Kenshoo「K8」イベント参加レポート

K8
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Kenshoo「K8」イベント参加レポート

Kenshoo K8イベントに日本のパートナーとして招待され、EXIDEA米国支代表である青木が参加しました。今回はK8イベントの様子をレポートさせていただくのと同時に、Kenshooやデジタルマーケティング全般の最新動向などを紹介したいと思います。
 
Kenshooとは、イスラエル発の人工知能を用いた広告運用プラットフォームで、アメリカのサンフランシスコに営業拠点の中心を置くとともにグローバルで190カ国以上に展開しており、日本をはじめ27の拠点を構えています。EXIDEAはKenshoo Japan株式会社と業務提携し、日本市場の特に中小規模の企業を対象に、Kenshooを導入した広告運用・運用代行事業に取り組んでいます。(Kenshooについての詳細はこちら

Kenshoo(ケンシュー)が主催するイベント「K8(ケイ・エイト)」とは

K8

ワインをイメージした紫色のロゴデザイン

Kenshooのクライアント企業やパートナーが一同に介し、最新のKenshooサービスの動向や、デジタルマーケティング全般の最新動向などを共有するイベントで、年に1回の頻度で開催されているイベントがこの「K8」。2018年で6回目の開催を迎えたそうです。年々規模が拡大しているようなのですが(Kenshooの売上拡大とあわせて?)、目的は変わらず「パートナー同士、あるいはクライアントとパートナーが歓談し、新たなアイデアをチームに持ち帰る場」だそうです。できるだけ参加者同士が接点を持ち、会話が弾むような企画・仕掛けが多数用意されていました。

ナパバレー

ナパバレーはカリフォルニアワインの名産地で、ブドウ畑があちこちに広がっています。

2018年のテーマは「BE AUTHENTIC」、“もっとリアルに、現実のコンシューマーに寄り添おう”といった意味合いで掲げられたテーマだそう。そして、2018年のK8の会場はアメリカ・カリフォルニア州のナパバレー。ご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、ナパバレーは有名なカリフォルニアワインの産地であり、有名なワイナリーが多数あるサンフランシスコ近郊の街です。
※ちなみに、2017年のK8はサンフランシスコ・シリコンバレー近くの「HALF MOON BAY」という街で開催されており、毎年開催場所が変わっています。

今回参加した2018年K8について、時系列でレポートしたいと想います。

    レポートは長くなるので、要点だけまとめると…

  • 1.Kenshooを利用した広告出稿・運用は増加、Kenshooの接続先(Kenshooを経由して広告出稿できる)メディアも増加中
  • 2.2018年のテーマは「Audience(オーディエンス)」。いかに最適なオーディエンスに、最適な内容の広告を、最適なタイミングで届けるか。それが広告主と消費者をWin-Winに
  • 3.(特にEC領域では)「Visual」や「Video」が重要な要素に。これらのCreativeをいかに魅力的に作るか、オーディエンスごとに異なるであろう各Creativeの評価をどのように管理するか、またどの媒体にどんなCreativeで出稿することが効果的か、ますますCreativeとその評価・管理の重要性が問われる

イベント1日目:会場であるナパバレーへの移動とウェルカム・レセプション

K8会場のホテル

K8会場のホテル裏側にもブドウ畑が広がっていました。

EXIDEAのアメリカ支社である「EXIDEA GLOBAL USA INC.」のある(私が住んでいる)ロサンゼルスからは、まずサンフランシスコへ飛行機で1時間半、そこからバスに乗り換えさらに1時間半ほどかけてナパバレーへ。乗り換えや待ち時間などを合わせると半日がかりでの移動です。

会場であるMeritage Resort & Spaというホテルに到着、イベント1日目はホテルへのチェックインとウェルカム・イベントのみで、本格的なセミナー・セッションは2日目という内容。ウェルカム・イベントはホテルから車で30分ほどのワイナリーに場所を移し(参加者は100名~150名、観光バス6-7台での移動でした…)、ワインテイスティングやパスタ作り体験、ブドウ踏み体験などのアクティビティが準備されており、参加者それぞれが希望のコースに参加。その後、ワイナリー地下のホールでビュッフェ形式のディナーへ。完全にワイナリーをK8専用に借り切っている状態で、「Kenshoo、めちゃくちゃ儲かってるな!」という印象でした(笑

ワイナリー入り口

ワイナリーが貸し切りとなり、K8初日のレセプションパーティが開かれました。

ワイナリーの内部

ワイナリーの内部もK8イベント用の内装がされており、「お金がかけられてる!」という印象でした(笑

ワイン

会場となったCastello di Amorosaというワイナリーで生産されているワインの即売会も。

参加しているのはアメリカでも有名・大手の企業が多く、たまたま席が一緒になったり会話したのはMicrosoftのAI担当の責任者だったり、AmazonのMarketing担当やOath(米YahooとAOLが合併した会社)でビッグデータ関連の部署にいる人だったり、そういった面々と直接会話できるのは、こういったフランクなイベントならではの醍醐味。この日、会話した方は皆、KenshooのクライアントというよりもデータやAPIで連携するパートナーという位置づけで参加していました。

ちなみに、ホテルの部屋には無料の赤ワインが1ボトル。ホテルの裏にはぶどう畑が広がっていたり、ホテルの敷地内にテイスティングルームがあったりと、カリフォルニアワインの聖地・ナパバレーらしい雰囲気が満点で、仕事で来たのを忘れるくらいの“森のリゾート”といった印象でした。

※ちなみに、Kenshoo導入企業は…
フォーチュン50社のほぼ半分の企業、および世界トップ10の広告代理店ネットワーク全てにおいて、デジタルマーケティングキャンペーンをサポートしています。Kenshooの顧客は、CareerBuilder、Expedia、Facebook、Havas Media、John Lewis、Resolution Media、Sears、Starcom MediaVest Group、Tesco、Travelocity、Walgreens、Zapposなどの企業です。

イベント2日目(午前):いよいよメインのK8が開始

イベント会場の様子

イベント会場の様子

2日目の朝は、参加者に振る舞われた朝食をいただいてから、いよいよイベントの本編がスタート。まずはKenshoo・CEOの挨拶から始まりました。時系列でイベントの内容をレポートするとともに、特に印象に残った内容をいくつか紹介します。

CEO・Yoav Izhar-Prato氏による挨拶

まず初めに、KenshooのCEOである、「Yoav Izhar-Prato(ヨアヴ・イザール・プラト)」氏による講演からK8の2日目がスタートしました。
 
“どうやったら印象に残るか?”と考えた結果、手書きでのプレゼンテーションを試してみることになったそうで、パワーポイント等のスライドは一切なく手元のにある一枚の白い紙をプロジェクターで投影しながら、その紙に書き込んでいくという形での進行でした(笑)

Kenshoo CEOによる講演

Kenshoo CEOによる講演は、手書きの紙をプロジェクターに投影するという斬新なスタイル!

15分ほどの短いプレゼンテーションでしたが、特に参加者に強調していたのが、

  • ナパにはワイナリーがあり、ワインが生産されるが、それはなぜか?答えは「消費されるから」。そして、ワインが消費されるためにはサプライチェーンがあり、バリューチェーンがある。さらにチェーンがあるところにはマーケティングが存在し、マーケティングがあるところには「Kenshoo」がある。Kenshooはすべてのマーケテイング活動に貢献したい。
  • ワインを飲む前には、「匂いを嗅ぐ」「色合いを見る」「味わう」、そして「グラスを激しくシェイクする(振る)」。これには、“ワインの音を聴く”という意味合いがあるそうで、こうしてワインは五感で感じるもの。マーケティングも同じで、五感をすべて動員して取り組むべきものと考えている。なので、今回のK8のテーマは「Authentic」。もっとカスタマーのことを全身の知覚で理解したいと思っている。

といった内容。会場がナパバレーだけにワインの話と関連させての挨拶が印象的でした。

プロダクト・キーノート

ここからは、Kenshooのプロダクトマーケティングの担当副社長であるTom Affinito氏と、CPOのShahar Erez氏によって、最新のKenshooの動きや前年度(2017年度)に達成したことなどを紹介されました。この中でいくつか印象に残った情報を一部紹介したいと思います。

2017年の1年間で、Kenshooを通じて出稿された広告は5,000万件以上

Kenshooの利用企業が増え、2017年の1年間で、Kenshooのプラットフォーム上で登録された広告は5,000万件以上、登録されたキャンペーンは250万件以上、毎日に35万件の広告が出稿され、32万件の画像クリエイティブが登録されているとのこと。
 
また、1日に6,000人のユーザがkenshooプラットフォームにログインし、 Kenshoo Portfolio Optimizer(KPO:ケンシュー・ポートフォリオ・オプティマイザー)による検索広告のBid調整回数は1日あたり5,000万回(!)に上るとのこと。かなり巨大な広告運用プラットフォームに成長していることが容易に想像できます。同時に、やはりシステム全般のパフォーマンスやレスポンス改善も必要で、インフラ関連に大きな投資をしているとのことでした。

各メディアの新たな広告企画にも即座に対応、またOath(Yahoo)との連携も開始

FacebookやPinterest、Google、Bingなどの広告運用を管理するため、新たな広告フォーマットやクリエイティブ仕様に即座に対応しているとのこと(特にFacebookは最近さまざまな広告パターンが出てきており、対応が大変だという話も…)。また、Kenshooは各広告クリエイティブの評価や再利用をチャネル間で統一して一元管理できるような機能開発も行っているとのことでした。
 
併せて、YahooとAOLが合併した新会社Oathとも連携を開始、今後米国Yahooへの広告出稿もKenshooで管理可能になることがセッション中に発表されました。
※日本ではすでにKenshooとYahoo!Japanが連携しているので、アメリカでは未連携だったのがむしろ意外でした。

米国市場ではネイティブ広告への広告出稿が増加、対して運用型広告への出稿量は減少

一方で、2017年、検索広告などの運用型広告への出稿量は対前年比で12%減少しているのに対し、ネイティブ広告への出稿は前年比で約70%ほど増加しているとのこと。Kenshooとしては、このネイティブ広告の管理・運用にも対応できるように、動向を注視しながらシステム開発を進めていると言った話がありました。
※英語では「Native Ad」という表現がされていましたが、実際にはインフィード型広告のことを指しています。

2018年のキーワードは「Audience(オーディエンス)」

特に強調されていたのが、Audienceについてのパートです。ネイティブ広告もそうですが、いかにカスタマー(消費者)にとって、”心地よい(Comfortableな)”広告を投下していくか?という視点が今後の広告主・メディア側のテーマになっていきそうです。
 
ユーザが”心地よい” → つまり広告効果が上がる、より効率的な広告運用になる → 出稿額が増える、または維持できる → 広告主もメディア(FacebookやGoogle、B-ing等)も儲かってハッピー

この「Audience」をキーワードに、カスタマーをセグメントごとに捉え直し、最適なカスタマーセグメントに、最適な広告クリエイティブを配信できるようになることを目指してAudience機能を強化していく、というのが2018年のKenshooの主要なテーマの1つとのことです。
 
このセッションでも触れられましたが、Kenshooは米国マイクロソフトのAudience Networkとの連携を開始、外部のオーディエンス情報も積極的にKenshooの機械学習に取り込み、より精度が高く効果的なセグメント別の広告配信を実現するために力を入れていくようです。これを実現しているのが「Kenshoo Audience Manager」というKenshoo上の機能です。
 
一般に言われることですが、オーディエンスの質を取りに行くと効率が良くなる一方で規模がとれず(スケールせず)、アクションの総量を求めるとオーディエンスの質が落ち、効率が悪化する。これが特に大企業のマーケッターの悩み。このバランスを効果的にとれるようにする、そこを期待させるのがKenshooの魅力ですね。

ゲストスピーカー「エリザベス・ギルバート」氏による講演

アメリカの作家で代表作『食べて、祈って、恋をして』で有名なエリザベス・ギルバート氏がゲストスピーカーとして招かれ、午前の最後のプログラムとして講演されました。WEBマーケティングや広告といったテーマから完全に離れて、どう素敵な人生を送るか?といった内容のお話。ちょっと哲学的な話も交えてのスピーチで、ご紹介すると長くなってしまうのと、直接Kenshooに関連する話ではなかったので、ここでは割愛させてください。
 
ここまでがK8・2日目、午前中のパートでした。

イベント2日目(午後):個別のセッションへ

K8・2日目の午後は、3つのテーマに分かれた個別のセッションでした。参加者は同一時間帯にある3つのセッションの中から興味のあるテーマを選択し、セッションに参加します。私が参加したセッションの中で印象に残っているものをいくつかご紹介したいと思います。

The Future of Serach(検索の未来)

このセッションは、KenshooのChief Strategy Officerでもある「William Martin-Gill」氏によるセッションでした。「Fulle Funnel Search」というタイトルのもと、話のテーマは「The Future of Serach(検索の未来)」。一言でキーワードマーケティング、あるいはキーワード広告と語るのではなく、これからはそれぞれの検索キーワードに紐づく検索ニーズごとに、最適なマーケティング方法を考えないとね、といったお話。
 
その中で、ユーザーの検索行動を3つのファンネル(Upper Funnel、Middle Dunnel、Lower Funnel)に分けて考えて、それぞれの傾向や今後のどんな方向に変化していくか、といった話が出ました。

Upper Funnel Middle Funnel Lower Funnel
ボリューム ビッグワード ミドルワード テールワード
検索意図 あいまい 個別・具体的
広告主が必要なこと まずは”認知”を得ること “評価”してもらうこと “アクション・コンバージョン”してもらうこと
効果的な広告クリエイティブ ビジュアル広告 テキスト広告

 
検索ニーズの大きさ、要求のあいまいさに応じて、広告手法・クリエイティブやコンテンツを変えることが今後はより求められ、また特にUpper Funnelの検索に対してはVisual型の広告がより効果的になりそうだ、ということでした。Googleのショッピング広告や、Piterest、Amazon広告などが例にされており、特にリテールのECなどで、この考え方は有効かつ今後ますます求められそう、という印象でした。

Facebookの広告フォーマットにおけるイノベーション

このパートはKenshooではなく、Facebookの方がスピーカーを務めました(名前を失念してしまいました…)。タイトルは「Facebook: Innovation in Ad Formats」ということで、なぜFacebookが毎月のように新しい広告フォーマットをリリースしているかといったテーマで講演されました。(実際、米国では2017年の下半期の間に、…の新たな広告仕様がリリースされました)
 
前提となっているのは、Facebookの将来予測。Facebookでは、2021年までにモバイルでのビデオ視聴が現状の9倍になり、結果モバイルでのデータ通信のうち、78%がビデオになると予想しているとのこと。このため、Facebookでは(Instagramも含めて)動画型の広告を中心に、新たな広告フォーマットを次々と企画・投入しているということでした。
 
このセッションでも触れられていたのは「Audience」で、動画広告もセグメントごとに分けてクリエイティブを制作・配信することで効果が上がることが分かってきているとのことでした(例として、ミレニアム世代より上、ミレニアム世代より下、LGBTQ+の3セグメントを対象に、動画コンテンツを分けて配信し、効果を最大化した事例などが共有されました)。
 
前のセッションとも共通しますが、やはり今後はますますビジュアル型の広告、動画型の広告が求められ、かつそのクリエイティブ内容をセグメントごとに最適化する、といったことが求められるとのこと。何だかめちゃくちゃ制作も制作物の管理や評価も大変そうですが、すでに米国では動画広告を強みとするような広告エージェンシーも誕生してきているとのこと。そういう時代なのだと言うことを肌でひしひしと感じました。
 

AmazonとKenshooの連携

K8・2日目の最後は、再度メイン会場に戻りAmazonでスポンサード広告を担当する副社長である「Colleen Aubrey」氏と、kenshoo・CEO「Yoav Izhar-Prato」氏による対談でした。2017年からKenshooは、Amazonの広告出稿システムとも連携を開始した経緯でもあり、なぜAmazon上での商品出品だけでなく、広告出稿にも注目する必要があるのか、といったテーマでの対談となりました。
 
最終的にAmazon上で商品を買うか、買わないかは別に、何か物を買おうと考えたら必ず購入前にAmazonでも商品を確認するという人は70%に上るという調査もあり、Amazonはすでに一般消費者にとっての「購買行動のプラットフォーム」となっているというのがKenshooの考え方。つまり、そのAmazon上に商品が無かったり、Amazon上で商品の認知を得られなければ、EC事業者としてはかなり商品を売りにくい、ということになります。このため、Amazonへの広告出稿およびその効果的な運用というのは、特にアメリカの小売企業のEC事業などにとっては非常に重要なテーマなのです。
 
とは言え、対談の内容は比較的一般的な内容で踏み込んだ発言は特になかったので、このセッションの紹介はこの辺に留めておきたいと思います。

K8イベント・2日目の最後はディナー&パーティ

ディナー会場

メインのセミナー会場が、夜はディナー会場に


セミナー会場はディナー会場へと変わり、参加者はそれぞれのテーブルに着席してのコースディナーです。恐らく150名~200名、なかなか盛況なディナーでした。ディナーで同席したのは全米に展開しているデパート「Macy’s」のマーケティング担当者やアパレルブランド「PacSun」の担当者、Fintec系のベンチャーのCMOなどでした。それぞれKenshooとの関わり度合いや活用が微妙に異なり、私自身にとってどのようにKenshooがアメリカ企業で活用されているかを少し理解できたのは良かった点です。
 
ディナー後はホテル内のバーを借り切っての二次会(?)。このホテルのバーにはボーリングレーンやビリヤード台などがあって大盛り上がり。会場は午前1時まで貸し切り状態だったのですが、さすがにボーリングで汗を流す気になれず…(笑)早めに部屋に戻って、少し仕事をしてから休みました。

イベント3日目:K8イベント最終日

今回のK8・イベントは3日目午前中までで終わり。昨晩が遅かったせいか朝の集まりが遅く、K8の3日目は予定よりも若干開始時刻が押してのスタート…。

米国・マイクロソフトの「Matthew Lydon」氏による講演

「Moving Mountains With Empathy」というタイトルでの講演で直接マーケティングに関連する内容ではなかったのですが、終了後、会場全体がスタンディングオベーションに包まれるようなとても感動的なプレゼンテーションだったので少しその内容を紹介します。
 
“Empathyの力”といった内容だったのですが、Empathy(エンパシー)を日本語にすると、「共感」とか「他人の気持ち・感情になって考えること」といった意味合いでしょうか。彼がプレゼンテーションの中で紹介したのが、

Empathy makes you a better innovator.
-エンパシーが、あなたをイノベーターに変える

という、現在の米国マイクロソフトのCEOである「サティア・ナデラ」氏の言葉です。
 
K8の会場となった米国カリフォルニア州は、2017年の後半から2018年にかけて、山火事や大規模の土砂崩れなどの災害が相次ぎ、被害にあわれた方が多数いらっしゃいます。そんな時こそ、ビジネスをしていても忘れてはいけないのはエンパシーだということ。
 
実はこのLydon氏自身もパーキンソン病患者だとのこと。自分がパーキンソン病に罹っている分かった時、家族や会社にそれを伝えるべきか、どう伝えるか大変悩まれそうです。ところが家族や会社に事実を伝えると決め、それが自分の周囲に伝わり始めてから、非常に多くの人にエンパシーが広がり、彼をサポートしてくれたとのこと。例えば、事実を知った同僚がファンドレイジングを立ち上げ、パーキンソン病患者をサポートする団体向けに数万ドルの基金が集まるなど、エンパシーの力を自分自身でも強く感じられたそうです。
 
そして彼が働くマイクロソフトもまた、このエンパシーとテクノロジーの力で、世の中の難解な問題を解決しようとしているとのこと。例えば、難病で知られるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者向けにアイトラッキング型のラップトップPCを開発したり、パーキンソン病患者の手の震えを軽減させ、筆記を補助するようなウェアラブルデバイスを開発したり。そういった製品、つまりエンパシーとテクノロジーの力によって、患者さんの顔が笑顔に変わる様子が様子がビデオで上映されました。
 
彼のプレゼンテーションの終わりは、「私たちは時に弱者であり、強者である。どちらかだけという人はいない。」という言葉。Kenshooとは直接関連しませんでしたが、私たちがかかわる「テクノロジー」の素晴らしさが伝わる、非常に感動的なプレゼンテーションでした。

Current Trends in Digital Marketing

ガラッと話の内容は変わりますが、次のパートでは「デジタルマーケティングの潮流」というような内容で、Kenshooの「Chris Costello」氏による講演がありました。
 
ここまでの内容のまとめに近い内容になるのですが、プレゼンテーションの要点をまとめると下記のような内容です。

1.特に特定の商品・製品の販促では、検索広告よりもSNS広告の比重が増加してきている。その内容も企業やブランドそのものの認知を図るものから、商品そのものの認知やブランディングを図るもの(Product-Oriented AD)に変化してきている。

2.ずっと言われてきていることだが、やはり今後は「モバイル」が広告の中心。2016年にGoogle、B-ingがモバイル向けの広告フォーマットを変えたことで、モバイル経由の広告トラフィックが非連続に増加した。今後ますますモバイルシフトの広告投下が見込まれる。

3.SNS×モバイルということで、ビデオ・動画型の広告が徐々に増えてきている状況。いまはまだゲーム業界など一部の業界に留まっているが、今後ECや旅行業界を中心に、動画型広告が急速に広がりそうな兆候が出ている。

4.上記に合わせて画像検索も増加。テレビなど現実世界(Real World)で見たものを、もう一度画像で確認したいというニーズが増えてきているのではないか、と推測している。そういった変化に合わせて、Googleのショッピング広告やピンタレスト、インスタグラムへの広告出稿が伸びてきている。

K8イベントの最後を飾ったのが、デビッド・カーソン氏による講演

米国の著名なグラフィックデザイナーであり、サーファーとしても知られているデビッド・カーソン氏がK8の最後のスピーカーとして登壇しました。雑誌の表紙デザインや、実験的なタイポグラフィでも有名な方で、どういったものからクリエイティブのインスピレーションを得ているか?といった点がテーマの講演でした。

日常的なシーンからいかにインスピレーションを得ているか、氏が撮影した大量の写真とともに、さまざまな実験的なデザインへの取り組みが紹介され、今回のK8を通じてのテーマであった「ビジュアルデザイン」や「クリエイティブ」と関連したプレゼンテーションでした。かなり、デザインに寄った話だったのですが、氏が最も大切にしていることは「Don’t mistake legibility for communication」とのことで、私の理解で日本語にすると”誰にでも判読可能な広告コミュニケーションであること”いった基本的なことでした。
 
クリエイティブに凝りすぎてしまって、何が言いたいのか分からない、そもそも何て書いているのか読めない、みたいな広告もありますよね。そこに陥ってはダメだよという警鐘・アドバイスだったと思います。

今回参加したK8および本レポートのまとめ

K8受付

以上、アメリカでは大企業を中心に、ビッグデータ×AIで構成されるKenshooプラットフォームを活用した最適な広告運用やソーシャルメディアも含めた広告キャンペーンおよびクリエイティブの一元管理に、かなり注目が集まっているという印象です。Kenshooを使った効率的な広告運用が、広告の費用対効果を改善させ、それがそのまま企業全体の収益率改善にまで良い効果をもたらしている、そんな話も聞かれました。また、ネット上のオーディエンス・データのマネジメントにもさらに一歩踏み込むということで、そういったオーディエンス・データを大量に保有するMicrosoftやOath(Yahoo)とKenshooのさらなるインテグレーションにも今後注目が必要そうです。
 
一方でイベントとしては、比較的広告運用規模が大きな企業、かつ米国市場の話が中心の場ということで、中小規模の企業のマーケティングや日本も含めた米国以外の市場での広告運用といった話題がほとんどありませんでした。この点については、やはり我々EXIDEA自身で、ノウハウや知見をもっと溜めていかねばならないと感じました。
 
日本市場では我々EXIDEAが、中小規模の企業様を中心にKenshooのご案内や運用代行等のご相談を承っています。Kenshooに少しでも興味があるという企業様はぜひEXIDEAへご相談ください!

EXIDEAアメリカ支社代表・青木によるレポートでした。

おまけ:ちなみにこんなイベントも

初日の午後と、3日目の朝には、「Kenshoo Running Club」や「Kenshoo Cycling Club」といった自由参加のイベントが企画され、それぞれ5kmのランニングや、2時間のサイクリングなどを希望者が楽しんでいました。アメリカと言えば、“肥満大国”のような印象をお持ちかも知れませんが実際には二極化していて、健康志向が強い方(企業のエグゼクティブクラスにも多い)は日常的な運動は絶対に欠かせないと考えているのです。

なので、こうしたイベント期間中でもランニングやサイクリングのイベントに多数の参加者がいたり、滞在ホテルでは朝5時過ぎからフィットネスクラブは運動する人で賑わっていました。日常的な運動を徹底的に習慣化、出張中のホテルでも運動を欠かさない姿を見ると、我々も学ぶべき点があるなとあらためて感じました。(「質の高いビジネスは、健康な心身から生まれる」といった感じでしょうか?)

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