グロースハッカーとは?シリコンバレーでも注目される最先端のWEBマーケティング職

グロースハックとは?今注目されるグロースハッカーという仕事
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グロースハッカーとは?シリコンバレーでも注目される最先端のWEBマーケティング職

(2017年11月14日更新)

WEBマーケティングの職種の中でも、特に大きな注目を集めているグロースハッカー。

Facebookや、Uber、Airbnbなど多くの世界的WEBサービスの成長を支えたのが、グロースハッカーであるということもあり、アメリカではWEBマーケティングの花形職種。

日本でもグロースハッカーになりたい人は日々増えています。ではグロースハッカーとは一体、何者なのか?

その意味や仕事内容、事例を含め詳しく解説していきます。

 

2010年に初めて使われた言葉

グロースハッカーとは何者か?

「グロースハッカー」という言葉が初めて使われたのは2010年7月。
ショーン・エリス氏が、自身のブログ「STARTUP MARKETING」で述べたのが始まりです。

ショーン・エリス氏は伝説的なグロースハック事例を数々持つオンラインストレージサービスのDropboxでもマーケッターをしており、現在WEBサイトの改善サービスを提供するQualaroo社のCEOです。

そこで語られた人間像がグロースハッカーとして認知され、彼らが行う仕事がグロースハッキング(日本ではグロースハック)と言われるようになりました。

 

以下にその引用と翻訳をします。※一部、意訳をしています。

 

What is a Growth Hacker?

A growth hacker is a person whose true north is growth. Everything they do is scrutinized by its potential impact on scalable growth. Is positioning important? Only if a case can be made that it is important for driving sustainable growth (FWIW, a case can generally be made).

The good news is that when you strip away everything that doesn’t have a direct impact on growth, a growth hacker should be easier to hire than a VP Marketing (or maybe an insider already has the needed skills). I’ve met great growth hackers with engineering backgrounds and others with sales backgrounds.

The common characteristic seems to be an ability to take responsibility for growth and an entrepreneurial drive (it’s risky taking that responsibility). The right growth hacker will have a burning desire to connect your target market with your must have solution. They must have the creativity to figure out unique ways of driving growth in addition to testing/evolving the techniques proven by other companies.

An effective growth hacker also needs to be disciplined to follow a process of prioritizing ideas (their own and others in the company), testing the ideas, and being analytical enough to know which tested growth drivers to keep and which ones to cut. The faster this process can be repeated, the more likely they’ll find scalable, repeatable ways to grow the business.

 
 
【グロースハッカーとは何か?】

グロースハッカーとは真に重要な目標を「成長」に向けている人です。彼らが実施する全ての施策は、ビジネスをスケールさせるのにどのくらいの効果があるのか?そのポテンシャルが徹底的に考えられています。

継続的な成長をしていくためにはグロースハッカーは重要な役割だと言えます。

幸いなことに、あなたの会社が成長に直接的な効果がない施策を排除していく時に、グロースハッカーは恐らくマーケティング担当責任者(もしくは既に必要なスキルを持っている社内の人間)をアサインするのと比べれば、雇うのが簡単なはずです。エンジニアリングやセールスのバックグラウンドを持つ素晴らしいグロースハッカー達に会ってきた私はそう思います。

グロースハッカーの共通の特徴と言えば、成長のため、それから起業家のように事業を推進することにおいて責任を取る能力を持っているということです。真のグロースハッカーは、あなたのターゲットマーケットと、あなたの持つソリューションを繋げることに燃えるような情熱を持っています。

グロースハッカーは、他社で行われた効果が証明されている手法をテストしたり、発展させたりするのに加えて、成長を促進させるユニークな方法を見つける創造性を持っています。

実績を上げるグロースハッカーは、施策を行うアイディア(自身のアイディアや企業内の他の人のアイディア)に優先順位を付けること、そのアイディアをテストすること、そしてテストする成長施策のうち、どれを続けて、どれをカットするのかを判断するのに十分に分析的になること、この手順を守っていく必要もあります。

このプロセスが繰り返されるのが速くなればなるほど、より彼らはビジネスを成長させるための大規模で反復性のある方法を見つけるでしょう。

グロースハッカーとは何か、簡単にまとめると…

【グロースハッカーとは、】

  • 自身の活動の目標を「成長」に置き、そのことに責任を持てる人間。
  • ターゲットマーケットへのリーチ(マーケティング)に燃えるような情熱を持っている。
  • 既存のマーケティング手法を発展させる、新しい方法を生み出せる。
  • エンジニアだろうが、営業だろうがバックグラウンドは問わない。

 

【そして、優秀なグロースハッカーは、】

  • 実施するマーケティングに優先順位を付けることができる。
  • 自らテストを行うことができる。
  • 施策の効果を見て、続けるもの、続けないものを取捨選択ができる。
  • 改善スピードが速い。
  • ビジネスを成長させる大規模かつ反復性のある方法を見つけることができる。

 

意外に思われるかもしれませんが、氏の言うグロースハッカーは必ずしもエンジニアである必要はないということです。

グロースハックの「ハック(ハッキング)」という言葉がどうしても、ハッカソンをはじめ、テクノロジー分野で使われることが多いため(もしくはサイバーテロを始めとしたクラッキングと同義に使われるため)、システム開発の力を持っている人間がグロースハッカーと呼ばれることが多いです。

しかし、上記のようなビジネス感覚を持ったWEBマーケッターがグロースハッカーであり、システムに強い人間もいれば、WEBデザインやコンテンツマーケティングに強いグロースハッカーもいるというわけです。

では、グロースハッカーが行う仕事(グロースハック)はどのような内容なのか?

現在、様々な定義がグロースハックにはありますが、成長をハックする。ショーン・エリス氏の言われた内容を加味すると、以下のように定義をして良いかと思います。

「ビジネスの継続的な成長(グロース)×IT、WEBにおける高い技術力による仕組化(ハック)」

 

グロースハックは、サービスやプロダクトを成長させる施策と定義されることが多いですが、必ずしも成長の対象となるのはサービスやプロダクトだけでなく、採用活動でしたり、ブランド価値を高めることでしたり、ファンを集めるというケースにも行われます。

これらをITやWEBの技術を使い、継続的な顧客獲得や売上を伸ばすなど、ビジネスを成長させる仕組み作りをしていくのがグロースハックです。

よりイメージが沸くように世界的に有名なグロースハック事例を通して説明をしていきたいと思います。

1.Dropboxの紹介インセンティブによるグロースハック
2.AirbnbのCraigslistを使ったグロースハック
3.上記2つのグロースハック事例に共通していることは?

 

Dropboxの紹介インセンティブによるグロースハック

オンラインストレージサービスのDropboxが会員数を1億アカウント以上に引き上げたグロースハックはとても有名です。
この成長をもたらしたのは主に、以下の(1)と(2)の施策によってです。

  • (1)インセンティブ付与によるプロモーション。これは、友達を紹介してくれたら500MBの容量を紹介者にプレゼント。MAX16GBまでプレゼントするという施策を打った他、SNSと連携をすることで100MB程度のプレゼントを行った。
  • (2)トップページのイメージ変更、登録フォームの最適化、使用開始に至るまでの遷移の最適化など、ABテストを重ねてコンバージョンを最適化。

グロースハッカーは基本的には上記(2)のように、0.01%のコンバージョン率上昇にこだわり、情熱的に細かい改善を重ね続ける存在です。時にそれはアクセスアップの施策でしたり、顧客増加のための施策でしたり、反復購入回数アップの施策だったりします。

「売上=顧客数×販売単価×反復購入回数」

上記は、マーケティング界の巨匠ジェイ・エイブラハムが提唱した「売上」を分解した方程式です。WEBの世界ですと、「顧客数」を更に分解して、以下のように言われることもあります。

「売上=顧客数(アクセス数×コンバージョン率)×販売単価×反復購入回数」

グロースハッカーは、上記の要素のどこを伸ばせば売上が伸びるのか(ビジネスを成長させられるのか)を徹底的に考え、改善(ハック)を重ねていきます。これを繰り返すことでとてつもない売上を生み出すWEBサイトや、仕組みが完成していきます。

その取り組みの中で、上記(1)のような伝説的なグロースハックが生まれることもあります。

(1)は顧客数を爆発的に増やしたハックであり、この施策の導入がユーザー獲得を永続的に60%増やすことに繋がったとDropboxのCEOが、とあるカンファレンスで語っています。どの期間でという言及はありませんでしたが恐らく毎月100,000ユーザーの登録が、毎月160,000ユーザーの登録になったという意味かと思います。

 

AirbnbのCraigslistを使ったグロースハック

こちらはAirbnbがCraigslistを使って、約1,000万人ものユーザーをお金を掛けることなく僅かな施策で獲得した事例です。
Craigslist… CtoCをメインとした様々なカテゴリを持つアメリカの巨大な売買コミュニティサイト

 

Airbnbのグロースハッカーが行ったことは、CraigslistのバケーションレンタルのカテゴリがAirbnbのユーザーと被ることから、Airbnbへの投稿がCraigslistにも自動で投稿できるようにしたということです。

これにより膨大なユーザーを持つCraigslistから大量のユーザーがAirbnbに流れ込み、約1,000万のユーザー獲得に繋がったということです。仮に1ユーザー獲得の価値を3,000円とするのであれば、これは実に300億円もの価値ある施策だったと言えます。

こちらは、上記でお話しました売上の方程式で言いますと、

「売上=顧客数(アクセス数×コンバージョン率)×販売単価×反復購入回数」

アクセス数を爆発的に向上させたグロースハックになります。

 

改めてグロースハッカーが何者か考えると・・・

さて、ここで改めてグロースハッカーが何者かを考えてみたいと思います。

上記の2つのケースからも分かりますが、グロースハッカーは、ビジネスを成長させるための強い情熱を持ち、そのビジネスを爆発的に成長させる急所を突いた施策を次々に試していくことで、売上が半永久的に自動で増え続ける仕組みを作り上げるWEBマーケティング担当者と言って良いかと思います。

なぜ、WEBマーケティング担当者なのかというと、行うことはWEBマーケティングの延長だからです。

上記のDropboxの例を見ると、行っていることはCRO(コンバージョンレート最適化)、EFO(エントリーフォーム最適化)、バイラルマーケティング、リファラルマーケティングですし、Airbnbのケースは、ある種アーンドメディアマーケティングとも言えます。

上記は全てWEBマーケティングの方法論です。

では、グロースハッカーは普通のWEBマーケティング担当者と同じなのか?と言うと・・・

幅広い技術を持ち、自身で全てを実行でき、売上の構成要素である顧客数、アクセス数、コンバージョン率、販売単価、反復購入回数などを、様々な施策のテストによって、最大化させる解を導き出していくことでビジネスをスケールさせるというのは一般的なWEBマーケティング担当者ができるかな、と言うと中々難しいと思います。

 

グロースハッカーの第一人者アーロン・ジン氏によると

グロースハッカーの第一人者であるアーロン・ジン氏は、とあるカンファレンスでグロースハックについて以下のように語りました。

“mindset of data, creativity, and curiosity.”

グロースハックとは、データと創造性と好奇心におけるマインドセット(思考法)だ。

面白い視点で語られています。
正にグロースハッカーの真の構成要素が上記かなと思います。

データを見るところまでは、WEBマーケティング担当者もグロースハッカーも行います。
大きな違いは、連続的な改善名施策を打つ際の、この「創造性」と「好奇心」かなと思います。

上記のDropboxの例ですと、紹介のインセンティブを付与してみる。ということを考えたり、
Airbnbの例ですと、Craigslistからアクセスを引っ張ってみようと考えたりする訳です。

また、好奇心が強く、色んな施策の効果を見たくて実行していくことができます。

もちろん、そのためにはWEBマーケティングの知識全般と、それを実行できる技術力が必要です。
こういった施策を成長という目的に向け、自らの力で連続的にテストをしていき、成長の最大化をしていきます。

では、グロースハッカーの仕事をする上で鍵は何なのか?
鍵となる2つのアクションを説明したいと思います。

 

鍵となるアクション1:高速な改善

グロースハッカーは、ビジネスが大規模に、かつ半永久的に売上が上がる仕組みを作り出さなければいけないので、そのための手数がとにかく必要です。そして、継続する施策、継続しない施策を選択していくので高速に改善していく力が求められます。

では、何を改善していくのか?ということですが、通常は以下の式のいずれかの要素です。

売上=顧客数(アクセス数×コンバージョン率)×販売単価×反復購入回数

上記を更に分解すると、アクセスでしたら検索エンジン経由、ソーシャル経由、メールマガジン経由など様々なありますし、コンバージョン率でしたら、キャッチコピー、ライティング、購入ボタンの色など様々あります。

また、グロースハックを語る際にAARRRが鍵だという話がよく上がりますが、ビジネスモデルによってはAARRRの要素の改善がビジネス成長の鍵とあるので、その要素の改善をしていきます。

※AARRRとは、Acquisition(ユーザー登録)→Activation(利用開始)→Retention(継続利用)→Referral(他者への紹介)→Revenue(収益の発生)というWEBサービスの収益発生までの流れを示したフレームワーク

急激な成長のためには大量の要素を改善しなければいけないので高速な改善が求められまずが、しかし、高速な改善というのは中々簡単なことではありません。

というのは、WEBの改善のセオリーで「一度に2か所以上の改善はしてはいけない」ということがあるからです。

例えば、キャッチコピーと購入ボタンの2カ所を改善したとします。キャッチコピーの変更で0.2%コンバージョンが上がっていて、購入ボタンで0.2%コンバージョンが下がっていたとします。

そうすると、どの改善が効果的だったのか分からなくなってしまいます。
そのため一つ一つ改善を行います。ではどうやって高速にそれを行うのかと言うと…

 

  • まずはデータ分析からサイト上で改善できるポイントを全て洗い出します。
  • お互いに干渉し合わない改善ポイントをグルーピングします。
  • 干渉し合わない改善ポイントの中で最も売上や顧客獲得へのインパクトが大きいと判断される順に並べます。
  • 干渉し合わない範囲で全ての改善を施します。
  • 改善後、300アクセスのデータが溜まったら次の改善を行います。

データの母数は統計学的では300以上あることが望ましいですが、元々3%あったコンバージョンが0.2%になってしまったなど、100程度のアクセスの母数でも十分に判断できるケースもあります。

 

上記を繰り返すことで、複数の改善を同時進行で動かすことができます。上記がグロースハックの一つ目のポイント、「高速な改善」です。なお、上記はあくまで当社で最も有効であると考える手法を述べています。

鍵となるアクション2:イノベーション

高速な改善と、もう1つ重要な鍵がイノベーション(これまでにない新しいWEBマーケティング施策)です。

これは先ほど述べたDropbox、Airbnbの例がそれに当たります。

これがグロースハックの醍醐味であり、グロースハッカーの力が求められるポイントです。
ショーン・エリス氏の言葉の中では、「既存のマーケティング手法を発展させる、新しい方法を生み出せる。」この部分を指しており、アーロン・ジン氏の言葉の中では「創造性、好奇心」になります。

例えば、Airbnbの例はバイラルマーケティングやリファラルマーケティングの進化形ですし、craigslistの例はアーンドメディアマーケティングの進化形です。

WEBマーケティングの教科書には載っていない創造的で、新しい施策であり、かつ、それが永続的な顧客獲得を生む仕組み化になっています。

有名な事例をもう一つお話します。

グロースハック・グロースハッカーという言葉が最も注目を浴びたのが、前述したAaron Ginn(アーロン・ジン)氏が、アメリカの選挙でロムニー候補の下、1億8,000万ドルもの献金を集めた施策です。

有名なのは、献金画面にプログレスバー(今このくらい溜まっているということが視覚的に分かるゲージ)を設置したことですね。

これは施策の中の一部ですが、様々な改善をデータに基づき行うことで、支持者の数を3倍以上にしたようです。

行っていること自体はシンプルなので、「このくらいなら私にもできる」と思われるかもしれませんが、プログレスバーはファンドレイジングなどのサイトでは使われていたものの、選挙の献金サイトで用いるのは常識にはない概念でした。

アーロン・ジン氏は、グロースハックを以下のように定義した理由も氏の取り組みを見るとよく分かります。

“mindset of data, creativity, and curiosity.”
グロースハックとは、データと創造性と好奇心におけるマインドセット(思考法)だ。

上記のように、他業界で成功を収めている施策などを積極的に応用するという創造性も大事ですし、それを実行してみようと好奇心も大事です。

ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、クローズアップされない部分で膨大な改善は重ねたはずですし、泥臭いコンバージョンアップのためのABテストも大量に行ったはずです。

WEBマーケティングの幅広い知識と実践できる技術を持ち、その力によって成長のための絶え間ない改善を行う、そして時に、これまでのWEBマーケティングの教科書には載っていない業界初の創造的な施策を打っていくこと。

これがグロースハッカーと呼ばれる人たちが行っていることです。

グロースハッカーは、新時代のWEBマーケティング職であり、WEBマーケティング業界に新しい方法論を生み出すイノベーターとも言えるかもしれません。

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