のための書類提出と同時に行われることが一般的です。つまり、法人登記と同時に実印登録を行うことが通常の流れとなります。
法務局、または地方法務局、支局や出張所などどこでも構いませんが、法人登記を行う場所と同様の登記所でなければ実印登録を行うことできないことに注意が必要です。
代表者印(法人実印)の登録には届出書の提出と代表者の実印が必要になることにも気をつけましょう。届出書の中には会社の屋号や住所、代表者の情報などの記入が必要です。
また、代理人による実印登録も可能ですが、この場合は委任状と代理人個人の印鑑による押印が必要となります。
印鑑の登録自体は最初のステップ1で完了です。しかし、代表者印(法人実印)だけではなく印鑑証明が必要になる場面も多いでしょうから、残りのステップも早い段階で済ませることが望ましいと考えられます。
特に、法務局から発行される印鑑カードは個人の場合と異なり、法人登記が終了してからの発行となるため、即日発行ではありません。
したがって、印鑑証明書の発行はゆとりをもって行うことが重要です。
以上で法人印鑑に関する解説を終わります。
今まで分からなかったことや、新しく知れたことなどはあったでしょうか?法人印鑑の購入を検討している人のお役に立てれば幸いです。