無料で使える会計ソフトのおすすめ6選を比較!機能や特徴を紹介
「経理・会計業務を、無料で効率化したい!」と考えていませんか?
これまでEXCEL等での処理が多かった経理・会計業務ですが、最近はパソコンやスマートフォンアプリを活用した「会計ソフト」が主流になってきました。
「無料で使える会計ソフト」もあり、起業したばかりの個人事業主や、経費をしっかり節約したい法人からも注目を集めています。
そこで本記事では、無料で使える会計ソフトのおすすめサービス6選を紹介します。また、選び方や注意点なども解説するので、最適なサービスを選ぶためにぜひご一読ください。
Contents
会計ソフトで何ができる?基本情報をご紹介
「そもそも会計ソフトでは何ができるの?」と疑問を抱いている方へ、まずは会計ソフトについて簡単に基本情報を説明いたします。経理初心者の方はぜひご覧ください。会計ソフトとは?確定申告や経理を効率化する経営の必需品
会計ソフトは日々の経理業務を効率化する、パソコン用ソフトウェアです。有名なサービスだと、「弥生会計」や「会計freee」などが挙げられます。個人事業主向け・法人向けで違う仕様で開発されることがありますが、基本的に中身は同じで、日々の経理業務や決算書作りを簡単にして、大幅に時間短縮するのを目的に作られています。具体的な機能としては、記帳だけでなく、総勘定元帳への転記や決算書の自動計算など、さまざまです。
会計ソフトでは、EXCELのように数式を管理する必要もなく、簡単に運用できるのが強みの1つです。また、簿記の知識がない人へのサポートが手厚いことも多く、初心者でも青色申告の節税効果を受けられるようになります。そのため、多くの個人事業主・法人が活用しており、経営の必需品といっても過言ではありません。
そんな会計ソフトは、月額数千円のサブスクリプションか、数万円の買い切りとして提供されています。しかし、中には無料で使える会計ソフトもあります。
どんな人におすすめ?無料会計ソフトがおすすめの事業者
値段が安いというだけの理由で無料会計ソフトを選択してしまうと、利用したかった機能が使えないなど、後悔する可能性が高いです。後悔しないためにも、無料会計ソフトがどのような方におすすめなのか以下で確認しておきましょう。
無料会計ソフトが特におすすめな方
- 会計ソフトを使ったことがない
- 会計ソフトの操作感や雰囲気をつかみたい
- 起業したばかりで潤沢な資金がない
- 取引件数が少なく、有料のものを使うほど経理や会計が面倒でない
経理・会計業務がそれほど煩雑でない場合は、無料会計ソフトでも事足りる可能性が高いです。一方、既に経理・会計業務の負荷が高く、効率化をしたい場合、有料の会計ソフトを検討しましょう。
当然ですが、機能、業務効率化の面では、無料より有料のものに軍配が上がります。月額数千円のコストはかかりますが、それ以上に業務効率化、人件費削減の恩恵があります。中には、給料計算に対応している法人向け会計ソフトもあるので、日々の経理がさらに簡単になる可能性も秘めています。
無料で使える会計ソフトおすすめ6選を比較
当記事でおすすめる無料の会計ソフト6選は以下です。クラウド型/インストール型 | 個人事業/法人向け | 更新頻度 | 初心者/経験者向け | 料金形態 | |
---|---|---|---|---|---|
フリーウェイ経理Lite | インストール型 | 個人事業・法人両対応 | 年に2回前後 | 経験者向け | ずっと無料 |
円簿会計 | クラウド型 | 個人事業・法人両対応 | 年に1回前後 | 経験者向け | ずっと無料 |
やよいの白色申告オンライン | クラウド型 | 個人事業・法人両対応 | 常に最新 | 初心者向け | ずっと無料 |
freee | クラウド型 | 個人事業・法人両対応 | 常に最新 | 初心者向け | 1ヶ月無料(その後無料プランあり) |
やよいの青色申告オンライン | クラウド型 | 個人事業・法人両対応 | 常に最新 | 経験者向け | 1年間無料(その後有料化必須) |
マネーフォワード | クラウド型 | 個人事業・法人両対応 | 常に最新 | 経験者向け | 1ヶ月無料(その後有料化必須) |
フリーウェイ経理Lite
フリーウェイ経理Liteは、永年無料で使えるインストール型会計ソフトです。個人事業主、法人のどちらでも使えて、機能も豊富です。無料版ではキャッシュフロー計算書などの出力はできませんが、総勘定元帳・貸借対照表・損益計算書の自動集計など、法人向け帳簿も作成できます。アップデートも頻繁になり、税制改正への対応だけでなくバグ修正や機能改善などで、年に2回前後はソフトを更新しています。
こちらの無料会計ソフトを開発・運営している株式会社フリーウェイジャパンは、フリーウェイ「給与計算」やフリーウェイ「販売管理」など多くの無料ソフトを運営し、多角的に経営をサポートしています。会計に関する業務のほとんどを、フリーウェイシリーズでまかなうことができるでしょう。
フリーウェイ「確定申告」は2021年5月にサポート終了になりましたが、その後フリーウェイ経理で電子申告用の財務データを出力する機能がリリースされています。(https://freeway-keiri.com/news/view/647、2021年2月18日)
注意したいのは、管理画面は簿記の知識がある経験者向けであることです。とはいえ、オーソドックスな経理ができる人なら、違和感なく使いこなせるでしょう。
こちらは、フリーウェイ経理Liteの公式サイトからいつでもダウンロードできます。
円簿会計
円簿会計は、ずっと無料で使えるクラウド型の会計ソフトです。インターネットブラウザがあれば動作するので、Windows、Macのどちらでも使用可能です。Mac対応の無料会計ソフトを探すなら、円簿会計は非常におすすめです。クラウド型会計ソフトのため、普段とは別のパソコンからも操作できます。ネット環境さえあれば、オフィスでも、自宅でも、どこでも経理できますね。個人事業主・法人のどちらにも対応し、決算書はもちろん、総勘定元帳や仕訳帳など、各種帳簿の出力が可能です。
更新頻度は年に1回前後。税制改正には毎年対応しています。
管理画面は経験者向けですが、各ページごとに使い方マニュアルが整備されているので、経理初心者の方でも操作できるよう工夫されています。実際に公式マニュアルを見てみると、操作方法を1つずつスクリーンショットで解説しているので、操作方法は理解しやすいです。
円簿会計は「クラウド円簿」シリーズの1つで、他には「円簿青色申告」や「円簿給与」などがリリースされています。これらも個人事業・法人どちらもで無料です。
やよいの白色申告オンライン
やよいの白色申告オンラインは、ずっと無料で使える、クラウド型会計ソフトです。会計ソフトのシェアNo.1(https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=415、2021年10月14日)の「弥生会計」が開発したソフトで、抜群の安心感があります。ソフトの更新も頻繁で、税制改正にはしっかり対応しています。個人事業主・法人のどちらでも使用可能ですが、名前のとおり「白色申告」にしか使用できません。
白色申告は複式簿記の知識が必要なく、簡単なので初心者にもおすすめです。しかし青色申告に比べて節税効果に乏しいデメリットもあります。会計ソフトが進歩して、以前よりも簡単に青色申告できるようになった今では、白色申告を選ぶメリットはありません。
同じクラウド型の「円簿会計」や後述の「やよいの青色申告オンライン」で青色申告をしてみましょう。もし、節税効果よりも手軽さをお求めなら、やよいの白色申告オンラインもおすすめです。
freee
freeeはAIを活用した、経理初心者向けクラウド型会計ソフトです。「有料課金ユーザー企業数29万事業所」を突破したと公式から発表があり、多くの方に使用されています(https://corp.freee.co.jp/service/、2021年10月14日)。個人事業主・法人それぞれプランがあり、1ヶ月無料でトライアルできます。
トライアル終了後、課金せずそのまま「無料プラン」として使用を続けられますが、取引データの閲覧・編集が直近1か月に登録したデータのみになります。これで運用するのは現実的ではありませんので、基本的に「1ヶ月無料で、その後は月額数千円のサブスクリプション」とご認識ください。
特筆する点は、初心者向けに作られた管理画面です。記帳の入力はAIが強力にサポートし、複式簿記の知識が必要なく、その他の会計ソフトとは一線を画します。帳簿の出力も簡単です。画面にそって入力するだけで、現金出納帳や預金出納帳が出力し、入出金・所得・残高の履歴を確認できます。
スマートフォン用アプリもあり、アプリ内カメラでレシートを撮影すると、自動で勘定科目を振り分けて記帳してくれます。初心者に優しい作りですね。逆に、複式簿記の知識がある人にとっては、使いにくく感じることもあるかもしれません。
そのため、経理初心者の方、会計に時間をかけたくない方におすすめです。ぜひ1ヶ月の無料トライアル期間で試してみてください。
やよいの青色申告オンライン/弥生会計オンライン
会計ソフトメーカーとして有名な弥生会計は、クラウド型とインストール型の両方を開発しています。インストール型は、個人でも法人でも、同じ「弥生会計」というソフトです。クラウド型は、個人事業主向けに「やよいの青色申告オンライン」、そして法人向けに「弥生会計オンライン」の2つです。やよいの青色申告オンライン/弥生会計オンラインには、なんと「1年間無料」という大型トライアルが用意されています。
安さだけが魅力ではありません。会計ソフトのシェアランキングで例年1位を獲得している「弥生会計」が開発した、圧倒的な信頼感もポイントです。税理士からも弥生会計への信頼は厚く、不動産業界から飲食、農業など多様な業態で活用されています。
管理画面は経験者向けで、複式簿記の知識が多少求められます。しかし弥生会計は会計ソフトの運用経験が豊富ですから、マニュアルもしっかりしており、初心者の方でも運用可能です。初心者から経験者まで、どんな人にもおすすめです。
こちらもスマートフォンアプリがあり、レシートの撮影にも対応しています。
なお、1年間無料トライアルが使えるのは、電話やメールサポートが使えない「セルフプラン」のみです。期間終了後は、有料プランに契約しないと利用できないため、ご注意ください。
有料プランの料金も、他の会計ソフト比較すると安価で、人気ランキングでNo.1になることも頷けます。信頼と実績で選ぶなら、やよいの青色申告オンライン/弥生会計オンラインがおすすめです。
弥生会計について詳細に解説しているページもあるので、導入を考えている方は確認してみましょう。
弥生会計の詳細はこちら
マネーフォワードクラウド確定申告/マネーフォワードクラウド会計
家計簿アプリで有名なマネーフォワードが開発した、クラウド型会計ソフトです。個人事業主向けは「マネーフォワードクラウド確定申告」、法人向けは「マネーフォワードクラウド会計」としてリリースされています。個人事業主・法人向けそれぞれに、1ヶ月無料トライアル期間があります。トライアル期間終了後は、有料プランに切り替えて使用する必要がありますのでご注意ください。管理画面は入力欄や情報量が多く、経験者向けです。
連携できる金融機関が非常に多く、様々な銀行口座を持っている人にとっては、非常に使いやすいでしょう。不動産・アパート経営の売上が地方銀行に入金されるといった場合でも、マネーフォワードなら対応しやすくなります。
特筆する点は、マネーフォワード会計に契約すると、以下のシリーズ製品も使用できるようになることです。
- マネーフォワードクラウド請求書経費
- マネーフォワードクラウド債務支払
- マネーフォワードクラウド債権請求
- マネーフォワードクラウド固定資産
これらすべて使用できるので、コストパフォーマンスは他と比較できないほど優れています。今までエクセルで管理していた数字をマネーフォワードに任せれば、さらに業務が効率化するでしょう。法人の経理業務で強力に作用しますね。
コラム:有料だと何ができる?有料ソフトの便利機能をご紹介
会計ソフトを有料プランで契約すると、何が変わるのか気になる方へ、有料ソフトの便利機能をご紹介します。各サービスによって違いはありますが、主に以下の機能が追加されます。銀行口座・クレジットカードとの連携
銀行口座やクレジットカードとの連携により、履歴から自動で記帳できるようになります。漏れなく経費を計上できるため、節税に繋がるでしょう。特にクレジットカードとの連携はとても便利です。クレジットカード決済をメインにすれば、ほぼ自動で経費計上できます。経理担当者がいない個人事業主の方にとって、かなりおすすめです。
自動仕分け
入力した名前から、自動で勘定科目を予測します。たとえば「書籍」と入力すれば勘定科目を「新聞図書費」にするなど、ミス防止、時間削減になります。経理初心者の方に嬉しい機能です。スマホアプリが使える会計ソフトも
会計ソフト専用のスマートフォンアプリでレシートを撮影すると、金額や日付が自動で入力されます。写真を撮るだけなので、出先でもすぐに記帳でき、レシート・領収書の紛失対策にもなります。以上、有料の会計ソフトでできることの例をご紹介しました。紹介したのはあくまで例ですが、有料プランを契約すると、以上のような便利機能を活用できることが多いです。個人事業主でも法人でも、業務負荷は大幅にカットできるでしょう。
事業規模や、経理作業の負荷によっては、有料プランを契約したほうが結果的に費用対効果が良いという可能性もあります。目先の導入費用だけでなく、ランニングコストや人的リソースも考慮した上で選びましょう。
おすすめの選び方は?7つの比較ポイントを解説
無料会計ソフトを選ぶ際は、以下7つのポイントが特に重要となります。- クラウド型/インストール型で選ぶ
- 税制改正は必ず訪れる!会計ソフトの更新頻度は要チェック
- 初心者向けでも扱える?複式簿記の知識がなくても活用できるか
- 期間限定で無料もあり!料金形態で選ぶ
- 信頼性で選ぶ!利用実績が多いソフトは安心
- 法人向けか個人事業主向けかを確認する
それぞれ見ていきましょう。
クラウド型/インストール型で選ぶ
無料の会計ソフトには、大きく以下の2種類があります。- クラウド型
- インストール型
それぞれ以下のような特徴があります。
クラウド型 | インストール型 | |
---|---|---|
基本情報 | インストール不要 Windows、Mac対応可能 |
インストール必要 ソフトによって対応していないOSあり |
メリット | PCに限らずスマホからも利用可能 どこでも利用できる |
ネットがなくても利用可能 大量のデータを扱える |
デメリット | ネットに繋がっていないと利用できない 取引件数が膨大だと処理に時間がかかる可能性がある |
パソコン本体にデータが保存されているため、データ破損の可能性がある 管理画面が複雑で経理初心者には扱いづらい |
代表的なサービス | freee(1ヶ月無料) 円簿会計(ずっと無料) やよいの青色申告オンライン(1年無料) |
フリーウェイ経理Lite(ずっと無料) 弥生会計(1ヶ月無料) |
特におすすめな人 | 経理初心者 | 取引件数が膨大な事業者や法人 |
さらに詳しく確認していきましょう。
クラウド型会計ソフト
GoogleChromeやSafariなどの、インターネットブラウザから使用する会計ソフトを「クラウド型会計ソフト」と言います。Windows、Macのどちらにも対応しているものが多く、誰でも扱いやすいのが特徴です。インストール型の会計ソフトは、ほとんどがWindowsだけで動作するため、Macユーザーの方はクラウド型会計ソフトの使用が多くなります。
パソコンを変えても利用でき、スマホからもアクセスできます。出先でもインターネットに繋がっていれば、いつでも使用可能なのが強みです。
一方、ネットに繋がっていないと利用できない点や、取引件数が膨大な場合には処理時間がかかるデメリットもあります。取引件数が少ない個人事業主では、特段デメリットはないため、多くの方に利用されています。管理画面が初心者向けになっていることも特徴で、経理初心者には特におすすめです。
クラウド型の無料会計ソフト
- freee(1ヶ月無料)
- 円簿会計(ずっと無料)
- やよいの青色申告オンライン(1年無料)
インストール型会計ソフト
パソコンにインストールして利用する会計ソフトを「インストール型」と言います。CDやDVDを購入するものや、販売ページからダウンロードするものがありますが、どちらにせよ、パソコンのハードディスクにインストールするのは変わりません。インストール型は、Windowsのみに対応した会計ソフトが多く、Macで使用できるソフトはほとんどありません。
インストール型のメリットは、ネットに繋がっていなくても利用可能な点と、膨大な取引データも素早く扱えることです。一方デメリットは、データがパソコン本体に保存されるため、ハードディスクの破損によりデータが消える恐れがあること。また、あまりに古いパソコンでは動かない可能性もあります。
インストール型の場合、動作環境には条件があり、Windows7をサポート対象外としている会計ソフトも多く見受けられます。そのため、導入前にお手持ちのパソコンが推奨要件(OSやメモリ量)を満たしているか確認しましょう。
またインストール型は、クラウド型会計ソフトと比較すると、管理画面が複雑です。経理初心者には扱いにくいと感じることも多いでしょう。
ただし、経理をやったことがある人にとっては、細かいカスタマイズができるインストール型の方が便利で、大量のデータを扱うことに長けています。そのため、インストール型会計ソフトは、取引件数が多い事業者や法人におすすめです。
インストール型の無料会計ソフト
- フリーウェイ経理Lite(ずっと無料)
- 弥生会計(1ヶ月無料)
まとめ
- クラウド型がおすすめ:個人事業主の方や、法人でも取引規模があまり大きくない場合
- インストール型がおすすめ:取引のデータが多く、検索や登録などを高速で行いたい場合
クラウド型・インストール型、どちらにも無料で使えるソフトがあるので、試しに両方使ってみるのもおすすめです。
税制改正は必ず訪れる!会計ソフトの更新頻度は要チェック
前提として、会計ソフトは最新の税制が適用されていなければ正確な数字を出すことができません。そして、税金の仕組みは必ず変化します。そのため、無料であっても税制の改正にあわせて細かく更新している会計ソフトを選びましょう。事実、日本税理士会連合会がまとめている「過去の税制改正と主な実現項目等」(https://www.nichizeiren.or.jp/nichizeiren/proposal/taxation/tax_reform/、2021年10月14日)によると、常に税制が改正されているとわかります。
経理初心者の方も経験している税制改正といえば、消費税の増額です。
2019年10月から消費税は10%に引き上げられました。一律で10%なら計算は簡単なのですが、食べ物や新聞などは消費税8%のまま続行する「軽減税率」が導入され、事業者側は複雑な会計を求められました。
このような税制改正に素早く対応する無料会計ソフトでなければ、こちらが手動で対応することになり、逆に手間が増えてしまいます。
そのため、税制の改正に合わせて、定期的に更新されているかをチェックしておきましょう。会計ソフトのホームページには「お知らせ一覧」や「アップデート履歴」のページがありますので、そこから確認できます。
初心者でも扱える?複式簿記の知識がなくても活用できるか
会計ソフトは「簿記」の知識を前提にしたソフトもあります。会計には「減価償却」や「固定資産」など専門用語がしばしば登場します。経理初心者の頃は、経費1つ計上するにも戸惑いがつきものです。さらに、無料の会計ソフトだと電話やメールなどのサポートがない可能性が高いです。サポートがない場合、わからないことは自己解決が必要になります。
もし知識不足が原因で、意図せずとも脱税があれば、税務調査で追徴課税を求められ対外的な信用度に大きく影響します。ミスを減らすためにも、経理初心者の方は、初心者向けに作られた会計ソフトを選びましょう。
期間限定で無料もあり!料金形態で選ぶ
一定期間無料で利用できる会計ソフトは多くあります。期間限定で無料になる会計ソフトの例 | |
---|---|
会計ソフト | 無料期間 |
弥生会計 | 1年 |
会計freee | 1ヶ月 |
マネーフォワードクラウド | 1ヶ月 |
いわゆるトライアル期間です。この期間中に、操作感や使い勝手を確認できます。もちろん、この期間中に解約すれば料金の発生はなく、契約は終了です。
ただし、期間限定で無料の場合が多いので、期間は導入前に必ず確認しておきましょう。
信頼性で選ぶ!利用実績が多いソフトは安心
会計ソフトは経営に直結するツールなので、できる限り信頼できるサービスを選びたい方も多いのではないでしょうか。信頼性を具体的にすると、利用者数が多く、長年運営しているものが当てはまるかと思います。インターネットで探せば、無料会計ソフトはたくさん見つかりますが、有名なものから、無名のもの、個人が開発したエクセル会計ソフトも見つかるはずです。
中には、一定の業界に特化した「不動産業界特化」などの会計ソフトもあります。しかし、実績がないサービスは、信頼性や今後の運営がいつまで続くか分からない不安要素があるのも事実です。
決算や確定申告で失敗しないためにも、実績豊富で、信頼できる無料会計ソフトを選びましょう。
法人向けか個人事業主向けかを確認する
選択する会計ソフトは、自分のビジネス形態に合致するものである必要があります。個人事業主向けのソフトは、確定申告や簡易な会計処理に特化しています。一方、法人向けのソフトは、複雑な財務報告や多様な税務申告に対応する機能があります。そのため、選択時には以下のポイントを考慮しましょう。
- ビジネス形態(個人事業主か法人か)を明確にする。
- 必要な会計処理と税務申告機能を洗い出す。
- 数のソフトを比較して、自分のニーズに最も合ったものを選ぶ。
適切な会計ソフトを選ぶことで、効率的な会計管理と正確な税務申告が可能になります。
無料会計ソフト選びのポイントまとめ
- クラウド型/インストール型で選ぶ
- 税制改正などに対しての更新頻度で選ぶ
- 初心者向け/経験者向けで選ぶ
- 料金形態で選ぶ
- 利用実績やサービス利用者数から信頼性で選ぶ
- 法人向けか個人事業主向けかを確認する
上記7ポイントを押さえて、無料会計ソフトを選んでいきましょう。
無料会計ソフト導入前に要チェック!気をつけたい2つの注意点
無料の会計ソフトを選ぶとき、注意しておきたいポイントが以下2点です。- 機能が制限されていることがある
- サポートがなく、疑問点は自己解決する必要がある
無料の会計ソフトを使う際には、これらの注意点があることを知っておきましょう。上から順に詳しく解説していきます。
導入前に必ずチェック!機能制限がある無料会計ソフトも
無料の会計ソフトは、一部の機能が制限されていることがあります。中には、「これを使用するのは現実的ではない」というレベルで強い制限があるサービスも存在します。そのため、導入前には、制限される機能があるか確認しておきましょう。以下に、無料会計ソフトでよく制限される機能をまとめています。
無料会計ソフトで制限されがちな機能
- 出力できる帳簿に限りがある
- 利用ユーザー数や同期端末数に制限がある
- 自動仕分けがない
- データをクラウドに保存できない
- 銀行口座やクレジットカードとの連携ができない
- 登録件数/保存期間に制限がかかる
- アプリは有料プランからじゃないと使えないことがある
上記の中でも特に、登録件数に制限がかかる無料会計ソフトは要注意です。取引件数が多い業態では、登録件数上限を超えてしまう可能性もあります。登録件数上限を超えてしまうと、経理・会計業務に支障をきたすので、注意しましょう。
実際に制限される機能は、無料会計ソフトによって異なります。そのため、導入前には制限される機能があるか必ず確認しておきましょう。
サポート無し?無料会計ソフトの場合は疑問点を自己解決する必要があることも
無料の会計ソフトには、運営会社からのメールや電話サポートがないことが多いです。以下のような疑問も、公式マニュアルや、書籍、インターネットをもとに自己解決しなければなりません。「これは何費に計上したら良い?」「減価償却ってどうするの?」
普段の運用には困らなくとも、決算や確定申告の時期に新たな疑問点が出てくることもあります。調べる時間が十分にあれば良いのですが、決算や確定申告を目前に控えていると、のんびり調べている時間はありません。決算書などは銀行にも提出するので、ミスできない書類です。初心者の方は、特に苦労するでしょう。
さらに、マイナーな無料会計ソフトだと、インターネットを探してもQ&A記事がないことがあります。どうにも自己解決できないときは、単発で税理士と契約する方法もありますが1回で数万円はかかります。せっかく無料会計ソフトを使っているのに、ここでコストをかけるのはもったいないです。
有料の会計ソフトであれば、メールや電話でのサポートをしてくれるものが多いです。簿記に詳しくない方や、自己解決のために時間を割きたくない方は有料の会計ソフトがおすすめです。
もし、無料会計ソフトを使う場合には、公式マニュアルが充実しているか確認しておきましょう。経理初心者の方は、インターネット上のQ&A記事が多い会計ソフトをチョイスするのもおすすめです。
まとめ
当記事では、おすすめ無料会計ソフトや基礎知識を紹介しました。これまで手作業やエクセルで計算していた帳簿を、会計ソフトで自動計算すれば決算前の負担はずっと少なくなります。記帳だけでなく、青色申告まで含めてサポートするものもありますので、初心者の方でも積極的に活用していきましょう。E-taxが普及し、電子申告も浸透してきました。今後は、個人事業主でも法人でも、会計ソフトは経営の必需品になっていきます。コストもかけずに経理業務を効率化できる、無料の会計ソフトをぜひご検討ください。