グロースハッカーの意味が分からないのはハックの意味が分からないからだと思う。

グロースハッカーの意味が分からないのはハックの意味が分からないからだと思う。
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グロースハッカーの意味が分からないのはハックの意味が分からないからだと思う。

「グロースハッカーってどういう人のことですか?」と、最近良く聞かれます。

「AARRRはグロースハッカーとして必須ですよね?」

とかも聞かれます。

AARRR = 1.[Acquisition]→2.[Activation]→3.[Retention]→4.[Referral]→5.[Revenue]
まず、1.[ユーザー登録されて]、2.[利用が開始されて]、3.[継続的に利用してもらって]、4.[他の人にシェアしてもらって]、5.[収益が発生する]。

WEBサービスがスケールするに当たって、収益が上がっていくプロセスの概念を表したもの。

グロースハッカーという言葉自体が元Dropboxのグロースハッカーによって提唱されたものであり、グロースハッカーがDropboxのグロースチームによる成功によって脚光を浴びた言葉なのでAARRRがグロースハックの神髄みたいに言われるのは分からなくもないです。

そして、それに近い業態では確かにこのフレームワークは大事だと思います。

しかし、ビジネスモデルによって利益の上がり方は全く違いますし、AARRRのプロセスで利益が上がらないものだってもちろんあります。

それにこのプロセスに沿って仕事をしている人全員をグロースハッカーと呼んでいいかと言うとそれも違います。

では、グロースハッカーってどういう人のこと?と、みんなイマイチ分からない。

分からないから重要性も分からない。

とりあえず分かることと言えば、WEBやITの世界で注目されているWEBマーケティング職の一種で、シリコンバレーで注目を集めており、日本でも最近何だか人気が高まっている職種だということくらいだと思います。

なので、これをお伝えすることはそれなりに意義があるような気がするので、今回久しぶりにグロースハック関連の話を書いて行きたいと思います。

「グロース」は成長。これはみんな分かる。厄介なのは「ハッカー」のほう。

ハッカー…、日本でも馴染みがある言葉ですが、大抵はシステムに不正侵入して悪いことをする人という意味で使われます。

そういう人たちは「クラッカー」という言葉で定義されていますが、一般的な認識としてハッカーとは悪い人たちのことです。

うちの社員の親御さんから「グロースハッカーという言葉は変えた方がいいんじゃないんですか?」と言われたくらいです。

まあ、それは置いておいて…

ここでいうハッカーは「ハックする人」という意味。

ハックというと、最近はライフハック、うんたらハックとクールな意味で結構使われているので、馴染みがある人もは多いのではと思います。

でも、良く考えると「ハック」の意味がよく分からない。

これは「ハック」に相当する単語が日本語にないからだと思います。

だから「グロースハッカーって何ですか?」「グロースハックって何ですか?」となるのも当然ですし、グロースハッカーの説明をしているページも沢山ありますが、ハックの意味が分からないからどれだけ読んでもピンと来ない人が多いと思います。

グロースハッカーの求人情報なども最近は増えてきましたが、採用をしているその会社すらグロースハッカーが何だか分かってないんだろうなぁと思うことも結構あります。

グロースハッカーに関する書籍も何冊か出ていますが、それ以前に「ハック」の意味が分からないから、これを読んでもやっぱり分からないという人が多いんじゃないかと思います。

この「ハック」の理解には以下2つのページは非常に役に立ちます。

何でも「ハック」っていうの、もうやめませんか?

上記は米Gizmodoのアシュリー・ファインバーグ記者が書いた記事。

What’s a Hack? – Cruel.org

上記は結構過激に書いていて面白い。

さて、上記を見ても分かる通り、「ハック」とは、創造性溢れる思考で問題解決を思いつき、大雑把に作り上げる(良く言えばスピーディに作る)。

そして作ったものが問題解決に十分な効果を発揮すること。

だから、最小の仕組み作りで最大の効果を生める人たちという印象があります。

下記の「What’s a Hack?」の記事でもこんなことが言われています。

クスリを混ぜるようなときに「I hacked this medicine up」とかは言わないし、クローン牛を手軽に作っても「I hacked this clone up」とは言えない。建築でささっとラフスケッチを手書きで仕上げるのは、「I hacked up some drawing」とは言えなくもない。時間がないときにできあいの平面図をペタペタ貼り合わせてすごくおさまりのいい敷地図を30分でつくっちゃったら、 これは「nice hack」とほめられるだろう。一方、ときどき締め切り間際まで何も作業をせずに、発表のその場になってからスタイロフォームでちゃちゃっとボリューム模 型を仕上げたり、新聞紙をくしゃっとまるめてうまいコンセプト模型をつくったりすると、かっさいを浴びる一方で「そういう hack に頼るな!」と先生に怒られたりもする。あるいは友だちんちに行って、「腹減ったぁ」とかいうことになるでしょ。そのとき、クッキングパパ風にありあわせのもので飯をつくってくれたりするヤツがいる。それは hack だ。「He hacked up some lunch for me」(あいつ、おれにさくっと昼飯ってくれたんだぜ)といって感謝される。この表現にいちばんぴったりくる料理って、やっぱサンドイッチね。手軽に組み 立てる、というイメージにマッチしてるから。一方で、昨日から仕込みをしてたすごい料理がそこで出てきたら、それは絶対にhackの範疇をはずれちゃう。手軽じゃないもん。あるいはそれがインスタントラーメンやスープだったら、hack とは言いにくい。物理的に組み立てる感じがないから(あと、創意工夫がまったくないから)。そしてコンピュータやソフトってのは構築的なイメージがあるから(アーキテクチャがあったりするでしょ)、hack という概念になじみやすいんだよ。

ハックというのはこういう独創性と、ちゃちゃっと組み立てて、で効果十分。

みたいなものです。

Yコンビネーターのポール・グレアムはスタートアップは全員がハッカーでないといけないと言っています。

ここではシステム開発においてハックする人たちを指していますが、ここで言うハッカーも上記のようなことをWEBサービスを作るということにおいてやっている人たちです。

通常の「ハック」と「グロースハック」のハックが少し違うのは、「グロースハック」はサービスの爆発的な成長を目的としているので、ちゃちゃっとやって効果十分、じゃあそれで終わりというものではなく、最高の状態になるまでハックを積み重ねます。

単発のハックで非常に高い効果を上げた事例としては、Airbnbの有名なグロースハック事例が分かりやすいです。

属性の近い他社WEBサイトであるcraigslistにも同時投稿ができる仕組みを作り、craigslist経由でのユーザー獲得は1,000万会員を超えたと言われています。

会員当たりの獲得コストを仮に3,000円とするならこれは300億円の価値にも匹敵する内容です。

規約に違反があったかどうかは知りませんが、これに関わった時間は1日、2日程度だったのではないかと思います。

正にグロースハックと呼ぶに相応しい事例です。

Dropboxのグロースハック事例では、友達紹介によるストレージプレゼントや、ソーシャルでの紹介によるストレージプレゼントなどの他、登録画面のABテストも有名です。

ストレージプレゼントについては創意工夫がされていて効果も十分であったためハックという言葉が似合う施策でしたが、ABテストの方はというと、こちらは泥臭く多くのABテストを重ねており非常に重たい作業をやっているのでハックというニュアンスだと違和感がある人もいるかと思います。

ただし、WEBサービスの開発や、WEBサービスを成長させるマーケティング施策の領域においては、様々な細かい創意工夫をし続け、最高のパフォーマンスが出るまで熱中し続け、猛烈にそれを組み上げるその業はハックと言われます。

つまり、ハックというのは本来の意味では最小限の力でちゃちゃっと効果的な何かを組み上げるマイクロイノベーション的な意味で、これはあらゆるシーンで使える言葉です。

そして、WEB業界、IT業界においては、最高のパフォーマンスを得るまで細かく改善し続けるその熱中状態にハックという言葉を使います。

グロースハックのハックはこの両方の意味で使われています。

つまりグロースハッカーとは?

先ほど、AirbnbやDropboxのグロースハック事例もお話したので少しイメージが掴めたかもしれませんが、グロースハッカーとは簡単に言えばビジネスの成長をハックする人なので、創意工夫によってビジネスが成長する仕組みを組み上げる人ということです。

ハックの意味が分かればこれは理解しやすくなると思います。

ここにもう一つ加えるのであれば、最高のパフォーマンスが出るまで熱中して改善をし続ける人です。

ちなみに上記のようなことをするには、データ分析と結果を出すための創意工夫、それを実行するための技術力を要するので、グロースハックとは一般的にはWEBマーケティングの世界で使われます。

グロースハッカーという言葉を2010年に最初に言ったショーン・エリス氏も元ドロップボックスを成長フェーズに乗せたマーケッターであり、その後グロースハッカーという言葉を広めたアンドリュー・チェン氏、アーロン・ジン氏もIT、WEBのマーケッターです。

2012年にアーロン・ジン氏がテッククランチにて、グロースハックを以下のように定義しています。

“mindset of data, creativity, and curiosity.”
→データと創造性と探求心(好奇心)におけるマインドセット(思考法)だ。

グロースハックと呼ぶにせよ、呼ばないにせよ。

ビジネスを急速な成長に導く人間はこういった思考で溢れています。

彼らの特徴はデータを読み、メトリクス(成功を生み出す基準となる指標)を作り上げる力があります。

簡単に言えば、そのビジネスを急成長させるための急所が分かるということです。

グロースハッカーについて更に理解を深めたい場合は以前に書きました以下の記事も参考にしていただければと思います。

グロースハックとは?今注目されるグロースハッカーという仕事

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